朱華姫の御召人 かくて愛しき、ニセモノ巫女 (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086018067

作品紹介・あらすじ

先帝の血を引くが、それを隠している蛍は、親戚の家で下働き同然に扱われていた。ある日、帝の命令で奥の神に仕える巫女、朱華姫のふりをして後宮に住むことに。だが、この抜擢には驚くべき秘密が…!

感想・レビュー・書評

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  • さすが白川紺子、一味違う。主人公や脇役の心の葛藤や悩みを描き、彼らの成長らしきものが見られるのだ。病の母を抱えて叔父に下働きのようにこき使われる蛍は、突然、国の守り神に仕える巫女・朱華姫に選ばれてしまう。蛍の世話を焼く御召人に穢れがあると恐れられる第二皇子の柊がつく。この二人を中心に物語は進んでいくが、なかなか容易ならざるものではないのだ。その中で、二人の思いが深まっていくのではあるが。帝が蛍たちに理解があるようで、どうも冷徹なところがあり、どうなることやら。右大臣の娘で、桃花司の頭の絲の信頼を得られたのはよかった。

  • 周りに顧みられず育ってきたしっかり者の女の子を無愛想男子が過保護に甘やかす図、王道だけど良いものです。飛鳥時代あたりをベースにした世界観もときめく。散りばめられた言葉が綺麗。

  • 甘やかし皇子が傍にぴったりついてはいますが、甘えるだけでなく自力で頑張ろうとする主人公なので、微笑ましく読めました。
    惹かれあう気持ちも分かり易くて良かったです。

  • ついつい表紙&裏表紙買いの1冊です。挿絵が可愛い過ぎて、もう既に表紙から虜になってしまいそうです。
    主人公は蛍。杏の実が欲しくて、無茶をしたところから物語は始まるのですが、”朱華姫”に抜擢されてしまうのです。そこには帝のしたたかな思いがあるのですね。
    いわゆるシンデレラストーリーです。分かっていても、読み耽ってしまいます。ある日白馬の王子様が!って、どうしてそんな淡い期待を、有り得ないなんて分かっていながら持ち続けてしまうんでしょうね。せめて叶わないなら物語の中だけでも・・・、なんて。つまるところ、女のサガとも言いますか。
    そしてこの作品の中に溢れている言葉たちが好きです。蛍に柊、巴に萩、絲、そして帝。更には朝餉に夕餉、そういった平安の世を感じさせてくれる言葉に既に酔いしれてしまいます。宮廷楽と香りが充満してきそうな描写。源氏物語を想像してしまいそうな雰囲気に、次々ページをめくりたくなります。こういう感じ、好きです。
    続編ありです。これは買いで決まりです。それぞれのキャラクターに色気があって続きがすごく気になってしまいます!個人的には、特に絲の色香、凛とした艶っぽさが見逃せないです。
    小難しい小説もすごく好きなんです。でも、箸休めも必要じゃない。きゅんきゅんしながら世界観に没頭するようなライトノベルって、だからやめられないのです。最近のライトノベルの挿絵は可愛過ぎる!!!!
    たちがズラリと並ぶとね。源氏物語的な、あーゆう時代背景が好きです。
    朝餉に夕餉、すみません・・・、羹(あつもの)という言葉は知らなかったです。いやはや、もう覚えましたよ。とりあえず、もうこの作者、要チェックです。読んでみて良かった。
    あ、続編あるんですね。これはこれは、買いで決まりです。続き、気になってしまう。あえて言うならば、この世界のほんの少し入口に立ったまで、なわけですよ。もっともっと、深く、この世界に深く入り込みたいわけですよ。
    主人公は蛍。つまり、このストーリーのシンデレラ。いやぁ、そこは控えめでなくシンデレラです。そしてちょっと癖のある皇子様。
    小難しい小説もすごく好きなんです。でも、やっぱり箸休めが必要じゃない。そして止まらない活字欲。というわけで、こういうライトノベルがやめられないんですよね。そして最近のライトノベルの挿絵は可愛過ぎる!!!!

