パラソルでパラシュート (講談社文庫)

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  • 講談社 (2025年3月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784065389492

作品紹介・あらすじ

29歳、流されるままの人生の中で、売れないお笑い芸人と出会った。
なんてことない毎日がきらめきだす、ちょっとへんてこな恋愛小説。

結婚には興味がないし、仕事も食べていけるだけの収入があれば十分。受付嬢として働く柳生美雨が三十歳の契約終了を前に出会ったのは、売れないお笑い芸人の矢崎亨だった。亨や相方の弓彦、シェアハウスの芸人たちと遊んで過ごす中で訪れる「嵐」。周りに合わせて生きてきた美雨が見つける、初めての希望とは?
掌編「夜間降下」を特別収録!

みんなの感想まとめ

周りに流されながらも、自分の価値観を見つけることの大切さを描いた物語が展開されます。29歳の受付嬢、美雨が売れないお笑い芸人たちと出会い、ルームシェアを通じて彼らとの交流を深める中で、日常が色づいてい...

感想・レビュー・書評

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  • 序盤読んでて心地よくパンチの効いた文章に、とてつもない才能を持った作者に巡り合ってしまったって「一穂ミチ」覚えておこうと思ってたら「スモールワールズ」書いた人だったw 「ツミデミック」も読んでないですけど巨匠の悪寒がする。そう言えば「光のとこにいてね」もこの人だった。脳内映像が鮮明に浮かび上がってくる表現力が秀逸だし引出しも多そう。今回は大阪丸ごと楽しんで漫才にコントぶちかましてきました。
    29歳崖っぷち受付嬢の雨ちゃん。見ていて危なげでイタい、なんだか坂道転げ落ちてゆくような感じで加速度増して拗れていく。何者でもない自分を値踏みせずにみてくれるとか頑張らなくっていいんだよって駄れ堕れな厭世感が笑いですべて吹き飛ばしてくれそうでため息でそう、後輩の千冬ちゃんとか、先輩芸人のネバーくん、事故物件の主グルグルさんとか、いい仕事してたけど、主人公の雨ちゃんはいただけませんでした。

  • 初めまして、一穂ミチさん(*ᴗ͈ˬᴗ͈)ꕤ*.゚

    正直読み始めた時は「何だこの変わった話の展開?」と思ってしまいましたよ。これ、全ては最後に繋がっていたのですね。読み終えた時にはやられたー!って気分でした。タイトル、表紙や帯からは想像の出来なかった世界が広がっていて、「は?は?は?」と思いながら次のページを捲るのが久々に楽しかったです。だからここ数日寝不足になっちゃいましたよ。どうします?おかげで?年末なのに何もしたくないでーす。

    そして大阪が舞台でしたね。大阪への、お笑いへのお笑いをしている人への愛を強く感じました。実は私も、笑いは最強!と思っている人です。知っている場所も沢山出てきて「ここで話しているのかな?」とか想像しながら読むのも楽しかったです。

    そして読み終わって数時間経った時、ふと気づいたことがあったのです。

    生きていく上で大事なことは、周りの人の価値観じゃなく、周りからみてそれがどんなに歪であろうと、自分が幸せでいれる価値観を持って生きていくことが一番大事なんだということ。
    そして人によって大切なものは人それぞれなのだから、自分の価値観でそこに土足で踏み込んではいけないということ。

    気忙しい年末に、素敵な気づきを与えてくれたこの本を読めて、とても嬉しく思います。
    他の一穂さんの本も是非是非読んでみますね。
    それでは。今年ももうあと数時間。
    よいお年をお迎えくださいね。

    (注:一穂さんへのお手紙風に読んでくださいね)

    ............って( ºДº)/オイ!面倒くさいでしょ笑

    こんな拙い感想に今年もお付き合いくださり、本当にありがとうございました(*ᴗ͈ˬᴗ͈)ꕤ*.゚

    • へぶたんさん
      1Qさーん*\(^o^)/*
      本年はたくさん遊んでいただきありがとうございました。
      来年もよろしくお願いいたします♪
      1Qさーん*\(^o^)/*
      本年はたくさん遊んでいただきありがとうございました。
      来年もよろしくお願いいたします♪
      2025/12/31
    • へぶたんさん
      まことさーん*\(^o^)/*
      お身体の調子、すっきり?されたみたいでよかったです。
      健康に気をつけつつ、来年もたくさん本読みましょうね♪
      まことさーん*\(^o^)/*
      お身体の調子、すっきり?されたみたいでよかったです。
      健康に気をつけつつ、来年もたくさん本読みましょうね♪
      2025/12/31
    • へぶたんさん
      四季子さーん*\(^o^)/*
      互いの価値観の距離感、難しいけど大事ですよね。
      それでも独自価値観で、来年もバリバリレビューしますよ〜♪楽し...
      四季子さーん*\(^o^)/*
      互いの価値観の距離感、難しいけど大事ですよね。
      それでも独自価値観で、来年もバリバリレビューしますよ〜♪楽しい新年をお迎え下さい〜♪
      2025/12/31
  • 受付嬢の美雨がお笑い芸人たちがルームシェアする家に通って仲間になる。
    そんな都合良くいかないだろ、とツッコミたくなる。
    物語もそんなに大したことは起こらない。
    でも、登場人物に芸人が多いので、いちいち会話がおもしろい。
    同僚の千冬もツッコミ上手で、なんなら美雨自身も淡々とボケるので、わりと楽しい。
    お笑いライブのネタもクスッと笑えた。
    もっと美雨とクールな亨との恋愛要素を入れてくれたらキュンキュンしてよかったのになー。

