7.5グラムの奇跡 (講談社文庫)

  • 講談社 (2024年12月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784065378816

作品紹介・あらすじ

辛い過去も、厳しい現実も、その一瞬先に光があるんだ。

新人視能訓練士・野宮恭一は北見眼科医院で働き始めてから失敗続き。目に異常がないのに視力が低下した少女、カラコンを頑なに外さない女性、緑内障を患った元ピアニスト――。様々な目の悩みを抱えた患者と心を通わせながら、少しずつ成長していく。

不器用だけどまっすぐな、新人視能訓練士の成長の記録。
最高の読後感がじんわりと心に沁みる、いま最も心温まる連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 新人視能訓練士、野宮恭一が北見眼科医院で周りに支えられながら成長していく小説。

    心因性視覚障害、円錐角膜、中心性漿液性脈絡網膜症、初めて知った病名や検査方法も興味深いです。

    「目が光があたり前のように見えるということは奇跡のようなもので、偶然生まれたときから与えられているから、その大切さに気づかない」

    コンタクトレンズの扱い方、スマホでの目の酷使など、見直さなければいけないことがたくさんあると感じました。

    野宮さんは、随分患者さんのプライベートな部分まで入り込むんだ、と思いましたが一生懸命さは伝わりました。続編も読みたいです。

    • きたごやたろうさん
      またまたオイラの本棚に「いいね」をありがとうございます。

      オイラの大好物の医療ものじゃあないですか!
      読みたいです!!
      またまたオイラの本棚に「いいね」をありがとうございます。

      オイラの大好物の医療ものじゃあないですか!
      読みたいです!!
      2025/02/09
    • ミユキさん
      コメントありがとうごさいます。
      眼科が舞台になった小説、初めて読みました。
      とても勉強になりました。お勧めの一冊です。
      コメントありがとうごさいます。
      眼科が舞台になった小説、初めて読みました。
      とても勉強になりました。お勧めの一冊です。
      2025/02/09
    • きたごやたろうさん
      確かに眼科が舞台ってなかったですよね。
      オイラはすでに緑内障なので、より興味津々です。
      アップしていただき、ありがとうございます♪
      確かに眼科が舞台ってなかったですよね。
      オイラはすでに緑内障なので、より興味津々です。
      アップしていただき、ありがとうございます♪
      2025/02/09
  • 視能訓練士
    初めて聞く職業でした。
    もちろん眼科に受診したことはありますが、眼科専門の技師さんがいるというのは恥ずかしながら初めて知りました。
    このお話は
    不器用だけれど瞳にとても興味を持つ主人公の野宮くんが、優しくも厳しい先輩や、先生のもとで
    少しづつ経験を積んで成長していくお話です。

    あたりまえのように見えるということが当たり前ではなく、その病気とともに頑張る患者さんに寄り添いながら、どういうことができるか懸命に考える技師さん
    こんな技師さんに出会えたら
    しあわせだなぁと思いました。

    続編があるという事なので是非読んでみたいです。

  • あなたにとっての眼とはなんですか・・・
    街の眼科医院で働く新米視能訓練士の1年間の短編です。

    視能訓練士って初めて聞きました。眼科にいる方は視能訓練士だったんですね。
    僕自身、幼少期から目が悪く眼科に行くことが多く色々な検査をしました。
    だからこそ、間近に感じリアル感がありました。

    タイトル通り「7.5グラムの奇跡」通りの内容です。
    眼は視えて当たり前、その考え方がいかに愚かか知れました。
    この世界が見えているのがいかに素晴らしいか感じることができます。

    個人的には「夜の虹」が好きです。
    でも、「面影の輝度」も捨て難かったです。

    また、検査の例え方もこの小説の魅力だと思います。
    ぜひ、映像化して欲しい作品です。

  • 卒業間際で北見総合病院で採用が決まった野宮恭一。新人視能訓練士として働き始めるも失敗続き。そんな彼が様々な目の悩みを抱えた患者と心を通わせながら、少しずつ成長していく物語。

    目について何も知らないことを痛感、専門的な言葉は難しかったけど、とても勉強になる。『7.5グラムの奇跡』の重みを感じた。
    そして先生や先輩、同僚が皆温かくて羨ましい。その中で野宮くんが不器用ながらもまっすぐに向き合う姿は好感が持てて、働く姿勢に沢山勇気をもらった。
    『自信と疑いのバランス』大事だな。
    続編あるなんて嬉しい。楽しみだ。

  • 砥上裕將初ですね、メフィスト賞が作家選ぶ基準になるって理解したのである。視能訓練士という名前あるのも初めてだし、未知の世界を知り得て興味津々のコンタクトレンズが酸素不足を起こして傷ついて感染症になるって酸素不足はエベレストに住んでるレベルって わかりやすい解説をありがとうございますです。正彦さんを支える葉子さんも認知症になる話が1番印象深い それから施設に入るって切ない。ケンちゃんありがとう、ありがとうな〜があーやっぱ切ない

  • 積ん読本。2024 中に読了。
    眼が悪い私にとってはなかなか興味深いお話でした。診察を受ける側の気持ちもよく解るし、知り合いに視能訓練士さんもいるので。
    優しいお話で読了。

  • 目を大切にしようと思える物語。

    20年近くコンタクトを使ってきているから、慣れが出てきている部分もあるなと反省した。もっと慎重に扱わないと。
    不自由なく物を見ることができるって本当にありがたいことなのだ。

