インハンド(6) (イブニングKC)

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  • 講談社 (2025年3月12日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ) / ISBN・EAN: 9784065386941

作品紹介・あらすじ

とある大学で、遺伝子ドライブの研究者が毒殺された。残された手掛かりから警察が推定した容疑者は…まさかの紐倉哲!
一方同時期に、ヨーロッパやアメリカでも研究者の不審死事件が続発。
遺伝子ドライブ、マイクロバイオーム、虫よけ薬……
研究分野も国籍も異なる犠牲者たちにもたらされた災禍は偶然か、必然か?
真犯人を見つけ出すため、逃亡した紐倉は独自に調査を開始する。

感想・レビュー・書評

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  • ある大学で、遺伝子ドライブの研究者が毒殺された。残された手がかりから警察が推定した容疑者は、なんと寄生虫専門学者・紐倉哲!? 彼は疑いを晴らすため逃亡しながら真相を追うが、同様の事件は世界各国で発生していて──。4年振りのシリーズ最新作『アルテミスの毒』完全収録。

    インハンドの新作が再び読めるなんてうれしすぎる! 紐倉、高家、牧野、潤月のかけ合いが懐かしくて、実家に帰ってきたかのよう。こんな感じで短期連載し続けてほしいなあ。
    さて、今回の事件は紐倉が殺人事件の容疑者になってしまうという剣呑なスタート。現場に残されていた毒入りチョコレートの発送元がなんと紐倉だった?! 警察はそれで逮捕すると詰め寄るが、本人は「そんなに僕が馬鹿に見えるのか!?」とご立腹。そりゃあ相手を殺すのに、わざわざ送り主の名前なんて書くはずがないからね(笑) 自らの無実を根拠を述べて伝えるも、話は通じず。ここで紐倉の機転が面白い。あんな方法で脱出するとは、息ピッタリでいいね。

    毒殺に使われたのはボツリヌス毒素だった。世界最強の毒。熱に弱いが、少しでも残っていれば効果はある。ヒトにおける半数致死量は経口で0.006μg/kg。つまり、たった500gあれば全人類駆逐できるという危険物。症状は下痢、嘔吐から始まり、麻痺が顔面から広がっていき、呼吸筋が麻痺すると死亡する。死の寸前まで意識があるというのが怖すぎる。

    また、遺伝子ドライブもキーワードになってくる。被害者・オニャンゴ教授が研究していた技術。メンデルの遺伝では50%の確率で遺伝するのに対し、それよりも高い確率で人為的に遺伝を発生させる。例えば、遺伝子ドライブ組換え蚊を使えば、マラリア耐性を持つ蚊を放つことでマラリア媒介を防ぐことも理論上はできる。パナマ運河で放射線を当てて不妊化したラセンウジバエを養殖して放っている話を思い出した。これは成功しているとのこと。マラリア撲滅は現代では叶っておらず、課題になり続けている。

    逃亡しながら紐倉は事件の真相へと迫っていく。各国でボツリヌス毒素を使って殺された類似事件。その被害者の見えざる共通点とは何か。その最奥へたどり着いた時、科学の可能性に善悪はないと思い知る。それを人間がどう扱うか。それで表裏はいつでも入れ替わる。
    「一人一人はいい人たちなんだ…とてもとても…でも緊張状態の中で人が集まると…危険だ」
    「人種という概念の多くは社会的 恣意的につくられたもので ゲノム解析から得られる生物学的見地から見て意味のある分類じゃない」
    この二つの言葉が印象深い。読み終わった後にこそ、現実の問題が重くのしかかる。

  • 2025/04/17

  • 科学は人を、動物を、環境を
    助けるものであってほしい。
    と改めて思った。

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著者プロフィール

2010年、アフタヌーン四季賞冬のコンテストにて、準入選を受賞。
「アフタヌーン」にて2013年『ネメシスの杖』を、2016年『インハンド 紐倉博士とまじめな右腕』を連載。
医療サスペンスの新たな描き手として注目を集めている。


「2019年 『インハンド プロローグ2 ガニュメデスの杯、他』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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