ゆきのこえ (講談社の創作絵本)

  • 講談社 (2024年11月29日発売)
3.93
  • (16)
  • (22)
  • (16)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 332
感想 : 33
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784065374719

作品紹介・あらすじ

雪が降った翌朝、あたり一面まっしろな中、はーっと白いいき。
雪の朝はしずか。

一歩ずつ雪をふみしめると「くすすすす」」と、足もとから音が広がります。
聞こえたのはゆきのこえ?

おーなり由子とはたこうしろうが描く、ふゆの朝。
かがやく雪の世界を体ぜんぶを使って感じる雪の絵本。

みんなの感想まとめ

雪の朝の静けさと、足元から聞こえる多彩な擬音が描かれた作品は、まるで雪の世界に身を置いているかのような感覚を与えてくれます。読者は、雪を踏むことで生まれる音に心を躍らせ、思わず外に出たくなる気持ちを抱...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  いつもの図書館の新刊コーナーより(2024年)。

     表紙と見返しの白と青が占める、幻想的な世界から一変して、本書の主人公である男の子の眠る家にしんしんと雪が降り続く、現実的でありながら、どこか凜とした静寂さが漂う、しっとりと落ち着いた夜中の光景を描いた扉絵からは、先程の幻想的な世界が脳裏を過ることから、何か普段とは違う特別なことが起こるのではないかといった期待感を含ませているようにも感じられて、それがおそらく、翌朝に男の子が感じた気持ちへと繋がっているのだろうと私には思われた。

     また、こうした場面転換の上手さは、ベッドで目覚めた男の子の二階の部屋のどんよりとした薄暗い光景から一変して、次の見開きの、まさに目の前がパアッと明るく開けたと実感させてくれる、外の雪景色との対照性の鮮やかさが際立ちながらも、そこには明るさだけではなく、ふわりとした雪の柔らかい様子や、はたこうしろうさんの色鉛筆の描写に感じられた(絵の全てが色鉛筆ではありません)、穏やかで優しい雰囲気が、男の子を外に出たくなる気持ちに駆り立てたのだろう、それはおーなり由子さんの文、『みんな ゆきのおふとんの したで ねむっているみたい』にも表れた、いつもとは違う特別な朝の光景を、文と絵のそれぞれから感じ取ることができる。

     そして、タイトルの『ゆきのこえ』に込めた思いについて、それは男の子が家から出て初めて雪をそうっと踏んだときの音から端を発し、彼にはそれが「くすすすす」と聞こえたことから、まるで『ゆきが わらってる!』ように感じられたことが嬉しくて、つい足跡をたくさん作りたい思いに駆られる、そんなやり取りは、まるで雪を使って一人で遊んでいるというよりも、雪と会話をしながら一緒に遊んでいる印象であったことから、おそらく男の子にとって対等な気持ちで雪と接したい、そんなまっさらな思いが「音」では無く『声』と認識させたのだろう。

     更に、そうした会話のやり取りを思わせる最たるものとして、雪だけが一方的に話すのではなく、男の子を含め皆の声を雪が聞いているんだと感じさせるような描写があり、それは男の子が思い切り音を立てながら雪と遊んでいる最中に、ふと、その手を休めたときに訪れる、キーンとした雪の日ならではの静寂さは、まるで男の子の立てた全ての音を吸収するようでありながら、そうした雰囲気を彼は『聞いている』と感じた、その感性は、まさしくお互いにコミュニケーションを取りながら、楽しく遊んでいるような親しみやすさがありながら、雪が話したり聞いたりしていると想像しながら接してみると、雪自身への印象も違って見えてきそうで、そこには、ものの見方の斬新さだけではなく、子どもにとって自然との距離感を縮めてくれるような、友達感覚の喜びを与えてくれる絵本なのだと思う。


     ちなみに、おーなり由子さんと、はたこうしろうさんはご夫妻とのことで、そういえば、一冊の絵本を共同作業で作られる夫妻って他にも結構いるよなと改めて思い、別に狙って借りた訳ではなく単なる偶然なのだが、次回の絵本もご夫妻による作品となります。

  • 雪を踏んだ時の擬音がバラエティ豊かで面白い。
    そんな表し方があったのか!って感じ。
    ぎっくぎっくぎっく…
    なんてもう今すぐ雪を踏みに出かけたい!ってなるよね。
    まぁ今は夏だけど。
    冬だとしても雪は滅多に降らないところにすんでいるんだけど。
    でもなんかこう雪が身近になったような気がしてこの絵本いいな。

  • たださんのレビューで知ることができた絵本です。ありがとうございます!

    おーなり由子さんとはたこうしろうさん夫婦で制作の絵本が気になってお取り寄せ。

    ゆきのこえをいっしょに「おとこのこ」とみみをすませる。
    しんとしずかで、ゆきのおふとんのしたでねむっているみたいな街。

    くすす、きゅっ。

    ぎっく ぎっく ぎっく

    ぱらら ぱらら

    ぱらぱら ぱらぱらぱらっ!

