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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784065389522
作品紹介・あらすじ
「ここはいやだとおもう気もち、わたし、ちょっとだけわかる。」野間児童文芸賞、小学館文学賞、産経児童出版文化賞大賞、IBBYオナーリスト賞など数々の賞を受賞する岩瀬成子氏の最新長編作品。
校舎を見上げると、二階の窓から女の子が体を半分のりだして、いまにも飛びおりようとしていた。またあの子だ。
〈あー〉
声にはださずにさけぶ。
〈飛んじゃだめ〉
髪に黄色いリボンをむすんでいるその子にむかってさけぶ。ーー
学校で、みんなのなかにまじりこんでいるとおもっていても、気がついたら、いつもみんなの外にいる。
校舎からでて、ふりむいた。そして、あの二階の窓を見あげた。窓はあいているけれど、あの女の子のすがたはなかった。
ーーー
「そんとき、いやだ、いやだ、いやだ、って声が体のなかからきこえたんだ。その言葉がわたしの体をぐるぐるまきにしているのがわかったの」
「ぼくね、中ちゃんのそういうとこ、うらやましいよ。ぼくだって、いやだなあっておもうことはあるよ。だけど、どうしても、いわれたとおりにしてしまうんだ」
本文より。
あらすじ
教室で「わかんない」といつも答えてしまうから学校で「わかんないちゃん」と呼ばれている少女の中はいつも学校の校門へ着くと、大きなため息をつく。
校舎をみあげると二階の窓から女の子が体をのりだして、いまにも飛び降りようとしているのだ。でも、目をつぶって二階をもう一度見ると窓はしまっている。
ある日、犯罪研究に興味があるという仲良しの幼馴染のセンくんから、近所であやしい動きをしている人を見つけ、中も一緒に見張り調査をすることに。
わからないことを抱えて生きる子ども達、大人達がそれぞれのいるべき場所と答えを探していく。
装画は日本絵本賞、講談社出版文化賞、ブラチスラバ世界絵本原画展金牌、オランダ銀の石筆賞など受賞の酒井駒子氏。
みんなの感想まとめ
わからないことを抱えながら生きる子どもたちの心の葛藤を描いた作品は、主人公の少女が学校での疎外感や家庭の複雑さに悩む姿を通して、読者に共感を呼び起こします。彼女は「わかんない」と答えることで周囲から笑...
感想・レビュー・書評
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小4の中は、両親が別居した為、今はハハと2人暮らし。
隣りに住んでいる一つ上のセンくんと学校へ行くけれど、本当は行きたくない。
いやだ、いやだと思うからなのか学校はつまらない。
いろんなこと考えているけどわからないことは、わからないと言うからみんなに笑われる。
わからないことの多い中だけどちゃんとハハと話をするし、チチとも話をする。
ハハに悩みを言う特丸さんとの会話も聞く。
センくんと助けたお爺さんの息子の話も聞く。
大人の話を聞くことで、自分なりに何をしたいかを考えていくのだろう。
大人になってもわからないことはたくさんある。
それをわからないと言えるのか、わからないまま放ったらかしにするのか、大人だからそれは自由にするのかもしれない。
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うちの娘も何を聞いても「わかんない」というので、そんな彼女に読んでもらいたいのと、私も彼女を理解したいと読んだ一冊
主人公の中ちゃんのお母さんがきちんと娘の気持ちを受け止めてて反省
小4の子なので、がっぷり四つというわけじゃないけど言葉の選び方が優しくてさすが童話作家
小学生が学校に行きたくない気持ちがすこーしだけ分かった気がする
最後に中は自分であることを決めるんだけど、居心地良く自分らしくいられる場所を探して選ぶって大人でもなかなかできないことなので、これからの毎日を伸びやかに過ごしてほしいなと娘に重ねて思う -
子供新聞で紹介されていた。
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2026.6.14市立図書館
今年の産経児童出版文化賞を受賞した本9冊の中から興味を持ったので、借りてみた。(その2)
