英国マザーグース物語 裏切りの貴公子 (英国マザーグース物語シリーズ) (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086017022

感想・レビュー・書評

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  • 雛鳥のように口をあけ幸せが運ばれくるを待つのでなく
    自ら獲得してこそ物語の主人公
    それはともかく「結婚詐欺師」はよい言葉

  • ここにきてセシルが性別を偽っていた事が明らかに。

    その事を以前から知ってたと言うジュリアン。流れで婚約者の話までいくと見せかけて、いかない。そこは言わないんかいと呑気にツッコミを入れてたら、最後の最後に爆弾投下。
    ダニエルとの言い争いの末に、ついにセシルに婚約者の真実が知らされる・・・と思いきや想像の斜め上をいくジュリアンの告白。
    いやいや、ジュリアン。あなたの秘密、読者が想像してたものと違うんですけど。

    予想外な展開。面白くなってきた。

  • 少年の装いで新聞記者として働いている令嬢、セシルとその相棒の実は……な挿絵画家ジュリアンの周りに起きる事件とは?おおー!展開展開!ここからセシルがどうふんばるか、見どころです!

  • ガイ・フォークス・デイが間近に迫り、ロンドン中が賑わう11月。
    セシルは隻眼の青年・クリストファーと再会するが、思わせぶりな彼の言葉に戦慄を覚える―それが全ての始まりだった。
    伝説の黒妖犬、行方不明の彫版師、失踪したジュリアンの兄を知るという美しい歌姫……すべてのピースが揃ったとき、セシルとジュリアンの関係を激変させる出来事が―
    本編2話に番外編1話の3話収録。

    第1話 My Dream of You
    第2話 裏切りの貴公子

    番外編 幽霊屋敷にはお気をつけて

    ガイ・フォークス・デイ!
    昔、英国舞台のミステリーで出てきたわ-
    今、現代だとハロウィンに追われ影が薄くなったイベントな印象だけど…報道で見ないだけで盛大に続いてるのかな-
    ヘルハウンドって湿地帯を疾走してるイメージ。
    逃げ場がさらになさそうな都会で集団と出会ったらさぞ恐ろしいだろうな…
    エリザベスの言うとおり、何故に気づかないのか不思議-だったけど、双方にバレちゃったね-
    ダニエルにはジュリアンの良心に付け込んでWスパイにする、政府の意向行動をこちらに流させる、位の気概が欲しい-普通に貴族社会でやってけてるのか気になる人となりだなぁ…
    そして!緊迫したイイところで番外編、だもんな-ヤキモキする-

    番外編は緊迫した本編の少し前、まだ正体を知らずパートナーとして取材へ行く話。
    女性が財産を継ぐのが難しかった時代に、死後、ごうつくばりの甥相手に世論で載せて上手くいくかなぁ…あんまり上手くいく、いっても存続する未来は見えない-

  • わすれるな わすれるな
    十一がつのいつかを
    かやくいんぼうじけんのひを
    わすれていいはずがない
    ガイ・フォークスのひを
    Please to remember,
    The Fifth of November,
    Gunpowder treason and plot;
    I see no reason
    Why gunpowder treason
    Should ever be forgot.
    *
    くぎがたりずに ていてつうてず
    ていてつたりずに うまははしれず
    うまがたりずに のりてはのれず
    のりてがたりずに いくさにかてず
    いくさにまけて くにをとられた
    なにもかもいっぽんのくぎのせい
    For want of a nail the shoe was lost,
    For want of a shoe the horse was lost,
    For want of a horse the rider was lost,
    For want of a rider the battle was lost,
    For want of a battle the kingdom was lost,
    And all for the want of a horseshoe nail.
    *
    ハンプティ・ダンプティ へいにすわった
    ハンプティ・ダンプティ ころがりおちた
    おうさまのうまをみんな あつめても
    おうさまのけらいをみんな あつめても
    ハンプティを もとにはもどせない
    Humpty Dumpty sat on a wall,
    Humpty Dumpty had a great fall;
    All the king's horse and all king's men
    Couldn't put Humpty together again.
    *
    おばあさんがひとり
    おかのふもとにすんでいた
    もしどこにもいってないなら
    いまでもそこでくらしてる
    There was an old woman
    Lived under a hill,
    And if she's not gone
    She lives there still.

