紳士は夜に求愛する (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086000277

作品紹介・あらすじ

演劇一家に育った女顔の美青年、有栖川凛。父の愛人の子であることと、演劇の才能があまりぱっとしないこともあって、家族に対して少々引け目を感じていた。妹の玲の身代わりで男と見合いをさせられた凛は、見合い相手の社長令息、海棠貴之にいきなり口説かれる。身の危険を感じて「自分は男だ」とばらしたのに、なぜか貴之はそのまま凛を押し倒して…!?ボーイズ・シンデレラコメディ。

感想・レビュー・書評

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  • <CD保有>

  •  あさぎり夕さんの作品は結構読んできたのですが、中でも好きだったのが、この本です。
     演劇一家に育った凛は、愛人の子である自分以外の家族が住む家のことを「エイリアンの巣」と表現していて、この家族の中にいる限り、常識的な意見を望む自分が異端者であると思っている。というのも、天才肌の演出家の父、その才能に惚れて結婚した元女優の義母、俳優の義兄、役者バカの義弟に、父の劇団の看板役者であり高校でも演劇部で自ら脚本・演出をする男装の麗人である義妹がメンバーだから仕方ないことだが。
     そんなある日、義妹の玲の代わりに凛は見合いをすることになる…。

     恋愛について書くべきだとは思うのですが、敢えて違うところにメスを。私が作者の本で一番良いなぁと思った理由は、凛の考え方に共感出来る部分があり、また凛と家族との間にある絆が蛇足じゃなく本編に沿って丁寧に無駄なく書かれてあって、BLでちょっとおばかな話だけれども、最後は「ちょっと良い話」という感じに仕上がっています。ちゃんとそうなるべく複線も張ってあって、本当にさっと読んでしまえる文章なのに(基本短い文章で、ギャグも多いので)、残るものがあると思います。恋愛と家族問題を同時に扱うのはどちらかに力を入れると、どちらかが蛇足的に見えてくるし、両方下手に力を入れることも抜くことも難しいと思います。それを設定も含めて無駄なく書ききるのはすごいなぁと思います。

     ちなみに、私がお勧めのキャラクターは、よくコバルトの作者さんのシリーズに登場してきていた、男装の麗人・玲です。ちょいちょい出てきてはいたのですが、この本で彼女の内面も少ないながらも出ていて良かったです。そしてすごく美味しい役なのでした。

  • 「誘惑のカサノバ」に出てくる人たちとかぶっているのがまたまたおもしろい♪

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著者プロフィール

7月21日、かに座生まれ。1976年デビュー。代表作は、「あこがれ冒険者」「ミンミン!」「コンなパニック」など。
「なな色マジック」で、第11回講談社漫画賞受賞!

「2015年 『なな色マジック なかよし60周年記念版(6)<完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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