- 本 ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065391877
作品紹介・あらすじ
芥川賞受賞作&30万部のベストセラー
世界各地で翻訳続々!
最高に不穏な仕事×食べもの×恋愛小説!
解説:一穂ミチ
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
真面目で損する押尾は、か弱くて守られる存在の同僚・芦川が苦手。食に全く興味を持てない二谷は、芦川が職場で振る舞う手作りお菓子を無理やり頬張る。押尾は二谷に、芦川へ「いじわる」しようと持ちかけるが……。どこにでもある職場の微妙な人間関係を、「食べること」を通してえぐり出す芥川賞受賞作!
共感が止まらない!
「わかりすぎてえぐい」職場ホラーNo. 1
サイコホラー小説? ミステリー小説? それとも恋愛小説? 不思議な感覚で読めた小説です。(文教堂横須賀MORE’S店/矢部直利)
喉の奥に詰め込んだ言葉や感情を吐き出したくなるような気持になった。(くまざわ書店サンシャインシティアルパ店/河口茜)
表紙・タイトルのほっこり感と内容とのギャップを、ぜひもっともっと多くの方に感じてもらいたいです。(明屋書店喜田村店/高橋杏奈)
感想・レビュー・書評
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2022年の芥川賞受賞作品。祝文庫化。
芦川さんと押尾さん、自分だったらどちらをより嫌うだろう?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルから、ほんわかした内容かと(むしろエッセイ的なものかと)想像していたが裏切られた(笑)
芥川賞だもんな…(笑)
芦川さんにイライラするけど、その感情を出すとなんとなく私の性格が悪いってまわりに思われるから、
実際にいたら私も「ケーキおいしそう〜!」って芦川さんをちやほやするんだろうな。 -
芥川賞。なのでタイトルから想像するハートフルグルメ小説ではないと思ってはいたけど、想像を超える恐ろしさ。
"ごはん"が、楽しく嬉しいものではなく、強制され逃げられないものとして迫ってくる。
「いい人なんだけどね」と口に出す時に、本当に伝えたいことは"いい人"の部分じゃなくて"だけどね"のところだ。
"だけどね"に続く部分を許せなかった押尾さんと、許すことで自尊心を保とうとする二谷はどちらも私の中にある感情だと思う。
ラストシーンで"ごはん"から逃れた押尾さんと、"ごはん"に絡め取られていく二谷の対比を見て、押尾さんが芦川さんに、奪われ、傷つけられてきたものが何であったのか。
二谷が芦川さんを見下し、助け、施すことで、保とうとした何かは、何であるのか。
それをずっと考えている。 -
儘ならない職場の人間関係について「食」を通じて描く。誰も、頭が痛いので帰ります、を拒絶したり非難したり出来ない現実。本音と建前。誰しもが抱いたことがあるであろう粟立つ感情が冷静な筆致で綴られる。社会一般の「食」に対する常識への嫌悪感にはハッとさせられる。波長が合わない人との食事は心が削られる。絶妙に嫌な読後感。
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芦川さん、真剣に気持ち悪い。
著者プロフィール
高瀬隼子の作品