  • 久々の一穂ミチさん。受付嬢が芸人と出会ってルームシェア、という不思議なあらすじ。


    導入から突拍子もない始まり方で、主人公大丈夫な人なの?、この小説どこに向かっていくんだろう?と思いながら読んでいました。

    読み終わってもジャンルはこれ!と言い切るのは難しく、独特の雰囲気の小説だったけど、登場人物それぞれがちゃんと気持ちに決着をつけていて読後感は清々しくて良かったです。
    「概念に縛られない生き方」というのが1つのテーマで、自分はそこに縛られてしまっているからこそ不思議に感じてしまったのかもね。

  • 移動中から読みはじめて、あっというまだった。コントのネタも、安全ピンの使い方もツボにはまった。なんばグランド花月行きとなった。まあまあ、おもろかったで(笑)
    で、はるさめスープお昼に食べてもたわ。
    関西弁がなんとも心地よい。
    亨と雨ちゃんの出会いが素敵でした。
    同じ曲を口ずさむ、目が合う。
    見つけてくれた見つけた関係。
    時に流されちゃっていいんだとなんかほっこりした。
    亨がなんともいいんだ(笑)
    千冬ちゃんもいいんだ(笑)
    雨ちゃん、幸せもんだ。
    これドラマ化してくれんかな?
    と、一穂さんてコントのネタも書いてるんかな?

  • 一穂ミチさん初読み。
    大阪を舞台に、29歳の企業の受付嬢の美雨と知名度そこそこであまり売れていないお笑い芸人の亨、その相方の弓彦を中心に展開する長編小説。30歳で契約を切られてしまう受付嬢って現代でもそんなあからさまな年齢差別があるのだろうか…。美雨と亨はひょんなことから出会い、美雨は芸人たちのシェアハウスに入り浸るようになる。とはいえ、お互い好意のようなものを抱いているようだが恋愛関係というより、ただただ共存している。恋愛小説ともお笑い芸人の小説とも言い切れず、いまどきの小説だなという印象を持った。淡々と日々を過ごすだけのように見える美雨は年齢についても仕事の契約期限や結婚についても焦りはなく、目標を達成することだけが人生ではない、という軸を持っているのが逆に強い。読む人によって着眼点が大きく異なりそうな小説だと思った。

  • 夏子のモデルの女性の例のようにやはり現代社会で女性が置かれている立場が大前提にあるのだろう。ただし、推し活に生きがいを見出す先輩の受付嬢やしたたかに婚活をする後輩の姿からそこを掘り下げているわけではないことはわかる。

    そして、流されるままに生きていた女性の成長の物語と云えるのだろうが、最終的に目指す先が「成功」や「安定」ではないことは確かである。

    大きな事件や出来事が起こる訳では無いが、芸人の生き様であったり、会話の妙に最後まで楽しく読まされた。
    崖っぷち(29歳の女性という立場)からパラソルで、でも「笑い」というパラシュートを付けてというタイトルの意味にも納得。

    それにしても、あの会長への「もやし」の返しには声を上げて笑った。

  • 何でもない日常にきらめき出す瞬間が訪れたら希望になる。「安全ピン」と美雨の空気感がたまらなく好き。事故物件にぐるぐるさんが出てきたのに平然と暮らす人たちと美雨の溶け込み方がヤバすぎ!面白かった!

