なんて素敵にジャパネスク ―新装版― なんて素敵にジャパネスク シリーズ(1) (なんて素敵にジャパネスク シリーズ) (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086145688

作品紹介・あらすじ

時は平安-京の都でも一、二を争う名門貴族の娘である瑠璃姫は十六歳。初恋の相手・吉野君の面影を胸に抱いて独身主義を貫く決心をしていた。だが、世間体を気にする父親は、結婚適齢期をとっくに過ぎた娘にうるさく結婚を勧めてくる。ついにある夜、父親の陰謀によって権少将と無理やり結婚させられることに!?絶体絶命の危機を救ってくれたのは、筒井筒の仲である高彬だったが。

感想・レビュー・書評

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  • 今さらながら大人気作を手に取った。やっぱりおもしろい!
    おてんばな瑠璃姫は幼少時に吉野で育ち、そこで出会った吉野君に恋をした。ところが彼は早世してしまい、瑠璃姫は都に戻ってからもなにかと吉野君のことばかり。
    心配した父が縁談を持ってきてさっさと既成事実を作ろうとしたため抵抗したところ、弟の友で幼なじみの高彬が助けてくれるもその理由が「瑠璃姫とは筒井筒の仲だった」! そして彼は本当に瑠璃姫のことを想い続け、当世一の美女との縁談も断ってくれていて……。
    高彬にほだされた瑠璃姫もその気になるが、事情が切迫しているからと即結婚となろうとしても「調度もなにもそろっていないしお歌ももらってないのに」と泣いたり、歌が下手だからと「納得のいくものを書けるようになるまでは」とNGを出したり。
    ワガママでパワフルで行動家の瑠璃姫を、ハラハラしながら見守るのが楽しい。
    時代物なのにルビに現代語が出てきたりと、現代の感覚で読んで欲しいという絶妙な加減がよい。やはり名作!

  • ままが昔読んでいて勧められて読んだ本。♡
    鷹男がかっこよすぎて、、瑠璃姫鷹男にのりかえてよーー!笑

    しかも、小さいころの吉野君が可哀想で…涙涙
    いつか、出てきて欲しい1人です♡.*

    平安時代ってのほのほーっとしてる時代だな!って思っていたけどそんなことないみたい、、平安時代に産まれるのも良かったかもなー♚!笑

  • 歌を詠んだり文のやりとりしてるのを見ると、平安ものってやっぱりいいなーと思う。
    だから、高彬は頑張れ。
    瑠璃は高彬一筋っぽいけど、少女小説的には鷹男の方が光ってる。
    ていうか、基本的に初夜を迎える為に話が進んでて笑った。
    こんなノリでいいのか。

  • “「いや、ぶっちぎりの仲だと怒鳴るあたり、瑠璃さんらしいと思ってさ」
    あたしはカッと赤くなった。
    「あ、あれは、あんたと口裏を合わせただけよ。ああでも言わなきゃ、どうにもならなかったでしょ」
    「……ふーん」
    高彬はすっと笑うのをやめ、いやにまじめな顔でじっとあたしを眺めた。
    あんまり長いこと黙ってあたしの顔を眺めるので、不覚にもますます顔が赤らんでくる。
    高彬はようやく、口を開いた。
    「なんだ、思い出したわけじゃなかったの」
    「思い出す?何を」
    あたしがぼんやり尋ね返すと、今度は高彬がほんのりと顔を赤らめた。
    「べつに、いいよ。忘れてしまってるんなら、無理に思い出すこともない。昔の約束だし」
    「嫌味な言い方ね。あたしが何を忘れてるっての。昔の約束なんていったって、あんたとは何も……」
    あれ。
    ちょっと待て。さすがに、何かひっかかったぞ。記憶をプレイバックさせてみれば、……かすかに、何やら……。”

    瑠璃姫:主人公。
    高彬:瑠璃の筒井筒。
    融:瑠璃の弟。
    小萩:瑠璃の腹心の女房。
    鷹男:東宮。宗平新王。
    藤宮:東宮の叔母。

