タイム・リープ あしたはきのう

著者 :
  • 主婦の友社
4.11
  • (77)
  • (51)
  • (51)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 308
感想 : 54
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784073030607

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 高校生2年生のの翔香は登校した教室で、今日が火曜日であることに驚く。
    今日は月曜日だとばかり思っていたのに。
    月曜日の記憶が全くないにもかかわらず、鞄の中には火曜日の授業の準備が・・・。
    家に帰って、日記の月曜日のページを開けるとそこには、ちゃんと自筆の記述があるのだった。

    クラスで一目置かれる秀才、和彦の協力を得て、何が起こっているのかを調べ始めた二人。
    導き出された事実によって、パズルのピースが嵌りだす。


    いわゆるタイムトラベルとは区別するということで、「タイムリープ」と名付けられている。
    同じ時間を2度過ごすことはない。
    何らかの衝撃を受けた主人公が安全な日時に向けて意識だけがスリップし、
    時間を行きつ戻りつする。
    体は現実の時間を生きているのだが。


    一本の時間軸で見れば不思議に思えないことも、
    時間の前後がひっくり返るだけでミステリーとなり、
    あちこちに布石が散らばる。
    困惑する翔香になりきって一緒に右往左往しながら、読んでいく。
    クールで知的、すさまじく頭の回転の速い和彦を頼りにしつつも、
    今一つ彼の本心がつかめず不安になりながら。


    実はSFってほとんど読んだことがない。
    せいぜい「バックトゥーザフューチャー」が精一杯。

    けれど、昨年アニメ映画「時をかける少女」を観て泣いた。
    あまりに主人公の女の子と男の子が純粋で、うらやましくて。
    高校生の一瞬(人の一生から見れば一瞬だと感じるこの頃)は、
    高校生であるが故に辛さや痛さもあるけれど、
    やっぱり素直でキラキラしてる部分も多分にあると強く感じる。
    それ以上に、もう決して手に入れられないことも改めて感じされられた。
    その時の気持ちが蘇り、読み始めたら本を閉じるのが惜しくて、
    睡眠時間を削ってしまった。

    今回読んだのは、1995年発行となっているもの。
    改めて発行されたものには、2人のその後が書かれているそうで、
    この本を勧めてくれたお仲間さん達が
    「それを読んだら、ますます和彦のこと、好きになりますよ!!」
    と声を合わせて教えてくれた。
    そんなぁ。
    キュン、キュンしちゃうじゃありませんか。
    「私、持っていますよ!」の言葉に、
    「かっ、貸してくださいっ!」と叫んだのは、言うまでもありません。
    現役の学生さんだけでなく、
    少し(!)前に高校生だったみなさんにも是非お勧めします!。

    • だいさん
      nico314さん
      ありがとうございます。
      ハインラインですね。書名は聞いたことがあります。
      今度読んでみますネ。
      それにしても、
      >「まさ...
      nico314さん
      ありがとうございます。
      ハインラインですね。書名は聞いたことがあります。
      今度読んでみますネ。
      それにしても、
      >「まさかドラえもん??」
      発想がユニークすぎます( ̄◇ ̄)
      2013/03/14
    • kotarotsuchiyaさん
      nico314さんコメントありがとうございます♪
      本棚覗かせていただいたら三浦しをんだけでなく橋本紡や有川浩など大好きな作家さんがたくさん並...
      nico314さんコメントありがとうございます♪
      本棚覗かせていただいたら三浦しをんだけでなく橋本紡や有川浩など大好きな作家さんがたくさん並んでてなんだか嬉しくなってしまいました(^^)
      そのなかでも自分も大好きなこの本が続編があることを教えてくれたこの欄にお返事書かせていただきました♪
      2013/05/11
    • nico314さん
      kotarotsuchiyaさん

      お返事ありがとうございます!
      kotaroさんが読まれた本には、もしかしたら2人の未来が載っていま...
      kotarotsuchiyaさん

      お返事ありがとうございます!
      kotaroさんが読まれた本には、もしかしたら2人の未来が載っていませんでしたか?
      私の読んだ本では、高校生のときの、この1件にまつわるところだけなんですよ。

      出版の時期によって内容に追加があったり、変更があったり、訳者によってずいぶん変わったりといった楽しみを読書仲間さんに教えていただいて、読書の楽しみ方が増えました♪
      2013/05/12
  • 大好きなタイムトラベルもの。
    本の存在はネットで、たまたまあらすじを知り。物語の結末が気になって探しました。
    絶版になっているのか?書店はもちろん、大型書店やAmazonにも在庫がなく(Amazonは文庫の下巻のみ売ってました。上巻はなし…)
    結局、Amazonで単行本の中古を買いました。

    結論から言うと、非常に面白かったです。
    読了は3時間くらい?さくっと読めました。
    ティーン向けなのかな。ライトな語り口で、それでととてもよく作りこまれた展開にまさにご飯を食べるのも、お茶を飲むのすら忘れて読み進めてしまいました。
    無駄もないし、構成があざやか。カラクリが分かると、そこまで複雑難解なわけではないのに、読んでいるうちは先が読めなくてワクワクする。
    非常に良作だと思います。
    もっと知られるべき作品じゃないかなぁと思います。
    本屋さんにないのが本当に勿体無い。

    以下、ネタバレ含みます。

    主人公と同じ視点でハラハラドキドキする、タイムリープ。
    だんだんとピースがはまっていくにつれて、不穏な展開になっていく。
    それと同時に、主人公と若松くんの距離が縮んでいくのが、なんとも甘酸っぱい。