主人公は4年生の女の子。童話作家兼新聞記者の母と住んでて、父はちょっと前から別居で故郷の島で喫茶店をひらく準備中。一癖ある幼馴染の5年生の男の子や母の職場の同僚も含め、みんなが自分の居場所やありかたをさぐっているという物語。学校という場からはみだして、疎外感をかかえ、父と母の別居をひそかに憂い、それでも自分なりに気持ちに折り合いをつけ「わかんない」をかかえながらなんとか毎日生きてる主人公の姿にも、考えた末に別居を選んだ両親のいうことにもちょっと親近感を覚えた。
岩瀬成子さんの作品ははじめて読んだ。
巻末に他の作品の書影があって、それも酒井駒子さんの装画だったので、もうすこしいろいろ手にとってみたい。 -
そう、これだよ。
言葉にならない思いとか、今この現実はすべてうそで固められた感じ。
こういうことを深く考えたくなくて、もやもやという言葉で済ませていたり、考えないようにしたりしていた。
岩瀬さんはそういう思いをしっかり表現されているし、その思いとゆっくりでいいからちゃんと向き合い続けることを描いているんだと思った。
そして、中ちゃんと母の会話がすごくいい。お母さんがすべてを包みこんでくれて中ちゃんが安心する。
最後に中ちゃんが自分で決めて一歩進むことができて、本当によい終わりでよかった。
実は途中で挫折しそうだった。課題図書だからというなかば任務で読み進めた。挫折しそうだったのは、ちゃんと言葉にならなくても向き合うことから逃げている自分の表れだな。今は全部読んでよかったと思っている。
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2026年4月16日 図書館
心情の描写が多くキャラクターが分かりやすい -
岩瀬さんの作品は、こころの奥にずっとある。大切なおまもりのようでもあるし、静かに抵抗するための力のようでもある。
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桜林直子さんの、「つまり、“生きづらい”ってなんなのさ?」と併行して読んでいるのだけど、
まさに、中とセンくんが、
「社会に合わせられない生きづらさと、社会にあわせられるがゆえの生きづらさ」の例だなと思って、納得してしまった。
私は後者だけど、同じものさしで相手の辛さをわかったつもりになってはいけないなと思った。 -
学校があまり好きではない中、ちょっと風変わりなセンくんという友だちがいる。
ふたりでちょっと怪しげな人のあとをつけたりしている。
中は自分にとっても正直で、分からないことは分からないとはっきり言う。だからクラスでは「わかんないちゃん」と呼ぼれてしまう。
将来何になりたい?と聞かれても、色々考えてしまって分からなくなってしまう。
正直な子どもではあるが、ちょっと変わっている。
対してセンくんは大人が期待する答えを言う子ども、でも本人はそれを打ち破りたい。
こんな中とその周りの大人達が絡んで話は展開していく。
両親は考え方に相違が出てきて別居。
母親の職場の同僚はフワフワした地に足をつけようとしない大人。
そして怪しげな男の人が結果的に中の気持ちを動かす。
中は一般的な大人にとってはめんどくさい子ども、でも自分の頭で色々考え、納得出来るまで動こうとしないのは良いことなのでは。
我が家にも何でも「何で」と聞く子どもがいる。
算数の法則でも、言葉の意味なんかについても「何で」と聞いてくる。
彼は一つ一つ意味を理解しないと前へ進めない子どもなんだ、と最近思えてきた。
中のようにもしかしたら深く考えすぎたわからなくなっているのだろうか?
それともただ何もかもがわからないだけなんだろうか?
この話を読んでいで改めて身近な子どものことを考てみようと思った。
窓から覗いていた女の子は中自身なのかなあ。 -
あれ?これ、読んだっけ?と、思ったら、ひみつの犬と、よく似ている。
主人公にモヤモヤしたり、今の子供から少しずれているような、大人がリアルでないような…気がした。 -
「わからない」ことを肯定的に見つめる物語。固定観念を優しくほぐしてくれる作品でした。とてもよかったです。
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著者プロフィール
岩瀬成子の作品
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