うたかたモザイク (講談社文庫)

  • 講談社 (2024年11月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784065376423

作品紹介・あらすじ

甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい、人生の味わいを詰めこんだ17の物語。どんな人にも、どんな日々にも、凸凹や濃淡、裏表はかならずあるから、そんな欠片を集めたこの本のなかに、自分に寄り添う物語がきっとある。文庫化に際し「魔法少女ミラクルミルキー」「大阪の叔父さん」「前夜」「ムーンライダー」を収録。

sweet / spicy / bitter / salty / tasty
第171回直木賞受賞作『ツミデミック』で話題の著者、
一穂ミチの色とりどりの欠片をちりばめた、味わい豊かな作品集

あなたの思いや生きかたが
きらめき、翳(かげ)り、    
揺らいで、にじむ。

みんなの感想まとめ

多様な人生の味わいを描いた17の短編が収められた作品集は、甘さや苦さ、スパイシーさを通じて、読者に深い感情を呼び起こします。各物語は短いながらも印象的で、特にBL要素が絡む作品では一層の魅力を発揮して...

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、”短編”が好きでしょうか?

    小説はジャンルで分類することが一般的ですが、その長短でも分類することができます。長編と短編、そのそれぞれにメリット、デメリットがあると思います。では、短編についてどんなことが言えるでしょうか?AIさんに訊いてみましょう。

     Chat-GPTさん: “短編は限られた分量で強い印象や主題を凝縮でき、読後の余韻が魅力です。一方で人物描写や世界観が十分に展開されにくく、物足りなさや深みの不足を感じることもあります”。

    なるほど。前半に挙げられる長所、そして後半に挙げられる短所、いずれも確かにそういった側面が短編にはあると思います。この逆が長編ということになると思いますが、いずれにしても読者の気分次第で、いずれを選択するか選ぶことができるのも読書の楽しみだと思います。

    さてここに、一穂ミチさんの短編集があります。文庫本336ページに17もの短編が収録されたこの作品。さまざまな物語の内容に最後まで飽きることなく読めるこの作品。そしてそれは、「うたかたモザイク」という言葉そのままに展開するさまざまな内容に酔う他ない物語です。

