黒猫を飼い始めた (講談社文庫)

  • 講談社 (2025年2月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784065385128

作品紹介・あらすじ

5分で、世界が反転。

ルールは一つ。全作家が「黒猫を飼い始めた」の書き出しで始めること。秘密の手紙を運ぶ猫、悪神が乗り移った猫、猫ではないかもしれない猫……。二行目から一変する世界に息を呑み、結末に言葉を失う。愛も驚き恐怖も全部詰まった、会員制読書クラブMRCで大好評のショートショート企画が待望の文庫化!

26人の個性が爆発!
≪超豪華執筆陣≫
「妻の黒猫」 潮谷 験 
「灰中さんは黙っていてくれる」 紙城境介
「イメチェン」 結城真一郎
「Buried with my CAAAAAT.」 斜線堂有紀
「天使と悪魔のチマ」 辻 真先
「レモンの目」 一穂ミチ
「メールが届いたとき私は」 宮西真冬
「メイにまっしぐら」 柾木政宗
「ミミのお食事」 真下みこと
「神の両側で猫を飼う」 似鳥 鶏
「黒猫の暗号」 周木 律
「スフィンクスの謎かけ」 犬飼ねこそぎ
「飽くまで」 青崎有吾
「猫飼人」 小野寺史宜
「晦日の月猫」 高田崇史
「ヒトに関するいくつかの考察」 紺野天龍
「そして黒猫を見つけた」 杉山 幌
「ササミ」 原田ひ香
「キーワードは黒猫」 森川智喜
「冷たい牢獄より」 河村拓哉
「アリサ先輩」 秋竹サラダ
「登美子の足音」 矢部 嵩
「会社に行きたくない田中さん」 朱野帰子
「ゲラが来た」 方丈貴恵
「独り暮らしの母」 三津田信三
「黒猫はなにを見たか」 円居 挽

あなたはどの黒猫がお好き?

みんなの感想まとめ

魅力的なショートストーリーが26篇収められた作品で、全てが「黒猫を飼い始めた」という同じ一文から始まります。参加した作家たちはミステリー色を強く打ち出し、黒猫というテーマを独自の視点で料理しています。...

感想・レビュー・書評

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  • 講談社MCR編集部・編『黒猫を飼い始めた』講談社文庫。

    26人の作家による『黒猫を飼い始めた。』という書き出しで始まるショートショート作品を収録したアンソロジー。会員制読書クラブMRCで大好評のショートショート企画とのこと。

    自分も半年前から黒猫を飼い始めたので、この本に大いなる興味を持ったのだ。

    手を変え品を変え、様々なパターンの黒猫ショートショートが描かれる。何故かダイイングメッセージを描いたショートショートが3編あった。黒猫とダイイングメッセージは何か関連するものがあるのだろうか。

    神秘的なところがある黒猫は小説の題材になりやすいのかも知れないが、エドガー・アラン・ポーの『黒猫』という傑作がある限りは、さらなる傑作を生み出すことは容易ではないだろう。


    潮谷験『妻の黒猫』。初読み作家。妻を殺害し、黒猫を飼い始めた男の末路。殺人と黒猫と言えば、エドガー・アラン・ポーの『黒猫』を思い出す。

    紙城境介『灰中さんは黙っていてくれる』。初読み作家。一種の推理小説のような、そういうことかと納得する作品。

    結城真一郎『イメチェン』。最期の最期にタイトルの本当の意味と事の真相が解る。最年長の地下アイドルグループのリーダーとは何とも。

    斜線堂有紀『Buried with my CAAAAAT.』。初読み作家。有り得ないシチュエーションで起きた異常事態が描かれる意味の解らぬ話。

    辻真先『天使と悪魔のチマ』。プロバビリティの殺人計画の結末は意外なものだった。

    一穂ミチ『レモンの目』。初読み作家。マンションで独り暮らしをする女性の部屋のベランダに毎夜、姿を見せる黒猫。その黒猫を介して小学1年生の少女との奇妙な文通が始まる。

