一九八四

  • 講談社 (2024年9月26日発売)
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感想 : 6
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  • 本 ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065370919

作品紹介・あらすじ

不朽の名作『1984』
画期的新訳愛蔵版!

山形浩生(『21世紀の資本』訳者)×つくみず(『少女終末旅行』)
解説 木澤佐登志「現実に対峙する一つの武器として『一九八四』は今こそ読まれる必要がある」

主人公ウィンストンは、ビッグ・ブラザーと党が支配する、どこが相手かもはっきりしない戦時下の超管理社会オセアニアの真実省で、公式の歴史改変を担当している。だがふとしたきっかけで禁断の日記を書き始め、そして若いジュリアとの禁断の逢瀬にふける中で、次第に自分の暮らす社会に対する疑問と反発を強める。しかし反政府組織に参加したと思った瞬間、彼は国家に捕らえられーー現在のハイテク監視社会、情報操作とフェイクニュースによる大衆支配、戦争やテロを口実にした社会的自由の制約、密告と労働改造所や矯正収容所の思考操作、社会階級の固定化と格差社会、その他現代管理社会のありとあらゆる側面が恐ろしいほどの密度で詰め込まれた、不世出の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • ジョージ・オーウェルの『一九八四』はこれまでにも何度か翻訳されている。
    特に今手に入りやすいハヤカワ文庫から出ている高橋和久翻訳のバージョンが一番ポピュラーではある。他にも角川文庫から出ている田内志文版も手に取りやすい。
    この2作が2025年現在手に取りやすい2つのバージョンである。

    山形浩生翻訳の『一九八四』のこのバージョンは30年ほど前から翻訳に取り掛かっていたもので、これまで山形浩生のHPやKindleでの購入で読むことが出来た。
    そんな山形浩生翻訳の『一九八四』が書籍版として出ることになった。
    山形浩生版の『一九八四』は以前から評判が良いのを聞いていたからこの書籍版はかなり嬉しい。
    読んでみるとこれまで読んだどのバージョンよりも読みやすく作品世界に入り込みやすかった。
    特に何よりも主人公ウィンストン・スミスと恋仲になるジュリアの描写がとても良かった。
    ここまで変わるものかと驚いた。

    あとハヤカワ版はトマス・ピンチョンによる解説があるのも良いが、山形浩生版の解説も良かった。

    ハヤカワや角川の文庫版と比べると多少値段は上がるが、それでも海外文学の単行本にしてはかなり安いほう。今現在手に入る『一九八四』のバージョンでは本書がベストだと思う。

  • これはかなりユニークで個人的な読みに淫してしまったものと認めたうえで書くなら、憎悪によって彩られた世界が徐々に主人公とヒロインの性愛をからめた進行によって色を取り戻すその展開に胸打たれる。それこそ、白黒だった世界がカラーに変わるような……過褒だろうか。そして最後に主人公が見出す境地について、その「愛」とは報われうるものだろうかと思いを馳せてしまう(たしかに主人公の中で「合一」は果たされ、世界は調和・秩序を取り戻したのだろうけれど)。女性の魅力の描き方には異論を抱けど、この千里眼ぶりにあらためて畏怖を覚える

  • 2024/10/19読了。
    読みやすくて良い訳だった。若い人が初めてこの作品に接するのに適した訳だと思う。
    付録として収録されているオーウェルのエッセイと、訳者あとがき、解説が、この作品を「いま」読むことに現代的な意味と価値を付け加えている。良い編集がなされた本だと思う。

  • 本屋で少し読んだけど、結構買うか迷う。挿絵も個人的には無くていいような気もする。

  • 暗かった覚えがある

  • 第Ⅰ部
     第1章 【2024.10.19】
     第2章 【2024.10.20】
     第3章 【2024.10.21】
     第4章 【2024.10.22】
     第5章 【2024.10.23】
     第6章 【2024.10.24】
     第7章 【2024.10.26】
     第8章 【2024.10.27】

    第Ⅱ部
     第1章 【2024.10.31】
     第2章 【2024.11. 2】
    第3章
    第4章
    第5章
    第6章
    第7章
    第8章
    第9章

    第Ⅲ部
    第1章
    第2章
    第3章
    第4章
    第5章
    第6章

    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000398660

    『1984』への道(ペンギン版オーウェル『1984』への序文 2003年)
    トマス・ピンチョン(訳:山形浩生)
    https://cruel.hatenablog.com/entry/2023/11/14/043834
    https://cruel.hatenablog.com/entry/2023/11/25/005207
    https://cruel.hatenablog.com/search?q=1984

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著者プロフィール

1903-50 インド・ベンガル生まれ。インド高等文官である父は、アヘンの栽培と販売に従事していた。1歳のときにイギリスに帰国。18歳で今度はビルマに渡る。37年、スペイン内戦に義勇兵として参加。その体験を基に『カタロニア讃歌』を記す。45年『動物農場』を発表。その後、全体主義的ディストピアの世界を描いた『1984年』の執筆に取り掛かる。50年、ロンドンにて死去。

「2018年 『アニマル・ファーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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