    なんといっても、終わり方がとても好きでした。
    この本でいうところの、始まりに繋がっていく。
    始まりに、「頑張れよ」と言葉をかけてくれる若松くん。
    そしてすべてを終えて、最後に「おかえり」って言ってくれる若松くん。
    若松くんの時間の流れの中では、その二つの言葉の間はものの1分…いや、数十秒だったかもしれない。
    それでも彼は、お決まりの「いつから来た?」を、もう聞かないんですね。
    いつから来たのか、分かってるから。

    それにしても、ファーストキス(おそらく)のタイミングで飛んでしまうなんて。
    なんだか微笑ましいです。
    若松くんも、まさかそのタイミングで飛ばれるなんて思ってなかったでしょう。
    彼は爆笑しながら、「自分から仕掛けてきたくせに、怖かったのかよ!」って、おかしかったのでしょうね。

    ハラハラドキドキしながら、とても温かい気持ちになれる作品でした。
    もう一度、いや、何度でも読みたいです。

  • 鹿島翔香。高校2年生の平凡な少女。
    ある日、彼女は昨日の記憶を喪失していることに気づく。そして、彼女の日記には、自分の筆跡で書かれた見覚えのない文章があった。
    "あなたは今、混乱している。若松くんに相談なさい…"
    若松和彦。校内でもトップクラスの秀才。
    半信半疑ながらも、彼は翔香に何が起こっているのか調べ始める。だが、導き出された事実は、翔香を震撼させた。

    ――――――――――

    とっても面白くて読みやすくて、2時間ほどで読み終わってしまった作品。
    最初は主人公と同じように何が何だかわからないけど、話が進むにつれて謎が解けていき、読後はすっきり★
    そしてちょっと甘い笑
    いろいろと法則に従って時を超えるのですが、最後のアレは反則でしょ!
    読み終わった後、最初のページに戻った人は私だけではないはず笑
    何度でも読み返したくなる1冊です。

  • 情景描写はほとんどなくて会話中心のため、かなりさくさく読める。だが、内容は本格的で、パズルのようにピースが繋がっていくのが面白い、タイムスリップ系SF。

    つっかえる部分がないからか、読み始めるとすぐに主人公の高校生活の1週間に馴染んでしまう。あとは片手でメモを取りながら読むのも一興。

    テーマが近い「時をかける少女」ともまた違った趣きがある作品だ。本を普段読まない人にもおすすめできそうな良作。

  • 面白くて一気読みしました。

    私はタイムリープが始まった時点で、キャラメルボックスのお芝居を思い出しました。(タイトルは忘れてしまいましたが…お芝居の方は主人公がある出来事を境にそこから逃げるように人生全部を翔香のようにタイムリープする話。ある出来事の日を起点に違う年齢にタイムリープします。10歳→50歳→30歳のように。お芝居では、主人公は日記をつけていて、その通りに生きていたのですが、最後は予定調和はやめて、違うことをやって真の人生を生きていく!って感じになっていました。面白かったです)
    なので今回はとても勘が良く働き、そうだったのか!という驚きはあまりなかったのですが、スルスル読めてしまい、一気読みでした〜

  • 謎が解ける感覚は面白いけど、やはり生まれた年に書かれたものとあって、少しレトロな感じが否めない。話し方とか…

    でも、話はとても真っ当で、エンディングも好き。青春って感じで、キラキラしていた!

  • 時をかける少女以外にこの本がやり直しの原点に思います。

  • 高校生2年生の翔香は登校後、「昨日」の「月曜日」の記憶が無いことに気づく。

    最近新装版が出たとかで話題の今作。
    めっちゃすごい。爽快感が。
    タイムリープ物でここまできれいにはまるってなかなかない。
    そして若松くん、明晰すぎるわ・・・。

  • 13年ぶり2回目
    初めて読んだタイムリープ小説。
    概要と結末以外ほとんどの内容を忘れていたのでとても楽しめた。

  • 他の作品のこと書くのはよくないかもしれないけど、数年前、某大ヒット映画の時間の扱い方に全っ然納得いかなくて(笑)、タイムトラベル系でスッキリできる話ないのかな!?とネットで検索したらオススメされてた、というのがこの作品に出会ったきっかけです。
    久々に読み返してみたくなって寝る前に少しのつもりで読み始めたら面白くって止まらず、明け方まで一気読みしてしまいました。
    そうだよね、曜日が一日違うだけでも違和感あるよね!これだよ、これ!
    とはいえ細かい話は覚えていなかったので、最初は翔香ちゃんと一緒に訳もわからず今はいつ?状態。ミステリーのような不思議さや謎解きパズル風な爽快感がありますが、それだけでなく、だんだんと若松くんと親しくなっていく…んだけど、時を戻ってしまうとまだ態度がそっけない若松くんでそれは仕方ないんだけど寂しく思ったり、ちゃんと時を進んでいくと若松くんの頼もしさが増していったり、2人の親密度の変化も面白かったです。
    翔香ちゃんがタイムリープしちゃうきっかけの事件がちょっとキモチ悪いけど、それ以外はすごく好きな作品です!
    ところで今回読み返して思ったけど、翔香ちゃんの名前って時間を飛ぶのとラベンダーの香り、が由来かな?(この作品にはセリフの中でしかラベンダー出てこないけど)

全54件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1967年生まれ。静岡県出身。第1回電撃ゲーム小説大賞《金賞》受賞作『クリス・クロス』(単行本・メディアワークス刊)で作家デビュー。代表作に、実写映画化もされた『タイム・リープ あしたはきのう』(単行本/電撃文庫・アスキー・メディアワークス刊)がある。

「2022年 『新装版 タイム・リープ〈下〉 あしたはきのう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高畑京一郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
あさの あつこ
高畑 京一郎
荻原 規子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×