- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784082310073
作品紹介・あらすじ
『昆虫記』は、フランスの昆虫学者ファーブルが一生をかけて書いた、昆虫の観察記録とその思い出です。
感想・レビュー・書評
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私が小さいころは自分でも少しは本を読んでいたいたほうだと自負していたが、まだまだ世の中にはたくさんのすばらしい本がありふれている。
このファーブル昆虫記もその一つだと感じる。
この7巻では主に、蜂、ハエ、蟻に絞ったファーブルの実験と研究をもとに進められている。大人になってもなるほどなーと思えたりすることがたくさんある。
とくに、ヌリハナ蜂の方向感覚の実験はなるほどね!と思わせてくれた。触覚は餌や飛行の時に必要となる部位であって方向感覚には一切関与しないこと。
自然界の頂点に立っている私たち人間が、今やすべてにおいてコントロールしている。今まさにその代償が地球温暖化、クジラやイルカ、ジュゴンなどの海洋生物の不審死、新しい伝染病などとふりかかっている。自然界をコントロールするのではなく、調和を目指していく世の中になりたいものだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(2014.10.11読了)(2004.08.06購入)
副題「アリやハエのはたらき」
全八巻の七巻目読了です。残すは、伝記のみとなりました。
今回は、ハチやアリを題材に、どうやって自分の巣に戻るのか、という話がメインです。
巣にいるヌリハナバチを捕まえて、印をつけて、かなり離れた場所に連れて行って、放します。途中の景色は見せないようにしています。全部ではないけど、ちゃんと戻ってきます。方向感覚があるのではないか、ということで、方向感覚を狂わせようとしてみます。
一旦、放す予定の逆方向に行って、ぐるぐるまわします。人間も目隠しして、ぐるぐる回してしまうと、方向がわからなくなります。さらに、放す予定のところに行って、ぐるぐる回してから、放します。それでも、ちゃんと戻ってきます。どうして戻れるのかは、わかりませんが、戻ってきます。不思議です。
アカサムライアリは、行列を組んで出かけて行き、出かけた道筋を逆にたどって戻ってきます。ファーブルは、通った道を箒で掃いたり、土を盛ったり、水を流したりして、邪魔してみました。ファーブルが悪戯したところで、アリたちは、うろうろして、寸断された戻り道を探しまわり、何とか本来の道を探して、戻ってゆきます。ファーブルの時代には、解明できなかったのですが、臭いをつけながら、出かけて行き、そのにおいを頼りに戻るとのことです。
キンバエが、どうやって腐った肉を食べてしまうのかというのも書いてあります。
ヌリハナバチの寄生者であるツリアブの幼虫が、ヌリハナバチの幼虫をいかにして食べるかについても書いています。ヌリハナバチの幼虫を傷つけずにすっかり食べてしまうというのですから驚きです。皮は残すのですが、中身はまったくなくなってしまいます。残った空に空気を吹き込んだら、空気はもれずにもとの形に膨らんだそうです。
ハナダカバチの寄生バエの話もあります。
昆虫の世界は驚きでいっぱいです。
【目次】
はじめに
1 ネコの大旅行
2 ヌリハナバチの帰巣本能
3 アカサムライアリの道しるべ
4 ツリアブ幼虫の死のキス
5 キンバエの消化力
6 幼虫をうみつけるニクバエ
7 ニクバエの天敵エンマムシ
8 ハエを狩るハナダカバチ
9 生きている無限
昆虫って何だろう 7
年表(ファーブルの生涯)
●女子教育(28頁)
1863年に文部大臣になったヴィクトール・デュリュイという人は、女子の中等教育制度を発足させることにしました。
男であれ女であれ、無知であることは不幸なことだし、知識を得ることは楽しいことだ、と考えていたファーブル先生は、喜んで女子教育に協力しました。
●ヌリハナバチ(86頁)
ハチは自分でつくりあげた巣そのものを、はっきりとは覚えていないようなのです。自分の巣のあった場所については、とてもしっかり覚えているくせに、巣そのものについては、ぼんやりしているという、昆虫の記憶はとても不思議なものです。
●翅が二枚(164頁)
翅が二枚のものは、アブの他にも、ハエがいます。そして、実をいえば、アブとハエは、同じ仲間の昆虫なのです。アブには、刺す口をもっているものや、なめる口をもっているものがありますが、ハエも同じです。アブもハエも、前翅だけが残り、後翅は変化して平均棍というものになっています。
●平均棍(165頁)
平均棍を顕微鏡で詳しく見ると、その中には複雑な感覚器官があって、ハエが飛んでいるときに、体がぶれるとすぐそれを感じ取り、修正して安定した飛び方をするようになっているのです。
●ツリアブ(175頁)
ツリアブの幼虫は、他の肉食の幼虫とは違って、獲物にかみついたりしないのです。ただ、吸っているだけのようです。
●ニクバエ(218頁)
ニクバエは、卵を産みつけるのではなく、いきなり幼虫を産むのです。キンバエの卵も一日で孵りますが、ニクバエのほうは、母親のおなかの中で孵ってしまっているのです。
●悪魔(276頁)
ドイツのある哲学者は、こういったそうです。
「神は世界を創り、悪魔は昆虫を創った」
☆関連図書(既読)
「ファーブル昆虫記 1」ファーブル著・奥本大三郎訳、集英社、1991.03.20
「ファーブル昆虫記 2」ファーブル著・奥本大三郎訳、集英社、1991.05.15
「ファーブル昆虫記 3」ファーブル著・奥本大三郎訳、集英社、1991.06.10
「ファーブル昆虫記 4」ファーブル著・奥本大三郎訳、集英社、1991.07.10
「ファーブル昆虫記 5」ファーブル著・奥本大三郎訳、集英社、1991.08.10
「ファーブル昆虫記 6」ファーブル著・奥本大三郎著、集英社、1991.09.10
「ファーブル『昆虫記』」奥本大三郎著、NHK出版、2014.07.01
(2014年10月13日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
『昆虫記』は、フランスの昆虫学者ファーブルが一生をかけて書いた、昆虫の観察記録とその思い出です。 -
ファーブル昆虫記をはじめてよんだ。面白い!
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そのものに無知な人ほど、そのものを恐れたり、不気味に思ったりするのは最もだと思った。
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この昆虫記はちょっと変わっていて面白い。