妖怪ハンター 水の巻 (集英社文庫(コミック版))

著者 :
  • 集英社 (2005年12月13日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086183925

感想・レビュー・書評

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  • 「産女の来る夜」
    マジモンのウブメは「AKIRA」だった。

    「淵の女」
    自分と同じ顔の河童、というミステリーもあり。
    泉鏡花「高野聖」も連想。

    「うつぼの舟の女」
    以下5編では憑依体質の少女渚と彼女を助ける少年大島が動き回る。
    本作では稗田は解説役に。4作では登場すらしない。
    スナックのマスターが借金取りからの隠れ蓑として、妻の実家である神社で神主をしているという設定が目新しいが、
    その妻が実は……というのも面白い。
    海の向こうの異形といえばクトゥルフだが、実にスムーズに日本の土着信仰とも接続される。

    「海より来るもの」
    諸星先生の手にかかれば乙姫もこれだよ。

    「鏡島」
    ドザエモンはエビスになるか海モッコになるか。
    鏡というモチーフを導入するだけで端正な作風に。

    「六福神」
    邪悪な七福神!
    扉絵のあまりの邪悪さに笑ってしまった。
    テレビゲームをやめられないホテイとか。
    諸星先生のお茶目。
    本来7が6となればあと1は……。

    「帰還」
    補陀落渡海を成し遂げられなかった者ら。

  • 蛭子さんに補陀落渡海に、水をモチーフにした神話や民俗を基底とした作品群です。

    イザナギとイザナミが一番初めに産んだのが蛭子命(ひるこのみこと)でしたが、不具の子だったために海に流してしまいますが、神となって戻ってきて、恵比須さんとして祀られる。

    なんてったって、ヒルコと書いてエビスと読ませるわけですから、不具の子というのは、手足のない、胞状奇胎のような、形の成してない形状を思い出される。時にそれはドザエモン(溺死体)であり、その描写がまたすさまじい。

    海の向こうは異界であり、そこからやってきた漂着物は時に神としてあがめられ、時に魔物として畏れられる。

    また、逆に、生きて海の向こうに渡海するという補陀落信仰も、海の向こうに観音の浄土があると信じられていた民俗である。

    圧巻なのは、これらの神話や民俗をホラーエンタテイメントに仕立て上げている点。面白い。

    個人的にはもう少し稗田先生に活躍してほしかった。あのキャラクターは、金田一幸助や喪黒福造に並んでナイスガイである。

  • 大島と渚のでてくる海関係シリーズ
    「産女の来る夜」「淵の女」「うつぼの舟の女」「海より来るもの」「鏡島」「六福神」「帰還」

  • <目次>
    産女の来る夜
    淵の女
    うつぼ船の女
    海より来るもの
    鏡島
    六福神
    帰還

    <内容>
    稗田礼次郎シリーズだが、後半は渚&大島の話ばかり。海の話はパターンが似てくるか…。稗田が出てこない(往復書簡の中になってしまったり。最後の2つには全く登場しない)し、みんな渚に憑依するし…。海=女なのか?

  • 水というか海絡みの怖い話がたくさん

  • ある家に伝はる儀礼の筈が、アレ(いやぁあああ 怖いぃいい)な。
     他、まれな人の関係。そこそこ怖いので読んでしまふ。

  • 礼二郎の出番がどんどん少なく。

  • [ 内容 ]
    〈地の巻〉
    ぬばたまの闇の底どよもす呻き声。冥き世界にうごめく異形の者ども…。
    異端の考古学者・稗田礼二郎が暴きだす、触れてはならぬ…暗黒の日本史! !
    その圧倒的スケールで、漫画界を震撼させた空前絶後の傑作「妖怪ハンター」第一弾! !
    幻のミッシング・ピース「死人帰り」も掲載! !
    暗黒の邪神、深き底より…まいる。

    〈天の巻〉
    ひさかたの天より降りきたるは、幸神か?
    邪神か! ?
    甦る超古代の神々。
    日本神話に隠された不死の秘法。
    禁じられた童歌。
    暗黒の祭祀。碩学・稗田礼二郎、生命の木の謎を追う! !
    伝奇コミック浪漫「妖怪ハンター」第二弾! !
    天空より、古の忌まわしき神々…降臨! !

    〈水の巻〉
    わたつみの神の国より流れ着く妖しき舟。
    底なしの冥き淵より、濃霧をまといて古の邪念と妄執が、おぞましき姿で甦る。
    稗田礼二郎が禁断の書を紐解く時、神話は民話と交響し、魔の物語が溢れ出す。
    妖怪ハンター第三弾は水と雪と官能の物語。
    水泡とともに禍々しき神々…浮かぶ。

    [ 目次 ]
    〈地の巻〉



    〈天の巻〉


    〈水の巻〉


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 水の巻だけあって、海がらみの話が多数。稗田先生の活躍は少なめで、大島と渚がメイン。そのせいかバリエーションに乏しいのがちょっと残念

  • 再読。 

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著者プロフィール

1974年、「生物都市」で手塚賞入選。「週刊少年ジャンプ」で「妖怪ハンター」連載デビュー。民俗学、中国の古典、SF等を題材に、幅広い分野で活躍する漫画家。代表作に「暗黒神話」「マッドメン」「西遊妖猿伝」がある。その独創的な作風から、高い評価を受け、2000年に手塚治虫文化賞マンガ大賞、2014年に芸術選奨文部科学大臣賞、2018年に日本漫画家協会賞コミック部門大賞等、受賞歴は多い。ジャンルを越え、多くのクリエイターに影響を与えたとされる。

「2019年 『幻妖館にようこそ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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