銀の海 金の大地 11 古代転生ファンタジー (古代転生ファンタジー/銀の海 金の大地シリーズ) (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086141482

作品紹介・あらすじ

大闇見戸売のため、佐保の喪儀がはじまろうとしていた。真秀と真澄は、霊力を使って、御影をともに弔うことにした。すべてが終わった後に、ふたりで佐保を立ち去るつもりで。だが、静かな暮らしを望む真秀を待ち受けていたのは、どこまでもふたりを押し流す、さらなる激しい運命だった-。怒涛の大河ロマン、ついて第一部完結。その後の真秀と波美王の描いた番外編「月がみていた」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 読んでるだけで生きてる実感を感じさせてくれる。
    何度も何度も読んだ。
    現在は読むのにある種の覚悟がいる。
    年取ったんで弱くなりました。

    続きを読むことができないにも関わらず手放せない。
    作者の逝去を知った時には泣いた。

  • 真澄がしゃべった!しかし、もっと長期的なスパンで転生するのかと思ってましたが、割と素早くなりそうな予感なのですね。
    そしてついに、作者のシリーズものは全て読み終わった、長かった!時代を作っていた人なだけあるな、と思います、が、このシリーズだけはちょっと合わなかったりなのです…。

  • この巻に関しては、本編よりも番外編の方がうおおおっ!という感じなのですが。うん。ここで終わってしまうのね感が強い。みなさんが、そろって嘆くわけだ。

    佐保と親世代が絡み出す三巻あたりから怒濤の勢いで流れ出し、巻き込まれのまれた作品でした。おもしろすぎた。
    でも、この最後まで読むと、確かにこの話はこれから始まったはずの物語の序章だったのだな、と。読み終わったあとそれがありありと身にしみて感じたことだったので、彼らの先に立ち会うことができないことがさみしいし、くやしい。

    そして、真澄の兄ちゃんは最期まですきになれなかったなぁー(笑)!
    この人がいないと、そもそもはじまらなかった話ではあるのでしょうけども。

  • わたしを古代史好きにしてくれて、尚且つ文章を書くこと、想像を果てしなく拡げることの愉しさを教えてくれた小説!

    本作も、いよいよここから動き出す…! というところで氷室さんがお亡くなりになって…。本当に悔しいし、寂しいです。

    滅びの子の真実が解き放され、佐保姫が大王に嫁いでしまった佐保。どうなってしまうんだろう。やはり「古事記」どおり佐保彦が反乱を起こすのか。

    …でもでもやっぱり、真秀ちゃんには誰よりも幸せになって欲しい!

  • <全巻読了>
     序章で未完となった、古代転生ファンタジー。
     氷室作品との相性の問題なのか、この物語には没頭が叶わず。
     挿絵は綺麗で雰囲気を支えてはいても、肝心な主体(真秀)のキャラクターが解からず仕舞い。
     喜怒哀楽等、『感情』は見える。
     しかし、それらが突飛で断続的で方向性が纏まらない所為か、人物像の根底を流れる筈の『思考』が殆ど理解できなかった。
     個性ある思想背景(に至るまでの苦悩と逡巡の過程)の無い、単なる凶暴な猪娘のような印象は、最後まで変わらず。
     真澄の自死とて同母の妹と結ばれない厭世であり、真秀が兄の死を理由に佐保を恨むのも筋違い。
     兄妹揃って、終始、共感できない不可解さは拭えなかった。
     ヒロインに吸引力を感じられなくては、読み続けるのは辛い。
     10巻の後記にて読者の手紙に“物語を読むって、スジを知ることじゃない”という返答があり、それはその通りで、しかし別の意味でキャラに貫くものが欲しかったと思う。
     心理描写とは、人間の感情を、その都度事細かく連ねるだけではないと考えるから。
     フィクションとして一個の世界を提示するには、人物の相関図を使って展開させる、『論理』の訴えもあって然るべし。
     ロジックの整合が無くては、読み手を惹きつけて説得する上での質が大きく違ってくる。
     とはいえ、半ば惰性で目を通したシリーズに漸く興味が湧いたのは、6巻以降。
     歌凝姫と須久泥王の愛憎を巻き込んだ政局図の壮絶な奔流や、この時ばかりは面白かった真秀の逃走心理。
     そして、全体で随一興味深い、佐保彦と速穂児の危うい主従関係。
     速穂児が、敬愛する佐保姫から記憶を奪い取ることで佐保彦と重い宿命を共有し、それでこそ王子の心を搦め取る、想いの成就法は白眉の展開。
     打ちのめされ絡め獲られた佐保彦の、悲壮な懊悩と美しさ。
     彼の行く末と、腹心の伴人との縺れた主従愛が、その後一番の見所だったと言っても過言ではない。
     なので尚更、続巻予定だった「佐保彦の章」が幻となったのが惜しい。