    『あのさ、今まで黙ってたけど、人魚、なんだよね』、『清水マリーナサーカスの観覧車に乗っている最中』に、『恋人』から『そう主張』されたのは主人公の『僕』。『観覧車』に乗る前、『「スペシャル・ペアゴンドラ」ってあるらしいよ、乗る?』と言ってきたのは彼女からでした。『カップル仕様にデコってくれているらしい』というその『観覧車』のことを知って『にやにやと楽しげ』な彼女の一方で、『僕は恥ずかしく「普通のでいいよ」と断』ります。『なぜなら観覧車が一周する十三分の間にプロポーズするつもりで、夜の観覧車というシチュエーションだけでだいぶやりすぎている自覚はあり、全部盛りラーメンに追いバターするような愚行は避けたかった』という『僕』。『ごく普通の水色のゴンドラに乗り込み、ゆっくりと円周の軌道を進み始めたタイミングで僕は早々に切り出し』ます。『結婚しませんか』。『膝が触れ合いそうな距離で向かい合った彼女はまず「え〜?」と首を傾げる』と、『何で今?』、『ここまでセッティングしたんなら、てっぺんで言えばいいのに』と言います。『いや、あまりにもかな、って』と、『後半まで温存しておく緊張に耐えられそうもなく、序盤で勝負に出た次第』という『僕』に、『いちばん大事なとこで引き算しちゃってどうすんの…ていうかもしわたしが断ったら一周するまで地獄の時間なんですけど。狭い密室で、逃げ場ないのに』と続ける彼女。『どう考えてもおっしゃるとおりだった』と思う『僕』は『ごめん…』と口にします。それに、『「ドンマイ」と雑に慰め』る彼女は『頭抱えてたら、せっかくの景色が楽しめないよ』と言います。しかし、その後、『ゴンドラがゼロ角度の地点を過ぎ、下っていっても(なぜか上りより速く感じられる)求婚への返事はなく、係員が「おかえりなさーい」と扉を開けるのとほぼ同時に、彼女はあの台詞を口にし』ました。『ー 人魚、なんだよね』。そんな『彼女と初めて会ったのは、会社の同僚に誘われて沼津へ行った時』のことでした。『深海魚食べようぜ、と社内外で集まって結局二十人近くになった』面々と『漁港近くの食堂で頼んだ大盛りの深海魚丼にはカサゴの姿揚げがどんと載っていて、こちらに顔を向けたビジュアルのインパクトに引き気味の僕をよそに彼女は目を輝かせ、目玉までほじくって平らげてい』ました。『この子のことをもっと知りたいな、と直感的に思った』『僕』は、『LINEのIDを交換し、彼女とデートを重ね』ます。『下田の水族館でイルカショーを見て、三島の湧水に素足を浸し、浜名湖のボートレースで一万円負けた』という二人のデート。『彼女が指定するデート場所はいつも静岡、しかも現地集合現地解散』でした。『彼女がどこに住んでいるのかさえ知らないまま』の『僕』でしたが、『詮索して警戒されたくなかったし、新幹線、在来線、踊り子号とさまざまな手段で行き来することも楽しい時間でした。そんな『僕』は、彼女から『人魚だという告白を聞いた時』、『そういえば彼女とのデートは、水に関係するところばかり』だったことに気づきます。『しかしいくら何でも「へえ、どうりで」とはな』りません。『え、人魚って?』と、『ゴンドラに乗る前は想像もしていなかった展開に困惑しつつ尋ね』た『僕』ですが、『彼女は僕の一歩前をぷらぷら歩きながらこともなげに答え』ます。『人の魚と書いて人魚』、『ご質問があったらどうぞ』と話す『彼女の下半身はどこからどう見ても人間の脚』です。『酒は飲んでいないし、冗談を言っている顔つきでもない』彼女に、『でも、脚、とか…』と訊く『僕』に、『割と適応してるから、水陸両用。全身水に浸かったら魚になるよ』と話す彼女。『えっと…卵生?胎生?』、『え、いきなり下ネタ?』、『ごめん』と会話する二人。『知りたいのは、なぜ唐突に、こんなばかげたホラを吹くのかと』不満に思う『僕』は、『要するに、その…種が違うから結婚はできないって言いたいの?』と訊きます。『ううん。あなたが気にしないんなら別に』、『え、じゃあOKってこと?』、『あんま早まらないほうがいいよ』と噛み合わない会話に『いったいどっちなのか』と『混乱』する『僕』は、『真剣にプロポーズしたのに何だよ』と思うも怒ることができません。そんな『僕』に、『熱意は伝わってきたよ』と言う彼女は『今度、うちの母に会いに来てくれる?』と訊きます。『もちろん』と即答する『僕』は、『お母さんって、どこに住んでるの』と訊きます。『熱海』と答える彼女。自らを『人魚』だと言う、彼女の語る言葉の意味が明かされていきます…という最初の短編〈人魚〉。短い短編の中にサクッと描かれる物語を楽しむ、この短編集らしい物語でした。

    “甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい、人生の味わいを詰めこんだ17の物語。どんな人にも、どんな日々にも、凸凹や濃淡、裏表はかならずあるから、そんな欠片を集めたこの本のなかに、自分に寄り添う物語がきっとある”と内容紹介にうたわれるこの作品。それぞれにつながりを持たない13の短編が収録されて2023年3月に刊行された単行本に、文庫本では〈魔法少女ミラクルミルキー〉〈大阪の叔父さん〉〈前夜〉〈ムーンライダー〉の四つの短編が追加、17もの短編が収録されています。

