- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784082310028
感想・レビュー・書評
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今思うと,獲物を殺さずに捕獲する,食べていくスキルはすごいもので
その方法論が記述されている遺伝情報はすごいと思う.
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ハチの針すげえ・・・って話だ。
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(2014.08.10読了)(1999.04.26購入)
副題「狩りをするハチ」
奥本訳『昆虫記』第2巻のテーマは、狩りをするハチの話です。
研究テーマを数学にしようかと考えていたファーブルを昆虫に専念させるきっかけになった論文は、狩りをするハチに関するものだったとのことです。
昆虫を捕まえて、針で刺して殺してしまい、卵を産み付けて幼虫の餌にするハチが何種類かいます。殺された筈の昆虫は、なかなか腐らないので、蜂は防腐剤を針から出して注入しているのではないか、と論文には書いてありました。
ファーブルは、これを確かめてみようとします。確かめた結果、防腐剤を注入しているのではなく、神経節を刺して運動能力を麻痺させているだけで、殺しているのではないことが分かりました。生きているので、栄養が尽きるまでは腐りません。卵から生まれたハチの幼虫は、動けなくなっている昆虫にかみついて、餌の昆虫の生きて行くのに大事な器官を傷つけないような手順で食べて行くように本能が仕組まれているということをファーブルは、確かめます。
実験材料となるハチ探し、ハチの幼虫の餌探し、どうやってハチは、幼虫の餌となる昆虫を麻痺させるのか、幼虫は、どのような手順で餌となる昆虫を食べて行くのか、もし手順が狂ったらどうなるのか、など、苦労話をまじえながら詳細に確認してゆく様が綴られています。昆虫を捕まえて、標本にするということとは、違う昆虫研究の苦労と楽しみが満載です。
【目次】
はじめに
1 ヴァントゥー山にのぼる
2 タマムシを狩るツチスガリ
3 ゾウムシを狩るコブツチスガリ
4 コオロギを狩るキバネアナバチ
5 キリギリスモドキを狩るラングドックアナバチ
6 イモムシを狩るジガバチ
7 コガネムシを狩るツチバチ
昆虫って何だろう―2
ファーブルの生涯(年表)
●ラングドックアナバチの食物(146頁)
ラングドックアナバチがため込んでいる食物は、ぜんぶ、メスのキリギリスモドキだったのです。
(ラングドックアナバチは、キリギリスモドキのオスとメスをしっかり見分けていたのです)
●獲物の麻痺(165頁)
ハチが獲物を麻痺させておくと、二つ、いいことがあるのです。一つは、幼虫が傷つけられる危険が無くなること、もう一つは獲物が長く生きていて、腐らないことです。
●キバナアナバチ(177頁)
このハチは、決まった回数だけ、獲物の取入れをやるのですが、その回数だけ狩りをやってしまうと、実際にしまいこまれた獲物の数とは関係なしに、仕事が済んでしまうのです。だから、巣の入口から転がり落ちたものがあっても、もう次には、部屋の戸口を塞ぐ仕事に取り掛かるのではないかと思われます。
●背中で歩く(272頁)
ハナムグリの幼虫は、いつもひっくり返って、背中でもぞもぞ歩くのです。お腹を空に向け、肢はもがくだけ。背中の荒いブラシのような毛を頼りに、ミミズが這うようにして進みます。
☆関連図書(既読)
「ファーブル昆虫記 1」ファーブル著・奥本大三郎訳、集英社、1991.03.20
「ファーブル『昆虫記』」奥本大三郎著、NHK出版、2014.07.01
(2014年8月11日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
ハチはカブトムシの仲間のようにがんじょうな体はもっていない。むしろひ弱な昆虫であるが、毒針をもっている。これは実に強力な武器である。この毒針でハチは獲物の急所をさして麻痺させ、巣穴に入れて卵をうみつける。孵化した幼虫は、獲物の急所をはずしてその肉を食い、生きたまま、空になるまで食いつくす。どうしてそんなことが―それが、本能の不思議なのである。 -
一章がまるまる登山とその豪華な昼食のはなし。おもしろい。
虫の生態だけでなく研究の過程が書いてあるのがおもしろい。
これは読みやすいように解説してある本。完訳が読みたいな。 -
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