告知事項あり。

  • イマジカインフォス (2025年1月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784074606641

作品紹介・あらすじ

【注意】※これは、フィクションではありません。 存在しないはずの302号室の鍵、浴室の点検口から出入りする謎の男、突然喋り出す遺品の人形、毎夜ガラス越しに現れる黒い影、前触れもなく失踪した不動産の営業マン、火災を逃れ残った不思議な絵、深夜に背後から覗き込む気配――――部屋を探すときは、「告知事項」にご注意ください。 事故物件で起きた出来事をはじめ、著者自身が実際に体験した不思議なエピソードを書籍化。本当に怖いのは、事故物件なのか? それとも…… 不動産管理会社の営業マンとして約7,000室の物件を内見し、日本で初めて“オバケ調査”を行う株式会社カチモードを起業した著者による実録集。 事故物件【じこ-ぶっけん】売買や賃貸の対象となる不動産物件のうち、その建物の部屋または共用部分などで、主に自殺や殺人などの死亡事故が発生した経歴のあるもの。心理的瑕疵[かし]のある物件。

感想・レビュー・書評

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  •  事故物件。
     不動産取引される物件で、建物内で不審死が発生したもののことだ。こういった物件には心理的瑕疵があるため、買い手や借り手に対する告知が義務づけられた。
     だが、それらの物件の中には心理的瑕疵で済まないような怪異現象が起きているものがあるという。

     これは、不動産管理会社の営業マンとして数々の事故物件を内見し、日本で初めて “ オバケ調査 ” を行う会社を起業した児玉和俊氏による実録集である。
              ◇
     噂でしか知らなかった「不思議な部屋」。
     そんな物件に実際に出会ったのは、2008年7月末のことでした。
     とあるマンションの1室での出来事なのですが、この経験が、のちにカチモードを起業する大きな契機になりました。

     それは、私が賃貸物件の管理会社に転職して約1年が経った頃のことです。
     私は、何人ものオーナー宅を訪問して営業活動をするほか、不動産売買会社にも頻繁に出入りしてビジネスに繋がる提案をしていました。そんな縁で懇意にしている会社から、購入した中古物件を見て欲しいと話があったのです。

     その物件は、JR新宿駅から電車で20分ほどのところにある築15年の賃貸マンションでした。
     マンションは3階建て鉄骨造りで1Kが9室とこじんまりした物件です。現在 102号室と 202号室が空室で内覧可。鍵はキーボックスにあるとのことなので、さっそく見に行くことにしました。

     該当の2部屋はリフォーム済みで快適そうですし、共用部分も問題なさそうです。点検後、ついでに3階の様子も見ておこうと階段を上がりました。
     聞いた話では3部屋とも埋まっているはずですが、真ん中の 302号室には人が住んでいる気配がありません。電気と水道も止められている様子です。
     キーボックスを見ると鍵があったので空室だと思い入ってみたところ……。( 第1話「御札の部屋」)  ※ 全17話と「はじめに」及び「おわりに」からなる。

         * * * * *

     ※これは、フィクションではありません。

    という【注意】書きがあるように、著者の児玉和俊さんの調査体験をまとめた実録作品です。
     また、児玉和俊さんが経営する「オバケ調査」専門の不動産コンサルティング会社も実在しています。

     フィクションであるオカルトホラー小説と違い、幽霊や妖怪が姿を現すことはありません。心霊現象は起こりますが、おどろおどろしい書き方ではなく、むしろ淡々とした文章です。
     なのに読んでいてゾッとする作品でした。


     リフォーム済みなのに異様な臭いがする。
     誰もいないはずなのに、不審な音がしたり自分をじっと見つめるモノの気配を感じたりする。
    という気味の悪い物件が存在することは確かなようで、事故物件であることを承知で入居した人でも慌てて退去してしまうのです。
     また、そこまでの現象が起きてなくても、不思議に入居者が居付かない物件もよくあります。
     かくして児玉さんに調査依頼が舞い込むことになります。


     児玉さんは最初の 302号室での心霊体験で「ヤバいモノ」の臭いを感じ取れるようになるのですが、退魔術など身につけてはいませんし、除霊能力もありません。ただ調査するのみです。

     それでも、児玉さんの調査で「問題なし」の結果がでたものについては、オーナーは事故物件として安心して(?) 賃貸に出せるということです。

     問題は確かに心霊現象が起きているという結果が出た物件についてです。
     当分は「開かずの間」として閉鎖するよう助言するぐらいしか、児玉さんにはできません。 ( 今は各研究機関と連携して科学的なアプローチを試みているようです。)

     けれど結局、オーナーは面倒を恐れて売却してしまうということが多く、心霊現象の解決には至っていない物件はそのまま残っている、そのことが私には、とても恐ろしく感じられました。


