- 講談社 (2025年1月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784065382929
作品紹介・あらすじ
生物は、なぜ進化するのか? 生命40億年の冒険が始まる!
なぜウマの指は1本になった?
獲得した形質の遺伝は存在する?
「共通祖先」は地球最初の生物ではない?
脳は進化の証拠か?
ヒトは進化に抗うことができるのか?
なぜ生物は変わるのか? 進化は進歩ではない!
『種の起源』・自然淘汰・生物・遺伝子・生命・ヒト――6つのキーワードをもとに、
進化の驚くべきメカニズムと、複雑にも単純にもなりうる生物の多様な姿を解説します。
全生物の「共通祖先」とは? 種の絶滅とは? ヒトは進化途上の生き物なのか?
世界一楽しい進化論講義が始まる!
進化論に関しては、未だに間違った考えがたくさん流布している。「生物は進化することによって進歩していく」、「私たちは進化を目の当たりにすることは不可能である」といった考えだ。これらの誤解について、なるべく簡単に、わかりやすく説明することが目標の一つである。本書にはもう一つ特徴がある。それは、ダーウィンについての態度である。私はダーウィンを歴史上もっとも偉大な生物学者であると考えているけれど、だからといってダーウィンの言ったことがすべて正しいと考えているわけではない。間違いは間違いとして、はっきりと指摘することを心掛けた。<「まえがき」より抜粋>
みんなの感想まとめ
進化論についての誤解を解き明かし、生命の変化のメカニズムをわかりやすく解説する本書は、進化の直線的な理解を否定し、進化のプロセスがいかに複雑でランダムであるかを示しています。著者は、ダーウィンの思想を...
感想・レビュー・書評
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気持ちの良い朝。この季節の朝が一番過ごしやすい気がしてお気に入りだ。それなら毎日早起きして朝の時間を満喫すれば良いのだが、そうはいかない。付き合いや仕事、不規則な睡眠によってランダムにならざるを得ない。
「進化」も似たようなものかも知れない。快楽報酬があるからと四六時中、生殖に及ぶわけにもいかない。イケメンや美女、免疫の強い個体が必ずしも繁殖機会を得ていくわけでもない。人間以外にしても、単純に強い個体の一人勝ちで直線的な「進化」はしない。つまり、進化は“勝ち抜き戦“ではなく、その証拠に種としても個体としても弱々しいヤツらが今でも存在している。
貧弱だから家で寝ていたり、石の下に隠れていて、結果的に生き残るなんて事もある。
つまり、進化の前に生存を考えるべきだが、生存は運次第のランダムだから、地球に存在する種はランダムの結果と考える方が正しいはずだ。“一人勝ち“だと食糧もなくなるのだから。
だが、食い尽くすような勝ち方はないが、植民地のように畜産化するという支配を人類は行ってきた。進化しなくても“生存の帝国主義化“によって進化に値する“生存領土“を広げてきたのだ。
何だかシンプルではない進化論をぶち撒けているが、本書の主張ではなく、私の雑感だ。ところで、本書が痛快なのはやはりこうした直線的な進化の否定にあるのだが、もう一つ「ダーウィニズム」とか「ネオダーウィニズム」とかダーウィン自身の言い方ではないばかりか、ダーウィンの研究時期によっても思考は変わり定義は定まっていないので、そうした言葉を得意気に使わないほうがよいとする点だ。
偶然によって遺伝子頻度がズレることを遺伝的浮動という。浮動とは、ただよい動くこと。言葉も遺伝子も日々の確信も、浮動しながらランダムに生存している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「世界一シンプルな」という意味は最後まで分かりませんでしたが、語りかけるような文体はとても分かりやすいと思いました。進化論は誤って使われていると言われますが、あらためてその通りだと。進化論をめぐる議論がとてもわかりやすく整理されていること、遺伝による情報の伝達の仕組みがとても分かりやすかったのはありがたかった。世代を重ねるといかに遺伝子が繋がらなくなるのかがとてもよく分かりました。たとえば源氏の子孫だと言っても、その祖先というのは100億人以上に及んでしまうため、その遺伝子はほとんど受け継げない仕組みなどよく分かりました。
生物学の知識はなくても理解できるという意味ではとても良い本だと思います。 -
2024年刊行。
