コレクション 戦争×文学 12 戦争の深淵

  • 集英社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (736ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784081570126

感想・レビュー・書評

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  • 戦争の深淵、といえば、これだけしかないのか、っていうくらい、人肉食やら強姦やら、ナチスも出てきましたよ。だったらどうして戦勝国側の、あの爆弾の話はでないのかしらん。

    田口ランディ氏が、なぜ自分のこの小説が戦争の深淵で選ばれたのか分からない、とブログで書かれていたのが、一番記憶に残った。

    このアンソロは読み進めれば進めるほど、選者の偏りが濃くなっていく。でもなんか頑張って読んでしまっているよ。

  • 敬して遠ざけている作品というのがたまにありますが、名のみ知る名作だった「海と毒薬」をやっと読みました。
    また、「裸女のいる隊列」を読んでしまってから、著者が「肉体の門」を書いた人だと知ってびっくりしました。
    アンソロジーでなければ出会えない作品を読むと、このコレクションの編集者に‘やられたな’と思います。

  • 遠藤周作氏の『海と毒薬』に描かれた生体解剖や武田泰淳氏の『ひかりごけ』での カニバリズムや金石範氏の『乳房のない女』で語られる拷問や殺戮の事実は、人の倫理はおのれの生への執着(死の回避)や圧倒的な国家権力の強制の前ではひれ伏すしかないことを示している。おのれの死に直面するとき、ひとの倫理を問うてはいけないのだろうか。ひとはそんなに強くない生き物だから、反倫理を許してしまって良いものだろうか。戦争は国家の強要による殺人だからかりに許されるとしても、殺人を犯した当人は苦しみ続けるだろうし、そこに倫理がある。

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