     強く印象に残ったのは、「ヤバいモノ」の気配を背後に感じたときについてです。

    ――「ヤバいモノ」は後ろにいるのではなく、上 ( たぶんすぐ後ろの上あたり ) にいる。――

     これだけで十分怖いのですが、

    ――だが「本当にヤバいモノ」は上にいるのではなく……。――

     とにかく気配を感じたときは決して振り返らず、ひたすら前を向いたまま走り去ろうと肝に銘じました。

  • 酷暑を少しでも涼しく過ごそうと思いよんでみました。
    自殺とかあった部屋は貸しだすときにそのことを告知する義務があるとかですが、何か気配を感じたりとか、事件があった部屋からは独特の匂いを感じるようになるとかw
    実話らしいのですが真実まで辿り着けないところがモヤモヤしました。
    霊感が鍛えられると嗅覚の次は聴覚、そして視覚へと目覚めていくようでした。

    • かなさん
      なかなか重そうな作品ですね!
      ひんやり…とはならなかったですか??
      毎日暑いですもんね^^;
      今日もお互い気をつけて過ごしましょうね!
      なかなか重そうな作品ですね!
      ひんやり…とはならなかったですか??
      毎日暑いですもんね^^;
      今日もお互い気をつけて過ごしましょうね!
      2025/08/22
    • つくねさん
      かなさん、いつもコメントありがとうございます!

      私は怖がりでして夜に読むことできず
      昼間に読んでたのですが、実際にオバケ調査の会社
      ...
      かなさん、いつもコメントありがとうございます!

      私は怖がりでして夜に読むことできず
      昼間に読んでたのですが、実際にオバケ調査の会社
      立ち上げたみたいなこと書いてありましたけど
      暑さは和らぎませんでしたorz
      こんどは、南極物語とかよんでみようかなぁ
      2025/08/22
  • 住宅にまつわる怪異やホラー
    信じない私には、怖がらせようとする文書が滑稽に感じた
    島田秀平が頭をよぎりながら読了
    サンドリの有吉弘行派です

  • 実在するカチモードという、曰く付きの物件を調査する会社の代表の方が、これまでに経験された数々の物件(と、それを取り巻く人々)についてをまとめられた本作、興味深く読ませてもらいました。

    不動産会社の営業の方、管理業務担当の方って、少なからずこういう体験をされてるんだろうか…
    病院に勤務していた頃、変な体験をしたことは何回もあったけど、変さのレベルが全然違った…
    単独で「それ」と分かってる場所に乗り込んで行く度胸が凄い。

    不動産の価値を落とさないために立ち上げた会社なのに、深層の一歩手前で依頼主から「これ以上の調査はお断り」と断られる場面があり、著者の児玉さんと共に読んでるこちら側もモヤッとしたものを残して終わりというパターンがいくつもあって。
    これって、あれかな、依頼主が怪異の影響を受けてしまってるということなのかな…って思ってみたり。。

    マンションの地下室をワンちゃんのブリーダーさんに貸されたお話が、読んでて辛かったです。
    この子達をなんで残して行ったんだろ(泣)
    物言えぬ子(にゃんこ)が我が家にもいるので、私たち家族がどうこうなった時にうちの子が道連れにならないようにしないといけないなって、お話とは無関係だけど、ちょっとね、改めて思いました。

  • 「この作品は、フィクションではありません。」
    奥付の前の頁に書かれた言葉を読んで思わずニヤリとしてしまった。商売が上手だ。怖い話を読むなら恐怖の謎が全て解かれて実は〜だった、という種を明かすタイプの作品よりも「もしかしたら〜かもね」と不思議は不思議のままで扱ってくれる作品が好きだ。
    著者が自身の会社を通じて体験した件は心霊現象あり、ヒトコワありとバラエティーに富んでいる。登場人物(と読者)への影響を配慮して一部に脚色があるにしても真に迫ってくるものがある。これはいいものを読んだ。怖い話が読みたい者たちよ、これを読むのだ。

  • 告知事項ありの物件に携わる児玉さん。
    事故物件って結局どんな状況で、幽霊物件とはまた別なのか?みたいな率直に思ってしまうところを実際に携わっている著者が、自分の仕事で体験したり記憶に残ったことをエッセイ形式で書いていく。

    事故物件と言いつつも、全て問題がある部屋とも限らず、何かその物件によって考えさせられることもあるようで。
    事故物件という言葉に一括りにしてしまうと同一に見えてしまうものが、それぞれの人生があるように、物件にも様々だった。

