喪の女王 8 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086010900

作品紹介・あらすじ

さまざまな仲間たちの助けを得て、ようやく王宮からの脱出を果たしたカリエ。傷ついた体を癒す間もなく、エドやセーディラと合流するため再び旅を続ける。その頃バルアンは、神の山の噴火も意に介さずルトヴィア帝国への侵攻を決意し兵を進める。一方、帝国の崩壊を食い止めようと苦闘するドーンとグラーシカには運命の時が訪れ-。大河サバイバル・ファンタジー、感動のクライマックスへ。

感想・レビュー・書評

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  • とっても長かった!でも完結まで書いてくれてありがとうございます。波乱に満ちた主人公の平和なオチを読むことができて安心しました笑。長い長い旅路で成長していく主人公で、気持ちのいい性格をしていて読みやすかったです。
    最後に彼とくっついてくれて読者として嬉しかったです。その後の同人誌も速攻で買うほどハマったシリーズでした。

  • バルアンとカリエの再会と対決と決別が見たかったー!というのが最終的な嘆きなのですが、そういったのがなく終わるのがこのシリーズだよなぁという気持ちもあり。
    └神話の終わりなら、女神が浄化されたのちの、最後の神の祟りの具現となってしまったバルアンと、女神と決別したカリエが対峙してはっきり決別してほしかったなという…でも会ったらカリエがバルアンに殺されるから無理だったんだろうなというのもわかる……

    帝国の娘から見られた王の素質を花開かせ、初の女性総督として華々しく栄光の座を歩み、各国の平和のため尽力するカリエが見たかった! んだけど、この物語は運命に翻弄されながら生き抜いた、かけがえのない平凡な少女のサバイバーとしての物語だった。
    カリエの為政者としての素質は歴史に名を残す名君となった息子アフレイムに受け継がれて花開く。それは実際の世界史でも数多あることで、名君を育んだ土壌には歴史に埋没していった聡明で勇敢な女性たちがいたのだろうけど、だからこそ、結びの句の輝かしさが誇らしい。

    けど、ユリ・スカナの玉座はどうなったのー!!?とかセーディラの権能はフェードアウト?とかバルカンが血に酔い征服を諦めそして恐らくは暗殺されるまでの経緯とか、アフレイムがカリエを憎みそして許すまでの物語は?とかなんとか生き延びた兄上の娘さんはどうなったのとかネフィシカさんの息子フィンルくんとか諸々気になることばかりなので、その後の番外編集が……読みたいです(だいぶ望み薄ですが)

    個人メモということでその後を描いた「光来たる島」の感想もここに。エディアルドとカリエの家族愛というか同胞愛が好きだったので最終巻で夫婦になってたのは少し驚いたのですが、無償の愛に限りなく近い異性愛なのは今までヒカイさんの話などで伏線張られてたので受け入れられました。幸せになってくれてよかった!
    ナイヤが本当に、カリエの親友になってくれてよかった。反目し嫉妬し気まずくなったことも多かった彼女が、遠く離れてもここまでカリエを支えてくれるとは思わなかった。

    あまり現実の世情と創作物を重ね合わせるのは危険ですが、偉大な女王の死、野心による征服、旧態依然として硬直した政治による衰退など、今年になって読むことでより胸に迫る作品でした。
    最終巻の感想としては不適切かもしれませんが、続きが読みたい、です!

  • 何周目かの読み返し。

  • 今までゆっくりし過ぎてた遅れを取り戻すかのような展開で,一気に物語は収束.ザカリア女神に美味しいところを持って行かれた感があるが,全員死亡という最悪の事態は免れた.それにしても,主要な登場人物がバタバタと退場していくのは寂しかった.最後後日談でお茶を濁されたようで,せめてバルアンのことはもう少し詳しく書いていただきたかった.神々と人間の関わり方や信仰といったものをいろいろ考えさせられる物語だった.

  • 65:ぶれないエドが大好きです。
    みんなこれで解決したの……か? と少し不安なのですが、無事に終わってよかったです。

  • ラスト、あれ、あの人は??っていうのが一番の感想。

  • 全シリーズ通してどんな目にあっても、生きる気力を失くさないカリエにすごく勇気をもらいました。最終巻が一番読んでいて辛いシーンもあったけど、同時にここまで追ってきたから最後まで見なければという気持で読んでました。

  • 怒涛の最終巻。これまで散りばめられてきたあらゆる伏線を、よくもここまで回収できたものだと驚いた。
    ただ、話があれよあれよと進む一方でこちらの感情がついていけず、歴史の教科書を読んでるんじゃないかと錯覚してしまう時が度々あった。もう1巻分くらい使って丁寧に書いてくれればさらに良かったかもしれない。
    27巻に渡って読者を飽きさせることなく、見事に完結させた作者にありがとうと言いたい。

  • ようやく軟禁されていた王宮から脱出したカリエは、エドとセーディラに合流するため旅を続ける。
    エティカヤの王・バルアンはルトヴィア帝国へ侵攻を開始し、皇帝ドミトリアスと皇后グラーシカ夫婦に運命の時が近づいていた・・・

    とうとうこのシリーズに終わりが…怒涛の展開に圧倒されます。
    が、残念なのは語られてないことが多いこと。
    ユリ・スカナの女王にビアンが即位したのか?とか、マルカーノスはどうなったのか?とか、人質から奴隷となったフィンルのその後とか・・・
    そういうとこがめっちゃ気になっちゃいます(>_<)

    悲しいのは最終巻でたくさんの人が亡くなったこと。
    今まで多くのキャラが死んでるけど、今回は戦争だからなぁ・・・
    ネフィシカ、グラーシカ、サラ、オレンディア、ギアス・・・
    ここに書いただけじゃなく亡くなってるキャラはいるしなぁ((+_+))
    グラーシカの死に本当にショックでした。
    大好きなキャラだったのに…

    でも、終章には驚きです。
    まさかカリエとエドが結婚してたなんて!しかも双子の子供がいるってどういうこと!?
    そこに至る展開がめっちゃ知りたい(>_<)
    ということにより、★は3つにしちゃいました。
    魅力的なシリーズで大好きだけど、悶々としちゃってるので(^_^;)
    もうちょっとこのシリーズの世界に浸っていたかった(>_<)

  • 一番読むのが辛い巻だった。でも、噛み締めて読むことができた。
    結局タイアスは、はっきりは出てこないし、そもそもザカリアは気まぐれな運命を暗示する存在でしかなかったのかも。
    戦場の中を精一杯生きた。そしてほとんどが死んだ。
    後悔の残らない生き方はない。無情な別れのほうが多い。でもそれがなんだというのか。
    流転する運命に、そのつどためらいなく流れていく勇気を持ったカリエ。考えを変えたり、信仰を変えたり。でも常にカリエでいる。
    どうか、幸せに。

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著者プロフィール

『惑星童話』にて94年コバルト読者大賞を受賞しデビュー。『流血女神伝』など数々のヒットシリーズを持ち、魅力的な人物造詣とリアルで血の通った歴史観で、近年一般小説ジャンルでも熱い支持を集めている。2016年『革命前夜』で大藪春彦賞、17年『また、桜の国で』で直木賞候補。その他の著書に『芙蓉千里』『神の棘』『夏空白花』など。

「2022年 『荒城に白百合ありて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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