    宮西真冬『メールが届いたとき私は』。初読み作家。黒猫は味付け程度にしか登場しないが、微妙な男女の仲を描いた面白い作品だった。

    柾木政宗『メイにまっしぐら』。初読み作家。奇しくも結城真一郎の『イメチェン』と似たような話だった。

    真下みこと『ミミのお食事』。初読み作家。ゾッとするような話に驚かされた。可愛い黒猫をこういう話で使ってはダメかな。

    似鳥鶏『神の両側で猫を飼う』。初読み作家。SFのような話で面白くはない。

    周木律『黒猫の暗号』。『黒猫を飼い始めた』というダイイングメッセージとは面白い発想であったが、話はそれ以上膨らまなかった。

    犬飼ねこそぎ『スフィンクスの謎かけ』。初読み作家。またもダイイングメッセージをテーマにした話。最後の意味が解らなかった。

    青崎有吾『飽くまで』。初読み作家。『黒猫を飼い始めた。』というお決まりの文章はただ置かれただけで、ストーリーとは全く関係ないという卑怯な作品。

    小野寺史宜『猫飼人』。そう来たかと思わず唸った捻りの効いた話。

    高田崇史『晦日の月猫』。時代劇で黒猫を扱うとはなかなかやるなと感心。しかも面白い。

    紺野天龍『ヒトに関するいくつかの考察』。初読み作家。黒猫の視点で描かれたヒトの世界。

    杉山幌『そして黒猫を見つけた』。初読み作家。黒猫を使った悪巧みはものの見事に見破られる。

    原田ひ香『ササミ』。何ともブラックな話だろう。ショートショートでは勿体無いくらいのプロットだ。

    森川智喜『キーワードは黒猫』。初読み作家。またまたダイイングメッセージ。随分と手が込んだショートショート。

    河村拓哉『冷たい牢獄より』。初読み作家。全く予想もしなかった真相に驚かされた。

    秋竹サラダ『アリサ先輩』。初読み作家。黒猫に掛けられた謝礼金。

    矢部嵩『登美子の足音』。初読み作家。不思議な黒猫。目も舌も歯も真っ黒で空を飛び、散歩が好きで、外から帰ると靴を脱ぐ。

    朱野帰子『会社に行きたくない田中さん』。初読み作家。確かに猫は人間の心の底を見透かしたような目で見つめてくる時がある。

    方丈貴恵『ゲラが来た』。初読み作家。かなり無理がある結末。これでは作中に登場する作家の三田状態ではないか。

    三津田信三『独り暮らしの母』。独り暮らしの母親が飼い始めたという黒猫。以来、母親の様子が怪しくなる。なかなか。

    円居挽『黒猫はなにを見たか』。初読み作家。大学教授の変死の真相に驚かされる。

    感想はここまで。


    自分も半年前から黒猫を飼い始めたので、その経験を書いてみる。

    黒猫を飼い始めた。黒猫は2歳の雌で名前はアミという。

    半年前に引っ越してきた我が家は周りに隣家の無い、ポツンと一軒家である。7月の初め、夕食後に窓を網戸にして本を読んでいると、外でガタッと音がするので窓に顔を向けると何やら黒い生物の姿が目に入った。もしや熊かと身構えると既に黒い生物の姿は無かった。何だと思い、網戸越しに外を見ると黒い生物が網戸に張り付いて、にゃあ~と鳴いた。自分は余りにも突然のことに猫という単語が声に出せず、うわぁっと叫ぶことしか出来なかった。

    3日後、会社から帰ると外から猫の鳴き声が聞こえ、窓の外を見ると網戸に張りを付いた黒猫が庭に佇んでいた。翌日もやはり夕方に姿を見せてにゃあ、にゃあと鳴く黒猫に、腹でも減っているのではと魚肉ソーセージを上げると夢中で1本食べてしまった。

    翌日も黒猫はやって来たので、今度は外に出て魚肉ソーセージを上げるとばくばく食べて、お礼のつもりなのか自分の足に頭を擦り付けて来た。妻が網戸に張り付いたのだから名前は網戸の『アミ』ちゃんにしようと言うので、黒猫には『アミ』という名前が付いた。アミちゃんは虫除けのピンク色の首輪を付けていたので、飼い猫が迷い込んで来たものと思われた。

    それから毎日、アミちゃんは自分が会社から車で帰ると何処からか現れ、駆け降ると足元に擦り寄って来るようになった。日を重ねるにつれ、魚肉ソーセージはちくわに変わり、ついにはキャットフードになった。

    しかし、アミちゃんは余り食が進まない様子で、よく見ると首輪のサイズが小さく苦しそうだった。首輪を取ってやり、しばらく様子を見て新しい首輪を付いてなければ、飼い主の元に帰っていない証拠だから我が家で世話をしようかということになった。

    それからアミちゃんとの交流が毎日続いたのだが、7月の終わりからアミちゃんは姿を見せなくなった。心配する中、8月になってアミちゃんはビッコをひきながら姿を見せた。余りにも可哀想になったのでアミちゃんを保護し、生まれて初めての動物病院に駆け込んだ。

    幸い足の骨には異常は無く、少し撚ったのかも知れないと診断された。その帰り、猫用クッションからゲージに猫トイレ、猫砂、爪研ぎ、キャットフードなどを買い揃え、ついにアミちゃんは我が家の一員となったのだ。