    瑠璃の言葉づかいが現代チックで読みやすい。
    これからが、人間関係ごちゃごちゃしそう。

    “「……衛門佐どのが羨ましい。あなたのような姫を妻にされて」
    「まだ、妻ってわけでもないけど……」
    初夜が流れたことを思い出してブツブツ言うと、鷹男の目がかすかに光った(ような気がした)。
    「まだ妻になっていないというと、あの……」
    「ま、その、いろいろとあって、つまり……」
    話が妙な方に行っちゃったな。
    こういうことを呑気に話している状況ではないと思うんだけれど。
    「あなたと衛門佐どのは、まだ……?」
    「……心は妻よ、心は。しっかり」
    「ということは、わたしにも機会があるかもしれないということですよね」
    「!」
    あまりにあからさまな言葉に、あたしは絶句してしまった。
    鷹男って、人妻に強いタイプだわ。絶対にそう。藤宮さまも未亡人だし、マダムキラーなんだ。”

  • 2024年11冊目読了。

    今大河で「光る君へ」を見て読みたくなったシリーズ。子供の頃読んだのは小説じゃなくて、山内さんのマンガだったけれど。
    このお話の主人公瑠璃姫は大納言家のご令嬢。それはそれは身分の高いお姫様なので本来ならお琴でも爪弾きながら日々を過ごすような方なんだろうけど。もうとんでもなくお転婆で頭の回転もよく、恋には夢見がちなところは17歳の乙女らしく、まあ非常に現代的な女の子だ。

    この時代って一夫多妻制だったし、通い婚が常識だったけど、はてどうやって家庭を維持してたんだろう?本妻だと嫁いできたのかな?
    藤原と源姓が多くて誰が誰やらだし、色んなところに政治的に嫁がせたりなんだりで親類縁者だらけっぽいやんごとない身分の方々は、身内は利用するものだし場合によっちゃ亡き者にしたり毒殺呪殺当たり前だし平安とは程遠い日常っぽいよね…。
    この時代、貴族の方々以外のいわゆる一般庶民のくらしってどうだったんだろう。都以外の地方とか。

    マンガだと人妻になるところまでしか読んでなかったから、氷室さんの小説で最後まで読みたいな。

  • 恋多き女の子が終始男性を追っかけまわすような物語よりも、女主人公が馬に乗っかって追っ手から逃げまわったり、事件の黒幕に果敢に立ち向かうような話が好きだ。危機一髪、瑠璃姫はどうなることかと夢中でページを繰った、10代前半の頃の私。尤も、彼女に共感できたのは自分がまだ結婚を考えるような年頃ではなかったからかもしれない。

    真っ直ぐで、思い込みが激しくて信念がブレることのない瑠璃姫。大人からしたら随分危なっかしい性格だなと思うけど(いや、かなり無鉄砲なことやってるなと当時も思っていたが)、10代だった私達には充分魅力的な女の子だった。新装版を通して変わらない瑠璃姫に再会できて、私もほんとうに嬉しい。

  • おもしろい!瑠璃姫みたいな気の強い女性は素敵だ

  • そういえばかくも有名な氷室冴子の表題作、読んだ事なかったな~と思って借りてみたんですが。ちょっともう自分には年齢的に受け付けなかった…

    それにしても通い婚の時代で母が亡くなった後、家に帰ったら新しい母が居たってのにちょっとん?という感じ。光源氏なんかは子供は母方の家で育てさせてたよなぁ~。主人公の父親が家を建てて、妻を迎え入れたのかもしれないけどその辺りってどうなってるんだろ。光源氏はそう言えば家建てて縁の女を住まわせてたけど。

    まだ結婚してないオトコでも私のよ~と乗り込んでいく姫のパワーに女って…と思わなくもないけれども… これが10代のパワーなのかな、なんて思いました…

  • 大学時代の前半はコバルト文庫にハマリました―笑
    この作品は本当に面白かった。
    ドラマ化もされ、ソチラも見ました。
    氷室先生の作品は殆ど読破しましたが、その中でもイチオシだと思います。

  • 懐かしいんで読んでみたら、はまった。
    ポイント溜まったら、続きを買おう。

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著者プロフィール

氷室冴子(ひむろ・さえこ)
1957年、北海道岩見沢市生まれ。 1977年、「さようならアルルカン」で第10回小説ジュニア青春小説新人賞佳作を受賞し、デビュー。集英社コバルト文庫で人気を博した『クララ白書』『ざ・ちぇんじ!』『なんて素敵にジャパネスク』『銀の海 金の大地』シリーズや、『レディ・アンをさがして』『いもうと物語』、1993年にスタジオジブリによってアニメ化された『海がきこえる』など多数の小説作品がある。ほか、エッセイに『冴子の東京物語』『冴子の母娘草』『ホンの幸せ』など。 2008年、逝去。

「2021年 『新版 いっぱしの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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