    そんな17の短編はバラエティーにとんでいます。ほとんど性行為の描写だけで終わってしまう〈Melting Point〉、近未来が描かれる〈BL〉、そしてあっという間に結末してしまう〈玉ねぎちゃん〉など、内容も長短もとにかくバラバラです。誰にも一つは刺さる物語はあるのでは?という気もしますが、逆に言えば、全く刺さらない物語も含まれているとも言えます。私も興味深くじっくり読んだものと、パラパラと読み飛ばしてしまった作品もあります(汗)。まあ、こういった短編集はこのような読み方で良いのかな?とも思います。では、17の短編から、私が読み飛ばすことがなかった(笑)作品から3つをご紹介しておきましょう。

     ・〈レモンの目〉: 『黒猫を飼い始めた』、『と言っても、毎晩数十分程度の話』と、『マンションのベランダに夜な夜な現れるようになった黒猫と戯れるのが』『日課になっ』たのは主人公の『わたし』。『猫ちゃん、どこから来たの?』と『話しかけながら顎の下や背中をまさぐっても黒猫はいやがるどころかこてんと足元に転がってお腹を見せ、わたしの手を両前脚で抱えて甘噛みする』という『黒猫』の『無防備な仕草に目を細め、しばし温かな毛並みを堪能させてもら』う『わたし』。そんな『わたし』は、『黒猫』のことを『恋人』に話しますが『そんなのに構うなよ、汚い』と『いやな顔をされ』てしまいます。やがて、そんな『恋人』に別れを告げた『わたし』。一方の『黒猫』の『首輪代わり』の『赤いリボン』に『こより状の紙きれが結びつけられてい』るのに気づいた『わたし』は…。
      → この短編の魅力は『猫』が登場することです。作者の一穂ミチさんは無類の猫好きとして知られている方ですが、そんな一穂さんの『猫』に対する優しい眼差しがこの『猫』の描写に見え隠れします。
       ・『小刻みに指を動かすと黒猫はすぐ興味を示し、ベランダの内側にすとんと下りてくる。指先につめたい鼻をくっつけてすんすん匂いをかぎ、そのまま手の甲に顔をすりつけてきた』。
       ・『ほのぼのした気持ちでお腹をさすっていたら、部屋の中でスマホが鳴った。黒猫はぴっと耳を揺らして起き上がると素早く手すりに飛び乗り、幅十センチもないそこをととっと駆けてお隣のベランダに行ってしまった』。
       『猫』が好きな方にはこの短編だけでもこの作品を手にした意味があるのでは?というくらいに『猫』を前面に押し出した物語が展開します。オチもきちんと用意された上手くまとめられた短編だと思います。

     ・〈BL〉: 『男は男しか好きにならないようにしようと思う』と『ある日シサクが言』います。『シサクが言ったらそれはもうそうなるんだろうなと思い、ニンは「へえ」と答え』ます。『差し支えなければ理由を訊いても?』、『リピカがBL好きだって言ってたから』、『Boy’s Loveのこと?そういえば言ってたね』と会話する二人は『でもあれはあくまでフィクションだろ?』、『だからノンフィクションにする。好きなものに囲まれるのは楽しいだろ、リピカのためにやってやるんだ』と続けます。『シサクがどんなに突拍子もないばかげた行動に出ても、ニンは最終的に肯定し、服従』します。『なぜならシサクは博士で、ニンはその助手だから』です。そんな『シサクとニンが出会ったのは、ある児童養護施設』でした。『国じゅうから孤児や将来有望な子どもたちが集められ』るその施設では…。
      → この短編では近未来が描かれています。一穂さんというと「きょうの日はさようなら」でも冷凍睡眠の先の未来を描かれていましたが、この作品の描く未来はさらにSF感が強いのが特徴です。
      ・『シサクが開発した常温保存可能な人工血液はすでに人体での治験を終え、実用化は目前だった』。
      ・『先進国では恋人や夫婦で心臓を交換する移植手術が流行った』。
      ・『世界中の水資源を仔細な水位まで観測できる衛星システムと安価で精度の高い人工降雨装置、そして台風の目を「ほどく」技術を開発した』。
      いかがでしょうか。なんだかかっ飛んでいる世界がそこに展開するのがおわかりいただけると思います。しかし、その短編タイトルは、〈BL〉です。一穂さんと言えばBL作品の数々も欠かせません。この作品でどんな物語が展開するのか?お楽しみに。