  •  すごく先が気になる!という訳ではないのに、読みやすくて、気がつけば読了してしまいました。

     恋愛小説ではなく…ジャンルは難しいですが、今時?な感じで面白かったです。
     主人公のどこかふわふわした感じが読んでいて心地よかったです。焦るでもなく、そういう生き方も良いな…と思えました。

     一穂さんの他の作品も読んでみたいです。

  • 面白かった。
    大阪弁が心地よい。
    最初は主人公の雨ちゃんに共感をしてたけど、だんだんちょっとなんか違うなーと違和感。
    ずいぶん図々しい笑
    まぁ、でもそーじゃないと話か進まないか。
    郁子が、頭の中でヒコロヒーになった。

  • ベッタベタな関西弁で気軽に読める恋愛系〜だけではなく、気持ち的なところまで一歩踏み込めて、シミジミしてしまった。

  • 芸人さんの話。なぜか「花火」の悲哀な感じが似通っている。芸人さんは確かに最終目的像のわかりにくい職業だ。テレビに出るより舞台で漫才やコントする方が好きな人もいるだろうし、番組持ちたいとか、俳優さんになりたいとかでもアリな気もする。

    美雨は29歳で受付嬢。30歳になったら退職しなければならない職場で働いている。誕生日プレゼントにもらった音楽ライブ先で靴擦れになってめちゃめちゃ痛かったのだが、変な男についてくるように言われてついていってしまう。男は手当してくれて、チケットをくれた。お笑いライブだった。

    お笑いライブの打ち上げに誘われて、ついて行ってみる。彼らはシェアハウスで住んでいるらしく、また遊びにおいでと誘われた。お邪魔することになる。シェアハウスは事故物件なのだった。入れる人と体調が悪くなってダメな人がいるらしい。

    ネバーくんが芸人をやめた。故郷奈良に帰るという。美雨がシェアハウスに入ることが決まった。

  • 舞台は大阪。受付嬢の美雨が北海道出身ながらもコテコテな関西弁を話す芸人トオルとのバンドのコンサートで出会い不思議な関係を作っていく。芸人トオルと何とも不思議な関係性が展開されていく、ヘンテコな関係のヘンテコな物語。二十代後半ながらも家族でも無く、ラブストーリーでも無く、安定した関西に住む芸人たちと受付嬢の歪な関係性の若者達のお話。何とも不思議な関係性が和やかでもあり悠々自適でもあり色んな季節の感じを受けた作品でした。

  • 個人的に今のところ一穂さんの作品で一番好きかもしれません。テンポの良さとしょうもないけど大事にしたいあたたかさが混在していて。寒い時期に読むとコタツに入っているような気持ちになりました。最高です。ありがとうございます。

  • 『この人の目はわたしを値踏みしない。
    何でもないわたしを、何でもない人間として、可も不可もなく見ている。』
    この部分大好きです。
    他人を評価しない人ってそうそう出会えない。

  • 美雨は29歳の受付嬢。売れないお笑い芸人の亨とバンドのライブで出会ったことをきっかけに、芸人仲間のシェアハウスに出入りするようになる。あっさりしていて自分を必要以上に出さないけれど、何となく人に寄り添い安らぎを与える美雨は、不思議な魅力がある。恋愛物語でもなく、大きな事件が起きるわけでもなく、それでいてふわっとして心地いいそんな物語だった。

  • ざっくり言うと人生話なんだけど、お笑い芸人を絡ませてくるのは初めて読んだかな。お笑いネタもしっかり描かれてるけど、ちゃんと面白くて驚く。作者とツボが同じかもしれない。芸人の実態がどこまで現実に沿ってるのかは判断つかないが、やたら解像度が高い気がしてくるのもすごい。みんな実在しそうだし、安全ピンをリアルで見たい。あまり浮き沈みも少なく粛々と時が流れてくる中、ほんの少しのことで涙ぐんでしまった。

  • 世間の「普通」でいえば、契約期間中に結婚するべきところをそうしてこなかった美雨が、先が見えなくても好きなことを全力でやっている芸人たちに出会って、「笑いながら、何でもなく、ただ生きていてやる」と思えるようになったのってすごい。特にこれが好きといったものもなく、流されるまま生きてきた美雨が、お笑いが好きと心の底から思うようになったことで、自分の意志をはっきり持っていくのがよかった。
    私も劇場にお笑いライブを観に行くのが好きなので、架空の芸人だとしても、ファンには見せない彼らの苦悩を知れたのが、楽屋を覗いているようで楽しかった。

  • 何の目標も欲もなく、流されるまま生きている、つかみどころのないアラサー女子が、お笑い芸人との出会いを通して自分の居場所を見つける。意外な事が起きるわけではない。一穂さんにしては刺激の少ない展開だけれど、締め方は悪くない。繊細な心情表現はお手の物、舞台となる大阪の街の情景描写も巧みで、とても印象に残った。

  • 受付嬢の29歳美雨が30歳の契約終了前、売れないお笑い芸人やシェアハウスの芸人たちと過ごす中で、自分の生き方や考えについて見つめ直していくお話。

    同年代の女性が読んだらグサグサ刺さります!!エピソードの1つ1つが分かる…!と感じていました。でも、暗すぎず明るい展開が多くてするっと読めるのがいい!

    亨と美雨の出会いのシーンは1番お気に入り!
    弓彦くんや郁子さん、ネバーくん、千冬ちゃんなど素敵な登場人物ばかりでした。

    結婚や仕事について悩むすべての女性が共感できると思う!

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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