    ぽすん ぽすん ぽすん

    しずかなゆきのあさの澄んだ空気をまとったような心地で、心が軽やかになった。

    • たださん
      ☆ベルガモット☆さん、こんばんは♪

      読んで下さり、ありがとうございます(^^)
      雪の積もった朝の独特の静けさから、男の子と雪が遊ぶ音だけ、...
      ☆ベルガモット☆さん、こんばんは♪

      読んで下さり、ありがとうございます(^^)
      雪の積もった朝の独特の静けさから、男の子と雪が遊ぶ音だけ、明瞭に聞こえてくる感覚がとてもリアルで、この絵本を読み終えた後は、思わず雪の立てる音に耳を澄ませてみたくなりますよね。
      2025/03/25
    • ☆ベルガモット☆さん
      たださん、こんばんは♪コメントまでありがとうございます!
      ご紹介の絵本どれも魅力的で迷っちゃいます。

      雪の朝の「独特の静けさ」と「男...
      たださん、こんばんは♪コメントまでありがとうございます!
      ご紹介の絵本どれも魅力的で迷っちゃいます。

      雪の朝の「独特の静けさ」と「男の子と雪の遊ぶ音」に五感が刺激されて不思議な感覚になりました。そうそうご指摘の通り「雪の立てる音に耳を澄ませて」みたくなります!!!
      福岡でも先日雪が降りドライブの山道で少しだけ積もったので、何だか嬉しくなりました。
      2025/03/25
  • ゆきのこえ|ペンギンさんの絵本紹介 2025年1月30日
    https://note.com/penguin_ehon/n/n0aa1f34186f4

    『ゆきのこえ』|感想・レビュー - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/22170815

    おーなり由子さん「子育ての正解、お母さんの正解なんて”ない”と思ったほうが楽」【新刊『こどもスケッチ』インタビュー】LEE|集英社 2018.08.14
    https://lee.hpplus.jp/column/1167915/

    絵本作家おーなり由子さんが366日の歳時記に込めた、日々身近に感じられる“豊かさ”とは? | @Living アットリビング 2022/03/10
    https://at-living.press/culture/25720/

    かたちのない「言葉」を絵本に 作家おーなり由子さんに聞く言葉への想い - 講談社えほん通信|講談社の絵本やイベント、読み聞かせなどの情報サイト 2022.10.26
    https://cocreco.kodansha.co.jp/ehon/news/SEOoD

    はたこうしろうさんとおーなり由子さん夫妻の絵本づくり 体いっぱいで季節を感じて子どもの感性を育てる|好書好日 2025.02.17
    https://book.asahi.com/article/15612039

    村上康成×はたこうしろう 絵本作家の修行時代 - コクリコ|講談社(子どもの本通信『dandan』Vol.35 2016年11月刊)
    https://cocreco.kodansha.co.jp/cocreco/general/books/FbRgs

    Koshiro Hata(@koshirohata12) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/koshirohata12/

    はた こうしろう HP :: top
    https://www.koshirohata.net/

    『ゆきのこえ』(おーなり 由子,はた こうしろう)|講談社
    https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000399685
    -----------------------------
    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • 〝 「ゆき❢ ゆきがつもってる❢」 朝、男の子は、窓の外が明るくて、目が覚めた。あたり一面は真っ白。一歩ずつ雪を踏みしめると「くすすすす」と、雪の声が足もとから聞こえてくる…。「みんな、起きて―、朝ですよ―」 …ぱらら ぱらら ぱらぱら ぱらぱら びつびつ びつ…「つっめった―い❢❢」…〟<おーなり由子>さんと<はたこうしろう>さんが描く、冬の朝のきらめく雪世界の絵本。

  • 私の地元でも、たま〜にこれくらい雪が積もることがあります。朝の不思議な静けさ。雪の上に足を踏み出した時、確かに「くすすすす」みたいな音がしました。美しい雪の景色と、音と、冷たいふんわり感、滅多にない楽しい時間がよみがえります。
    豪雪地帯にお住まいの皆さま、どうかご自愛を!

  • おとこのこがまどのそとをみると
    ゆきがつもっていました
    うれしくて、いろんな事を思いました
    耳をすませて、ゆきのこえを聞きました ゴロゴロ寝たり、歩き回ったり

    子どものうちにいろんな、雪の遊びをしとけば良かったな〜と思いました
    大人がゴロゴロ寝たりしても大丈夫?

  • 人気絵本(漫画)作家、おーなり由子さんの新作絵本です。画は、はた こうしろうさん。
    雪が降った日の朝の新鮮な美しさと感動を、雪を踏みしめる音とともに表現した、目と耳でも楽しめる素敵な絵本ができました。
    くすす、きしし、ぎっくぎっく、ぼすんぼすん‥など雪の上を歩いた時の音と、雪に吸い込まれていくシーンとした静寂の音。どれも雪の日ならではの特別な音とともに、好奇心いっぱいの男の子がワクワクしながら駆け抜けていきます。
    赤いコートが白い雪を引き立て、投げた雪の結晶がキラキラと降り注ぎ、とても美しい絵本です。冬の季節にぴったりの、温かく優しい作品です。

