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Amazon.co.jp ・本 (392ページ) / ISBN・EAN: 9784065365670
作品紹介・あらすじ
「お前のためを思って言っている」「お前は黙って従っていればいいんだ」「誰のおかげで食ってこられたと思ってるんだ」
これ、うちのことじゃんーー全国の書店員さん騒然!
郊外の住宅地に住む五十代の専業主婦、新井妙子。
ある日、隣の家で殺人事件が起きる。被害者の隣人が著名な大学教授だったこと、一人息子がいたことを、妙子は事件を通じて初めて知る。
平穏そうに見えた隣家で何が起きていたのかーー事件はやがて、妙子自身の家庭の闇をあぶり出していく。
『誰かがこの町で』で「同調圧力」を、『シャドウワーク』で「DV」を描いた異色のサスペンス作家、今回のテーマは、この国に根深く残る「家父長制」!
感想・レビュー・書評
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それは小さな偏見から始まる… 未だ残り続ける家庭と社会の問題を描いたスリラー&ミステリ #氾濫の家
■あらすじ
厚木の住宅街に住む専業主婦の新井妙子。ある日、彼女の自宅を警察車両が取り囲んだ。どうやら隣の正木家で殺人事件が起こったらしい、警察官が事件について聞き込みに来る。
妙子が怪しい人影を見たにも関わらず言いよどんでいると、夫の篤史が機嫌がよくない態度で帰宅してくる。隣家では何が起きていたのか、そして妙子が見た人影とは…
■きっと読みたくなるレビュー
隣で起こった殺人事件をきっかけに、家族の関係性を詳らかに描いたサスペンスフルな社会派ミステリーです。
主に専業主婦の妙子、夫の篤史、刑事加賀美の三人の視点で物語が展開されます。筋としては正木家の殺人事件を追っていく話ではあるんですが、むしろ描いている中心は新井家の面々なんです。
男社会を地で行く傲慢な性格の篤史、結婚してから姑や夫に虐げられ続けてきた妙子、既に実家を断ち切っている娘と浪人生の息子。
はっきり言ってしまえば悪の権化は夫の篤史、読めば読むほど腹が立って腹が立って。性悪な人物像が憎たらしいほど良くかけてるです、マジ声あげちゃうレベルでイラりんこですよ。
昭和時代によくあった家庭だねーって思われるかもしれませんが、いえいえ、令和の現代でもある話です。ある知人のご家庭がまさにこんな感じ、モラハラ家庭は現代でもあります。もちろんレベルの大小はありますが、本質的な部分は同じ。自分のやり方を決して変えないんですよね。
妙子も辛い結婚生活ではあったけど、子どもたちがいて本当によかった。人類において家族というのは、もっとも小さなチームですが、もっとも深い絆をもつ集まりですよね。
さて正木家で起こった殺人事件、とある不思議な点があるのが特徴。ここに謎がシンプルながらも興味深かったです。
いまだ現代に残る社会問題に対してどう向き合っていくのか… 作者から問いかけれているような気がして自身のこれまでの価値観や行動を内省せざるを得ませんでしたね。
■ぜっさん推しポイント
それはほんの小さな偏見から始まるんです。
たったひとりが思ってただけなのに、そのうち態度に出て、次に口が出て、攻撃するようになり、武器を手に取るようになり、最後には組織化していく。
本作は「闘う」ことの大切さを提言しているのだと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
重いな、佐野広美さんの作品は、ホント重いっ!けど、スゴイ!!
