英国マザーグース物語 新聞広告には罠がある!? (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086016469

作品紹介・あらすじ

令嬢記者、新聞広告の謎に挑む──!?
世紀末ロンドン。ある目的のため、身分を隠して見習い記者として働く子爵令嬢セシル。性別さえも偽る生活だが、仕事上の相棒であるジュリアンとの仲は良好。ある日、怪しい新聞広告を見つけたセシルは!?

感想・レビュー・書評

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  • 1作目に続いて、安心して楽しめる。セシルの男装がバレバレなのはお約束だろう。ジュリアンの魅力が増したが、ダニエル兄さまはコメディ要員のようでちょっとかわいそうな気がする。

  • マザーグースがらみでなければならないミステリは
    ヴィクリアン舞台の少女向けライトノベルにとって
    どの程度まで主張を許されるかの塩梅が
    なかなか良い配分の作品
    ミステリであることでの
    主人公を照らす登場人物模様のまにあわせが
    上手く重なっているが
    物足りなくもある
    内容には関係ないが
    「首筋に手刀で気絶」伝説の始まりはどこで
    なぜ多くのひとが疑問もつことできないか興味深い

  • 19世紀末のロンドン。
    ある目的のため、見習い記者として働くセシル。
    令嬢という身分を隠し、性別さえも偽る生活だが、仕事上のパートナーである絵師ジュリアンとの仲はいたって良好。
    そんな今、ロンドンの街は、鮮やかな手口で貴族の邸宅から宝飾品を盗み、黒い羽根を残して消える大怪盗“怪盗ブラックバード”の話題で持ちきり!
    ある日、セシルは怪しい新聞広告に目をとめて―
    3話収録のシリーズ第2巻。

    第1話 土曜の午後は陰謀の時間?
    新聞の個人広告欄に怪しいメッセージ発見!怪盗一味の暗号か?
    第2話 土曜の午後は思い出の時間
    淑女として壁の花友達できた-女難の相?
    第3話 黒ツグミは見果てぬ夢を運ぶ
    怪盗ブラックバードの正体は…

    貴族の宝飾品のみを狙う怪盗!ワクワク-してたけど、しんみりする結末でした…これも家名の重み、なのかな。
    セシルに舞踏会で連めるお友だちが出来て良かった-
    こういう“壁の花”ぽいの好きだ-とおもったら当代随一の花嫁候補までお仲間になっちゃって。セシル、ソフィ2人ともアメリアの指導?ですぐさま花形になりそう-

    想い合う恋人達が、時を経ても繋がるのは良いね-
    グレトナグリーンとか、当時の風習が出てきて面白かったです。

  • サリーはおどる おひさまのまわり
    サリーはおどる おつきさまのまわり
    サリーはおどる えんとつのまわり
    どようびのひるさがりに
    Sally go round the sun,
    Sally go round the moon,
    Sally go round the chimney pots,
    On a Saturday afternoon.
    *
    いいこ いいこ しずかにねむれ
    とうさんがかってあげよう マネシツグミを
    マネシツグミが うたわなければ
    とうさんがかってあげよう ダイヤのゆびわを
    ダイヤのゆびわの ひかりがきえたなら
    とうさんがかってあげよう きれいなかがみを
    もしもかがみが われたなら
    とうさんがかってあげよう おすやぎいっとう
    もしもおすやぎ にげたなら
    とうさんがかってあげよう つぎのいっとう
    Hush, little baby, don't say a word,
    Papa's gonna buy you a mockingbird.
    If that mockingbird won't sing,
    Papa's gonna buy you a diamond ring.
    If that diamond ring turns brass,
    Papa's gonna buy you a looking glass.
    If that looking glass gets broke,
    Papa's gonna buy you a billy goat.
    if that billy goat runs away,
    Papa's gonna buy you another today.
    *
    おれがかわをわたっていると
    あたまのうえまでみずがきた
    にわのちいさな クロツグミ
    きにとまっているのを おれはみた
    いちわはおれをよんだ あくとうと
    いちわはおれをよんだ どろぼうと
    おれはくろいぼう ひろいあげ
    やつらのはぜんぶ へしおった
    As I went over the water,
    The water went over me.
    I saw two little blackbirds
    Sitting on a tree;
    One called me a rascal,
    And one called me a thief,
    I took up my little black stick
    And knocked out all their teeth.
    *
    ごきげんいかが おとなりさん
    きょうもあるかな いいしらせ
    うわさによれば ききゅうが
    つきまでのぼったそうな
    What's the news of the day,
    Good neighbour, I pray?
    They say the balloon
    Is gone up to the moon.

