王様のキャリー

  • 講談社 (2024年8月22日発売)
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  • 本 ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065364949

作品紹介・あらすじ

「キャリーしてやるって言ってんだけど」

憧れのeスポーツプレイヤーは車いすに乗った少年だった──!
審査員絶賛の第64回講談社児童文学新人賞受賞作、ついに書籍化!

★主な内容
中学二年生の勝生には、最近ハマっているeスポーツのストリーマーがいる。
名前は「lion」。不遜な態度と、見るものを魅了するプレイングから、ついたあだ名は「王様」。
ある日訪れた病院で出会った車いすに乗った少年の声は、lionそのもの。
思わず正体を確かめた勝生に、lionことリオは、「ゲームでキャリーしてやる」という。
ゲームを通じて友情を深める二人だが、ある日、大会の招待状が届き……。
読む者の心を震わせる、「王様」と「家臣」の友情ストーリー!

感想・レビュー・書評

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  • 中学生が主人公の小説の多くは、部活やクラスでの人間関係が核となっているが、本作はそのどちらでもないところが新鮮だった。

    物語のキーとなるシューティングゲームについてほぼ知識はなかったが、勝生とリオのやり取りを読むだけで十分理解することができた。

    リオのゲームの手腕に憧れ、障がいのことはあまり目に入らない勝生と、自信家ながら自身の障がいに屈託を抱えるリオ。
    不器用ながらも互いを思いやり、相手の為に何ができるかを一生懸命考える姿に胸を打たれた。
    本を読みなれない生徒でも読みやすいページ数で、内容的にも引き込まれる作品だと思う。

    しかし正直なところ、世界中で起きている紛争を考えると、いかにeスポーツと言えどシューティングゲームに夢中になられるのは複雑な気分になってしまう。世代間ギャップなのかもしれないが...
    2024.7

  • ゲームが好きな人には伝わりやすい物語かも。
    ゲームプレイ場面が殆どですが、
    言いたい事を飲み込むような純粋なところがある性格の主人公が
    車椅子ユーザーの王様を通して少し成長しているのがよく伝わります。

  • 病院で出会ったのは憧れのeスポーツのストリーマーだった

    王様とあだ名されるlionと友だちになった勝生はオンラインゲームで“キャリー”してもらいレベルが上がっていく
    一方、車イスユーザーのlionは人前に出て、気遣われることも不愉快に感じている

    そんなlionのもとに大会の招待状が届く
    勝生はみんなにlionのプレイを観て欲しいのだけど…

    ○ど真ん中の青春小説!
     ゲームの知識がほぼ無いのですが、それでも追いかけられた
     2人がそれぞれの葛藤を自分で乗り越えていくのが良いな!

  • 5年から。ゲーム実況者lionのファンな勝生はそんなリオに病院で運命の出会う。口は悪くストレートだが自分を曲げないリオと、自分らしく思いやることができる勝生がゲームのキャリーを通して、お互いのあり方を認め感謝し合える親友になっていくお話。ラノベぽいと思いながら読み進めるとしっかりテーマも見えてきて、娯楽的な楽しさだけでなく文学で見え方が広がる楽しさへとステップアップできる本。

  • 今の時代の子供が主人公なので、共感できるところもあるだろうし、ゲームが物語の鍵となるので、比較的読みやすいです。ゲームが好きな人、友達関係で悩んでいる人にもオススメ!

  • 中学2年生の勝生(かつき)が病院で出会った車いすの少年は、lionと名乗る人気のeスポーツ動画配信者(ストリーマー)だった

    ヒールのような態度から視聴者に「王様」と呼ばれるlion=リオのプレーにあこがれていた勝生にリオが言う

    「……連れてってやろうか」

    リオのキャリーでゲームのランクをあげていく勝生だったが……

    《一気読み必至の、今どきeスポーツストーリー!》──帯の紹介文

    著者は第4回(2015年)「角川つばさ文庫小説賞一般部門」の金賞受賞作を改題・改稿した『らくがき☆ポリス』(つばさ文庫)で2016年にデビューした1990年うまれの若手作家

    本作で第64回(2023年)「講談社児童文学新人賞」を受賞、2024年8月刊

    《ゲーム好きでもそうでなくても、夢中で読めること間違いなし!
     笑って泣けて、大切なことを教えてくれる、最高のエンタメ作品です!》
    ──如月かずさ(選考委員)

    ちなみに「キャリー」とは、上手なプレーヤーが下位のプレーヤーと組み、勝利に導いてあげること

    キャリーされるだけだった勝生がキャリーする側に変わっていくところが読みどころの成長小説

  • たしか、中学受験雑誌のおすすめにあって子どものために借りた本。子どもは最初はいやそうだったが、夢中になって読んでいた。そんなに子どもの心を掴むなんて、さすがおすすめされている本は違う!とのことで、私もワクワクしながらパラパラとページをめくってみた。なるほど。子どもが夢中になる理由がわかった。ネットゲームを主軸に物語が展開。ゲームを物語に出来るってすごい。今の子どもたちはこういう風に友情を育むのか。私も子どもとゲームをやってみたい気持ちも若干出てきたかな。

  • 娘に勧められて読みました。
    ジュブナイルとはかくあるべしな友情物語。
    多用されるFPSの視点変更は、目線を変えるだけで、世界が全然違って見えることを暗示しているように思える。
    Lionの強さとリオの弱さ、katuの弱さと勝生の強さが対になっているところも、人は互いにキャリーして、弱さを補い合っていくんだって素直に思わせてくれる。
    よい本でした。

  • 感動した。
    涙がすごい。
    読む前は、児童文学だからとか
    短いのだからと思った。
    だけど、笑って泣けていいなと思った。
    信頼の形とキャリーというキーワードが
    いまはとても刺さった。
    とても良い本だった。
    これからは児童文学もまた少しずつ読みたいと思った、アラサーです。

  • eスポーツを題材としたYA小説。難易度的には高学年~。ゲームが好きな子にはとっつきやすそう。

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著者プロフィール

1990年真夏にうまれ、ひまわりがすき。しし座のO型。散歩と寄り道がとっても好きです。2015年、第4回角川つばさ文庫小説賞一般部門【金賞】を受賞し、デビュー。

「2019年 『らくがき☆ポリス(7) 「好き」の奇跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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