本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784065379264
作品紹介・あらすじ
2003年の大晦日、TBS、日本テレビ、フジテレビがいずれもゴールデンタイムに格闘技興行を放映した。なかでも、TBSが放送した「K-1Dynamite!」のメインイベントとして行われた「曙太郎vs.ボブ・サップ」の試合は、元横綱の総合格闘技デビュー戦でもあり注目を集めた。そして、曙が豪快にマットに沈んだシーンでは、裏番組のNHK紅白歌合戦を視聴率で上回る快挙となった。
だが、派手な興行戦争の裏側では、選手の引き抜き、ギャラ交渉、放映権問題などを巡り、テレビ局、格闘技団体、選手、さらには興行に関わる裏社会の人間たちによる虚々実々の駆け引きが行われていた。決して表に出なかった内幕を徹底した取材で浮き彫りにする。
【本書の内容】
序章 フジテレビショック
第1章 史上最大の格闘技ワールドカップ
第2章 石井和義逮捕
第3章 ミルコ・クロコップという奇跡
第4章 あの夏のタイソン
第5章 今年は日本テレビが中継
第6章 曙太郎対ボブ・サップ
第7章 猪木、雲隠れ
第8章 ヒョードル来日
第9章 大晦日狂騒曲
第10章 格闘技が紅白に勝った日
終章 勝者なき戦争
【著者略歴】細田昌志(ほそだ・まさし)
1971年岡山市生まれ、鳥取市育ち。鳥取城北高校卒業後、中華料理店勤務、代行業、代筆業、結婚式の司会、リングアナウンサーなど職を転々としたのち、CS放送「サムライTV」の格闘技情報番組のキャスターに就任。その後、放送作家をへて作家に。3作目のノンフィクション『沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝』(新潮社)で第43回講談社 本田靖春ノンフィクション賞を受賞、近著『力道山未亡人』(小学館)で第30回小学館ノンフィクション大賞を受賞。
感想・レビュー・書評
-
ボブサップと曙の試合は生で観ました。
純粋に試合を楽しんでいたのに裏ではこんな事があったとは思わなかったです。
少し読んだことを後悔しています。
これが現実なのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2000年台前半の格闘技界について語った一冊。
今では地上波で見ることも少なくなった格闘技の全盛期の舞台裏について知ることができた。 -
日テレ・TBS・フジがそれぞれ異なる格闘技イベントを放送し、ボブ・サップvs.曙の視聴率が紅白歌合戦を上回った2003年大晦日の狂騒。その前後を含めて当時の日本格闘技界(と民放テレビ局)の歴史を追った一冊。自分は中3〜高1でまさにテレビで観戦していたので懐かしすぎる。確かにタイソン戦の機運あったなぁ。今思えば何だったんだろうあれ?という感じになっちゃったけどwミルコがK-1からPRIDEを侵略して、今度はPRIDE代表としてUFCに参戦したのも鮮明に覚えてる。でも意外に記憶が薄れているのもあって、猪木祭にLYOTO vs.リッチ・フランクリンやジョシュ・バーネットvs.セーム・シュルトなんて好カードがあったのは完全に忘れてた。惜しむらくはせっかく取材できた川又誠矢氏の証言が本人の意向でごっそりカットされていること。仕方ないのだけど最重要キーマンだけに本人の今の言葉を聞いてみたかった。ちなみに現RIZINトップの榊原信行が沈黙を貫く一方で既に業界から身を引いた谷川貞治が喋りまくってるのはご愛嬌かwもう一つ、新日本プロレスの永田裕志が自身のYouTubeで喋っているヒョードル戦の裏話が載っていないのも惜しい。まぁ笑っちゃうぐらい酷いドタバタ劇だから本書のテイストには合わないかもしれないけどw
-
「あの頃はテレビでK1、PRIDEよく観てたなぁ」と思い出に浸れること請け合い。
-
格闘技興行は欲望と面子が絡み合う世界
-
2003年の大晦日の猪木祭り、K-1Dynamite!、PRIDEの格闘番組戦争を追う。
猪木祭のプロデューサー川又誠矢へのインタビューが本人の希望により使われなくなってしまったが、それによって返って三大会を全てをバランス良く記すことになっている。
紅白を越える人気だった当時の格闘技興行だったが、内実は話題のカードをやろうと動いてもうまくいかず、いきあたりばったり的に緊急にカードが決まっていた。十分な準備期間を取れずに組まれていた夢のカードが実は多かった。
もはや20年前なので貴重な資料である。猪木と大仁田が接触していたのは知らなかった。曙VSボブ・サップの裏で若貴Vヒクソン・グレイシーが動いていたのもすごい話。
しかし、この本の一番の読みどころは谷川貞治と石井和義が当時まだ相撲協会で仕事していた曙を口説き落とすところだろう。最強はこの二人、特に石井館長だ。曙の試合のページより曙を口説き落とすとこの方がページ数が圧倒的に多いが、それで正解である。
00年代の格闘技興行の栄枯盛衰の理由が分かる歴史の証言。 -
当時、格闘技に熱中していたので、これはめちゃくちゃ面白かった!
でも、リアルタイムで知らなくて良かったかもね。 -
一気読みした、面白すぎた。当時の熱量が甦ってくる感覚すらした。
-
2003年大晦日、まだ2歳半だった自分にとって、
「曙vsボブ・サップ」も「紅白歌合戦の『世界に一つだけの花』」も記憶にはなく、どちらも懐かしい映像として、テレビから流れてくる、過去のもの。
どちらかというと紅白でトリを務めるSMAPの映像の方がよく見た気はしていて、そういう意味でも勝者はやはり紅白なのかもしれない。
裏番組への意識とか(美川憲一すごい…)、興行そのものの混沌ぐあいとか、まだ昭和っぽい空気がいくらか残っていた時代なのかなと思う。 -
お金、お金。蠢く。ビーストが年末の曙を引き摺り下ろす。
細田昌志の作品





