- 講談社 (2025年1月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784065381892
作品紹介・あらすじ
松山地方検察庁地方支部の第二倉庫から出火。当直の事務官平田が焼死体で見つかった。平田の誘いで飲み屋で呑んでいた事務員竹内の記憶は曖昧で、気がつくと40キロ離れた町の旅館にいたという。検事の瀬川良一は、喪われた資料の復元を試みるが、昭和25年から26年の事件簿が持ち去れていたことに気づく。当時の担当検事大賀庸平に内容を問い合わせる手紙を送るが、覚えていないの一点張りで、まもなく大賀庸平は交通事故で死んでしまう。
放火の疑いを拭いきれず、酔った平田を連れ去った女たちの背後に暴力団の影を感知した瀬川は、何者かからの脅迫電話を受ける。
若い検事の瀬川には、縁談話が持ち上がっていて、その用を果たすため東京の実家に戻ったときに、大賀庸平の死を知らせてくれた娘の大賀冴子と会い、過去の事件の探索協力を頼み込むが、冴子は父の遺志とのはざまにいた。
失火事件の管理責任を問われ失職こぞ免れた瀬川だが、四国を離れ、前橋地方検察庁への転勤が命じられる。
限られた時間の中で瀬川は、検察と捜査権のある警察との反撥の中で、喪われた資料が昭和25年の大島信用金庫理事殺人事件の記録であること、冴子から「S」という有力者が関わっていることをつきとめる。
そして前橋赴任への途中、広島県福山に立ち寄り、信用金庫の事件当時、被疑者とされた山口重太郎という男と会うことはできた。「S」は信用金庫の山口重太郎の同僚だった……。
巨匠松本清張ミステリーの代表作、読みやすい新装版に!
みんなの感想まとめ
緊迫感あふれる捜査劇が展開される本作では、松山地方検察庁で発生した火災と、それに続く焼死体の発見が引き金となり、若き検事・瀬川良一が真相を追い求める姿が描かれています。管理責任を問われつつも、彼は失わ...
感想・レビュー・書評
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夜勤中にサボって酒を2人で飲みに行くという特大フラグを立てて放火殺人が発生。管理責任として冷飯を喰らう運命となった検事の執拗な捜査を描いた話。もどかしいけど読むのが止まらない勢いはある。
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松本清張氏の作品を文庫の新刊で読めるのは嬉しいですね。1971年に講談社文庫より刊行された本書を改訂し、文字を大きくした新装版です。清張氏56歳の時の作品で、読売新聞の連載小説でした。
そのため長編独特の丁寧さがあり、遅々としている印象ですが、清張ならではの風土性や、深層を追う者の心理描写がよく描かれています。
この小説の中での追う者は、検事の瀬川良一。松山地方検察庁 地方支部の倉庫から出火し、事務官の平田健吉が焼死し、戸棚の中から事件簿の2冊目(昭和25年から26年にかけての部分)だけが紛失しているのに気付きます。そのことに疑問を持った瀬川検事の単独での真相究明が始まります。
紛失した事件簿にある重大事件は何だったのかを追ううちに、ある男が浮上してきます。その人物は社会的地位のある者でした。
そして下巻へと移ります。下巻は、なぜそんなことをしたのか?という推理が解き明かされるのでしょうか。気になります。 -
2025年の4冊目は、日本が誇る大推理小説作家、松本清張の「草の陰刻」です。1964年から1965年に読売新聞に掲載されていた新聞小説です。
60年前に書かれたとは思えません。おこがましい限りですが、十分、今でも通用していると思います。流石、清張です。 -
四国の松山地方検察庁地方支部の倉庫から出火があり、事務官の平田が焼死した。松山検察の検事である瀬川良一は責任を感じ、調査を進めていく。
焼失したのが過去の刑事事件簿の資料とわかり、それに絡んだ事件性があるのでは捜査を進めていく。
終戦後の検察と警察の不仲な状況や、起訴不起訴の要件など説明されており、また主人公の見合い話を挟み家族環境も細かく描かれており、じわじわと面白さが沸いてくる小説です。
下巻が楽しみです。
2026年1月19日読み始め
1月22日読了
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