薬屋のひとりごと 3 (ヒーロー文庫)

著者 :
  • 主婦の友社
4.16
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本棚登録 : 2284
感想 : 123
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784074011766

作品紹介・あらすじ

玉葉妃の妊娠により、再び後宮に戻ってきた猫猫(マオマオ)。皇帝の寵妃ということもあって、それは秘密厳守。しかし、女たちの腹の探り合いは日常茶飯事で、しかも、後宮内だけでなく外部からも怪しげな動きが見え隠れする。それとともに、後宮外では壬氏たちが隣国の特使の要求に頭を悩ませていた。特使たちは、数十年前にいたという妓女、それが見たいと無理難題を言ってきたのである。花街の事情に詳しい猫猫に相談を持ちかけてくるが、それは意外な人物であり――。猫猫はその美女にかわる絶世の美人を用意することとなる。茸中毒で死んだ妃、後宮内の廟の秘密、先帝がかかった呪い、その謎を解くにつれ、壬氏が宦官の枠を超えて扱われていることに猫猫は気が付く。そして、猫猫はその壬氏の願いで、後宮を出て北の避暑地へと同行することになる。そこで待っていたのは、腹に一物持った高官たちと再び壬氏の命を狙う者たちだった。猫猫たちは、無事、宮中に戻ることはできるのか!?

感想・レビュー・書評

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  • 折り重なるミステリーが展開し、それを収斂させる大事件へと。パターンは変わらず話は進む。今巻では猫猫と壬氏の恋路が進展?3巻でも飽きさせないストーリーに次巻も楽しみ。

  • シリーズ第3弾。
    だんだん上橋菜穂子作品っぽくなってきた気がする。もちろん面白い。
    今回は舞台が後宮外にも広がったし、国の成立ちや先帝のことも分かって読み応えもあった。壬氏も標的にされるし。まだまだ謎も多いし闇も深そう。

    猫猫と壬氏の距離も縮まってきたかに思えたけれど、猫猫の鈍感さ故に…ここまでくると壬氏が可哀想になってくる。まぁでも私が猫猫の立場であっても猫猫と同じように思うだろう。だってそもそも身分が違いすぎるから。
    二人の身分の差問題が今後どのようにして克服されるのか、これからの展開がとても気になる。

    野心を持つ者と野心を持たない者。
    もちろん猫猫は後者。
    下手な野心なんか持たずに己の信念を元に行動する猫猫のような生き方。そんな生き方ができる事が羨ましい。そしてそんな猫猫だから魅力的なんだよね。そしていつもながら知識量の多さと、とっさの判断力に感心する。

  • 面白かった。スクエアエニックスのほうのコミックの12巻あたりの話になる。
    ジンシに召抱えられた猫猫、玉葉妃が懐妊したので、猫猫は後宮へ戻り玉葉妃に貸し出される。
    キャラバンの買い物から、ちょっとややこしい物品についてのあれこれとか。
    西国の特使(金髪碧眼美女2人)がもちこんだ難問と、実家(技館)のやりてババアの過去。虫愛る子翠がとても良いキャラだが、名前もあの消えた容疑者との絡みが気になるところ。リーファ妃のところの腐った人材を解雇する話(すっきり)。皇帝の秘密RPG。皇太后と先帝の秘密。皇弟としてオフィシャルに狩イベに出撃のジンシ。
    ジンシが結局誰なんか、というのがはっきりしてくる3巻。しかも、猫猫への気持ちも微妙に出てくる。猫猫がそこらへん鈍感(気がつかないようにしている節もある)であり忌避ぎみなのとで、これから先どうなるんかと。ジンシの性癖というか、好みが面白い。
    猫の毛毛(マオマオ)のクダリがやすらぐ。
    李白と猟犬も和む。


    「いえ、この季節、そこそこ大きい蛙などたくさんいます」

    「おい、なに、手をぬぐっている!」

  • 「薬屋のひとりごと」3作目。
    架空の国の後宮で働く女官がヒロイン。
    中華風ファンタジーです。

    もともと薬師である猫猫(マオマオ)はいったん後宮を出ていたが、宦官の壬氏の仕事場で働くことになります。
    さらに、玉葉妃が懐妊したため、貸し出されることに。
    懐妊は当分の間極秘とされますが、探りを入れてくる人もいたりするのが後宮でした。