     ・〈魔法少女ミラクルミルキー〉: 『これが最後の仕事になる』と、『自分に言い聞かせ、左右の鎖骨がジョイントする箇所を右手の人差し指と中指でそっと押さえる』のは主人公の『わたし』。『すると体内に秘められたミラクルストーンが顕在し、溢れ出した光が全身を包み込』みます。『魔法少女ミラクルミルキー、今行くよっ!』と、『変身バンク』を終えた『わたし』は、『水面の飛石を渡って行くように高層ビルを軽快に踏み越え、敵を目指』します。『地球征服を目論むカオスストーンの手先と戦うため、三年前ミラクルストーンに選ばれた”適合者”だった』『わたし』は『同じ適合者のトゥインクル、シューティングと一緒に地球を守ってき』ました。『ミルキー、敵の位置は十時の方向に約四百メートル。きょうのやつは手強い、気をつけろ』、『了解』と敵に立ち向かう『わたし』は…。
      → はい、いきなりの展開に、何が起こったのか?と目を白黒させる方もいらっしゃるかもしれません。この短編では、まさかの『魔法少女』に変身する『わたし』の物語が展開するのです!
      ・『「ミルキー、ミラクルキックだ」ヤーッ、と叫びながら巨大鯉の腹に蹴りを叩き込む』。
      ・『右左右左みぎひだりみぎひだり、マシンガンのようにミラクルキックを連発する。鱗でぱっくり切れた傷に酸を浴びるとさすがにうめき声が漏れた』。
      なんだかアドレナリンが全放出されそうな盛り上がりです!これは一体なんなのでしょうか?『魔法少女』というタイトルからは、村田沙耶香さん「丸の内魔法少女ミラクリーナ」が思い浮かびます。ただ、元々何でもありの村田さんの作品であればこのような展開も普通にありだと思いますが、一穂さんとなると意外だと思います。こちらも是非お楽しみに!

    さて、冒頭のダイジェストでご紹介した〈人魚〉、そしてここでご紹介した〈レモンの目〉、〈BL〉、〈魔法少女ミラクルミルキー〉だけでも全く異なる世界観の物語が展開することがおわかりいただけると思います。書名の「うたかたモザイク」という言葉の如く、まさしく『モザイク』のようにさまざまな物語が収録されたのがこの短編集です。さまざまな感情渦巻く読書を楽しめる17の短編、これこそがこの作品の持ち味だと思いました。

     『あのさ、今まで黙ってたけど、人魚、なんだよね。
      僕の恋人は、人魚らしい。少なくとも本人はそう主張する』。

    作品冒頭から読者を一気に物語世界に引き込む短編など、この作品には17もの短編が収録されていました。まさかの近未来が味わえるこの作品。『猫』好きな方にも欠かせないこの作品。

    一穂ミチさんが描く17のうたかた絵巻をサクッと楽しめる、そんな作品でした。

  • 一穂さんが描く、味わい深い人生アレコレの
    お話17編。少しファンタジー系が多い?
    ちょっとSFぽいものもあり、お得意の恋愛もの
    BLものありと、なんでもござれの17編。

    数ページで終わる作品、
    すでに私の記憶にないなんて
    これこそ一穂さんに哀愁たっぷりに
    悲しい男として描いていただきたい(_ _).。o○

    読み終えての感想が
    あまりないのもめずらしい。
    一日中いろんなTVをボーっとみすぎて
    覚えてない感覚にちかい。

    それでも備忘録として記憶に残る
    良かった短編を残そう。

    Droppin' Drops
    永遠のアイ
    BL
    sofa&…
    神さまはそない優しない

    この5作はお気にいり。

    悲しいことに、
    目次をみて
    タイトルみて
    思い出せない作品もあったりして
    戻ってサラサラよんで
    あーこれねと。
    ちょっとエッチな…、とか。