主人公は新井妙子、50代の主婦。夫の篤史は大手建設会社に勤めている。長女の順子はシンガポールに行ったきりで、長男の将一は予備校に通う浪人生という家族。ある日、隣の家に住んでいる大学教授が殺害される事件が発生する…。
この妙子の夫、篤史がとんでもない、嫌なヤツで…ムカムカしちゃいましたねぇ!何様のつもりだぁ~!!とか、言いたくなっちゃいます。昭和の時代じゃあるまいし…!!でも、昭和の時代でもね、一筋縄で行かなくともどうしようもない頑固者でも、間違ったことをしない、言わない素敵な人もいますよね…。だから、救いがない…。けど、それだけでは終わらないところがよかったです。-
1Q84O1さん、おはようございます。
昭和の頑固おやじも、筋が通っていればいいけど
そうでなければ、ただのワガママおやじですよ(^-^...1Q84O1さん、おはようございます。
昭和の頑固おやじも、筋が通っていればいいけど
そうでなければ、ただのワガママおやじですよ(^-^;
今は、家事も育児もなんでもこなして
奥様の手助けをしてくれる、旦那様が理想ですよ♡2025/03/18 -
理想の旦那様はまさにσ(゚∀゚ )オレ
うそです…
ごめんなさい…
奥様のフォローを頑張ります(_ _;)理想の旦那様はまさにσ(゚∀゚ )オレ
うそです…
ごめんなさい…
奥様のフォローを頑張ります(_ _;)2025/03/18 -
1Q84O1さん
あはは(*^▽^*)
そんなに速攻否定しなくても…
でも、頑張ってくださいね!奥様をしっかりフォローしてください!1Q84O1さん
あはは(*^▽^*)
そんなに速攻否定しなくても…
でも、頑張ってくださいね!奥様をしっかりフォローしてください!2025/03/19
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隣家で殺人事件が起きたことに驚いたのは、50代の専業主婦・新井妙子である。
何が起きたのかわからないのは、隣りが大学教授の夫と研究所に勤める妻という共働きの夫婦で挨拶程度の付き合いしかなかったからだ。
だが、それだけではなかったのかも知れない…。
隣りの事件捜査と並行してわかっていくのは、妙子の家庭内でのことである。
モラハラ夫に反抗して出て行った娘と予備校に通う息子だが、そのうち息子までが家を出て行く。
夫が会社で何をしているのかさえ把握できていない妙子だったが、隣りの家の殺人よりも我が家がどれだけ異常だったかを子どもが出て行ってから気づく。
家庭内で起こることは、家庭内に留めておき、うちはどこにでもある普通の家庭ですと思わせるのが一般的というのだろうか。
多かれ少なかれ揉め事はあるだろうが、家の恥は隠してしまう。
何もないように振る舞う。
何かが起きたとき慌てるのである。
隣家から見たら我が家はどうなんだ…。
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読後感、とっても悪い。
昭和感満載(こう言うと昭和に失礼なほど)なパワハラ、モラハラ夫と、セットの姑。それにただただ従い思考を奪われた妻。
この手の登場人物が、私は本当に苦手みたい。
心の中で「はぁ〜?」と、それぞれの言動に嫌悪感を抱きながら読んだ。
でも、気分が悪くなりながらもしっかり最後まで読ませてしまうのが、佐野広実さんの力なんだろうな。-
2025/04/05
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あ!この人、実はそうだったんだ!そっか、私と同じね・・・、という感じで、苦手だったタレントをとつぜん好きになることってありますけど、本の主人...あ!この人、実はそうだったんだ!そっか、私と同じね・・・、という感じで、苦手だったタレントをとつぜん好きになることってありますけど、本の主人公にそれを感じたことはないなー、なんでだろ?って考えましたが、本の登場人物は文字通り脚本通りで、好感度逆転の機会が無いんですよね(^_^;)2025/04/05 -
確かにタレントさんではあります!菊池桃子さんとか。
以前コルベットの本棚から読ませてもらって、よりそう思いました。
本の登場人物ではなかなか...確かにタレントさんではあります!菊池桃子さんとか。
以前コルベットの本棚から読ませてもらって、よりそう思いました。
本の登場人物ではなかなかないですよね。2025/04/05
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すらすら読めた。
夫が怪物。でも、だからってあんな最後でいいの?
社会派ミステリーかと思ったけれど、イヤミスなのかも。 -
隣の家で起こった殺人事件がきっかけで、色々なことがうごきだす。
とにかく父親がひどい!
