- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065380536
作品紹介・あらすじ
底辺男子校・千鳥高校に通う紬 凛太郎と、お嬢様校・桔梗女子の和栗薫子。季節は新年1月に入り、凛太郎は自身の誕生日を両校の仲間たちと共にテーマパークで過ごす。また夏沢 朔と保科 昴はこの日を機に、二人で勉強会を開くなど距離を縮め、来月のT大模試へ一緒に行く約束をする。その一方で、2月に控えるイベントはバレンタインも! しかし薫子はすごく悩んでいる様子で……?
感想・レビュー・書評
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朔と昴、やっぱりすごくいい。
同じ温度で物事を見ることができて、静かだけど熱い
他人を思う気持ちを持ってる。
朔が飛鷹の事と自分の気持ちを昴に躊躇なく話せるこ
とに驚いたし、昴の応え方も朔にとって完璧なものに
見える。
この先どんな関係を築いていくのかわからないけど、
出会えたことは二人にとって祝福じゃないかな。
昴との良い関係が飛鷹との良い関係に繋がる…素敵。
薫子を見る時の笑顔がハッとするほど魅力的な凛太
郎は、将来が少し形を成してきたかな?
依田と翔平の幸せな話も聞きたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
凛太郎と薫子のバレンタイン、そりゃ初々しいカップルとしては心躍るイベントでは有るけれど、薫子にとってパティシエ見習いの凛太郎に渡すとなれば弩級に緊張するイベントとなるのか
美味しいチョコマフィンを作るまでの大変さは薫子にケーキ作りの大変さを実感させ、逆に凛太郎に「ケーキ作りを大変と思わない自分」を自覚させる事になるとは面白い
それは後に塚田が間接的に指摘するように凛太郎がケーキ作りに向いている証と言えるのかもしれない
今はまだ進路を定められていない凛太郎にとって他の人がお菓子を作ろうとした際の感触と自分の感触差は進路決めの参考となるのかもしれない
だとしたら、凛太郎の初期衝動と言えるパティシエと再会する展開は他者を通してケーキ作りへの想いを固める流れとなるのかもしれないね
この巻のハイライトはやはり朔と昴の同日模試かな
深く考えずに見れば高レベルの大学を目指して切磋琢磨する間柄に見えるが、少しでも色眼鏡が含まればそういう意味を想起してしまう。ただ、ここで周囲が囃し立てるのではなく、見守るかそもそも気付かないかという感じになっているのは良いね。まあ、それ以前に昴が全く思い至っていない状況だから外から指摘したところであまり意味を持ちそうにないのだけど
そんな調子だったから一緒に模試を受けて成績を確かめ合う感じになるかと思いきや、とんでもない人物が再登場したね
朔にとって痛みを伴う心残りである飛鷹相手だからこそ容易には触れられない。逃げてしまいそうになる
そこで彼の成長を知り、彼の強さを知る昴が朔の背を引っ叩く展開は良かったな。最初は嫌な対応をした自分へ誠実に向き合ってくれた優しい人を知っている。だから朔が逃げたままで終わらせてしまうなんて思わない。
こうした昴の温かい信頼は力になるね
気不味さや進む恐怖ばかり増す時間を自覚して、それでもなお自分から踏み出して謝った朔は本当に凄い成長を見せたよ。中学の時は飛鷹に踏み込まなかった。だから相手を傷付ける発言をしてしまった。そうした悔みを抱く彼が真摯に謝った
朔がそうして口火を切ってくれたから飛鷹の方もあの頃は言えなかった想いを口に出来たのだろうね
傷つけた、謝りたい。そう思っていたのは朔だけではないと知れるこのエピソードからは温かみをとても感じてしまったよ
今まで線を引いていた向こう側に踏み込んだら、思いもしなかった光景に出会えた。これは朔の成功体験となった筈なのだけど、この経験を昴相手には活かさない感じなのか…
外から見る分には互いを尊重し合おうとする2人はお似合いに見えるけどな…。もどかしい