ジュニア版ファーブル昆虫記 1 ふしぎなスカラベ

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784082310011

感想・レビュー・書評

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  • (2014.07.30読了)(1999.04.26購入)
    副題「ふしぎなスカラベ」
    かつて、「昆虫記」は、岩波文庫で二十分冊で発行されていました。第十四分冊まで読んでいますが、まだ六分冊残っています。
    子供向けに小峰書店から出ている7冊の「こんちゅう記」は子供に買ってあげたのを読みました。
    岩波文庫版で読み通せばいいはずなのですが、NHKの100分de名著を奥本さんが担当しているので、奥本訳に挑戦してみることにしました。抄訳で8巻ということです。ただし、8巻目は、ファーブルの伝記です。
    10歳から大人までとなっていますので、イラストや図がたくさん入ってわかりやすくて読みやすくなっています。
    昆虫の生態を屋外の自然状態での観察のみで明らかにするのはたいへんなのでしょう。ファーブルは、つかまえてきて観察しやすい環境で観察したり実験したりしています。
    かなり意地悪ともいえるような実験も繰り返し行っています。読むと実にいろんなことが分かってきます。「昆虫記」が、多くの人に読まれてきたのももっともです。
    第1巻は、フンコロガシの話です。フンコロガシの幼虫が、親の作ってくれた糞の玉の中で糞を食べて大きくなるのですが、その玉に外から穴をあけると幼虫は急いで穴をふさぐのだそうです。フンコロガシの仲間の中には、ずっと親がついている種類もあって、親が修理してくれる場合もあるとか。
    幼虫がさなぎになって成虫になって出てくる時期は、雨が降って閉じこもっている糞の玉が柔らかくなる時とか。
    卵を何個まで産めるのか試すために親が作った子供のためのナシ玉を隠してみたりもしています。昆虫を観察するための仕掛けを考えたり、昆虫の生態を確かめるための実験をあれこれ考えるのもファーブルにとっては、楽しいことだったのでしょうね。

    【目次】
    はじめに
    1 アヴィニョンの五月
    2 スカラベ・サクレ
    3 オオクビタマオシコガネ
    4 ヒラタタマオシコガネ
    5 アシナガタマオシコガネ
    6 イスパニアダイコクコガネ
    7 ツキガタダイコクコガネ
    8 ヤギュウヒラタダイコクコガネ
    9 センチコガネ
    10 ミノタウロスセンチコガネ
    昆虫って何だろう
    ファーブルの生涯(年表)

    ☆関連図書(既読)
    「昆虫記 第一分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1942.11.25
    「昆虫記 第二分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1931.07.05
    「昆虫記 第三分冊」ファーブル著、山田吉彦訳、岩波文庫、1947.02.06
    「昆虫記 第四分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1947.02.25
    「昆虫記 第五分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1934.12.15
    「昆虫記 第六分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1941.12.22
    「昆虫記 第七分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1941.10.07
    「昆虫記 第八分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1951.03.25
    「昆虫記 第九分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1930.04.05
    「昆虫記 第十分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1930.02.05
    「昆虫記 第十一分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1951.04.25
    「昆虫記 第十二分冊」ファーブル著・山田吉彦・林達夫訳、岩波文庫、1931.05.25
    「昆虫記 第十三分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1930.09.25
    「昆虫記 第十四分冊」ファーブル著・山田吉彦訳、岩波文庫、1931.10.15
    「ファーブル こんちゅう記1」小林清之介文・横内襄絵、小峰書店、1974..
    「ファーブル こんちゅう記2」小林清之介文・横内襄絵、小峰書店、1974..
    「ファーブル こんちゅう記3」小林清之介文・横内襄絵、小峰書店、1974..
    「ファーブル こんちゅう記4」小林清之介文・横内襄絵、小峰書店、1974..
    「ファーブル こんちゅう記5」小林清之介文・たかはしきよし絵、小峰書店、1974..
    「ファーブル こんちゅう記6」小林清之介文・横内襄絵、小峰書店、1975..
    「ファーブル こんちゅう記7」小林清之介文・たかはしきよし絵、小峰書店、1975..
    (2014年8月2日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    アフリカの大草原に何億という獣がいて、それぞれがふんをするはずなのに、大地がきれいなのはなぜか。それは、スカラベをはじめとするふん虫の仲間が、あっという間に処理してしまうからである。この虫たちは、自然が循環していることを、見事に見せてくれている。ツチハンミョウの仲間は、何千もの卵のうち、ごくわずかしか成虫になれない。神秘とスリルに満ちた生態を解明する。

  • 日本でよくフンコロガシ(スカラベ)といわれる虫についての話でした。
    文章の構成が上手く、最初から順番に読んでいくと徐々に理解していける構成になっています。
    文章は読みやすく、糞を餌とする昆虫について、とても勉強になる本でした。

