薬屋のひとりごと9 (ヒーロー文庫)

著者 :
  • 主婦の友社
4.12
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本棚登録 : 1752
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784074424207

作品紹介・あらすじ

壬氏の一世一代の行動の結果、とんでもない秘密を共有することとなってしまった猫猫。折しも後宮は年末年始の休暇に入る時期。実家に帰りたくない姚は、猫猫の家に泊まりたいと言い出した。とはいえお嬢様を花街に連れていくわけにもいかず、姚と燕燕は紹介された羅半の家に泊まることになる。一方、口外できない怪我を負った壬氏のために、猫猫は秘密裏に壬氏のもとに通わなくてはならなかった。できる範囲で治療を施していくが、医官付き官女という曖昧な立場に悩まされる。壬氏が今後さらに怪我を負わないとも限らないが、医官にはなれない猫猫は医術を学ぶことはできない。そこで、羅門に医術の教えを乞おうと決めるのだが――。

感想・レビュー・書評

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  • 中弛み感はあるが、猫猫と壬氏の関係が近づいていてラブストーリー側面は楽しみになっていく。ミステリー面はやけに小ぶりなものばかりだが。

  • シリーズ第9弾。

    前回ラストで行った壬氏の衝撃行動により、猫猫は薬師の領域を超えて医術を学ぶことに。
    これまでも色々な場面で必要に迫られ、外科医に近いことを見よう見真似でしていた猫猫。今回は鬼のように厳しい劉医官指導の元、鶏、豚、牛、人間、と解剖の実技を次々とこなしていく。
    さすが度胸あり向上心ありの猫猫。解剖をサクサクこなす姿を見ていると、このまま医官になれるといいのに、と思ってしまう。薬の知識もある実践向けの医官はどこでも必要とされるに違いない。

    そんな猫猫、またもや壬氏について西都へ船で行くことに。
    初登場の雀がいいキャラ。生真面目な猫猫と案外相性いいかも。
    番犬・李白、乙女なやぶ医者と一緒の船旅はなんだか楽しそう。
    雀のラストのセリフ「花街でも、宮中でも、人間は嘘をつきます。西都でもたくさん嘘つきがいますので、お気をつけください」は何かの前触れ?予言?

  • 面白かった。月の君の無茶のおかげで、退路を塞がれていく猫猫。とはいえ、二人とも忙しい人で、忙しい局面なので、そっち系の話は進展せず(メンタルにはそこそこに距離が近くなっているような気がせんでもないが)。まあ、甘酸っぱかーーと叫びたくなるシーンもないこともないが、非常に好感度は高い猫猫(私の好みのキャラである)。
    でまあ、そんなこともありの、姚が実家に帰りたくないということで、猫猫の実家と言いたくない方の実家に泊まることになる。そして、本格的に医官になるための道がはじまる。まずは羅門に認められること。ここらへんの謎解きが面白かった。でまあ、猫猫も家禽家畜の解剖学からとうとう人体の勉強も始める。そこらへんは詳しくは語られないが、まあ、時代設定から大変であるというのは醸し出されていく。そして色々絡みと蝗害調査でDNA父と月の君に随行船旅。
    南の方の都市で石鹸騒動。

    (どう突っ込めばいいのかわからない)

  • 次の舞台への序章って感じかしら。猫猫のキャリアアップ(?)に新しい登場人物沢山。

    それとは別に羅半が医官手伝い三人娘にした話が良かった。男女平等とは言ってもそもそも生まれ持った体や基づく役割が違うからね。そこだけはどうしようもなくってのは、現代日本でも共通の話。

  • 壬氏のとんでもない秘密を共有することになってしまった猫猫は、彼の怪我の治療も引き受けざるを得なくなります。
    しかし、薬の調合には詳しくても、外科の治療は見様見真似の猫猫は、今後のためにも外科の知識と技術を学ぶべく、尊敬する義父・羅門(ルォメン)に教えを乞うことにします。
    羅門が猫猫に提示したのは、膨大な医学書の中から『華陀の書』を探し出し受け止めろ、という謎めいた課題でした。

    猫猫、姚、燕燕がそれぞれの将来について、それぞれの想いを抱く、彼女たちの節目になる巻でした。
    特に燕燕の心の内ははっきりとは描かれていませんが、きっと彼女の中でなにかしらの変化があったような感じ。
    姚お嬢様命な彼女が、どんな決断をするのか、見守っていきたいなぁと思います。