    それから半年、アミちゃんは自分が家に帰ると必ず擦り寄ってきて、自分がトイレや風呂に入ればドアの前で必ず待っている。自分が読書していれば、胸の上に乗ってきて、尻を叩いてとせがみ、叩いてやると掌や顔を舐め回してくる。何時もご機嫌そうに尻尾を振るアミちゃんは我が家に来て、幸せを感じているのだろうか。

    本体価格660円
    ★★★★

    • 土瓶さん
      「猫を処方いたします」
      という小説があるそうです。
      そのうちに読みたいと思ってますが未読です。
      ことぶきジローさんも猫を処方されたのか...
      「猫を処方いたします」
      という小説があるそうです。
      そのうちに読みたいと思ってますが未読です。
      ことぶきジローさんも猫を処方されたのかも(笑)
      2025/02/17
    • ことぶきジローさん
      アミちゃんと毎日遊んでます。退屈しませんね。これまで動物には一切興味が無かったのですが、一緒に暮らしてみると楽しいですね。
      アミちゃんと毎日遊んでます。退屈しませんね。これまで動物には一切興味が無かったのですが、一緒に暮らしてみると楽しいですね。
      2025/02/17
    • ことぶきジローさん
      『猫を処方いたします』という小説はタイトルだけ聞いたことがあります。
      『猫を処方いたします』という小説はタイトルだけ聞いたことがあります。
      2025/02/17
  • 「黒猫を飼い始めた。」

    から始まるショートショート。
    参加した26名は、メフィスト賞作家が多いせいか、ミステリー色が強いものが多い。
    黒猫、というミステリアスで、かつ親しみやすい素材で、どう料理するか。
    一番好きなのは、斜線堂有紀さんかな。あとは一穂ミチさん、似鳥鶏さん、青崎有吾さん、原田ひ香さん、河村拓哉さん、矢部喬さんのが好きだったな。

    あと、アメリカンショートヘアの全身真っ黒の猫がいるのをはじめて知った。
    アメショーと言えば、グレーのトラ柄だけとばっかり思っていたのでびっくり。
    知らなかったから、「黒猫を飼い始めた」のあとに、「アメリカンショートヘア」と、書かれていて、猫が二匹出てきてるのか、それとも何か叙述トリックが!と混乱した。笑

    猫に親しんでるっぽい作家の方と、そうでもないっぽい方がいるな、と、感じた。

    猫がひどいめにあったりするものもあるので、そういうのが苦手な方は注意!

  • 26人の著名作家さんのストーリー、ルールは冒頭に「黒猫を飼い始めた」で始まること。一番ゾッとした話しは、一穂ミチ『レモンの目』。マンションで独り暮らしをする女性の部屋のベランダに毎晩黒猫が来る。その黒猫の首には折りたたんだ文章が。。。小学1年生の少女との気軽な文通が始まる。が、しかし!ヤバいラストだった。結城真一郎『イメチェン』のラストが秀逸。地下アイドルのイメチェンかと思いきや、やっぱり猫のイメチェンだった。我が家の2匹のスコティッシュ♂(灰色)♀(茶色)。毎日ニャンニャンプロレス、とても元気!⑤

  • 本屋でふらっと目にとまった本。最近集中力なくて短編なら読めるかもと思って購入。
    「黒猫を飼い始めた」から始まるショートショートは全くもって奇想天外なストーリーが多め。
    殺人事件系が多かったけど、2.3個ほっこり系の話もあったり。
    娯楽読書にちょうどいい。

  • 「黒猫を飼い始めた」
    この一文から始まるショートストーリー。
    26名の作家さんが個性的に書き綴られています。

    読み進めていく中で、ふと不思議な感覚。
    〜ミステリーという縛りはない?のに、
    多くの作品がミステリー系である〜こと。
    ショートショートだと書きやすいのかな。
    または、
    黒猫 からの始まりは、やはり感覚的にミステリアスなのでしょうか。
    黒猫が一番好きな私は、ふと考えてしまいました。

    個人的には、一穂ミチさんの物語に一票です。

    たくさんの作家さんの 黒猫ストーリー。
    続編を期待します!