    あらためて、
    『うらかたモザイク』というタイトルで
    纏められた狙い、意図。

    人生いろいろ、推して測っても
    みえないことばかり。
    がんばっても
    クリアにはみえない
    それがモザイク
    想像力が人生を豊かにする

    かもね♪(´ε` )

  • 一穂さんの書き溜められていた
    短編、掌編を味い別に

    どの作品も短編なのに印象的

    最近どなたかの小説で(木原さんのものだと思うのだけど)
    バイの嫉妬は倍 というもう一工夫すれば
    川柳になりそうな名文を見かけたのだけど
    一穂さんは、バイ作家で作風も倍
    と言ったところでしょうか
    「うたかたなモザイク」は、
    読み手だけのためでなく 作家さん的にも
    作風を表した良いタイトルですね

    と、どんな方向性の依頼の短編も上手いなあと
    思うけど、その中でもBL絡むとギアが上がる感じするのは私だけだろうか?
    いやきっとみんみんもそうだよね

    書下ろし「透子」が、好きです
    角田さんの「さがしもの」的な方向かなと思いきや
    書店店主と透子のお互いへの思いやりの嘘と本で成り立つ関係が、きゅん
    作中に登場した本は 一穂さんのお気に入りかなと思う 私も読んだ作品があり、きゅん

    • bmakiさん
      みんみんさんいつもありがとうございますm(_ _)m
      美しいエロかぁ。。。
      エロない方がいいなぁ。。。
      もしどこかでその本に出会えたら読んで...
      みんみんさんいつもありがとうございますm(_ _)m
      美しいエロかぁ。。。
      エロない方がいいなぁ。。。
      もしどこかでその本に出会えたら読んでみますね!
      2024/11/21
    • みんみんさん
      エロないBLはたぶん存在しません(゚-゚*;)(;*゚-゚)笑
      エロないBLはたぶん存在しません(゚-゚*;)(;*゚-゚)笑
      2024/11/21
    • bmakiさん
      吸血鬼の一冊目は良かったですよd( ̄  ̄)
      あ、でもいつも裸か(笑)
      誰かと一緒ですね( ̄▽ ̄)
      吸血鬼の一冊目は良かったですよd( ̄  ̄)
      あ、でもいつも裸か(笑)
      誰かと一緒ですね( ̄▽ ̄)
      2024/11/21
  • 2作目の一穂 ミチ作品。『スモールワールズ』がとても心に刺さった作品だったので、迷わず書店で即購入しました。

    様々な色どりの欠片をちりばめた17の作品集で、個人的には『スモールワールズ』に比べると、少し苦くてしょっぱい作品が多いかなぁと感じました❗️

    好きな話しは、『Droppin’ Drops』、『レモンの目』、『ツーバイツー』、『BL』、『sofa & ...』、『神さまはそない優しない』、『ムーンライダー』で、特に『ツーバイツー』は長編で読んでみたいと思いました❗️

  • スモールワールズが面白かったので読んでみた。17もの物語があって楽しめた。まぁ中には苦手な話もあるにはあったが、短い作品でものめり込めるし、感情も揺さぶられる。「sofa & ...」「神様はそない優しない」がお気に入りか。

  • 様々なジャンルの短編が詰め込まれた作品で面白かった。個人的な好みは「sofa&…」「神さまはそない優しない」「透子」、文庫版オリジナル「前夜」「ムーンライダー」が良かった。

  • 【再読】
    文庫化早くない!?と驚いた今作。
    単行本で読了していたが、文庫化に際し4編追加収録されるとのことで、文庫版も手に取った。
    文庫版の装丁がキラキラでとってもかわいい♡

    sweet/spicy/bitter/salty/tasty
    のカテゴリー別に分けられた、掌編・短編が収録された一穂ミチさんの作品集。

    17作品も収録されているので、いろんなテイストの一穂ミチさんの作品が楽しめてお得な一冊。
    …だけれど、ほとんどが掌編なので、一穂ミチさんの文章が好きな故に少し物足りなさも感じる。

