伯爵と妖精 魔都に誘われた新婚旅行 (コバルト文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086012843

感想・レビュー・書評

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  • あーーーーもうっ!
    熱熱でやってられんわ〜❤︎

  • “「ようレイヴン、あのふたり、結婚すればもっと落ち着くかと思ったのに、ますますあぶなっかしくて、あんたも苦労するよな」
    「はい」
    隣のニコに顔を向けたレイヴンは、ケリーが知るよりもやわらかい表情をしているように見えた。
    「でもこの苦労は、悪くありません」
    「ま、そうだな。ちょっと前まで、あのふたりもケンカなんかしてる場合じゃなかったわけだし」
    顔を見合わせ、深く頷きあう。
    「あのう、レイヴンさんはニコさんと仲がいいんですね」
    ケリーがそう言うと、レイヴンは意外そうに彼女の方に顔を向けた。
    「ケリーさん、いつからそこに?」
    見えてなかった?”

    リディアとエドガー、まだすれ違うかと若干呆れ気味。
    レイヴンが変わりつつあるけど、その方向性が面白い。
    ケリー可愛いよ何か健気だ。

    “「彼、古い傷がたくさんあるんだね。そんなに目立たないけど、いったいどんな生活をしていたのかな」
    問うというよりは、リディアに教えるかのようだった。
    そしてリディアは駆け出していた。
    “体の痛みは我慢できる。過ぎ去れば消えるものだから”
    そのくらい彼にとって、痛みはありふれたものだった。
    それ以上の苦しみを、エドガーは知っていた。過ぎ去っても消えないもの。いつまでも彼をさいなんでいるもの。
    心の痛みは?
    生まれてきてはいけなかったなんて、あんまりな言葉だ。
    エドガーは自分のせいで両親が殺されたと自覚していて、傷ついていた。それでもレイヴンや仲間を守るために生きてきて、ようやく自分の将来に希望を持てるようになったのだ。
    リディアはその希望をささえられるつもりでいたけれど、この新婚旅行にしたって、エドガーを心から楽しませることができていただろうか。
    楽しい時間を過ごそうと、彼の方は心を砕いてくれていたのに。”

  • 2010年2月3日

  • 新婚旅行でフランスのブルターニュ地方にやってきたエドガーとリディア。二人でいられることに幸せを感じる中、リディアはパーティー会場で夫に奴隷のように扱われる夫人を見て衝撃を受ける。貴族の出ではないことで、周りの夫人たちに冷たい扱いを受け傷つくリディアだったが、エドガーの愛情に包まれて安らぎを取り戻す。そんな幸せもつかの間、リディアが突然姿を消し――海の底にある都へと向かうエドガー。妖精国の青騎士伯爵として、その名を真の意味で自分のものにできるのか。リディアとの絆が試される中、二人は決意を固める。

    ずいぶんと堅苦しかった恋人期間も卒業し、この二人もだいぶ甘くなってきました。特にエドガーは自制が効いてませんね・・・ケリーに日々いさめられる情けない姿が拝見できます(笑)そしてリディアのことになると頭がいっぱいになるのは変わりません。この頃はリディアも確かな愛情を感じられるようになったようで、その点は感慨深いです。今回はフランスということで、一風雰囲気が違いますが、結構綺麗そうで憧れます。薔薇色海岸とか素敵ですvv
    そんな綺麗な景色とは裏腹に、夫が妻にひどい仕打ちをするのは、本当にひどいことだと実感しました。体力的・立場的に勝るからといって、暴力を振るったり奴隷のように扱ったり。とても人間としてまっとうとは言えません。だから苦しみを抱えた女性を救おうとするアーエスの気持ちも、分かってしまうんですよね・・・一方的に悪いわけではないことで、余計に彼女の運命の苦さを感じます。最終的にはエドガーとリディアの気持ちを分かってくれて良かったですが。今後は赤いムーンストーンの行方に注目ですね。

  • 『教えてあげる……!エドガーは、何があっても手を離したりしないわ。あたしたち、死ぬときはいっしょでかまわないのよ。だっていっしょに生きていくしか、ほかの未来はないって気づいてしまったんだもの』

    『伯爵と妖精』シリーズ第19弾。

    上記のリディアの台詞聞いて、しみじみと「この子成長したなぁ」って思いました。
    余計な御世話だけどね!

    ラヴラヴっぷりがとにかく恥ずかしいお話だったんですが、この巻はちょっと違うかな?
    今回ばかりはエドガーが弱くて、リディアが強い。
    まあ、元々女の子は強いものですからね。

    いろいろとお話は佳境に入っていってるんだと思います。
    ってか、ちょっとばかし、エドガー側の事情を忘れちゃいそうな感じでした。
    そろそろ飽きる頃かなぁって思ってたんですが、まだ飽きそうにないので一安心かな?

    今回は、リディアの不安はもちろんのこと、エドガーの不安もばっちり描かれています。
    ま、たぶんこのお話でエドガーの不安は大部分が解消されたと思いますが。

    この二人のラヴラヴっぷりで癒されたいのなら、これの前のお話をお勧めです。
    ついでに、このシリーズ自体はかなりお勧め出来ますよ!
    コバルトで、この表紙でさえなければ、お姉さま方にも読んで欲しい。
    かなり、『THEコバルト』って感じですから。
    恥ずかしい人には恥ずかしいかもしれない。


    いやーリディアは可愛い。

  • 長いシリーズ、ついに新婚旅行までやってきました。
    場所はフランス。肖像画に描かれた絵に伯爵家縁の品が描かれており、それがフランスのブルターニュ地方とのことで訪れる。
    そこでリディアは夫に虐げられている妻と勘違いされ、ある島に連れ出されてしまうが、そこは男は生きて帰れないという海の王女の支配する島だった。
    相変わらずもめたり仲直りしたりの二人だけど最高にやさしいエドガーいいですね・・・
    ケリーも好感持てますが、レイヴン・・・ニコとの友情も大事だが同僚との絆は???失礼しまくりです!!
    ま、ケリーも「この人絶対変!」と決め付けてましたが、間違ってないしな・・・。

  • 最近はコンスタントにレイヴン&ニコのコンビがあって
    良いスパイスになっています!
    なんかちょっとBL目線でみちゃってますが。。
    隻眼さん、かっこよさそうでどうしようもないですね。
    これからも出てくるのかな?
    今回はハネムーンということで、、ケルピーさん出番ナシですか。

著者プロフィール

三重県出身。『パラダイスルネッサンス楽園再生』で一九九七年度ロマン大賞佳作に入選しデビュー。「伯爵と妖精」シリーズ、ベストセラーとなった「思い出のとき修理します」シリーズ、「異人館画廊」シリーズ、『がらくた屋と月の夜話』『まよなかの青空』『あかずの扉の鍵貸します』『ふれあいサンドイッチ』など著書多数。

「2023年 『神さまのいうとおり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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