  • ちいさな生きものの世界にも「宇宙」を感じる、そう思わせてくされるファーブル昆虫記。全8巻のうちの第1巻はスカラベ・ふん中・フンコロガシ。昆虫に興味を持ち始めた児童にも、以外と知らない大人にも、生きものの世界を味わうきっかけとなる一冊。(ちいさな帆)

  • このシリーズは中学生のころ、お小遣いを貯めて1冊ずつ買ったという、とても思い入れの深い本です。イラストがとても可愛らしく、私の昆虫に対する意識を根本から変えてくれました。本能のはたらきのすごさと限界も知ることができました。

  • ◆きっかけ
    俵万智『本をよむ日曜日』で以下のように紹介されていて。ブクログにはファーブル昆虫記全てを登録はせず、1巻のみ登録。

    ファーブルは小学生の時に数話読み、面白かった記憶がある。また読み返してみたくなった。この書評が素敵で、Evernoteにコピー記録。
    「「おもしろいわよ。たまには、こういうのも読んでみたら?」物語にばかり偏る私に、勧めてくれたのは母だった。」←素敵なお母さん。娘のことをよく見ているからこそのアドバイスだよなぁ。そんなお母さんになりたいと憧れる。
    「むしろ、そういう体験をすることなしに大人になってしまうことのほうが、こわいような気がする。(中略)愛情は、なにもないところからは生まれない。まず「知る」ことが、愛情のめばえのスタートだ。(中略)無意識のうちに、自分の心のなかでは大切なものが育まれていたように、今では思う。2017/1/21

  • スカラベすげえーーーーーー!!!!!
    フンコロガシと思って軽く見るなかれ・・・すっごい虫だったんだぞ・・・。

    あとファーブルも思ってたよりずっと変な人っぽいぞ・・・・・・!!!

  •  これほど有名な著作であるのに、一度もきちんと目を通したことがなかった。先月、NHK のEテレ「100分de 名著」は「ファーブル昆虫記」がテーマだったので、この機会に少しでも読んでみたいと思った。

     以前この奥本大三郎氏の訳本が出版された時、シリーズで8冊購入していた。当時小学生だった長女に読ませたいと思ったからである。今回は逆に私が娘から借りて読むことになった。

     私は極めて田舎に居住しているが、世の中にこんなにたくさんのふん虫が存在することを知らなかった。「くそ虫」とか「ふんころがし」などと言って見向きもしないので、その生態も見たことがない。だからファーブルが書いたものを読んで初めて知ることばかりだ。

     先日たまたま見た「ニューヨーク、恋人たちの2日間」という映画に、便所掃除のイメージとしてなのか、たった5秒間ではあるが、ふん虫が自分より数倍も大きいふん球を逆立ちした格好で後ろ肢を器用に使い転がす姿が映されていた。思わず何度も何度も繰り返し再生して観察した。

     この奥本大三郎氏の「ファーブル昆虫記」はシリーズ全8巻である。あと7巻残っているので、様子をみながら全巻読みたいと思っている。

  • 小学生が読める本になっています。はじめに、の部分で
    「この中に登場する虫で日本にいないものについては、解説をくわえました。また、ファーブルの時代の、フランスのいろいろな風俗や習慣などについて、おりにふれて説明しました。現代の昆虫学者ならこう考えるだろうという点についても、おぎなってあります。」
    と書いてあるとおりの内容でした。

    昆虫記は全10巻ですが、このシリーズは「その中から、とくにおもしろくてたいせつなところばかりとりだして、書きあらめたものです。」だそうで、全8巻。最終巻は伝記だそうです。

  • 非常に有名なファーブル昆虫記、この年になって初めて読みました。

    正直、フンコロガシなんてよく知らんし、興味もないしという感じだったのですが、読んでみると確かにおもしろい。自然てよくできているなぁ、よくもここまでおもしろい発想で、昆虫を観察できるなぁと思わせられます。スカラベというのは私の身近ではまず見ることのない昆虫なのですが、読み終わると妙に親近感を覚えてしまいます。

  • 最高面白い

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著者プロフィール

奥本 大三郎(おくもと だいさぶろう)
フランス文学者、随筆家。昭和19年(1944)大阪生。
東京大学文学部仏文学科卒、同大学院修了。
埼玉大学教授、大阪芸術大学教授などを歴任、埼玉大学名誉教授。
1991年より2010年まで日本昆虫協会会長。
現在NPO日本アンリ・ファーブル会理事長、ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」館長。
著書に『虫の宇宙誌』(読売文学賞)、『楽しき熱帯』(サントリー学芸賞)、
訳書に『完訳版 ファーブル昆虫記』(全10巻)など多数。

「2022年 『スリナム産昆虫変態図譜1726年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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