ベルサイユのばら 全5巻セット 化粧箱入り (集英社文庫(コミック版))
- 集英社 (2009年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784086179195
感想・レビュー・書評
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初めて読んだ高校時代からウン十年振りの再読。改めて、作品の色褪せなさに驚愕。池田さんが20代にこんな名作を生み出したということにもまた驚く。
そして、史実とフィクションの絶妙な融合!物心ついたころから、アニメで「ベルばら」には触れていたわけで、マリー・アントワネットとオスカルの共存を自然に受け入れていたのだが、自分がある程度フランス革命やアントワネットについて知ったうえでオスカルに出会ったら、どうこの作品を受け止めただろう…。それでも、十分にこの作品にのめり込んだと思う。
ずっと再読したいと思いながらなかなか手に取れなかったのは、高校時代に感じた作品の重厚感ゆえ、あの悲劇を受け止めるにはそれ相応に心の準備ができてからじゃないと…と思っていた。再読してみて、ただただ重く悲しいだけではなく、前半では時々コミカルな描写もあり。個人的には愛らしいばあやが大好きである。
そして、やはりオスカル…!こんなに魅力的なキャラクターにはなかなか出会えない。雄々しく凛々しく振る舞いながらも、時に女性らしく繊細な面が見え隠れし、切なくなる。革命の戦闘シーンは、圧巻。オスカルを傍で支え、愛し続けるアンドレにもぐっとくる。快活な青年から、だんだん憂いを帯びてくるその姿にハートをつかまれっぱなしである。見たのはいくつだったか忘れたが(小学生になるかならないか?)、「ベルばら」アニメの断片的な記憶で一番印象的だったのは、片目を失明してからのアンドレの苦悩する姿だ。
何だろう、「ベルばら」についてはエンドレスで語れそうだ。それほどまでに魅力的。集英社文庫版は解説陣も豪華で、思いがけなく氷室冴子さんの文を読めて、胸が熱くなった。
改めて、近年出た番外編も読み直したいと思う。本編再読後となれば、色々感慨深くなりそう。
読みながら、脳内であのアニメの主題歌が流れっぱなしでした。機会があればアニメも見たいかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本で日本人が描いたフランス革命。多少何かクレームあっても問題無し。
これは、コミックではなく挿絵が豊富な文学です。
令和の現在でも、オスカル様は時折出現しますから、パロディを楽しむためにも必読書。 -
わあーい!「ベルばら」読んじゃった!やっと念願、果たした気分。
とっくに皆さんは読んでいるよね。
もちろん怒涛の感激、不朽の名作まんがで文句なし、それでわかったこと。
わたしの世代は手塚治虫の「リボンの騎士」(少女クラブ版の)派、「ベルばら」とちょうど同じように夢中になったのだが、何であんなに魅了されたのか、はっきりとは意識してなかった。「ベルばら」を読んでみてああそうだったのかと。
一口に言えば、少女(12歳くらい)にとって、自分が人間である前に女の子であることを自覚せざるを得ない理不尽な気持ちを味わっている時に、男の子の格好でさっそうと動ける素晴らしさがたまらなかったのだ。
こういう長期的なベストセラーまんがは、読む世代によって思いがさまざまだろう。少女の頃夢中だった人も、また大人になって読むと一味もふた味も違うという。
フランス革命時代前後の歴史だけでなく、文庫版(1)の解説で林真理子も書いているように、1970年代の女性が目覚しく活動しよううとしていた時代背景とも重なる深い内容なのだ。
池田理代子の「ベルサイユのばら」はある年代の人はリアルタイムで、それも年代幅広く人気と興奮を巻き起こしたことである。そして長く読まれて続けている。もう、女性の活躍も十分出来る時代になってしまった現代のようなのだが…。
さて「リボンの騎士」はどうなんだろうか。
私は「リボンの騎士」を12歳の時(1953年)、リアルタイムの興奮で味わっている。つまり連載されている少女クラブという雑誌の発売が待ちきれなかった経験をしている。その興奮を懐かしく重ね合わせて読んだ。 -
自ずとしれた大名作。オスカルとアンドレとの関係に身を焦がして、色んな妄想しちゃった女子もきっといたはず。沼にハマるとフランスまで行っちゃうことになります。
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「心優しく温かい男性こそが真に男らしい頼りにたる男性なのだということに気づくとき…たいていの女はもうすでに年老いてしまっている…
よかった…すぐそばにいてわたしを支えてくれる優しいまなざしに気づくのが遅すぎなくて…」 -
何度も泣いた。
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4年ぶりの再読。今回も一気に読み切りました。
男装の麗人オスカル様、それを影ながら支えるアンドレ、最期まで女王たるマリー・アントワネット、どの登場人物も輝くばかりの魅力がある。
それだけでなく、フランス革命という難しい史実を、ここまで面白く読ませる池田先生の手腕に驚かされる。
この作品を24歳前後で描かれたというから更に驚愕してしまった。 -
中学生の時の感動をもう一度!と手に取ってみると、
あの時以上に興奮しました。
特にアンドレ!昔はオスカル命!だったけれど、30余年の
時を経た今はアンドレファンに。
ただ、老眼が進んでいる現在、やはり大きな画の方が見やすいのは
確か。というわけで★4です。 -
時代を超えて愛される作品。