  • シリーズ4巻目。
    裏切りの貴公子がまさかのあの人!?みたいな(笑)
    謎の多い人だとは思っていたけどね~。
    そしてそんな気になる所で終わっている所へあの番外編。これなら1話目が終わった所で番外編入れて欲しかった。
    ザ・フォークス・ナイトも怖いけど、クリストファーも怖いわ!!(笑)街中を人形引きずり回して最後に燃やすとか、自分で目に釘を刺すとか。想像したらひぃぃ!ってなるww
    晒された真実にセシルがどう動くのか気になる。新聞社に行かなくなったりするのかな?屋敷に引きこもる、とか?

  • まさかの。まさかのです。
    これでエリザや編集長もどこかの組織でとかいいだされたら、もう人間ふしんで立ち直れなくなりそうです。

  • 前作の感想で、セシルやクリストファーよりもジュリアンの方がよっぽど怪しいと書いたのですがwwwまさかの超展開wwwまさかの007www
    真面目な話、セシルが可哀想で仕方ない。
    これはトラウマで人間不信になるレベル。次が早く読みたい。

  • “「きみたちふたりのつきあいが、もともとどんなふうに始まったにしろ、いまのきみはあの子に対して真剣なようにわたしには思えるよ。だからこそきみは、慎重になっているんじゃないのかい?」
    ジュリアンは無言で視線を伏せた。幾度かためらってから、告白する。
    「本当に大切なことは、いつまでも伝えられないんです」
    わずかに目許をゆがめ、つぶやく。
    「簡単に口にしては、言葉が汚れてしまう気がして」
    「それはまた、新聞社で働いている人間の台詞とは思えないね」
    レスターが呆れたように笑う。
    ジュリアンは肩をすくめてみせる。
    「ですね」
    「このままでは、仕事にさしつかえそうだ」
    「仕事なら、大いにさしつかえていますよ」
    そして目を閉ざし、ため息のようにささやいた。
    「近ごろのぼくは、とりつくろうだけで精一杯なんですから」”[P.132]

    4巻目。
    副題で指している人物を捉え違えていた。
    最後にがつんときて次が楽しみ。

    “「聞いたか?セシルはきみをこんなに信頼している。さぞ満足だろうな」
    「ダニエル、セシルのまえだ」
    低く、ジュリアンが指摘する。その冷静さが、ダニエルの感情をふりきらせたようだった。
    ジュリアンを見すえるダニエルのまなざしが、にわかに鋭さを増す。
    「それをきみが気にするというのか?結婚など最初からする気もないのに、散々この子の心をもてあそんだきみが?」
    「ダニエル!」
    叱責するように、ジュリアンが叫んだ。そして頭をうつむけ、乱れかかった髪に乱暴に手をさしいれると、懇願するようにささやいた。
    「やめてくれ、頼むから」
    そんなふたりの様子を、セシルは呆然と見つめていた。ただただ悪い予感のようなものが全身に広がり、その場に立っているのがやっとだった。
    「……結婚ってなに?」
    セシルがつぶやくと、ふたりが弾かれたように顔を上げた。
    「……もてあそぶってなに?意味が、わからないの。なんの話なのか、ちゃんと説明してくれないと、わけがわからない」”[P.221]

  • 番外編の入れ方・・・ひどいと思う(笑)

    今までの短編風の物語の中にあの番外編があるので
    あれば、かまわないが、というより番外編と
    ついていなくとも気にならなかったと思う。
    けれど、あのジュリアンの正体がわかった深刻な場面の
    切り替えに関係ない番外編がさらっと入っているのは
    雰囲気も壊してしまって。。
    少なくとも、イラストを多めに入れるか、全く別物として
    とらえられる意識を変えられる何かが必要だった。

    物語は佳境に入ってきているし、クリストファーや兄などの
    ちりばめられているのだろうけど、うむ。難しい。
    最後にうまく完結にもっていければ良いけれど。。。

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著者プロフィール

東京都出身。東京音楽大学器楽科ピアノ演奏家コース卒業。『始まりの日は空へ落ちる』で集英社ノベル大賞受賞。本書は大英帝国を舞台に若き日の小泉八雲の活躍を描いたホラーミステリー『奇譚蒐集家 小泉八雲 白衣の女』(講談社文庫)の続編にあたる。他の著作に、本シリーズの前日譚「ふりむけばそこにいる」シリーズ(講談社タイガ)、「王女の遺言」「倫敦千夜一夜物語」シリーズ(ともに集英社オレンジ文庫)、「英国マザーグース物語」シリーズ(集英社コバルト文庫)などがある。


「2022年 『奇譚蒐集家 小泉八雲 終わりなき夜に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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