御乱心―落語協会分裂と、円生とその弟子たち

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  • 主婦の友社
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レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784079239288

感想・レビュー・書評

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  • 暴露系のお話書いて、ご乱心あそばしてるのは、圓丈師匠だと思っていた
    ご乱心あそばしていうのは、圓丈師匠の中では圓生師匠なのね

  • 2010年、七代目円生襲名問題の真っただ中に行われた鳳楽VS円丈の落語会「円生争奪戦」では、円丈に対して「お前は逃げたくせに!」と客席から野次が飛ぶ緊迫した場面もあった。その確執の元となったのが、’78年の落語協会分裂騒動。
    円生、円楽、志ん朝らが新団体を作ろうとしたが、寄席の席亭の反対にあい失敗、志ん朝は詫びをいれれ復帰、円生、円楽は協会から離脱という結果に。
    その円生の弟子である円丈による騒動の顛末記である本書、これが、なかなかスリリング。
    当時、真打になったばかりの円丈は、新聞で「円生、円楽ら」と「円生ら」と常に「ら」の存在でしかなかった。師匠や兄弟子円楽らに翻弄される哀しみ、悔しさがフツフツと感じられる。

    一番の名シーンは、新協会設立が失敗に終わった後、円生に呼ばれて、身の振り方を聞かれる場面。
    寄席に出演したい円丈は、「協会に戻りたい」と告げる。すると円生とその夫人から「恩知らず!」「義理知らず!」と罵声を浴びせられる。
    「俺はこの心の拷問に耐え切れなくなって来た。俺の心は、もうズタズタになっていた。」(P158)という円丈は、罵声を浴びながら台所へ行き、コップの水をぐっと飲む。そして、畳の上に両手をついて、「私も一緒に出たいと思います。」と涙をこらえながら言う。
    自分を殺す、なんとも切ないシーンである。

    今年70歳の円丈、いまだに新作を作って演じているのがたいしたものだ。固有名詞が出てこなくてハラハラすることもあるけど・・・。

著者プロフィール

1944年名古屋市生まれ。明治大学文学部演劇学科入学そして中退。高校時代より落語家を目指し、三遊亭圓生に入門。「ぬう生」となる。13年の厳しくも苦しい修業を経て「圓丈」で真打。新作落語で頭角を表し、ラジオ・テレビで大活躍。新聞・雑誌のコラムも執筆。主な著書には、ベストセラーの『御乱心』(主婦の友社)、『円丈18ラウンド・デスマッチ』(立風書房)、『まるでせこい回覧板』(PHP)、『落語家の通信簿』(祥伝社新書)等がある。現在、落語協会監事。

「2009年 『ろんだいえん 21世紀落語論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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