    いろんな患者さんが登場するけれど、特に喫茶店「ブルーバード」のマスターである三井さんの言葉が良かった。緑内障になってミュージシャンを諦めた三井さん。
    「人生というのは本質的に手作りです。自分の手と心で作っていくものです。」
    「丁寧に生きようと思うことで、変わっていくものはたくさんありますよ。」
    たとえ夢や目標が変わっても、できていたことができなくなっても、投げやりにならず、一生懸命生きる。
    穏やかな気持ちになれた本だった。


    「暗がりを見ていては、光は集まらないよ」

  • 視能訓練士である野宮くんの成長を描いた連作短編

    どのお話も心がじんわり温かくなりました。
    こんな眼科が近くにあったらいいのに。

  • 視能訓練士というものを初めて知った。瞳に個人差はほとんどないそうです。7.5グラムは目に関するもの。目とは今この瞬間を捉え、未来を探すための器官。いい定義だと思う。目の検査や症状についても参考になる。老眼が出ている私だが、それほど困っていないのはありがたいこと。病の理不尽さは、たいていの場合、どうしての答えをはっきりとは求められないところにある。病に気づいていないだけかもしれない。老眼の相談ついでに検査を受け、眼圧の数値を確認しようと思う。

  • 視能訓練士のお話ですが…まず目が見えてるって事は当たり前に感じますが凄い事なんですね…

    「見えるということは、この世で、最もありふれた奇跡なのだ」の文が非常に印象的です。

    様々な器具を駆使して解き明かされる病の原因、そして治療…医療関係者の方の絶え間ない努力、ホントに凄いですし尊敬します。

  • 暖かく静かな世界が広がっている感じは、この作者さんの持ち味だよなぁと思った。
    病院という何かしら辛い思いを抱えた人がくるところで、あたたかい視点でものをみれるということはとても心が洗われるような気がした。

  • 視能訓練士という職があること
    目の検査の知識、目の病気の知識を知ることだけでなく、視えることは当たり前におもっていたけれど、当たり前すぎて大切にできていなかったこと、見えなくなることがこんなにも不安になること、でもそこで終わりではないことなど沢山のことを知ることが出来る本だった

  • #読了

    #7.5グラムの奇跡
    #砥上裕將

    眼科医院を舞台にした視能訓練士のお仕事小説。特別な才能もない青年が、患者と仕事と真摯に向き合って少しずつ成長していく。読みながら温かい気持ちになれる連作短編だったよ。
    全く知らなかった眼科医の仕事を少しだけ知ることができた。見える、ということがいかに大切なことか。自分に新しい世界を広げてくれた作品。
    続編が出たばかり。野宮くんの更なる成長が楽しみ。

    #読書好きな人と繋がりたい

  • 砥上裕將『7.5グラムの奇跡』
    2024年 講談社文庫

    著者の『線は、僕を描く』がおもしろかったので本作も購入してみました。
    視能訓練士が主人公という珍しいお話。
    医療系小説は好きなんだけど、正直なところ視能訓練士だと生死といった緊迫感や感動もないだろうし、どうやって描くのだろうと不思議でした。
    迂闊でした。僕は想像力がなかったんだと思い知らされました。
    眼科を舞台にしたこのお話はとても優しく、ハートフルな感動作でした。眼、光、それは生きる上で大切な宝物のようなもの。まさに奇跡なことなんだと思わされました。
    日常的な空気感を出しながらも十分に劇的な感動作でした。
    素晴らしい作品に出逢えたことに感謝です。

    #砥上裕將
    #7.5グラムの奇跡
    #講談社文庫
    #読了

  • 見える事のありがたさを感じた事は無かったのですが、色々な立場の様子から考えさせられました。
    野宮の成長が嬉しい1冊でした。

  • 7.5グラムってそういうことだったのかーっと納得。そして奇跡なのだということも。

  • 本屋で続編の本の帯を見て
    視能訓練士と言う職業を知りました。

    私も作中に出でくる病気をもっており
    患者の心情(検査時や検査結果時)が
    自分と重なる点が多く、凄く分かります。
    視える事の有り難さ、そして患者の為に
    尽力してくれる先生・看護師さん・薬剤師さんには本当に感謝です。
    (作中の登場人物もそんな方々に思えた)
    勿論、今回知った視能訓練士さんにも。

    僕には、一瞬一瞬を大事にしていこうと
    再確認できた一冊でした。

  • まずは7.5グラムって何?と。
    当たり前に見えていることが、当たり前ではなくどれほど大変な事なのか。
    最近、老眼鏡を作って初めて見るという事の大変さを知った自分。
    7.5グラムが担う見るという事に関わる人達と
    繊細で不安定ながらも成長していく主人公。
    作者ならではの描き方だなと。
    光への瞬目だよって、いい表現だな。

  • 先読みできてしまうストーリーだったけど、いい病院スタッフと患者たちだった。

  • 目の病気に悩む患者さんと向き合う
    不器用な新人視能訓練士のお話。
    視能訓練士って仕事を初めて知りました。
    野宮くんの成長物語で感動しました。
    続編も気になるところです

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著者プロフィール

1984年生まれ。水墨画家。『線は、僕を描く』で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作は、2019年ブランチBOOK大賞受賞。2020年度本屋大賞第三位に選出された。

「2021年 『7.5グラムの奇跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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