- Amazon.co.jp ・本 (680ページ)
- / ISBN・EAN: 9784081570119
感想・レビュー・書評
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自衛隊に入隊した経験がある浅田次郎が編集した短編集のようです。松本清張の短編は、秀吉の朝鮮遠征時の出来事を下敷きに、作者の韓国での厳しい軍隊生活がさりげなく語られております。実際に軍隊生活を経験した作者たちの様々な作品群、どれも★4ではないでしょうか。それにしても、帝国陸軍、帝国海軍の兵隊さんの暮らしは、なんとも悲惨で暗い、という感じであります(負けた戦を語っているからでしょうか)。
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戦争×文学シリーズのひとつ、戦争を体験した作家たちの短編集です。
小説は虚構の中にある程度事実も含まれているだろうが、特に戦争小説は読みながらどこまで経験を基にしたのかな?と何度も考えてしまうのは、私自身が戦争を経験していないからだろうか。
どの作品もこれでもか、これでもかと理不尽な目にあうことが書かれています。
それが戦争なのかもしれませんが。
多かれ少なかれ戦争によって人生を左右された一兵隊たちが、このような小説を通じ、後世へ読み伝えられることで浮かばれるなら、と願わずにはいられない。
図書館スタッフ(学園前):ぬこ
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帝塚山大学図書館OPAC
https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/751662 -
渡辺清著『海の城』では海軍の新兵が上官の私刑を恐れて艦内の防衝器室に1週間も隠れていたり、浜田矯太郎著『にせきちがい』では題名どおり狂人になりすましたり、中村きい子著『間引子』では徴兵を逃れるために人差し指を刃物で切り落としたり、柴田錬三郎著『仮病記』では癲癇を装ったり、とにかくみんな戦争が嫌で嫌で仕方ないんだ。いま日本が国防軍を創って国を守ると言っているのだが、誰が戦場に行くのだろうか、またぞや徴兵制が復活するのだろうか。自分や自分の息子を戦場に行かすことができるのだろうか。