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Amazon.co.jp ・本 (556ページ) / ISBN・EAN: 9784081550050
作品紹介・あらすじ
芥川賞受賞作と名短編。
田辺文学の原点といえる第50回芥川賞受賞作『感傷旅行』と名作短編17編。巻末に著者の自作解説、関西大教授浦西和彦、お茶の水女子大助教授菅聡子の解題を掲載。月報/宮本輝、小池真理子
感想・レビュー・書評
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記録
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いつもエッセイや評伝ばかり楽しませてもらってる田辺聖子ですが、
1964年(昭和39年)の芥川賞(直木賞じゃないんですよ)を受賞した出世作、
「感傷旅行」を読んでおこうと思いました。
それなりに「古さ」はあるんだろうと覚悟して読みましたが、
なんのなんの、違和感なし。私の友達にもこんな男や女がいそう。
田辺聖子より前の世代になると思うけれど、例えば同じ女流作家、円地文子の
「女坂」だって同じ昭和30年代の発表(昭和32年)。
モチーフが違うので当然ですが、しかし、この差はえらいものがあります。
円地文子は好きな作家ですが、「女坂」の中に私の「知っている」人は一人も出てこない。
登場人物との距離感は、「源氏物語」や「雨月物語」と変わらない。
さらに言えば松本清張の「点と線」や「ゼロの焦点」も昭和30年代ですが、
こちらに出てくる女性はなにやらひどく古い感じがする
(とは言っても、松本清張も好きな作家で、女が描けてないなんて思わないけど)。
社会派推理小説なので、時代背景と密接にリンクしているから、古くなるのは仕方ないけれど、
「感傷旅行」だって、共産党員の恋人や「赤ハト」wなんて出てきます。
もうこのへんの感覚はすでに私には実感できません。教科書の中の世界。
でも、「感傷旅行」にはそこらへんにいる普通の人たちが、普通にいる。
そして、やはりとてもセンチメンタルでした。
苦くて甘くて、少しおかしい。
この全集には、ほかにも恋愛短編小説が何篇かおさめられています。
「感傷旅行」のほかには「うたかた」と「二階のおっちゃん」(まさかの展開だった・・・)がよかったなぁ。
ついつい一気読みしてしまったけど、恋愛小説をやや苦手とする私としては、
1年分の恋愛小説を読んでしまった感じがします。はは。
こういうのは、一気読みせずに、惜しみ惜しみ、良いチョコレートをゆっくりたべるように
ちょっとずつ読んだ方がええもんかもしれません。
そして、大阪に住んではる人は、面白さひとしおだと思います。
著者プロフィール
田辺聖子の作品
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