  • 設定が好みだったんで購入。
    強引俺様ヒーローが好きなんで、柊が蛍にあまあま過ぎて、ちょっと物足りなかったです。

    穢れ神が付いていて化け物扱いでのけ者にされている境遇から、優しくしてくれた蛍にどっぷりハマってしまう柊の気持ちは分からんでもないですけど、甘やかすだけじゃだめでしょう。腹黒い感じの萩とか帝の方が好きかも。

    この巻では蛍の出生の秘密はまだ明らかにはなってませんが、せっかくの設定なんで、次巻ではこっちも問題になりそうです。

  • 続刊が出るのを信じています。
    リリーのヒーローとちがって、クールで心配性な王子様もつぼでした。
    帝や皇太子の怪しさからこれからもいろいろありそうですが。

  • 作者の前の作品はイギリスを舞台に書かれていましたが、今回は架空の和風が舞台のお話。
    布石の一巻という雰囲気ですが、続刊への期待値も含めて面白かった。
    苦難に耐える彼と彼女が支え合うようなシリアスストーリーになりそう
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-3821.html

  • 白川紺子さんの新作を読破。

    前シリーズ「リリー骨董店の白雪姫」が好きだったおで、こちらも買ってみました。

    白川紺子さんの新作を読破。

    平安っぽい雰囲気の架空世界が舞台のお話で、神様とか、巫女とか、御召人などなど、気になる言葉がたくさん。

    特に〈泳の宮-くくりのみや-〉という単語に「ん?」ってなりました。

    神をくくりつける宮って……なんだかすごく不穏な感じ。

    くくるってことは、自由を封じて縛りつけるというイメージがあるからかも。

    国の繁栄のために、神様を呼びだして、逃げられないように縛りつける――と取れたので(;^-^)

    まあ実際似たようなものかな?

    巫女に惚れた神様が、巫女を神の国へと連れ去られないために、偽装夫婦までしてるからな。

    巫女に執着している神様はそのまま国に残ってしまっている、って感じなのかも。

    その巫女の夫役が「御召人」

    ヒロインの蛍はわけありで巫女役に選ばれて、身辺警護や世話役に国の第二皇子さまが御召人となって。

    皇子さま――柊の過保護っぷりがなんともまあ(苦笑)

    帯に書いてあるとおりの「甘やかされ」っぷり。

    でも彼の過保護っぷりはちゃんと意味があったんだよなあ。

    柊は傷ついてもすぐに怪我が治ってしまう特異体質で。

    なんていうか……怪我したら痛いってことをわかっているから、余計過保護になっちゃうのかな?

    でもさすがに、このままずっと甘やかされてばかりだとよくないような気も……と思ったり。

    誰かが言ったように「このままじゃ蛍はダメになる」ぞ? って感じました。

    蛍も一人でがんばろうってするんだけれども、なかなかうまくいかず……というか、結局流されてしまうんだよなあ。

    巫女候補だった絲の方がよりずっとしっかりしているけれど、彼女もどこかズレていたしなwww

    この作品の女の子キャラはちょっとズレてるなと思いました。

    だがそこがいい(*゚∀゚)



    蛍の出生の秘密や、昔の争いごとや、暗躍する謎の存在などなど。

    気になることもりだくさんです。

    それでもほのぼのした二人のやりとりにはにまにましてしまいましたが。



    由利子さんのイラストもすてきですー(*´▽`)

  • 平安前期の天平文化辺りをモデルとした架空世界の和風ファンタジーです。
    兎に角ヒーローがヒロインに激甘、過保護な所が良いです(笑)。

    先代の朱華姫への恩義を感じているとはいえ新しく朱華姫となった蛍に仕えてくれる柊は、複雑な立場にも関わらず良く性格が捻くれなかったなーと本当に感心します!
    蛍の出生の秘密、柊に憑いた穢れの謎、腹に一物どころか二物、三物は抱えてそうな帝と皇太子の思惑、等々…全ては十六年前の真相に隠されているようです。
    今作ではまだ物語の幕開けといった感じ色々と謎だらけですので、次巻以降が楽しみです。
    …2巻、出ますよね?

    そういえば柊の母親の存在も不明でした。
    あと、蛍がいくら下働きばかりさせられていたといっても貴族の屋敷で生活しているのに文字の読み書きが出来ないという設定は無理があるような気がしました。(^_^;)
    まあ、この設定も柊と仲良くなる為の布石として必要だった…と後の物語の中で示して頂ければ納得しようと思います。

  • リリーよりしっかりとしてるので、
    今後が楽しみ。
    最後までこの調子でいってくれれば。

    ところで、神様とかに蛇が多いのは
    苦手なので少し困る。
    あまり描写を、リアルにされると
    読む手が止まってしまうので。

    まだまだ謎が多いけれど、
    ひとまず主人公は朱華姫の役目をきちんと
    教わった方が良いのでは??

    30歳くらいで交代してたと言っているけど
    途中で相手が変わって神様はおこらないのか?

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著者プロフィール

三重県出身。同志社大学文学部卒。雑誌「Cobalt」短編新人賞に入選の後、2012年度ロマン大賞受賞。主な著書に『下鴨アンティーク』『契約結婚始めました』「後宮の烏」シリーズ(集英社オレンジ文庫)『三日月邸花図鑑』『九重家献立暦』(講談社タイガ)などがある。

「2023年 『海神の娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

白川紺子の作品

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