  • 事故物件の不動産を生業にする児玉氏の体験した話。

    このての話は苦手ではあるが、興味深く読んだ。
    事の真偽はともかく、取り憑かれるという嫌な感覚を見事に描いていた。
    腐臭から“おばけ”なるものの存在を認知する件は、匂いの記憶がなかなか拭いきれないものだけに、実に嫌な説得力を持っていた。
    未知のものに対する興味がこの本を成立させていた。

  • さまざまな事故物件を専門に取り扱う会社・カチモードが遭遇した怪異、あるいは怪異未満のものを集めたルポ。フィクションなら事細かに語られるであろう物件にまつわる因縁話の部分がほぼないため、そんなに怖くはないかと思いきや。逆に理由が不明なだけに怖さがひとしお、という部分もあります。
    一番怖かったのは「人影が見ている」。部屋に出る「オバケ」よりも、何らかの事情を知っているらしいあの人の方が数段怖い……いったい何なんだ。
    かと思いきや「想い」のような沁みる話もあり、あとがきでなんだか納得してしまいました。「オバケ」といってももともとは人だったのだとすれば、恐ろしく感じるばかりではないのかも。とはいえ、ヤバそうなやつはやっぱりいるのね……。

  • わりと好き!
    ノンフィクションなので、オチのない怪異というか気持ち悪いなという話のオムニバスだけど、
    それがとてもリアルでとても楽しめました。
    不動産会社と、その関係者の方々との縁ややりとりもとても興味深く、不動産とは関係のない世界で暮らしている私でもそのあたりの匂いをなんとなくかぐことができて、
    そういった意味でもとても楽しめました。

    悪いことをしてないのに事故物件になって、リフォームとかで大枚はたいてるのに賃料さげないといけないとか、告知しないといけないって、
    大家さんにとってはつらいことだよね…

  • 旦那さんが購入。 

    貸してもらって読了。
    怖い。けどさらりって感じかな。
    賃貸に住んでいるので、こういう賃貸話、気になるよね。

  • 島田秀平さんや好井まさおさん等のオカルト系YouTubeチャンネルで、児玉さんを知り、事故物件の価値を取り戻す不動産会社を経営してるなんて、面白い職業もあるのだなと思っていました。ご自身が体験した話をとても聴きやすく語っていて、人柄の良さも滲み出ていて、事故物件の仕事(特に困っているオーナーさん)に対して、真摯に取り組んでいる姿が、本書でも読みやすく、書かれています。ドラマ化も決定してるとのことで、とても楽しみです。自身のYouTubeチャンネルも開設されていました。でも、本に書かれていることがノンフィクションって、恐ろしい……。

  • 実体験をもとに書かれている本。
    物件ごとに様々なエピソードが書かれている。
    実話だから真相が最後まで分からないものも多いが、それがまたリアル。
    世の中には説明のつかないことが沢山あるんだな〜と改めて思った。
    特にエピソードの繋がりとかもないので好きな時にサクッと読めます。

  • うっかり夜に読み始めてしまい、一旦途中でやめましたが、明るい時間に読了。とはいえ、明るくても気持ち悪いことに変わりはなかった。実話ゆえの「解決しなさ」が何とも言えない気持ちにさせる。

  • てっきり「怖い間取り」系の創作小説かと思ったが、カチモードでググってみるとガチっぽい。こわっ!
    賞味期限みたくオバケ有効期限がないと、事故物件は増える一方。入居数ヶ月で出て行くなんて金銭的にもモチベ的にも無理なので、なんとかしてほしい〜

  • フィクションではない。そのためか結末がわからないまま終わってしまう話もいくつかあって不完全燃焼な感じが却って実話っぽくて良い。本当にフィクションではないのかはわからないが…結構怖い話もあって満足。3.8

  • フィクションではないというのが面白い!カチモードについてもっと知りたくなりました!ただ、謎のまま終わってしまう話が多いのが少し物足りないような、でもそれが現実味を帯びているような…といった感じでした。

  • 事故物件の調査をする会社を企業した人の実体験。
    最初は臭いで危険を察知し、音が聞こえ、最後には見えてしまう。
    だんだんと鍛えられてしまう。

    結末はわからずじまいというものばかりだけれど、知らないままの方がいいと思える話ばかり。

    最初の方に出てきた、やばいものは上にいるけど、本当にやばいものは後ろにいる。
    怖すぎる。
    気配を感じても気づかないふりして、前だけ見て逃げよう…。

  • リアルな感じがより怖さを増幅して、怖面白いです。

  • 事故物件の調査を業務の一部としている会社の代表関わった告知事項のある物件のフィクションではないエピソードが集められた本。
    どのお話も結論が白黒ちゃんとつかない所が、じわじわっとした怖さにつながっている。

  • 土佐市図書館

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