- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784083330735
感想・レビュー・書評
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法務教官から生の現場の様子を聞いて、この本を手に取りました。
熱心に教育する先生達は子供たちの親代りなんですね。
子供には必ずクリアしていく成長の過程があること。
たとえば、乳児期なら守られている、という安心感。
もう少し大きくなると、見守ってもらいながら興味の幅を広げていくということだったり。
それらが抜けおちている子供達一人一人にクリアすべき問題点を探していく
先生たちの様子が細かく書かれていました。
ここに来る子供たちにとって先生達は自分としっかり向き合ってくれた最初の大人ではないかな?
それも寂しい話ですが…。
最初は反発してばかりだった子が出院のときには泣きながらお礼を言う、というのも珍しくない光景だそうです。
みんなが取り組む課題の中で、一人出来ない子がいるとどうやってその子が課題をクリアできるか一緒に考える。
自分がしてきたことにたいして自分史を書いたり、ディスカッションをして振り返る。
内面と向き合う時間の大切さも伝わってきました。
毎日のことを日記に書くことで、最初は「むかつく」「うざい」しか言葉が出てこなかった子が、字を憶え、自分と向き合ううちにしっかりした文章が書けるようになっていきます。
本当にここにいる子達が大変なのは少年院を出てから。
偏見や昔の仲間からの誘惑に負けずに、まっすぐがんばっていってほしいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少年の矯正教育施設ふたつが対象のノンフィクション。
刑務所だとか少年院は、不良品をふるい落として綺麗な状態を保とうとする一般教育から、何度も何度も最後までこぼれちゃった子を拾うところであってほしい。
だけど、実際にはそういう子を最初に受け止めてくれた場所だったってのが切ない。