    そして、猫猫は壬氏たちとともに再び西都へ赴くことになります。
    新たに雀(チュエ)という、憎めないけどかなりキャラが濃い人物も登場し、次巻でも一波乱起きそうな予感。
    楽しみ。

  • 前巻ラストの壬氏のやらかしのケアを秘密裏に行う羽目になったのもきっかけになり、医術の道に踏み出した猫猫。この国では女性の立場は低く医術は穢れに通じるある意味修羅の道で羅門に諭されたりするのだが…まあ性格上さくさく進むよね。壬氏との関係はじりじりだけど。しかし無意識かそうでないかはともかく今回は!猫猫からの行動!ににやにや。そして再び西都に向かう事になったけど前回とは面子が違うので道中が賑やかで面白い。初登場雀さんいい意味で引っ掻き回しそう。不穏な西都がどう展開していくのか、二人の関係に影響するのか楽しみ。あと羅漢には大暴れしてもらいたい所。

  • なるほど、そういう近づけ方をするのか。

    猫猫が尊敬する父親を写し鏡にして、壬氏の考えや思いを悟らせ、その後にいつもの塩対応とは違うことをさせる持っていき方、上手いなぁ、と思ったのです。

    私はどうやら姚達がそれほど好きでもないようで、前半はヤキモキしたのだけど、彼女達と入れ違いかのように出てきた新キャラがユニークでこれからも楽しみです。

    今回で高順家族出揃ったかな?

    2024.3.20
    47

  • 今でこそ当たり前の西洋医学も昔は禁忌とされてたから、人の体を切るなんて信じられなかったのだろうなぁ...
    しかもそれに携わる人も穢れるとされてたとはなんとも難しい時代。
    けど結局新しい事を始めるって差別が付き物だもんなぁ...とか色々考えてしまった。
    今回は任氏の方に猫猫が歩み寄るって言うイメージだった。
    それにしても雀さん最高にいいキャラしてるな〜。
    どういう人なのかもっと掘り下げて欲しい。

  • 2020.3月発行
    壬氏のお腹の焼印の治療を
    猫猫がすることに
    (本格的な医者ではない猫猫は
     外科的技術を身につけたい)
    意外だったけれど
    変態軍師の一人
    羅半(猫猫の義兄)の
    男女の仕事観に共感した..
    その通りだと思う

    羅門が死体を解剖して
    臓器を書き写していたことがわかる
    この辺りは
    江戸時代の"平賀源内”みたい
    ...だと思った
    猫猫も医官達と腑分け(解剖)
    を繰り返して
    外科の腕を磨く
    その後
    壬氏達のお供で
    西都へ船で向かう
    途中 亜南に寄って
    芙蓉元妃と再会(幸せそうにしていた)
    元妃の代わりに亜南から
    後宮に違う妃が入内予定
    玉葉后の姪も入内予定
    今回の後半は
    雀(チュエ)さんが
    面白い人物で面白かった
    (動きが...可笑しい)

  • 薬屋のひとりごと9
    日向夏

    ∞-———————∞

    前巻の壬氏の火傷はやはり相当酷い様子。外科について分からない猫猫は羅門に教えを乞うが、それには禁忌と言われる華佗の書を受け止められるならという条件があった。

    外科手術というものが普通でない世界では忌まわしいものなため、その訓練は1部の医官以外には極秘。そこに女官にも関わらず一緒に受け、更には合格してしまう猫猫。

    そして、壬氏、いや月の君は左遷?で玉葉后の母国へ行くことになったが、猫猫はもちろんのこと、何故か変人軍師まで一緒に行くことに。

    今巻は行きの船旅まで。馬の人達は独特だなと思ってたけど、嫁の雀(チュエ)さんの個性もなかなかのもの。

    2024/03/10 読了(図書館)

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著者プロフィール

福岡県出身。小説家、ライトノベル作家。2012年に「小説家になろう」に投稿していた『薬屋のひとりごと』が書籍化され、デビュー。同作は2種類のコミカライズされ、ねこクラゲ作画の作品は「次にくるマンガ大賞2019」でコミックス部門の1位、倉田三ノ路作画の作品は「Google Play Best of 2019」のユーザー投票部門にノミネート。23年にアニメ化された。

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