薬屋のひとりごと 11 (ヒーロー文庫)

著者 :
  • 主婦の友社
4.17
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本棚登録 : 1402
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784074482269

作品紹介・あらすじ

戌西州を襲った大蝗害。過去の蝗害を知る者は少なく、人々は混乱する。西都や国境近くでも、食糧の強奪や暴動が頻繁に起きていた。猫猫は何もできない自分を歯がゆく思いつつも、できる限りのことをやっていた。それは中央からの客人である壬氏も同様で、身の安全のためという名目の軟禁生活を強いられながらも、蝗害を予見していたことで、中央からの支援物資を早く受け取ることができた。だが、その手柄は壬氏ではなく西都の領主代行・玉鶯のものとして扱われてしまう。手柄の横取りに猫猫は腹を立てるが、当の壬氏はどこ吹く風で、皇弟という立場を最大限に利用して戌西州への支援要請を行うのだが----。*本商品にはドラマCDは付いておりません。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第11弾。
    第10弾は蝗害の描写がリアル、というレビューを見かけて、つい飛ばしてしまった。

    玉葉后の故郷・西都で、国を滅ぼすと言われる蝗害に懸命に立ち向かう猫猫たち一行。
    蝗害だけでも大変なのに、民による食糧の強奪や暴動を抑えることで更なる苦悩を強いられる。

    今回は数々の謎が解き明かされて、驚かされるばかり。
    玉葉后の兄・玉鶯、元羅漢の副官・陸孫、軽薄であるが外科手術はかなりの腕前の医官・天祐等など。
    特に玉鶯と陸孫の因縁と、玉葉后・白羽・陸孫の関係には驚くばかり。陸孫が幼い頃に偶然羅漢と出逢っていたことにも驚いた。陸孫は単なる仕事のできる優男だとばかり思っていたのに、そんな過去があったとは…。
    残念ながら猫猫とはしばらく逢わない方が身のため。密かにお似合いだと思っていただけに残念。

    もう一人気になるのは雀の存在。神出鬼没で謎めいた彼女は一体何者なのか。飄々としているけれどスパイとしてはかなりの有能ぶり。猫猫との距離を徐々に縮めているけれど油断ならない。雀が言う"上司"とは一体誰なのか。

    今回、壬氏は損な役回りばかりで可哀想だったけれど、壬氏の有能ぶりも分かり、何より壬氏に対する猫猫の態度も軟化したように思えるし、で壬氏にとって最終的にプラスの方向に向かうのでは…と期待して次巻を楽しみに待ちたい。

    • おびのりさん
      祝 レビュー1,000冊 ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
      祝 レビュー1,000冊 ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
      2024/03/17
    • mofuさん
      おびのりさん、おはようございます。

      レビュー1000冊、気が付きませんでした(^o^;
      お祝いしてくださって、ありがとうございます(*^^...
      おびのりさん、おはようございます。

      レビュー1000冊、気が付きませんでした(^o^;
      お祝いしてくださって、ありがとうございます(*^^*)
      2024/03/18
  • 前巻での大蝗害は収束したもののまだまだ虫は飛んでくるし流通等は大混乱で食糧や薬草の確保もままならない状態の西都。そんな中でも壬氏は的確な采配を行い、猫猫達は復興に向けて東奔西走する。なのに民衆から見るとその手柄は全て玉鶯のおかげとみなされ一身にヘイトを集める壬氏。かわいそ過ぎるが立ち回り上手い奴に持っていかれる事って良くあるよなー。玉鶯は上手く民衆を扇動して砂欧への戦を仕掛けようとするがどうなる?からの予想外の人物によるばっさりとした幕切れ、からの解決編での諸々の西都に関する疑問の氷解への流れが鮮やかで一気読み。陸孫や天祐達のバックグラウンドが判明したり雀さんの怪しい立場が増強されたりと登場人物について色々語られる分猫猫の見せ場が少なめなのがちょっと残念。

  • 面白かった!!なんと、最初おまけの人物紹介に舒鳧(じょふ)がラインナップ!!おめでとう舒鳧(笑)人物ではないけど(笑)ほんま推せるわ。
    本巻帯に”土塔のクライマックス伏線回収”とありまして、期待度高く読み始めました。
    確かに、1つのクライマックスではあった!あの、モヤモヤする人物、陸孫の正体があきらかになる。そして玉鴬のわからん行動の根っこのところも解が出る、というか玉の家族について分かるというか。天佑の素性も判明。そして石炭な。まあ、半分はスッキリした。ただまあ、他の伏線もたっぷりのこってるし、なんなら更に増えてるので、モヤモヤは増えたぐらいかもしれない(笑)。いやはや、引っ張られるねぇ、面白い。
    いやもう、蝗害だけでええやん、と思わんでも無いが、こういうときに火事場泥棒ではないが、機に乗って色々おきるんやろねぇ。

