- 講談社 (2025年1月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784065383193
作品紹介・あらすじ
一人の歴史家の視点で古代地中海文明の4000年を描く全8巻シリーズ、好評第5巻。講談社選書メチエ創刊30周年特別企画。
第5巻からは、いよいよローマが主役となる。4巻までに描かれた、ギリシア文明とヘレニズムの時代と並行して、イタリア半島ではローマ人が着々と力をつけていた。紀元前753年に建国伝承を持つローマは、7代の王政の後、ローマ人がエトルリア人の王族を追放して、前509年、みずからの国家を樹立する。徹底して「王の独裁」を嫌うローマ人の国家は、著者によれば「共和政ファシズム」と呼ぶべき政体で、国内では共和政を貫きながら、国外には覇権主義を振りかざし、困難な時ほど力強さを見せるようになる。
ローマ人はギリシア人と異なり、何よりも故国の土地にこだわった。新天地に植民都市を築くのではなく、ひたすら国土を広げ、祖国を強くするために戦った。この「祖国」というものこそがローマ人の発明であり、それを守るために、父祖たちの遺風と伝統を重んじ、勝つことにこだわったのである。
こうして、前3世紀半ばまでにイタリア半島を制したローマ人の前にたちはだかったのが、カルタゴだった。東地中海沿岸を故地とし、航海と商業で栄え、アルファベット式の文字を開発した地中海古代史の一方の主役、フェニキア人の国家である。名将・ハンニバルを擁するカルタゴと、スキピオ率いるローマの戦いの帰趨が、その後の地中海世界の大きな転換点となる。
目次
はじめに
第一章 伝説の中で戦いが始まる
1 建国伝説と王政七代
2 忘却のエトルリア文明
3 共和政ローマの政治と法
4 カミルス伝説と「国辱の日」
第二章 偉大な父祖たちの半島
1 保護と奉仕の絆
2 サムニウム戦争の半世紀
3 「共和政ファシズム」と民衆の熱気
第三章 運命の巨大な褒賞
1 カルタゴとローマ
2 シチリア争奪戦――第一次ポエニ戦争
3 ハンニバル対ローマの「剣と盾」――第二次ポエニ戦争
4 大スキピオとハンニバルの明暗――ザマの決戦
第四章 地中海の覇者へ
1 ヘレニズム諸王国との対決――マケドニアとシリア
2 国粋主義者カトーの苛立ち
3 「ギリシアかぶれ」とローマ社会
4 カルタゴ滅亡――第三次ポエニ戦争
おわりに
参考文献
索引
みんなの感想まとめ
古代ローマとカルタゴの壮絶な戦いを描いた本書は、特にポエニ戦争の緊迫した瞬間を生き生きと伝えています。中でも「ザマの戦い」におけるハンニバルとスキピオの対話は、映画のワンシーンのような迫力があり、読者...
感想・レビュー・書評
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なんと言ってもカルタゴとローマの壮絶な戦い、ポエニ戦争の記述がいい。
なかでも「ザマの戦い」。ローマとカルタゴの大決戦の前日における両軍の総大将、ハンニバルとスキピオの対話。歴史家ポリュビオスの創作かもしれないが、とてもいい。とにかくカッコいい。映画のワンシーンみたい。
チュニジアにあるカルタゴの遺跡に行って、ハンニバルとスキピオと同じ空気を吸ってみたいものだ。
地図帳を開いてみる。よく見るとチュニジアとイタリアはとても近い。驚くほど近い!
こんなにもエキサイティングなのに、高校のとき使った世界史の教科書。ポエニ戦争の説明はわずか数行に留まる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「父祖の遺風」をたたき込まれたエリート層と、戦争に熱狂する一般市民の「共和政ファシズム」、これによりローマが地中海世界の覇権を握るまでをかく。
https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2025/01/22/081436 -
「地中海世界の歴史」シリーズは初めて読むのだが、この巻はローマの建国伝承から始まり、共和政ローマのカルタゴとの戦いを中心に書かれている。武将のエピソードなどが多く、サクッと読めて良かった。著者は「父祖の遺風」と教育を重んじるローマ人に共感を寄せており、それはいいのだが、冒頭から「今どきの親は、若者は」という手垢のつきすぎた文句を並べているので、ちょっとそこに鼻白んでしまった。
著者プロフィール
本村凌二の作品