妙子が結婚生活の中でだんだん追い詰められたのがよくわかる。
読みやすくてあっというまに完読。 -
佐野広実氏は初めて読みました。静かな住宅地で起きた殺人事件。それは、新井妙子の隣の正木家の主人だった。この事件によって、正木家、新井家の内情があぶりだされてゆく。妙子の夫はとても強権的。俺は大黒柱、妻はだまって俺のいう事を聞け、というタイプ。う~ん、現代で、50歳くらいで、こういう関係の夫婦っているのかな? と疑問に思うのだが、講談社の文句ではテーマは「家父長制」ということだから、家父長制の崩壊、あるいは脱出、あるいは解放、あるいは覚醒、といったことになるのかもしれない。最初、妻妙子にも、夫篤史にもなにか嫌悪感があり読むのがいやになりかけましたが、筆運びがうまいのか、一気に読んでしまいました。正木家、新井家、著者の佐藤氏は制裁を与えた、ってことですか。ポロリ、と決着がつき、溜飲が下がりました。
妙子には建設会社に勤める夫の篤史と二浪中の長男、大学を卒業してシンガポールに行っている長女がいる。なので50歳位なのかと思う。時代は現在の設定のようだ。ところが夫の篤史は男は大黒柱、妻は黙ってオレのいう事を聞け、というタイプ。妙子は関連会社の受付にいるところを篤史に見初められたのだ。しかし息子第一の姑に「仕え」やっと先ごろ見送った。しかしこの夫篤史、100年前の人?と思うくらいのひとです。対する妻妙子も、こうなってしまうかなあ・・ やはり妻は経済力を持つべきということを改めて認識させてくれる小説。息子と娘がよく育ってくれていてよかったね、妙子さん。
講談社 本紹介
https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000395941
日刊ゲンダイ 著者インタビュー 2025.3.20
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/369328
2025.1.20第1刷 図書館 -
※
虐げられて抑えつけられ、自分を奪われて
すり減った後に、もう一度自分を取り戻す
ことはできるのか。
抑圧され長い年月を過ごしたせいで、
日々の違和感に気づけなくなった主人公。
隣の家で起きた殺人事件が、空っぽだった
主人公の中にうねりの種を落とす。
家という外界から隔たった空間に閉じ込められ、
沈みきっていた主人公の中で起る氾濫の物語。 -
#読了 #氾濫の家 #佐藤宏実
郊外の住宅地に住む五十代の専業主婦、新井妙子。ある日、隣の家で殺人事件が起きる。事件はやがて、妙子自身の家庭の闇をあぶり出していく…。
夫による壮絶なモラハラ。家父長制。時代錯誤も甚だしい。妙子が早く奴隷生活から解き放たれる事をただただ願って読んだ。 -
タイトルがドンピシャ。
どんなに嫌な登場人物でも多少理解出来る部分はあるけれど、本作に登場する夫には1ミリの共感も出来なかった。
テーマはズバリ「家父長制」。
家族をお前呼びし命令口調で自分に従わせる夫。
時代錯誤でもなんでもなく、令和の今でもこんな男性の話は幾度も耳にする。
妻が言う「すり減っていく感覚」に共感。
それは私であり多くの女性たちの心の声だと思う。
自分の言動がモラハラだと気付いていない時点で修復は不可能だ。
抑圧からの解放を願い、子ども達のように反乱を起こせと念じるように読んだ。
まさに氾濫して当然の家だ。 -
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DV夫の家庭環境を描いた作品。
隣の家でも殺人が起き、家族とどう繋がっていくのか、先が気になる内容です。
ページ数は400で、文字数も結構ありますが、テンポよく進み、一気に読めると思います。
読み応えのある一冊です。オススメ。 -
どちらかといえば裕福な家庭が並ぶ住宅地で、殺人事件が起きた。現場隣の家の主婦・妙子はその事件をきっかけにして、自らの家庭の異常さを否応なしに認識させられていく。凄惨な事件よりも、一見何もなさそうな家庭の闇が恐ろしいサスペンスです。
一軒家に住み夫は一流企業に勤めており生活には不自由のない、一般的には「幸福な家庭」を持つ妙子。しかしその実態はにはぞっとさせられます。暴力こそ振るわないものの、暴言と抑圧で束縛し支配する夫。子供たちにも軽蔑され、なにひとつ自分の楽しみを持たないままに漫然と日々を送る妙子は、まさしく牢獄にいるのと変わりません。だけどこの状況をはっきりと認識しているのって、妙子の子供たちだけのような気がして。妙子自身も自身の境遇に満足しているわけではないけれど、あえて抜け出そうともしないし改善すら試みないのが、心配であり恐ろしくもありました。
