無欲の聖女 1 (ヒーロー文庫)

著者 :
  • 主婦の友社
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本棚登録 : 53
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784074189816

作品紹介・あらすじ

孤児のレオは、三度の飯よりもお金が好きな、筋金入りの守銭奴。ある日、小銭でも落ちていないかと下町をきょろきょろしながら歩いていると、路上に何かを描いていた美少女の頭上に、屋根の重石が降りかかろうとしているのを見つけてしまう。咄嗟に駆け寄り、少女を救ったレオ。しかしその結果、少女が描いていた魔法陣に足を踏み入れてしまい、なんと二人の体が入れ替わってしまった。少女はレーナ。かつて貴族社会を追われた侯爵令嬢の娘。貴族の集う学院に召集されてしまうのが嫌で魔術を使って逃亡を試みていたが、それを防いだことで、命の恩人のレオは魔術を掛けられ、片言でしか会話できなくなってしまう。性格に難アリなレーナに腹を立てるレオだが、褒章として提示された金貨にあっさりつられ、レーナに代わって学院に行くことに。二人は契約を交わし、それぞれ学院生活と孤児院生活を送ることになるのだが―――。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。訳ありで市井で育った侯爵令嬢レーナと孤児院の守銭奴男レオが入れ替わるとりかえばや。性格が悪いというほどでもないが、引きこもりの超美少女の中に、お金が好きすぎるだけで皆に好かれている男子が入るという設定だが、魔法により話し言葉が限定されてしまっていることと、一般人を知らない貴族の人々が忖度してしまうことにより、ある意味神格化されていく。祖父母によりレオノーラと名変されるイベントがあることによって、入れ替わりでレオ入りレーナと、レオとレーナがとてもわかりやすくなっている。これは便利な、、。1巻ではレーナがあまり出て来ない。超個人的な感想ではあるが、挿絵のレオノーラが可愛くはあるが、そこまで傾国的ではない、身近な可愛い娘程度なので、挿絵が出てくる度に、妙ながっかり感を感じてならなかった。以前、貴腐人ローラの時にも感じたが、この作家さんは周りが勝手に良い方に勘違いしていくストーリーがとてもうまい。めんどくさいツンデレも良いと思います。

  • これは面白い。思わず唸りたくなる傑作。主人公に対して周りが次々勘違いをしていく物語だが、その過程のための仕込みが設定の段階から練りに練られていて、パズルのように勘違いを起こす様は痛快でもある。
    この本の要素を構成するもう一つの要素が主人公の美しさだが、この描写もバラエティーに富んでいて、イメージを湧かせながら飽きさせない。
    一応、気になる点も2つぐらいある。一つはこの巻単体ではクライマックスに大きな盛り上がりがないこと。もう一つはストーリーの進み方が遅い中で、どこまでこのテイストを保ちつつ、周りを勘違いさせる手法をクオリティを維持しながら複数巻にわたって続けられるかということ。
    とてもお気に入りなので2巻以降もぜひぜひ出してもらいたい。

  • お金を愛してやまない少年の体と、パン屋の美少女の体が
    うっかりと入れ替わって生活をして、勘違いされていく。

    ものすごく心に素直に、お金の事だけを考えているのに
    きれいに周囲に勘違いされる様が面白いです。
    ギャップがありすぎる、というのもありますが
    こうまで深刻になったり、深読みされると
    拍手を通りこしてしまいます。
    この勘違い、どこまで続くのか…。
    そして彼女(?)の過去は、どこまで悲惨になるのかw

  • 不憫すぎてちょいちょい泣ける… そんな生い立ちの人は、周りの勝手な想像の中にしか存在しないというのを分かっているのに…

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著者プロフィール

2016年『無欲の聖女』を出版して以来、『神様の定食屋』『地獄の沙汰もメシ次第』(双葉社)、『シャバの「普通」は難しい』『貴腐人ローザは影から愛を守りたい』(KADOKAWA)など多数手がける人気作家。圧倒的な登場人物の魅力と、爽快感あふれる展開に、読者から熱烈な支持を受けてやまない。Twitterアカウント @satsuki_nkmr

「2022年 『白豚妃再来伝 後宮も二度目なら 二』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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