    私はソファ目線の掌編「sofa &…」と
    事故死した夫が子猫に生まれ変わって妻の前に現れる「神さまはそない優しない」が好きだった。
    追加収録された4編の中では急停止したジェットコースターに乗り合わせた男女を描いた「ムーンライダー」が一番好きだった。
    読みながらUSJのフライングダイナソーを思い出した。

  • 17編の短編を収めたバラエティ豊かな作品集。どれも短編ゆえに読みやすく、甘さやスパイス、苦味や塩気が絶妙に混ざり合った、気持ちに寄り添う物語ばかり。

    どれも異なる魅力があった中で、特に印象に残ったのがこの2編。
    「BL」は、男性同士の恋愛かと思いきや、実はある天才科学者が科学の力で“世界BL化”を目論むという近未来SF。ラストに小さなどんでん返しが待っていて、切なさがじんわりと残る。どこか村田沙耶香さんを思わせるような、独特の世界観も魅力的だった。
    「sofa&…」は、30歳の独身女性と真っ赤なソファーの10年間を、ソファー視点で綴る物語。淡々とした語り口に、じんわりと温もりが広がり、自宅の家具にも心があるように思えてくる。

    読者の“好みのジャンル”に合わせて、ぴったりの一編が見つかる、そんな楽しみも詰まった一冊。

  • 短編すぎて(笑)
    短いのに途中で寝ちゃうやつやら、短いが故に物足りないのやら。
    でもさすがの一穂さん、合うやつは合う。
    特に「透子」は、本屋さんにまつわる短編で、店主も買いにくる女の子も嘘をかかえて。
    でも、いい。一推し。もう少しもう少しって。「何がいけなかったのか、どうすればよかったのかどんなに考えてもわからないんだ。
    たがら、あなたのおすすめの本を読んだ」
    「全部読んだけどどうすればいいのか、どうすれば自分の苦しさが楽になるのか何処にも書いてなかったよ」
    でも「物語の中にいろんな苦しみや喜びがあった。今まで味わったことのない感情に出会えて、自分とは違うのにおんなじだと思えた。」本を読む醍醐味が言葉にあった。それだけで、この本に出会えてよかった。
    あ、透子は本を紹介してくれていた悠介のこの先。透子が本を読むようになるといいな

  • 少し長めのものから短いものまで、内容も多彩な短編集。中には号泣してしまうかもと思うような話もあるし(外で読んでたから止めた)、中身はもうホラーとしか思えない話、SF、官能小説かと思う程エロい話、どれも面白いし、さらっと読める割にはとても満足。他の作品でもそうだけど、単に綺麗な話ではなく、どこかしら闇を感じさせることがあるのは共感し易いし、言葉も今風だったり関西弁だったり、使い分けがしっくり来る。一穂ミチ好きだわー。

  • 超短い短編から、中くらいの短編まで。
    薄っぺらいけど、いちいち世界に出入りするのがどうしてもしんどかった。長編は楽だ。「神さまはそない優しない」が良かった。