  • シリーズ2巻目。
    今回は新聞広告にちなんだ事件と怪盗ブラックバードの話。今回も3本の短編で読みやすかった。長編も楽しいけれど短編もサクッと読めて良いよね。
    要所要所で事件の解決の糸口みたいなのが出てくるけど、今回はけっこう予想しやすかったような気がする。まだ2巻目だからか恋愛要素は少な目。セシルはジュリアンが自分の正体を知っていることに相変わらず気づいてないし。まさか最後まで気づかないなんてことはないよね?(笑)
    新キャラのアメリアが良かった。次でも登場してほしい。

  • 広がりそうで広がらないストーリー。まだまだ序盤だから?
    セシルとジュリアンのお互いに秘密を抱えた関係はエロくて大変いいと思います。

  • 1巻で感じるほど盛り上がりがなかったので、
    さらに可もなく不可もなくな雰囲気になってしまってるように感じる。

    キャラクターも、いま一歩物足りなさを感じてしまうのも残念です。
    ダニエル含む兄弟のシスコンぶりもいまいち足りないし、
    ジュリアンの謎めいた雰囲気も含んだ頭の良さも
    セシルの好奇心旺盛のやさしいところも、
    見えるのだけど、もう少しオーバーに書くくらいの方が、
    面白さUPするように思う。

    話として、なぞ解きを主とするのであれば、
    もっと踏み込んで、謎っぽく書いて欲しい。
    1巻でも同じだが其々の複線があるというよりは、
    短編をいくつか読んでいる印象を受ける。

    サミュエルの記事がこの話の中では、
    一番良く出来たかもしれない。

    んーおしい。

  • アメリアが良かった。凄く良かった。

    これセシルの鈍感も酷いけどジュリアンの露骨さも大概な気がする。
    こういう輩に限って、相手に押されると今度は遠慮気味になったりする気が…。

    アメリアが続巻に出ることを願ってつづきを読んでみる。

  • 第2巻を読破。

    冒頭からいきなり敬愛すべきダニエル兄さんのインタビュー記事に噴いた。

    しかも妹バカ炸裂w

    この人はほんとにww

    いい人だなあ、ダニエル兄さん。

    そんな兄貴にセシルは容赦なく出し抜いていくんですけれど(^-^;)

    今回も短編連作、けれど実は1本筋が通っている、そんなストーリー構成で。

    ロンドンでは怪盗ブラックバードが紙面をにぎわせていて。

    セシルは自分が働いているアクロイド紙に個人広告を出している人物があやしいとにらむわけです。

    そんな彼女――身分と性別を偽っている男装少女の相棒であるジュリアンは、セシルの正体はすでに知っていて。

    知っていて黙って常に一緒に行動しているんですよね。

    さりげなく彼女の身を案じながら。

    彼女が未来の奥さんだから、とかじゃなくて、本当に大切に想うようになっていますよねー。

    で、義務としてではなくてジュリアン個人として好きになってもらえるよう、さりげなくアタック(笑)しているわけですが。

    男装して仕事をするという行動力のあるセシルだけれど、推理はだいたい明後日な方に向かっていて(^-^;)

    そのためジュリアンもいろいろと振り回されておりますね、はい。

    そうそう、貸本屋「ミューディーズ」ってヴィクトリアン・ローズ・テーラーにも登場していました。

    思わず「おお!」となったり。

    第1話に登場した人物がラストまで関わってきたり、ジュリアンの過去が関わってきたりと、なかなかおもしろい展開になっていました。

    あと各話の冒頭にセシルに関するインタビューが載っているんですが……。

    い ぬ w w

    ちょっ、末っ子じゃなくて犬にインタビューってww

    となっていたら、まさかの種明かし。

    ラストのラストまで楽しめる1冊でした。

    第3巻も出るようなので楽しみです。

  • 最後は綺麗に纏まってて良かったと思います。ブラックバードの正体も、途中までは本当にエンジン技師の彼だと思ってた。良かったいい人で。
    ブラックバードに対してはあれでいいのかとちょっと思いましたが、まあ記者だし・・・ええんかとはやっぱり思うけど、まあまあ・・・
    そこらへんもやっとしたので☆一個減。

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著者プロフィール

東京都出身。東京音楽大学器楽科ピアノ演奏家コース卒業。『始まりの日は空へ落ちる』で集英社ノベル大賞受賞。本書は大英帝国を舞台に若き日の小泉八雲の活躍を描いたホラーミステリー『奇譚蒐集家 小泉八雲 白衣の女』(講談社文庫)の続編にあたる。他の著作に、本シリーズの前日譚「ふりむけばそこにいる」シリーズ(講談社タイガ)、「王女の遺言」「倫敦千夜一夜物語」シリーズ(ともに集英社オレンジ文庫)、「英国マザーグース物語」シリーズ(集英社コバルト文庫)などがある。


「2022年 『奇譚蒐集家 小泉八雲 終わりなき夜に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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