分子古生物学の教授である著者による、『進化論』にまつわる事象について説明した本。
「世間に流布している進化論に関する誤解を解く」
「わかっているけど理由が説明できないことを説明する」
という二つの目的が明確に示されていて、かつ内容もまとまった良い本だと思う。
半分くらいはダーウィンの論理、思想に関する内容だった。
なんとなく知っていることもあったが、改めて内容を知れて勉強になった。
特に、ダーウィンがライエルという19世紀のイギリスの地質学者から大きく影響を受けたというのは、初めて知れて面白かった。
ライエルは、ハットンの考えをもとに『地質学原理』を著し、現在主義を広く世に知らしめた。
ダーウィンは、彼が強調した「漸進性」、つまり、「地質現象は長い時間をかけてゆっくり起きた」という考え方に強い影響を受けて、『進化論』をまとめたのだ。
また、ダーウィンの『進化論』は、当時ヨーロッパを支配していたキリスト教に正面から喧嘩を売る内容だった。
「神はすべての創造主たる」という一神教における最も基礎的な教えを否定するものだったからだ。
『進化論』はヨーロッパ史上最大の論争を引き起こした。全面拒否する者、賛同する者、一部を承認、あるいは否定する者、様々な立場と思想が入り乱れての論戦となった。
重要なのは、これらの主要な論陣がキリスト教教会の中で立ち上がったことだ。
つまり、当時のキリスト教は自浄作用が働き、理性(科学)を受け入れる器量があったということだ。
そして、一部の例外はあれど(現在でも米国の主流な福音派は進化論を拒絶している)、信仰と理性の融合を図ってきたのだ。
リベラル・アーツとして勉強になる良本だった。
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題名の通りシンプルに分かりやすく進化や遺伝について解説されており、高校生の頃に遺伝子の授業で生物科目に見切りを付けて物理を選択したような自分でもしっかりと楽しく理解できた。顕性と潜性や自然淘汰などにわかに分かり難いものについて、分かりやすい例題や思考実験でシンプルに説明されており、一般読者向けに丁寧に書かれている。進化についてざっくりと学びたい人にオススメの一冊。
【メモ】
不利なアレル(遺伝子の組合せ)が潜性(昔で言う劣勢)であった時だけ、自然淘汰から逃れて生き残る事ができ、それにより自然淘汰は不利な遺伝子を除去する力はない。
自然淘汰は「生存に有利なように働く」と思われがちだが、「より多くの子を残す変異が増えていく」という表現が正確である。とは言え、「多くの子を残す」特徴は、「生存に有利になる」特徴や「環境に適応する」特徴と一致する。要因が受精数の違いである自然淘汰の事を性淘汰という。
受精卵が神経細胞や筋細胞など同じDNAの塩基配列を持った別の種類の細胞になるのは、塩基配列以外の情報(エピジェネティクス)の変化によるものである。最も有名なエピジェネティクスであるDNAのメチル化は、環境によりパターンが変化する事もあるが、この変化したパターンは子の世代にも伝わる。つまり、親が生きている間に環境によって獲得した形質が子に伝わる事になる。 -
オーディブルにて。
生物学が好きなのだけれどきちんと学んだことはない私。こんな講義を受けてみたい!と思わせるほど面白かった。一般的に広く知られている知識をどんどん疑い、検証していく展開が良い。また読み返したい1冊。 -
更科功先生の本はどれもとても面白い。
この本も著者を確認して即購入。
期待を裏切らず、のめり込んでしまった。
今日はもう遅い。早く寝よう。 -
タイトル通りシンプルで理解し易い。ダーウィンの進化論についての様々な評価、人間の遺伝子など。世界5分説などちょっとした脱線?も楽しい。Audibleで聴いたが図で説明している部分もあるので、本で再読したい
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進化の歴史をたどるような一冊でした。ダーウィンをはじめ、その後の生物学者たちがどんな苦労を重ねてきたのかが伝わってきます。作中に登場する少し極端な例も、進化の学問が戦争や社会に利用されてきた歴史を象徴していて印象的でした。
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とにもかくにも、学術書という感じで無く、壮大な地球の進化の歴史物語として読むと、色々な事が人生と被り、ためになったり、今まで理解出来なかった人の行動や行為も、あの事はこういった成り立ちなのかもと、リンクしてとても面白かったです。
