竜の眠る海 (竜の眠る海シリーズ) (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086143073

作品紹介・あらすじ

オディロカナ王国の王子リューイが14歳の誕生日を迎えた翌朝、王国は緑に覆われ、人々は覚めぬ眠りについてしまった。(疾く来よ…この呪い解きたくば、我が許に)リューイに魔女の声が語りかける。そして半年後、オディロカナに一人の傭兵がおり立った。『暁の傭兵』と異名をとる英雄・ジェイだ。王国にかけられた魔女の呪いを解くため、運命に導かれた二人の冒険の旅が始まった。

感想・レビュー・書評

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  • 魔女の呪いで緑に覆われ全てが眠りについた王国。ひとり目覚めた王子は暁の傭兵と共に呪いを解く旅に出る。
    端正な描写が美しいファンタジー。王子の成長や互いを理解することで変わっていくふたりの関係性の様子も素敵。少女小説ならではのバディものと言えるかも。

  • 懐かしのシリーズ。この耽美なイラスト!最高です。
    誰も入ることのできない呪われた島国の王子リューイ。そこになぜか入国することができた暁の傭兵と異名をとるデューイ。二人は国民全員が眠りについてしまった謎の病を解明するべく行動する。
    決してBLではないんだけど、最初はいがみ合ってた二人も、皇子は傭兵を尊敬し、傭兵も王子に忠誠を誓うようになるという絆の強さにただただ萌えたぎっていました(すでに腐る兆候があったんだろうな)上半身裸で抱きつくシーンとか///狙ってますよね?!

  • 粗暴で綺麗で優しい傭兵と、純粋で美人で可愛い王子様の絆にもえるファンタジー。珠黎皐夕さんの美しい挿絵が抜群のシナジー効果を起こしている。たぶん完結することはないお話だけど、どこかの姫君と結婚する二人を見るくらいなら、このまま未完でいい、時が止まったままなのも竜ねむの世界観にあってるとさえ思える。

  • ファンタジー。
    流麗で、どこか上品な雰囲気が独特。
    魅力的なキャラクターたちの不思議な空気感が好きでした。
    初めて見た時は衝撃だった珠黎皐夕さんのイラストも、今思うとこれ以上に合うものはない気がする。

    意見が分かれる所だけど、個人的にはぜひともゾーイに頑張って王女さまと幸せになってほしい(笑)

  • シリーズ1作目
    **********
    海に囲まれたオディロカナ王国のリューイ王子が14歳の誕生日を迎えた翌日、王国は緑に覆われ、人々は眠りに囚われてしまう。
    ひとり眠りから覚めたリューイに不穏な女の声が語りかけてくる。
    呪いを解きたければ自分の許へくるように、と。
    各国が出す調査船がオディロカナ王国に辿り着くことができずにいる中、不思議な導きによって、ひとりの青年が王国へ足を踏み入れた。
    吟遊詩人がこぞって当代随一の英雄と歌う《暁の傭兵》ジェイファン・スーン。
    王国にかけられた緑の呪いを解く旅が始まる。
    **********

    と、いうことで・・・。あらすじをざっくりとまとめてみました。

    「少女小説」のジャンルに相応しい、流れるような文章が繊細で綺麗です。形だけではなく、手触りの感じられる文章で、場面が難なく想像できるので、読み進めるのが容易です。
    主人公のリューイが、素直でかわいらしい性格で育ちの良さをみせてくれるので、王子という設定に無理を感じません。
    対して《暁の傭兵》の二つ名をもつジェイファン・スーンは口が悪く、少し皮肉屋で世慣れた大人の設定。

    お伽噺、竜、魔法、王女、王子、傭兵、冒険。
    複雑に入り組んだ陰謀や、腹芸の人間関係とは無縁のやさしいファンタジー。
    読後感もよいです。
    ただ、「竜の眠る海シリーズ」と銘打たれ、現在11冊が出版されていますが、シリーズとして完結はみていません。(最後の刊行は2003年です)
    タイトルごとにお話自体は終わるので、それほど問題はないかもしれませんが、気になる方はご一考を。
    シリーズがまた再開されるのを心から期待していますが、難しいのかもしれませんね。

  • 内容説明

    全てが緑に埋めつくされ、人々が覚めぬ眠りに落ちてしまったオディロカナ王国。その地に、たったひとり辿り着くことができた伝説の傭兵ジェイは、不思議な力を持つ王子リューイに出会って…!?

    ◆竜の眠る海シリーズの第一巻。
     剣と魔法とか、ちょっと不良っぽい傭兵とか美形とか。
     変なところで話が止まっているというわけでは無いけれど、シリーズは未完結扱いで良いのかな。続きは・・出そうにないですが。
     珠黎 皐夕さんが描く絵が、世界観にとても合っています。

  • りゅうねむシリーズ1巻です。
    1巻はこれで完結してもいいつもりで書いてあったのか本に出てきた伏線はすべて回収してると思います。
    なのでシリーズを読むか読まないかはこの本の内容が気に言ったか気に入らないかで決めればいいと思います。
    今読むと(昔も思ってたけど)リューイとジェイがBLくさいですねぇ…
    凄ーくきれいな主従関係。
    もし苦手な人はまわれ右かな?
    私はノーイさまが好きすぎるのでジェイとくっついてほしいなぁ…と。
    そういえば現時点で完結していない気がします。

  • 読んだことすっかり忘れてた。たしか読んだのは9、10年前…;
    挿絵がめちゃくちゃ細かくて綺麗だったのが印象に残ってます。
    で、表紙の画像見て思い出したんですが、ほのかにBLくさかったネ!コレ(笑
    赤毛の剣士のにーちゃんがすきでした。

  • 「りゅうねむ」シリィズ第一弾。
    此の頃は十四歳ですものね。とても大変な経験だったのでしょうね。初読の時には想いもしなかった感想が・・・。
    とてもダイスキなシリィズです。
    此処から、彼の、彼らの成長が始まるのですね!

  • 物語は得てして、人物を縦糸とした織物に喩えられます。横糸となるのは過程にある出来事や、発見した事実など。
    それら横糸にどのような色合いが染め込まれているのか。模様を表すのは横糸なのです。それらを身に巻きつけて、縦糸は織物となる。
    細密で豪奢な模様を織ろうとするなら、縦糸は丈夫なものを数多くかけていなければならない。横糸の重圧に切れてしまわないように、捧げられる色彩を余さず享受できるように。
    この物語を成す縦糸はリューイです。
    当初、彼は無知で無力なコドモだった。継がれる糸――魔女の呪いの重さに戸惑い、竦むしか出来ずにいた。彼にはどのように織り進めれば良いのか、示してくれる手が必要でしたが、その他人がいなかったので。ジェイは指針を提案し、危機の時には補助してくれる、リューイにとって最良の織り手だったでしょう。
    しかし、人は其々に物語を織っているのならば、リューイの傍らに立ちながら、ジェイ自身も己の物語を織り進めているのです。
    そうして、他人との触れ合いという横糸を通している際、その人の色の成分となった過去を知り、衝撃の後にその色を一層大切に受け止めることもあるのでしょう。
    歴史に隠された悲劇。笑顔の奥の悲哀。そういったものは、吸収した者の中で色の深みを増し、美しさを増すのです。これは、そういう物語。

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