夫の篤史はとにかく腹立たしい人物です。だけど読むうちに、腹を立てるよりも哀れになってきました。彼は自分がとても有能で強い人間だと思っているけれどそうじゃないし、さらにいうと自分の弱さを自覚していて、だからこそより一層横暴に振舞っているのじゃないかと。なるほど、妙子や子供たちが彼と決別するのは「逃げる」よりはむしろ「捨てる」なのだなあ、といたく納得しました。
物語の発端は殺人事件だけれど、それよりもずっと恐ろしい家庭の悲劇。やがて起こりうる氾濫から無事に逃げ出すことができるのか。とにかくしんどいのに、読む手の止まらない一冊です。 -
隣人の殺人動機が抽象的すぎて理解ができなかったので最後はしっかり読めなかった。
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郊外の住宅地で起きた殺人事件をきっかけに、隣に住む家族が崩壊していくというミステリー小説。
著名な大学教授が殺されるが、その犯人を探る推理よりも、背景にある社会的な背景や家族心理に力が注がれている。
隣家に住む50代の専業主婦・新井妙子は、家父長制を重んじる会社員の夫の強権的な扱いに隷属してきた。
封建的な姑にいじめ抜かれながらも、彼女を介護し、最後を看取った。
娘や息子は何も自分から言い出せない、変わろうとしない妙子に愛想を尽かせていた。
夫・篤史の会社はそこそこの規模の建設会社だが、社長は外国人ヘイトの傾向があり、政治家とも癒着、裏事情のあるリゾート開発構想を進めていた。
また、殺された大学教授・正木芳光は、正社員を削減し派遣社員を重視する主張し、企業寄りで政府の方針に近い姿勢を打ち出していた。
この殺人事件を担当する加賀美刑事は、政府を阿る上層部の捜査方針に疑問を感じ、独自の捜査を進めるが、それが露呈し、担当を外される。
外国人排除から、税金投入や公的問題への口出しに論点を持っていくこと、派遣切り、体制や権力に阿る組織の姿勢を問題視し、加賀美刑事や正木家、新井家の子どもら家族の真っ当な考え方が最後の収束を導く形で締めくくっている。 -
以前読んだ「誰かがこの街で」がまぁまぁ良かったので、別の作品も読んでみようと思い読みましたが、ちょっと期待外れでした。
文書も読みやすく展開も面白くて、興味深く読み進める事が出来ましたが、物語の深さが無かったかなぁ、、、
隣家の殺人事件と、主人公の夫の会社ぐるみでの犯罪と、二つの事件が同時進行で絡み合いながら進んで行くのは面白かったのですが、結局どちらもどこか煮え切らない事件解決で、ハラスメント親父が2人死んでスッキリしました的な終わり方でした。 -
「同調圧力」「DV」などをテーマに社会問題を描いてきた作者が家庭内の支配、レイシズム、ミソジニーなど社会に蔓延る人権侵害をテーマに描いた作品。
隣家で起こった殺人事件を発端に壊れていく家庭の姿を中心に描いていくのだが、この新井家の主が本当に胸糞悪い。昭和一桁生まれならいざ知らず、51歳でここまでのことを口にする(思っている人間は数多くいるだろうけど)人間が未だにいるものかと呆れる。そしてそんな糞男に唯々諾々と従う主婦の妙子もまた歯痒い。
新井夫婦、隣家の夫婦、新浪建設の社員、野間、そして刑事まで登場人物が悉く歪んでいる。まあ、人間なんて皆ある程度歪な存在なんだろうけど、ここまで揃うと読んでいて気持ちがざらつく。
言葉にすれば陳腐になるからと本当の動機を語らない犯人には疑問だし、それならただの自己満足で、問題提起にもならないんじゃないかな〜という感想。
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全国の書店員さん騒然…と宣伝に書いてあるが全くそう言った内容では無かった。目新しさ新鮮さもなく、小説としての出来も疑問に感じるほどだった。何度か出てくる旦那のパートはあまり読んでも意味が無いので飛ばし読みしました。
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湊かなえの二番煎じ。モラハラ、パワハラをふんだんに入れ、読む人をゲンナリさせる。挙げ句の果てに家が崩壊していく。
私にはこの類の小説は性に合わない。 -
隣の家でおきた殺人事件をめぐるミステリーと一見思いきや、家庭の闇、モラハラ夫など様々なものが重なり合っている。最後はスッキリ、なのかな。因果応報。分厚い本ですがあっという間で面白かった。まさに主人公宅は氾濫の家。
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