    読んであげるなら年中さんぐらいから、ひとりで読むなら小学生ぐらいからがお勧めです。

  • 目が覚めて、外に雪がつもっているのを発見した男の子。全身で雪を感じ、遊んで、楽しみます。
    『どしゃぶり』、『おちば』に続く、おーなり由子さんと、はたこうしろうさんの季節の絵本シリーズ(勝手にシリーズと認識しているのですが)で、どしゃぶりの雨や落ち葉や雪といった季節の知らせを全身で味わう子どもの姿が描かれます。読むと必ず(自分でもやってみたい!)と思うような臨場感のある絵と文章です。

    いつもながら絵がすばらしいですが、タイトルにあるように、雪のこえ、新雪にそっと長靴を沈めたときの音、積もった雪の中にダイブしたときのしみいるような静かさなど、おーなりさんの捉える雪の音を表した文章が素晴らしいです。

  • 9歳9ヶ月の娘
    6歳9ヶ月の息子に読み聞かせ

    はたこうしろうさんの絵が
    とってもいいなあ
    やっぱり好きだなあ

    ゆきのこえ
    ゆきからいろんな音がして
    その表現がおもしろい

    ゆきを踏むときの音
    いい音だよねえ

    こんなふうに朝いちばんの
    しーんとした
    静かな美しい雪の朝に
    体いっぱい雪を感じて遊ぶの最高だよな
    やりたいな〜
    自分の幼少期を思い出す。

    最後の上からみた足跡の軌跡が好き
    あさがきたよーーで
    動き出したみんなと一緒に。

  • 表現力豊か

  • はたさんのダイナミックな「ゆき」が
    伝わる絵本。
    じっくり観察すると、
    こんな音がするのかなぁ?
    降ってくる時はこんなふうにキラキラしているなぁ。
    ふわふわして、冷たくて、雪って
    降ってくるだけでワクワクして積もっているのを見るだけでとっても嬉しくなる。

    冬の本として持っておきたい一冊です。

  • はたこうしろうさんの描く子どもの絵は好き。

  • とても詩的…おーなりさんの絵本は苦手だったんだけど、この本でのポエジー、というかセンスオブワンダー……子どもの目線があって、ベテランでもまだこんな目線が持てるのか!と驚き、一気にリスペクトに変わった。

    雪の擦れる音を、「ゆきのこえ」と捉えるその感性の豊かさに、嫉妬してしまった。なんだか悔しい。

    ちびっこに「ゆきの声が聞こえるかな?」って言ってみたい。ちびっ子と、ゆきの中で目をつむって音に耳をすませてみたい。

    読めてよかった。ささくれだった心がすーっと落ち着いていく。

  • 雪の季節の読み聞かせに使いたい。

  • 東京では絵本のように大雪が積もることもないので、うらやましいなあと雪に思いを馳せながら読みました。


    おとこのこの おおきなこえが
    ゆきのなかに すいこまれて、
    しいんと しずかに なりました。
    あ。 ゆきたちが みみを すまして
    ぼくのこえを きいているんだ。

  • 2024

    『おちば』の2人
    雪の音をうまく表現している

    5分弱

  • 図書館本。次女に借りた本を長女も読む。雪の音が豊かに表現されています。

  • 雪の日に外を転げ回って遊ぶお話。雪の世界が綺麗に描かれてる。楽し気で『ゆきのこえ』が鳴っていて、キラキラしている。

    最初のページの『あかるくて めが さめました。』の部屋の暗さと外の明るさの対比の絵も好き。そう。冬の朝ってこんな感じで『あかるい』んだよね。しかもそれが『陽の光』ではなくて、外(地面)がぼんやり明るい感じ。……夜のほうが『雪が光っている(光を反射している)』事がわかりやすいけど、夜の話はなかった。

    その後の雪の声もはしゃぐ様子も楽しそうで好き。
    ゆきの日のわくわくが詰まってる絵本。
    ごちそうさまでした。

  • 雪が降った翌朝の、しんと静かな世界。
    一歩ふみしめるたびに広がる「くすすすす」という音。
    それは、ゆきのこえ――なのかもしれない。

    まっしろな景色の中で、息の白さや足もとの感触まで伝わってくるよう。
    体ぜんぶで雪を感じる、澄んだ朝の時間が描かれている。

    大きな出来事はないけれど、雪の朝だけがもつ特別な静けさときらめきが胸に残る。
    読み終えたあと、外の空気まで少し冷たく感じるような一冊。

全28件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

おーなり 由子(おーなり ゆうこ)
絵本作家、漫画家。主な作品に『ことばのかたち』『ラブレター』『あかちゃんがわらうから』『どしゃぶり』『ワニのガルド』、翻訳に『たいせつなあなたへ あなたがうまれるまでのこと』『ごはんのじかん』『おにいちゃんといもうと』など。漫画に『あこがれくじら』『ともだちパズル』『てのひら童話』ほか。エッセイ、詩集に『きれいな色とことば』『だんだんおかあさんになっていく』『ひらがな暦 三六六日の絵ことば歳時記』など多数。

「2023年 『幸福な質問 New Edition』 で使われていた紹介文から引用しています。」

おーなり由子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×