  • 故・氷室冴子さんの遺作です。
    この方が亡くなったという一報を聞いて、あれもこれも続きが・・・!もう読めない!!という衝撃でした。
    これもその中の、というよりどれよりも一番「続き!」が欲しい作品でした。
    古代の日本をテーマにしてここまでのファンタジーを描くってすごい、と初読のときに思ったわけではありませんが(なにせすごく子供だったとき・・・レーベルがそもそも少女向けですし)、年をおうにつれ、似たような世界観を捜し求めても「ない!」ということに気づき、その稀少さと個性に改めて読み返したくなったときには、手元にないっていう。地元の図書館にあったはず、と思っても、もう所蔵してない・・・。古書店にでてくることを辛抱強く待ってようやく11巻までを手に入れました。

    しかし、どこかの出版社が新版、ということでだしてもいいのに。おかしくない人気作家さんだったのに。

    ところで、没後探した過程で知った作家さんとして、(時代設定がほぼ同じで、同じくらいの質のもの)、荻原規子さんの勾玉三部作などをあげておきます。

  • 古事記がベースらしい。ハングリー精神のかたまりで、古代で生き抜くマホがいい。怒涛の展開でマホの章が終わり。続きの佐保彦の章をすごく読みたかったな。作者が亡くなったので未完…なので☆4つ。

  • (メモ:中等部3年のときに読了。)

  • 氷室冴子だからと思って読んでみたが、いまいち引き込まれなかった。展開が遅い、もたつく感じ。読みにくい、この人に三人称は向いていない、というか三人称なら上手な人が沢山いるので、あえて三人称でなくても良い。

  • 2009.4.23記
     古代日本転生ファンタジー。
     しかしながら11巻の段階ではまだ誰も転生してないという。すごい面白かった。

     氷室冴子さんなくなられてしまったのですね。残念。ご冥福をお祈りいたします。

    2010.6.18記
     うは、2009年に読んでたのか……亡くなったということで読み返していたんだろうか私。何度でも楽しんでいるということで。
     真秀の章が終わり、次からは佐保彦の章が始まるようだった。
     金の海銀の大地の序章だったそうな。11巻掛けて序章か!
     完結したら50冊超えてそうな作品だったのかー……ずっと読み続けるから続きがよみたかったなあ。

     

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著者プロフィール

氷室冴子(ひむろ・さえこ)
1957年、北海道岩見沢市生まれ。 1977年、「さようならアルルカン」で第10回小説ジュニア青春小説新人賞佳作を受賞し、デビュー。集英社コバルト文庫で人気を博した『クララ白書』『ざ・ちぇんじ!』『なんて素敵にジャパネスク』『銀の海 金の大地』シリーズや、『レディ・アンをさがして』『いもうと物語』、1993年にスタジオジブリによってアニメ化された『海がきこえる』など多数の小説作品がある。ほか、エッセイに『冴子の東京物語』『冴子の母娘草』『ホンの幸せ』など。 2008年、逝去。

「2021年 『新版 いっぱしの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

氷室冴子の作品

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