    羅半兄がまともな農家だとすれば、
    羅半父はいかれた農家だった。

  • すんごく良かった。
    いろんな繋がりがわかって、頭を整理しながら読むのが大変だった。
    本当に面白くて読み始めると止まらなかった。
    今回の連休で1番の本でした。
    あぁ、お休み終わっちゃう。

  • 大蝗害に苦しむ西都のために、それぞれの立場で食糧や医療の支援に奔走する猫猫と壬氏。
    それでも民衆の不満は高まる一方で、その矛先は皇弟である壬氏に向けられます。
    その状況を利用するようなパフォーマンスを見せる玉鶯の思惑とは一体…

    後半に向けて怒涛のように速度を上げる展開から目が離せなくて一気に読み終えました。
    大きな展開を描きつつ、これまで登場した人々の背景も明らかにされ、あちらとこちらが繋がって、物語の奥行きがさらに深まりました。

    一山超えたと思いきや、まだまだ壬氏様の心労は続きそう…。
    猫猫と壬氏の関係も、西都のこれからも、見守っていかねばなぁ。

  • もう一度9巻辺りから要所を読み直すはめになった。何ならもっと前から伏線はあったよね。
    皇弟の政治家としての姿を久しぶりに見た。表の姿忘れていたけれど、最初はこんな感じだった。
    彼の本音や弱い部分をあしらうようでそっと支える彼女の心の変化も良い。

  • 蝗害対策は依然として対策中。のなか玉鶯って!あまりの人気取りが仇となってしまった。
    殺されるまでに陥るとは驚き。そしてそして陸孫の過去もビックリ(*_*)
    まだまだ面白くなる勢い

  • まだまだ西で頑張る猫猫たち(゜゜;)今回は甘々成分が少ないわ~( ´△`)と思いながら読んでいたら、後半は「えーッ!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!」の連続で、ゾクゾクが止まらない(;゜∀゜)一段落はしたけれど、まだまだ何か起こりそうだわ~(^^;)それにしても雀さん能力は高過ぎて、恐い!(>_<)

  • 蝗害の第一陣被害が最小限で抑えられた
    かと思ったら!!!
    今度は政治的な思惑やらなんやら
    人と人との諍いですか。
    嫌ですねぇ、現実を見るかのようですねぇ。

    今回はいろいろと
    ひとつの山場だったようで。
    挙動不審だったあの人の
    伏線が回収された…のかな、たぶん?

    猫猫、耐性ができてきたのか
    お父上と少し距離がつかめるように。
    頑張れ、爸爸〜。

  • 薬屋のひとりごと11
    日向夏

    ∞-———————∞

    猫猫は嫌いかもしれないけど、羅漢の自由度好き、憧れる。他国の偉い人との話し合いの最中に突然「わし、帰る」って言ったとこ、猛烈に好きだ。目に入ってないと言うか見分けつかないからってこともあるんだろうけど、自分の考えのみ優先で子供みたくて可愛い。

    羅半兄はそろそろ名前を呼んであげて欲しい。読者もまだ知らない。

    玉鶯はなかなかの曲者。月の君の働きも、市民には全て玉鶯のおかげということになっている。

    そして陸孫。彼は戌の一族の1人。
    ここからはちょっと昔話。
    戌の女性は子供の父親は告げないしきたりになっているがそんな中、皇族の子がいるという話をでっち上げられ、討てと勅命が出る。
    玉袁はにはちょっと同情。13人の子供は誰も自分の子じゃない。自分が玉袁の子じゃないと知った玉鶯は玉袁が戌の女性に冗談で言った「息子をくれないか?」を聞いて陸孫こそが玉袁の子だと勘違いして消そうとしたということのよう。以前陸孫が、母と姉が目の前で殺されたと語ったことがあったけど、その相手は玉鶯だった。

    陸孫は仇を討ったんだね。

    今後西都はどうするか。猫猫たちが来てもう半年ほど経つらしい。

    2024/04/03 読了(図書館)

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著者プロフィール

福岡県出身。小説家、ライトノベル作家。2012年に「小説家になろう」に投稿していた『薬屋のひとりごと』が書籍化され、デビュー。同作は2種類のコミカライズされ、ねこクラゲ作画の作品は「次にくるマンガ大賞2019」でコミックス部門の1位、倉田三ノ路作画の作品は「Google Play Best of 2019」のユーザー投票部門にノミネート。23年にアニメ化された。

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