非定型うつ病 パニック障害・社交不安障害 よくわかる最新医学

著者 :
  • 主婦の友社
3.53
  • (3)
  • (7)
  • (6)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 60
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784072664940

作品紹介・あらすじ

「わがまま」「なまけ者」「気まぐれ」と誤解される非定型うつ病。突然、理由のない不安におそわれるパニック障害。最近増えた心のトラブルの原因・症状と最新治療法を紹介。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【内容】
    「非定型うつ病」は気分の激しいアップダウンが特徴。「わがまま」「自分かって」と誤解されやすい病気です。関連性の高い他の病気もあわせて、診断と治療について詳しく紹介。―――うつ病患者が年々増え続け、日本人の8人に1人とも言われている中、その3割から4割を占めるのが「非定型うつ病」。患者は若い人(特に20~30代の女性)に多く、気分の激しいアップダウンがみられます。「わがまま」「なまけ者」「自分かって」「気まぐれ」などと誤解されやすい病気です。体重増加、過眠、疲労感をともなうことが多いことも特徴。突然理由のない不安に襲われる「パニック障害」や、対人関係への不安が高まる「社交不安障害(対人恐怖)」などを併発することも多く、放置すると悪化して生活に支障をきたす可能性もありますが、適切な診断と治療を行えば治すことができます。「非定型うつ病」の治療は、薬で症状を抑えることと、人間関係を改善する心理療法が中心。この本は「非定型うつ病」を中心に「パニック障害」「社交不安障害」などについてわかりやすく解説しつつ、快復の方法を紹介します。著者の貝谷久宣先生は、この病気の診断と治療の第一人者です。

    【感想】
    知らなかったこともあって、いろいろ考えさせられた。自分に当てはまることがあると、すごく共感できた。

  • うつ病の認知が進むにつれ、それらに該当しない新型うつ(本著では非定型うつ)という言葉が出てきました。周囲からの理解を得ることが難しく、治療法や周囲がどのように接するべきか書かれていた点が参考になりました。また、パニック障害・社会不安障害などの症状・治療方法(薬物療法・認知療法etc)も書かれていますので、解りやすかったです。ただ、特定の症例だけを知りたい方にはより専門的な著書の方がいいと思います。

  • パニック障害や社会不安障害と関連づけたのはよかったと思うのだが、ネットで調べて分かる程度の内容だった。ただ、社会が個に求めるメンタリティは20世紀から21世紀になり変化してきたことでうつ状態も変わってきたにも関わらず、DSMをはじめとした医療が追い付かないために非定型うつ(現代のうつ)に対して「新型は甘え」のような烙印を押されがちな現状は滑稽に思える。メランコリー型こそが時代遅れなのではないかと。
    その他誤診されやすい双極性障害との関連も書いてほしかった。

  • 「新型うつ」という名称に混乱させられている頭をクリアにしてくれた。良書。

    非定型うつ≒「新型うつ」、本人が未熟であることが原因、人格的な問題、などと捉えられることが多いように思うが、ちゃんと病気であることを説明している。
    原因は不明であるとしつつも、ドーパミンの持続異常、海馬・前頭葉・ 扁桃体の活力低下・委縮、ストレス時にコルチゾール血中濃度が過剰に抑制されること・・・など、精神的な面だけでなくからだの面からの説明もある。

    効果があるとされる抗うつ薬も示されているので、「自分が非定型うつ(新型うつ)だったら全て自分の人格が原因で、治らないのではないか」という不安に対しても、治療に向けての背中を押してくれる。

    項目ごとに著者が複数いるのか、ページによって内容が異なる部分もあったのが少し気になる・・・ので、-1。
    本人の人格が問題ではないといいながら、別のページでは社会的に甘やかされて育った子どもが増えているからだと書いていたりする。甘やかされて育った=人格が問題、と呼んでしまうのだが・・・これも私の認知のゆがみだったらどうしようもない。

    もうひとつ引っかかったのは、虐待(過剰な暴力以外のもの)・DV・いじめによるフラッシュバックを、「本物のPTSDよりささいな体験にもとづくフラッシュバック」と読めるような表現があったこと。確かに複合型トラウマとPTSDの診断基準は異なるが、「ささいな」としてしまうのはいかがなものか・・・

  • -

  • 最近、よく聞くようになった「非定型型うつ病」について、興味がありよんだ。

    具体的な事例から、「気分反応性」、「過眠・過食」「拒絶過敏症」「不安・抑うつ発作」「怒り発作」などの特徴をあげて、原因と思われること、診断と治療についてわかりやすくまとめている。日常生活できをつけること、パニック障害についてもまとめている。

    まずは知らないことがよくないと思うので、全体の知識を身につけることは重要だと思う。

  • 身近な事例から紹介していてわかりやすい。マインドフルネスの認知療法ってのはやりやすいし、広まるといいな。が、やはり読み進めるのは怖いし、疲れる。

  • 「非定型うつ病」は気分の激しいアップダウンが特徴。「わがまま」「自分かって」と誤解されやすい病気です。関連性の高い他の病気もあわせて、診断と治療について詳しく紹介。

  • 分かりやすかった

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

貝谷久宣(かいや・ひさのぶ)
1943年名古屋生まれ。
名古屋市立大学医学部卒業,岐阜大学医学部にて医学博士号受領,マックスプランク精神医学研究所留学,岐阜大学助教授,自衛隊中央病院神経科部長を経て,1993年開院。
現在,京都府立医科大学客員教授,岐阜大学医学部臨床教授,医療法人和楽会理事長,東京マインドフルネスセンター名誉センター長。
〈著書・訳書〉
『不安・恐怖症─パニック障害の克服(健康ライブラリー)』(単著) 講談社 1996年
『マインドフルネス精神医学─マインドフルネスに生きるメソッド』(監訳)新興医学出版社 2019年

「2023年 『神経神学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

貝谷久宣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×