ヴォイニッチ写本 世界一有名な未解読文献にデータサイエンスが挑む (星海社新書)
- 講談社 (2024年12月18日発売)
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感想 : 11件
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784065383155
作品紹介・あらすじ
第一線の研究者が語るヴォイニッチ写本の最新研究
ヴォイニッチ写本、それは発見から1世紀余りが経過した今なお解読を拒む、世界一有名な未解読文献である。未知の言語とも暗号とも、時には捏造、デタラメとも言われるこの謎めいた本は好事家たちの関心を集め、書誌学や情報学の専門家のみならず多くの在野研究者が解読に挑んできた。小説や漫画などのポップカルチャーにも多大な影響を及ぼしている。本書はヴォイニッチ写本の研究に取り組む著者達が400年にわたる解読の歴史とともに、データサイエンスを用いた最新の研究を解説し、日本におけるヴォイニッチ写本紹介の先駆者である荒俣宏氏との鼎談を収録した、最高のヴォイニッチ写本入門である。
特別鼎談 荒俣宏×安形麻理×安形輝 収録!
*本書目次より抜粋
はじめに
第1章 謎めいたヴォイニッチ写本
第2章 これまでのヴォイニッチ写本研究
第3章 データサイエンスと古い本
第4章 クラスタリングによる分析:解読の可能性そのものを判定する
第5章 ヴォイニッチ写本研究の意義と広がり
第6章 ヴォイニッチ写本の可能性とこれからの研究
特別鼎談 荒俣宏×安形麻理×安形輝
感想・レビュー・書評
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ヴォイニッチ写本を分析している慶應義塾大学の先生の本。
ヴォイニッチは19世紀リトアニア生まれ。1912年に南欧州の古城で写本を発見したらしい。
その後、ニューヨークの古書業者が買取り、現在はイエール大学バイネッケ図書館に保管されている。
写本について今いえることとしては、
・102葉からなる
・C14分析では15世紀頃の羊皮紙製
・文字の使用頻度の偏りは自然言語に近い
・機械に分析や学習をさせるにはデータ不足
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みんな大好きヴォイニッチ写本!巻末の鼎談で荒俣先生は、コンピューターに数京回(…京)かければ解読できようとおっしゃるが、そこまでの物数寄資本もない中、著者らは内容ではなく、これが意味ある文章かでたらめな羅列かを、統計的に探った。発想の転換! その結果は…ワクワクしました! 生きてる間に解読されてくれー。
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ヴォイニッチ写本についての割と短めの本。ざっくり写本についての説明と、これまでの研究についての説明、最後にちょろっと、しかし割と重要そうに見える著者らの研究結果が載っている。ヴォイニッチ写本の存在くらいは前から知ってたけど、特に詳しくはなかったので写本や研究経緯の話を含めてぜんぶ楽しめた。コンパクトにまとまっているのもいい。著者らの研究の結果で、暗号ではなく独自言語の可能性が高そう、でたらめな文書の可能性も低そう、という辺りがわかってより興味をそそられるが、さて近いうちに解読されることはあるんだろうか。今の生成AIに読ませたらもうちょっと進展ないかな。
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4章で分析手法が書かれているのが良かった。
あと5章のシチズンサイエンスの活動が興味深い。 -
●2025年5月7日、グラビティの読書の星で紹介してる男性がいた。ヴォイニッチという言葉を初めて知った。ただ、ブクログで検索しても類似本がいくつか出るのだが、そっち方が評価が高い。
「〈ヴォイニッチ写本 世界一有名な未解読文献にデータサイエンスが挑む〉読了。
オカルト好きであれば聞いたことがあるであろうヴォイニッチ写本。
いまだ未解読である不思議な本を解読するために、どのような手法がとれるのかといったデータサイエンスについて解説した1冊。
これまでいろんな人が数々の手法で解読を試みようとしていながら未解読であることを考えると、この本がいかにすごいかが伝わります。
これだけやっても誰も解読できていないということに魅力があるのでしょう。
巻末には著者と荒俣宏との鼎談が掲載されています。
荒俣氏の話が面白く、そして博学さに驚きました。
有意義な鼎談でした。#読書 #読書記録 」
それに対しコメント「奇書の代表に対するデータサイエンス、面白そう」投稿主「科学の力で奇書の内容が解明されるかも、と思うとワクワクします[ほっとする]」 -
ヴォイニッチ写本をデータサイエンスで解明していく。
そもそもヴォイニッチ写本写本とは何かに始まり、コンピュータによる解明手法やその途中経過まで。
ヴォイニッチ写本に何が書かれているかまでは届かないが、文字のデータを収集することによってデタラメに書かれたものや暗号ではなく、何らかの言語によって書かれたことまでは解明される。謎解き本としては物足りないかもしれないが、謎を解明していく手法が丁寧に説明されているので、なかなかに興味深かった。
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第1章: ヴォイニッチ写本の概要
- ヴォイニッチ写本とは何か、発見の経緯やその謎について詳しく説明されている。
第2章: 研究のアプローチ
- これまでの研究は、伝統的手法からコンピュータを用いた現代的分析まで多岐にわたる。
- いずれのアプローチでも、解読は未だ達成されていない現状が確認される。
第3章: データサイエンスの可能性
- データサイエンスが古い文書の研究においてどのように役立つかを考察。
- 現在、古い書物がデジタル化され、インターネット上でアクセス可能になっている点に注目。
第4章: 実践的な研究
- 著者たちが実施したデータサイエンスの手法を用いたヴォイニッチ写本の研究結果について解説。
- 先行研究では意味のないデタラメとされているが、クラスタリングの結果から解読可能性が示唆される。
第5章: 研究の意義
- 誰も解読できない写本を研究することの意義について、広い視点から考察。
- ヴォイニッチ写本研究がもたらす新たな知見や発見の可能性が示されている。
研究の背景と発見者
- ヴォイニッチ写本は1912年にウィルフリド・マイケル・ヴォイニッチによって発見された。
- ヴォイニッチの生涯や、写本の来歴、関連する歴史的文書についても言及。
科学的分析手法
- 羊皮紙の放射性炭素年代測定やインクの成分分析が行われ、15世紀の制作であることが確認された。
- 科学的な証拠に基づく真贋論争や、過去の所有者に関する議論も展開されている。
データサイエンスとビッグデータ
- データサイエンスの発展がもたらす新たな研究手法について詳述。
- 現代の技術を用いた分析が可能になったことで、ヴォイニッチ写本研究は新たな局面を迎えている。
まとめ
- ヴォイニッチ写本の解読には、データサイエンスと伝統的な研究手法の融合が不可欠である。
- 今後の研究の進展が期待されており、多くの研究者がこの謎に挑戦し続けている。
著者プロフィール
安形輝の作品