まだまだ勉強不足でわからない事があったので、もう一度また読んでみようと思います。
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WEBマガジン「現代ビジネス」の連載をまとめたもの。そのため進化について万遍なく解説するのではなく、社会人が興味を惹くような内容、記載に溢れていた。
その中でも鳥の進化を論じた部分が印象深い。
鳥の羽は何もないところから一気に生えるわけではなく、中途半端な時期があった筈。そんな羽根のようなものにも何かメリットがあったかもしれないが、役に立たなかった可能性もある。
しかし、無駄に思える途中がなければ鳥には進化できない。
半端な羽根なんて偶然にしか生まれないから、進化はいつも合理的な方向だけに進んでいくのではない。自然淘汰と言われれば厳しい合理的な競争を想像するが、実は偶然による無駄を行き来していたことが分かる。
これまでも著者の一般書を読んできた。専門家が専門知識を一般に啓蒙することをアウトリーチというらしいが、そんな活動が本当にありがたい。 -
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。
「進化」は私が興味を抱いているテーマのひとつで「ブルーバックス」でこの手の本を見つけると、ともかくトライしてみています。
本書の著者の更科功さんは分子古生物学が専門の武蔵野美術大学教授です。
期待どおり興味深い論考や指摘が数多くありました。 -
世界一シンプルと書いてあったので、購入。
内容を理解したとは到底言えないけれども、以前の章で出た単語や内容が出るとあ!これみたやつだ!嬉しくて賢くなった気分。
図や表なども挟んであるので、読みやすかった!
また気になる項目だけ読み直すのも楽しみ。 -
進化について、わかりやすく、誤解をときながら解説。
確固たる線として捉えがちな進化。
でも、全然そんなちゃんとしたもんじゃなくて、ただの偶然。
ランダムに点を打った結果に過ぎないし、なんならそれは、現在進行系。
たぶん、人の意識とか思考も、そんなもんなはず。
世の中は、とてもとてもいい加減にできていて、だからこそ、奇跡なのだと分かる。
利己的な遺伝子とか、吉川浩満さんの本を、もう一度読みたくなった。 -
「ダーウィンの進化論」というと確立した1つの理論体系と思いがちだが必ずしもそうでなく,生物学というものは物理学のように普遍理論があるものではないということが本書を読んで肌に感じることができたような気がする.読者に答えを提示して納得させるという内容ではないので難しく感じる人もいるかもしれないが,難しい本ではないと思う.雑誌のコラム的な記事を選別して再編集したとのことで章ごとのつながりはそんなに無い.
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進化を「変わること」ではなく「残ること」と捉え直す一冊である。
生きものは進歩してきた、と私たちは思い込みがちだ。
だが著者は、自然選択とは環境に適したものがただ生き延びただけの結果だと説く。
そこに目的も設計図もないという指摘は、人間中心の見方を揺さぶる。
進化とは壮大な偶然の積み重ね。私たちもまた、その連なりの一部にすぎないと静かに気づかせる。 -
別にいうほどシンプルでもないかな笑。他の進化の本と同じレベルだと思う。でも進化のいろんなタイプの例として出されてる動物は分かりやすいし、数も多かったのは評価。結局進化論の本はDNAとかの話をすると急に訳分からなくなるのが一番の課題だと思う笑。
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初めて「進化論」の本を読みました。
非常にシンプルで所々に描かれる例示や思考実験なども秀逸でわかりやすく感じました。
これまで誤解していた進化論を考え直す機会となり、いい学びだったと思います。
ただ所々言及が甘い箇所がみられ(私が初学者なので間違った認識なのかもしれないが)、もっとこう考えられんじゃないか?など思う箇所が節々にあり言及があれば面白いのになぁと感じていました。
しかし進化論を学ぶ足掛かりとしてかなり有意義な内容でした。より細かな専門書を読んでみようと思える出会いでした。
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著者プロフィール
更科功の作品