  • 「黒猫を飼い始めた」
    最初の一行は、すべて同じ短編集

    一編が7〜8ページぐらいなので、
    すきま時間にちょこちょこ読める

    26人の作家さんが書いていますが、
    好みの問題もあり
    当たり外れはありました

    ただし、大当たりや大はずしはなかった

    同じような企画があれば
    また読みたいと思いますが、
    是非読んでくださいというほどでもないかな

  • 短編集なので短すぎて私には物足りなかったかも。
    でも作家さんたちの文体や方向性は全然違うので違いを楽しめた。次読む本を選ぶときに参考になると思う。

  • 久しぶりにつまんなかった。どれも。
    好みの問題といえばそれまでですが。
    そもそも発表された媒体がミステリー誌なので、そっち系になるのでしょうが、どうしても似た傾向になるね。
    表紙のMRCメインキャラクター、黒猫ダニットさんはカワイイけど。
    あ、この名前も「フーダニット」からか。

  • 「黒猫を飼い始めた」の書き出しから始まる、26個の掌編が収録された短編集。
    「黒猫」というキーワードのせいか、全体的にホラー寄りの作品が多め。
    その中でも一穂ミチさんの「レモンの目」は現実にもありそうな気味悪さで、思わずぞっとした。

  • ミステリーとは知らずに手に取ったので
    個人的な違和感が拭えないまま
    最後まで読みました。

    猫好きとしては、ただの黒猫しばりにしてほしかったなー、なんて。

    『富美子の足音』が一番面白かったです^_^

  • 「黒猫を飼い始めた」から始まる26編のショートショート。ジャンルもいろいろだが短い中にあっと驚くオチがつくのはさすが。初読みの作家さんも多く、それぞれに楽しんだ。

  • 短編集を読むことはあまり無いけど、タイトルと表紙に惹かれて購入。
    いくつか気に入った話があって面白かった。
    新しい作家さんを知るきっかけになったり、隙間時間でサッと読めるのが短編集の良いところだなと感じた。
    書き始めは同じでも色々な物語になるものだなぁ…。

  • 物足りないです。短編集なのでしょうがないのですが、あっという間に終わってしまって心に残るものがなかった。私には短編集は合わないのかな

  • 「黒猫を飼い始めた」から始まるショートストーリー。一話一話すっごく短いので読みやすいけど、これはもう少し深く読みたかった~っていうのもある。簡潔にまとまってるのもあればちょっと意味が分からなくて混乱するものもあり。全話一つも黒猫が死んだり虐待されたりすることはないので安心。最後の一話だけ「ん?」って思うけど。
    中からお気に入りの一文「世界いちかわいいという称号は、猫の数だけあるのだろう。」その通りですね!

  • 僕の好きなのは「この先どうなるのかな?」とハラハラする感じのもの。
    短編でソレを出すのって難しいでしょうね。
    それでもう感じさせてくれるものもありました。
    タイトルの8文字から全てが始まる短編集。
    サクッと読めます。
    物足りないのは短編なのでやむを得ない。
    でも、感じることも多いはず。

  • 好きな著者がたくさん参加してるから…というつもりで手に取ったけれど、意外と、ノーマークだった作家のショートショートの方が面白かった。ショートショートであるせいか、後半から急カーブし始め、そんな結末に!?と笑ってしまう話が多かった。『灰中さんは黙っていてくれる』『天使と悪魔のチマ』『メールが届いたとき私は』『神の両側で猫を飼う』『飽くまで』『会社に行きたくない田中さん』『黒猫はなにを見たか』等々好きだけれど、正直選びきれないほどどれも良かった。

  • 20人超の作家による短編集。ルールはひとつ「黒猫を飼い始めた。」から始めること。色んな作家の色んな世界を楽しく読んだ。

  • イメチェン 結城真一郎
    レモンの目 一穂ミチ
    スフィンクスの謎かけ 犬飼ねこそぎ
    飽くまで 青崎有吾
    好きだった話
    ミステリー以外の話も展開して欲しかった

  • 全ての物語が「黒猫を飼い始めた」から始まる短編集。
    様々な人が書いた沢山の黒猫にまつわる小説が読める。

    人それぞれ文章に癖があったり話に捻りがあって面白かったり、はたまた安易であまり楽しめなかったり。
    人の想像力ってすごいなあと思った。
    中でも一番好きな話だったのは一穂ミチさんの「レモンの目」というお話。
    猫を介して小学生?と文通を始めたけれど、最後には…
    最後のインターホンが鳴った時の臨場感、ドキドキ感の演出がすごく上手だなあと思った。

    それ以外の作家さんは…文章めちゃくちゃすぎやろ…と思う人もいれば、西尾維新の影響うけすぎわろたと思ったり、話の作り方が上手だなあと思ったのは一穂ミチさんだけだったかも。
    黒猫を飼い始めた、という一節から黒猫を物語に組み込まない意地悪さを持った人が好きだなあ。

  • それぞれの作家が工夫を凝らしていて面白い。
    自分としては猫飼人が特に面白かった。
    再読予定。

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