    絶世の美貌で無駄なほどの色気がある壬氏。
    猫猫は冷静にそれを活かして、隣国の使節のご要望にみごと応えたりもする。
    数十年前にこの国の歓迎の宴で見た美女の舞を再現してほしいというのだ。それが妓女だったらしいので、猫猫に大役が回ってきたというわけである。
    花街育ちで美人慣れしており、最大の関心事と言えば毒薬という薬オタクの猫猫本人は、全く動じない。
    壬氏のもとで常時働いているのは、そういう人間に限られているのだった。

    虫オタクの子翠という女官が登場したり、後宮での小さな出来事や発見がやがて絡み合って…?
    後宮物はいつどんな風へ深刻に転ぶか、わかったものではないのだが、今のところはまあまあ…
    猫猫の知識と探求心がひとつひとつ謎を解いてゆくのが、読んでいて楽しいです。
    壬氏の正体がいくらか明かされ、猫猫自身もあることに気づくが…
    そこそこ大きい蛙って。
    爆笑のまま、続きます(笑)

  • 少しずつ物語が動き出してきたな〜と
    猫猫が壬氏の秘密に気がつく時も遅くない

    どの話も科学的根拠に基づいて絵がきつつ、まだそれが浸透していない世界を描くのはとても面白い。
    怪談の回で強く感じた、けど13人目って誰だったのだろうか…

  • 帝の寵妃である玉葉妃の妊娠がわかり、再び後宮に戻ることになった猫猫。
    異国のキャラバンが持ち込む商品に隠された思惑、腹に一物を抱えていそうな隣国の特使たち、何やら画策されていると思しき狩りの集い…。
    各方面からますます頼りにされるようになった猫猫が、持ち前の知識や観察眼を駆使して今回も活躍します。

    今作で物語により一層政治的な色が濃くなってきて、今後の展開がますます気になってきました。
    まだ17歳でありながら、医療に携わる者として、出すぎず引きすぎずの塩梅をきちんと心得ている猫猫がすてきです。
    有能であるがゆえ、望んでいないのに結局は知りたくもないことを知らなくちゃならなくなっていくのは、猫猫としては不本意だろうなぁと思いつつも、彼女の活躍や壬氏様との関係を見守りたい読者としては楽しみでもあり。
    続けて4巻へ。

  • ついに壬氏様が本当は宦官ではないことを知った猫猫。壬氏様が実は東宮様だということもはっきりしてした今巻。続きが気になる。

  • 玉葉妃の妊娠をきっかけに後宮に戻ってきた猫猫。そして前巻同様次々起こる騒動を冷静に解決していく。虫オタクな女官子翠登場とかやり手婆の意外な過去とか穏やかなエピソードが挟まる中子猫騒動では入り込んだルートが不明だとか西からの隊商が持ち込んだ商品が玉葉妃の現在を見抜いていそうで不穏だとか小さな事件の裏に後宮内に収まらない大きな陰謀が近づいている感がある。ラストでは壬氏の正体も判明して平穏な生活希望の猫猫の明日はどっちだ!になってるけど壬氏の秘密に気付いたのをそこそこの蛙で評価してそれを口に出すその性格では無理だ。

  • 面白い

  • やだ、ニヤニヤしちゃう。

    壬氏様の隠し事がとうとう猫猫の知るところに。
    本人はちゃんと伝えたいのに、知らない体を崩さない猫猫。自分の分を弁え、知らない方が吉、と考えるのは合理的な今までの彼女からすると然もありなん、なのですが、いやー壬氏様、ツラ。。。
    でもこの焦らし感が良いんでしょうね。

    2024.2.17
    27

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著者プロフィール

福岡県出身。小説家、ライトノベル作家。2012年に「小説家になろう」に投稿していた『薬屋のひとりごと』が書籍化され、デビュー。同作は2種類のコミカライズされ、ねこクラゲ作画の作品は「次にくるマンガ大賞2019」でコミックス部門の1位、倉田三ノ路作画の作品は「Google Play Best of 2019」のユーザー投票部門にノミネート。23年にアニメ化された。

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