新書 昭和史 短い戦争と長い平和 (講談社現代新書)

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  • 講談社 (2025年3月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784065391860

作品紹介・あらすじ

戦争の中に平和があり、平和の中に戦争があった――。
昭和を知ると〈いま〉がわかる。第一人者が一人で描いた決定版通史!

グローバル化、格差拡大、揺らぐデモクラシー――、現代日本の課題は、すでに戦前昭和にあった!
戦前=戦争とファシズム、戦後=平和と民主主義の図式ではわからない、昭和の実像とは?
近現代100年を、過酷な状況のなか懸命に生きた人びとの群像劇で描写する、昭和年代記!

〔本書の内容〕
1章 平和のなかの戦争の予兆 一九二六~一九二九年
昭和改元の裏側/朴烈怪写真事件の波紋/モボ・モガと「細民」たち/第一回男子普通選挙と無産政党/世界大恐慌と金解禁
2章 非常時小康 一九三〇~一九三六年
柳条湖事件の謀略/五・一五事件後の退潮/電化生活と中央線沿線のインテリたち/中学生が見た二・二六事件
3章 戦争をめぐる理想と現実 一九三七~一九四〇年
華北分離工作という転換点/日中戦争と召集令状/経済学者の文化工作/軍票の現実/戦時下の福祉政策/失われた「東亜共同体」の理想
4章 戦争と平和の間 一九四一~一九四四年
中内功の夢/配給制度と「上流婦人」/等しく貧しい「新しい生活様式」/ルソン島での無意味な戦闘/敗戦前に回し読みされていた本
5章 国際冷戦と国内冷戦 一九四五~一九五二年
ポツダム宣言の受諾/傀儡政権の末路/人民裁判の悪夢/吉田茂の平和主義/国内冷戦を警戒する昭和天皇
6章 高度経済成長下の戦争 一九五三~一九七〇年
〈革命〉をめざす学生たち/自衛隊幹部の現実主義/大衆消費社会とテレビ/オリンピックと戦争体験/連合赤軍事件とあさま山荘事件
7章 ヴァーチャルな戦争 一九七一~一九八九年
松任谷由実と基地文化/日中国交正常化/六〇年代の子供たちとしての村上春樹/日米経済摩擦という「戦争」/大東亜レジャー圏
8章 終わらない戦争 一九九〇~二〇二五年
湾岸戦争と「絶対的平和主義」/「創憲」論への批判/中国と沖縄への訪問/「失われた三〇年」の始まり/平和国家の再構築

感想・レビュー・書評

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  • 「昭和史」というような題名の本は、何やら難しそうと手に取らないという人も少なくないかもしれない。が、本書はそういうように敬遠する必然性は全く無い。普通の小説やエッセイのような感覚でドンドン読み進められる。そうした意味で素晴らしい一冊だ。
    2025年が「昭和100年」で「戦後80年」ということを踏まえて、「この100年?」というようなことを想い、考える材料を提供しようというのが本書だ。
    「昭和」と一口に言っても、「昭和XX年」と明確に言い得る期間だけでも1920年代から1980年代までの60年間余りに及び、色々な要素が在る。加えて、「昭和XX年」の出来事や、「昭和」の或る時期の動きが極々最近迄の様々な事柄に繋がっているというのも多い。本書はそういう問題意識で、1926年頃から2025年に至る迄の「昭和100年」を通史的に論じようとしている。
    本書では「グローバリゼーション」、「格差」、「デモクラシー」、「戦争と平和」というような4つの柱を想定し、過去100年の各時期に関して、こうした柱に関連する話題を、様々な人達が遺した証言等を一定の基礎に据えながら論じている。
    世界の国々との関係が築かれ、それが進展する「グローバリゼーション」というのは昭和期以降に拡大する。世界の国々や地域間での、また国内の社会の中での「格差」というようなことも、昭和期以降には様々な変化が在る。選挙とその結果というような「デモクラシー」ということに関して、昭和期以降には様々な話題が在り得る。そして実際に軍事行動に携わる、携わらないの区別と無関係に「戦争と平和」というような課題は在り得る。
    こうした4つの柱という問題意識の下、種々の“証言”を拾い集めながら論じると、「100年間に国、社会、人々が辿った経過」というようなことを通史的に網羅出来ようというものである。
    本書で引かれた種々の“証言”、更に本書そのものを材料とし、過去の世界に踏み入ることを試みて、自分自身の人生等に照らしながら考え、自分自身の言葉でその考えを整理してみるというようなことが「知って学んでみる歴史」ということに他ならないのであろう。本書の冒頭部に挙っている「目指すこと」に通じる話しだが、本書はその「目指すこと」を実現出来ていると観る。
    極々個人的な内容にもなる。自身の場合、興味を持って歴史関係の本を読む、テレビニュースや新聞や雑誌で社会の動きに纏わることを知ろうとするということをするようになったのは、恐らく1979年や1980年頃、小学校の高学年であった頃以降であると思う。とすると、本書に在る1979年頃から2025年に至る迄の色々な事項は「自身の人生の記憶に重なる」ということにもなる。
    こういうのは読者各々によって些かの差異は在ろうが、多くの読者が共有し得る感覚のように思う。本書は「昭和史」と称して最近100年間程度の通史を打ち出しているが、結局は「あなたの人生の背景」を問うようなことになっているのかもしれない。
    本書は、非常に読み易いと同時に、非常に読み応えが在ると思う。2025年が「昭和100年」で「戦後80年」ということことで、歴史への問題意識が少し高まっているかもしれない中、広く御薦め出来る一冊だ。