    第1話 プロポーズしたら、実は人魚なのと彼女が言い出した。

    第2話 千里はショコラティエ。香りを嫌がる。でも実苑はチョコレートの中のチラミンのアレルギーなので食べられない。

    第3話 杏は糸保とカラオケに行く。杏は糸保のファンクラブに入っているのだ。

    第4話 彼はもう死んでいるのに、なりすましからメメッセージが来る。友達に話してしまって、呆れられた。

    第5話 黒猫が夜な夜な現れる。目はレモン色。リボンを首に結んでいる。飼い主のリリちゃんとリボンに言葉を書いて通信する。

    第6話 ごしょうばんは妖怪。人の食べ物を食べる。

    第7話 亜紀と森生、加那重と穂積は結婚した。森生と穂積は双子だ。

    第8話 関空の陸と結ばれている連絡橋が台風で破損、従兄弟の一史を迎えに温は伊丹空港に来た。

    第9話 ニンとシサクは国家が育てる天才プロジェクトで集められた天才で、児童養護施設のようなところに集められて教育を受けていた。

    第10話 魔法少女ミラクルミルキーは最後の仕事のつもりだった戦いで鯉に飲まれてしまった。仲間のシューティングは妊娠して、トゥィンクルはアメリカに留学。

    第11話 大阪の叔父さんが一緒に飲もうと電話をかけてきた。

    第12話 わたしを取り巻くものは「不要不急」のものと、それ以外のものに分類されるようになった。

    第13話 あたしは赤いとても高いソファー。あなたに買われて家にやってきた。

    第14話 電車にあたって死んで、猫に生まれ変わった。

    第15話 小学校3年生から月に一度おじいちゃんの文藝春秋を本屋さんに買いに行くとお小遣いをもらえた。本屋のおじさんはいつも私を睨んでいて怖い。

    第16話 おでんとカレーとあなたの家とわたしの家。

    第17話 ジェットコースターに乗ったら途中で止まった。

  •  一穂さんの小説が好きで、本のデザインも好きだったので購入。裏表紙に書いてある説明通りの本だった。
     「ごしょうばん」は非常に切なかった。人はなぜ戦をしてしまうのかを考えてしまう作品だった。
     「大阪の叔父さん」のおじさんのセリフが良かった。「何かを選び取ったわけやなくて、消去法や。自分にとってどうしても無理なもん、耐えられへんもんを削いでいったらこうなっとたんや。ほかのかたちにはなられへんかった。」人のペースがあるのになと、人のパーソナルの部分をいって後悔してしまうときに感じた気持ちになった。
     「sofa &...」が一番好きな作品かもしれない。
    ソファー視点から私が客観的なのに、優しく進んでいくが良い。
     「神さまはそない優しない」の奥さんの「好きじゃないけど、嫌いな友達って、必要なの。だからあたしのほうが意地悪なの」の意味がわかるような人生を歩みたい。
     「前夜」は短い物語だけど、すごい好きな作品。「家のことって、お雑煮の味つけくらいしか気軽に言えないかも。何かブレーキかかっちゃう。『よそはよそ』ってそういうことでもあるのかなあ。」や「一緒に、どんな『うち』を作るんだろうって。おでんの味も、カレーの味も、私の家でもあなたの家でもないものになっていくはずだからー。」大人になって、恥ずかしいうちのルールを話せるようになったが、自分が笑うのは良いが、信頼してない人に言われのは嫌だという気持ちを思い出した。結婚って最近はいいイメージないことが多いが、新しいうちを作れる機会って同棲や結婚だなあと思うといいなと思った。
     

  • ツーバイツー
    BL
    神さまはそない優しない
    このあたりが印象に強く残ってる。

    どことなくファンタジーというか、SFっぽい雰囲気があって、一穂さんは星新一の短編集が好きな方なんだろうなと思った。
    オチの作り方が似てる。少しゾッとするオチ。

    sofa&…
    も結構好きだった。わたしも1つの物に愛着が湧いて、長年使うタイプだから、物からこんな風に思われてたらうれしいなぁと思った。色んな物をもっと大切にしたい。

  • のんびりと読んでいたら時間が思ったよりかかってしまいました。ただ、のんびり一つ一つの話を味わう余裕もあったので良かったかなとも思いました。一穂ミチさんは本当に短編も素敵なお話ばかり。短いのにどこか余韻や温かみの残る話。素晴らしい時間でした。ありがとうございます。

  • 初めて一穂ミチ作品読みました…17の短編集で短いものだと5ページ完結もあります、1話完結だから読みやすいので通勤時に一気読み…ちょっと短過ぎな分、描写不足で感情移入する前に終わるので『どっぷり物語に浸かりたい』派の人には向かないかもしれない。

  • sweet,spicy,bitter,salty,tastyと様々な味わいを詰め込んだ17の短編集

    表紙の宝石のように1つ1つの作品がキラキラと輝きをもっていました!

