フロイトとベルクソン (講談社学術文庫)

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  • 講談社 (2025年3月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784065387832

作品紹介・あらすじ

ジークムント・フロイト(1856-1939年)とアンリ・ベルクソン(1859-1941年)。ウィーンとパリで同じ時代を生きた二人は、同じ知のネットワークに属していたばかりか、同じ対象に関心を抱き、独自の思索を展開した末、対極から同じ領域に迫ろうとした。しかし、彼らには直接の交流はおろか、著作での言及も皆無に等しい。この謎めいた事実は何を意味するのか──本書は、この問いに挑み、二人の知の巨人を隔てる深淵に肉薄する。
著者は言う。「精神医学にせよ、哲学にせよ、およそ学問的な企てが総じて追求しているのは、人間の幸福だと言っていいだろう。つまり、幸福を否定してくる不幸事の調査研究も含めて、人生の幸不幸の研究こそが、いっさいの学問の根本の任務なのである」(第V章)。この「幸不幸」という問題に決着をつけるために、著者は「フロイトとベルクソン」という問いに到達した。だが、その問いは著者が生み出したものではなく、「この二人の「無意識の発見者」から発せられていると強く実感される」ものだった。
本書は人間と切り離せないこの問題に向き合うすべての人への贈り物である。

[本書の内容]
プロローグ
小林秀雄の声を聴いたこと/直覚された二人の関係

第I章 生
同時代人/誕生の頃/修学時代/無意識・心の基体の発見/ユングという体験/ミンコフスキーの精神病理学/晩年/再び、直覚された二人の関係に焦点を合わせる

第II章 夢
記憶の円錐体について/ベルクソンの「夢」の講演/『夢解釈』の裏側の世界/冥界への歩み、果てしなく/快原理のもろさ/刺激保護膜の無機物的性質/快原理の/夢の「彼岸・前史」/涅槃原理のほうへ/無意識から、無意識へ/ベルクソンという覚醒

第III章 抑 圧
ベルクソンの思索と「抑圧」メカニズム/抑圧されたものとエスについて/生命のダブル・バインド/円錐体という意味過剰の渦動/「一ツの脳髄」から「感想」の破綻(終焉)へ/現実原理/快原理と円錐体、エロース/死の欲動とエス/シュレーバー語のダブル・バインド/円錐体の時間とエスの時間/無機物(フロイト)と物質(ベルクソン)と

第IV章 自 我
自我制作を企てるか否か/ベルクソンの精神病観/フロイトの自我(概念)制作の必然について/フロイトの企ての特質/中断された投射メカニズム研究/投射から企てへ/オイフェミスムス/アナクロニスムに発する投射のメカニズム/記憶の円錐体と投射メカニズム

第V章 進 化
ベルクソンと進化/死後の霊魂の不滅について/トルストイの『イワン・イリッチの死』を再読する/『イワン・イリッチの死』と正宗白鳥/弛緩の至福/フロイトと退化/反復

エピローグ――エスが企てる

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  • きっかけは小林秀雄

  • 東2法経図・6F開架:B1/1/2860/K

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著者プロフィール

1949年、茨城県生まれ。東北大学医学部卒業(医学博士)。都立松沢病院、東京医科歯科大学、栗田病院、稲城台病院などを経て、現在、いずみ病院(沖縄県うるま市)勤務。専門は、精神病理学。
主な著書に、『シュレーバー』(筑摩書房)、『死と狂気』(ちくま学芸文庫)、『〈わたし〉という危機』(平凡社)、『20世紀精神病理学史』(ちくま学芸文庫)、『祝祭性と狂気』、『フロイトとベルクソン』(以上、岩波書店)など。
主な訳書に、ジークムント・フロイト『モーセと一神教』(ちくま学芸文庫)、ダニエル・パウル・シュレーバー『ある神経病者の回想録』(講談社学術文庫)など。

「2018年 『創造の星 天才の人類史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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