  •  「昭和100年」の通史。冒頭で著者はグローバリゼーション、格差、デモクラシーの3つの観点を挙げる。いずれも戦後のものではなく、1920年代には既に始まっていたと解説。
     副題の戦争と平和は、著者は排他的とは捉えておらず、1920年代の平和の中にも「戦争の予兆」を、戦後の長い平和の中でも冷戦、内戦、貿易戦争、地域紛争への間接的関与を指摘する。
     また、その時々の言説や日記等を多く引用しており、当時の雰囲気が分かる。『少女の友』連載小説の中の東京アッパーミドル生活。無理だと予測されながら、実勢とかけ離れた日中戦争下での軍票発行。戦時下でも金に物を言わせる上流主婦層。中内功の戦争体験。戦後では、ベトナム反戦運動や学生運動の雰囲気を伝えつつ、著者の視線は冷めている。

  • 昭和元年〜令和7年までの100年間の歴史が、ノンフィクションの群像劇として、一冊の新書にまとめられている。「日本国民必読の書」と言っても、言い過ぎではないだろう。面白かった。

  • 読み物として面白い、それでいて社会の変遷を理解しやすいです。

  • 2025年、17冊目です。

  • 歴史を中実に再評価する事の難しさ
    100年後なら可能かな?

  • <目次>
    第1章  平和のなかの戦争の予兆 1926~1929
    第2章  非常時小康 1930~1936
    第3章  戦争をめぐる理想と現実 1937~1940
    第4章  戦争と平和の間 1941~1944
    第5章  国際冷戦と国内冷戦  1945~1952
    第6章  高度経済成長下の戦争 1953~1970
    第7章  ヴァーチャルな戦争 1971~1989
    第8章  終らない戦争 1990~2025

    <内容>
    著者の歴史叙述は、事実だけを述べるのではなく、あとがきで言うところの「群像劇」である。小説や雑誌記事や伝記での発言などを積み重ねて歴史を見ていく手法だ。そこから単なる事実からは見えてこない背景や大衆が見えてくる。現代史を語っているからこそかも知れないが、この本からいくつか知った事があった。

  • 【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
     https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/487107

  • 2025/11/4
    昭和史とあるけれど歴史書ではなく、著者の視点による昭和のエピソードを時系列に並べたコラージュのようなもの。
    戦前部分については記された記録に依っているけれど、戦後、特に著者の同時代部分についてはその素材の選択が歴史ではなく著者の記憶と思い出のまとめのような印象。
    同時代を生きた人々の様々な記録の特定部分(同時代を代表するものではないが)が著者の個人史に絡んだような感じ?
    なるほどという部分と、ああ、そうだったんですねという部分が混然一体になっているので、なるほどという部分はしっかりと受け止めて。

  • 昭和を学ぶ上では他の本が適当かもしれない。
    基礎的な部分を補うものが必要。

    何を伝えたいのかがいまいちわからなかった。
    テーマがぶれている気がする。

  • 今年は昭和100年だそうで、昭和史が本屋の棚を賑わしている。
    やはり二次大戦前の事はあまり知らないので、もう少し掘り下げてほしかった。戦後のことは「ああ、あれにはそういう意味があったのか」という記載もあり、面白かったけれど、やっぱり全体を新書一冊にまとめるのは無理があるなあ。

  • 単純に文章が読みづらい

  •  昭和100年となる2025年を区切りとして、過去100年を振り返る。正直なところ敗戦までの20年は今さらながらという気がして、あまり興味が持てず、読み流してしまった。一方、戦後80年の歴史は、私が、そして日本人が意識している以上に戦争の過去を引きずり続けていることを痛感し、納得する思いがした。52年の講和・独立、60年安保も、64年五輪も、70年万博、72年の日中国交回復も。昭和天皇の退位問題については、52年の講和条約の時点で「おことば」を語り、退位する可能性があったが、その見送りになったとの背景は全く知らなかった!
    60年安保に際して同志社大学2年だった保阪正康は「社会主義革命を目指していた」と語っているということも初耳で、興味深かった。

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    https://libopac.kamakura-u.ac.jp/webopac/BB00318571

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  • 啓光図書室の貸出状況が確認できます
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    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/728731

  • [著] 井上寿一 (法学部政治学科)
    https://glimop.glim.gakushuin.ac.jp/webopac/BB01197319
    東2法経図・6F開架:B1/2/2767/K

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著者プロフィール

井上寿一
1956年(昭和31)東京都生まれ。86年一橋大学大学院法学研究科博士課程単位取得。法学博士。同助手を経て、89年より学習院大学法学部助教授。93年より学習院大学法学部政治学科教授。2014~20年学習院大学学長。専攻・日本政治外交史、歴史政策論。
著書に『危機のなかの協調外交』(山川出版社、1994年。第25回吉田茂賞受賞)、『戦前日本の「グローバリズム」』(新潮選書、2011年)、『戦前昭和の国家構想』(講談社選書メチエ、2012年)、『政友会と民政党』(中公新書、2012年)、『戦争調査会』(講談社現代新書、2017年)、『機密費外交』(講談社現代新書、2018年)、『日中戦争』(『日中戦争下の日本』改訂版、講談社学術文庫、2018年)、『広田弘毅』(ミネルヴァ書房、2021年)他多数

「2022年 『矢部貞治 知識人と政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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