    人魚、Melting Point、Droppin’ Drops

    永遠のアイ、レモンの目、ごしょうばん

    ツーバイツー、Still love me?、BL、魔法少女ミラクルミルキー、大阪の叔父さん

    玉ねぎちゃん、sofa&…、神さまはそない優しない

    透子、前夜、ムーンライダー

    ○以下はお気に入りの作品です↓

    Droppin’ Drops→アイドル活動をするクライスメイトの糸保を密かに推す杏のお話。杏と糸保のカラオケでのシーンや杏の推し活のシーンは自分まで心が躍り、潤いました!ラストも爽やかで素敵

    BL→シサクとニンのお話。SFのような設定が面白かったです。リピカとの交流の真相やニンの語りには驚きと切なさがありました。

    神さまはそない優しない→電車事故で死んでしまった主人公が猫の姿になって妻とまた暮らし始めるお話。もう涙なしには読めない…、本当に感動しました。長編で読みたいくらい好きでした

    透子→透子と書店主の交流を描いたお話。月に一度、透子が書店主におすすめの本を紹介して、書店主は娘さんの感想を伝えるという交流…ラストは余韻を感じました。おすすめする本は読んだことのあるものもあり、「わかる!わかる!」と思いながら楽しんで読みました

    ムーンライダー→ジェットコースターが停止してしまう出来事。終わりがキレイ。

  • はじめましての一穂ミチさん。
    一穂さんの作品はもう何冊も文庫化待ちをしていたので、やっと読めて嬉しい。
    しかも17篇の短編がsweet、spicy、bitter、salty、tastyとカテゴライズされていて、一穂さんの世界観を甘口から辛口まで楽しめる非常にお得な一冊だった。

    最初にsweetが3篇。
    普段甘々な恋愛小説を読まないので正直気後れしてしまったのだけれど、続いて飛び込んできたspicyの「ごしょうばん」に衝撃を受けた。
    まるで大作映画を一本見終わったかのような読後感に暫く放心状態が続く。
    個人的に、この「ごしょうばん」に出会えただけでこの一冊の元が取れてしまったと思っている。

    他にも、SF、ホラー、ファンタジー、BL、官能小説と一穂作品を色とりどり味わえた。
    先述した「ごしょうばん」の他、「sofa & ...」「神さまはそない優しない」も素晴らしく、早くも次の一穂作品の文庫化を待ち侘びている。

  • ホログラム加工された、まぱゆい表紙に魅了されて購入。輝きを放ちながらも、角度によって様々な表情を見せる宝石のような短編集。甘く苦くしょっぱく…色々な味が楽しめるアソートみたい。ジャンルも幅広く、想像を超えてくる。思いがけず甘々だったり、ぎょっとするほどスパイシーだったり、意外な隠し味が効いている。ユーモラスな語り口なのに切なかったり、うっすら怖かったり…日常と非日常が溶け合って、だからこそ感情がリアルに感じられたり。モザイクのような心模様、つくづく人間は一筋縄では行かない。でも、それが面白い。そんなことを感じさせる、珠玉の短編集だ。

  • 甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい__17の物語に詰め込まれた人生の味わい
    BLあり、ファンタジーもありで多彩な内容でした!どの短編から読むかはその日の気分で決めるのも面白そう◯私はソファー視点のお話が好きでした。

  • さすが短編の名手。刺激的で想像の斜め上を行く17編(単行本から4編追加)はBL、官能系からSF・ファンタジー、ホラーテイストのものまでバラエティー豊か。飽食の時代を痛烈に皮肉った「ごしょうばん」、コミカルでハートウォーミングな「神さまはそない優しない」、一穂さん本領発揮の「BL」が特に印象に残った。繊細な心理描写は言うに及ばず、著者の守備範囲の広さにも舌を巻く一冊。

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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