All You Need Is Kill (スーパーダッシュ文庫)

  • 集英社 (2004年12月18日発売)
3.75
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Amazon.co.jp ・本 (276ページ) / ISBN・EAN: 9784086302197

作品紹介・あらすじ

新鋭桜坂洋・渾身の1冊、SFテイスト!!
近未来。初年兵キリヤとクレイジーな女准尉リタの物語。流麗な文体と当文庫には珍しい、ロボットSFのテイストを持つバトル・アクション。SF界の第一人者・安倍吉俊のイラストも話題必至です。

感想・レビュー・書評

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  • トム・クルーズ主演の映画を見て原作が日本の作家と知り、興味を持ち買ってみた。基本的なループのアイデアは同じだが、映画とは登場人物の描き方が違う。映画では主人公も相手役の女戦士もいかにも大人の戦士という感じだったが、小説はライトノベルのテイストで、いわゆるboy meets girlだといっていいだろう。映画も小説もどちらも文句なしに面白い。表紙の主人公がかっこいいぜ。

  • だいぶ前に映画と漫画は見てました。
    いつか原作読んでみたいと思っていて、図書館で借りてきました。

    面白かったです。
    タイムループを繰り返す中で、似たようなシーンがちょっとずつ変わったり、目線が変わったりというところが特に楽しめました。
    戦争相手のギタイ側から語られるループ回も読んでみたかったです。

  • やっと原作読みました。
    先に映画を観てしまったので読みたくて仕方がなかったんですが集英社スーパーダッシュ文庫と言うマイナーな書籍である為普通の図書館には置いてないんです。
    (大阪市立図書館が普通ではない、と言ってるんじゃないですが)
    いや~期待に違わず面白かった!主人公は初年兵だから若い。凄く若い。だからトムクルーズの年齢に併せて随分話を変えたのね。
    戦場の牝犬リタはそのまま、だけど外見を随分変えている。ドジッこメガネちゃんのオタク技術者はおっさんに変えられてる。何よりループは終わらないのね、原作では。
    出撃前夜と初出撃の2日を繰り返す度に強くなる、というのはRPゲームの要領と書くあとがきは面白い。
    小説ではなんと158回目のループでリタに気付き159回目でやっと共同戦線を張り160回目が最終決戦となる。
    割とあっさりクライマックスに雪崩れ込む。最後の戦いは凄いけど、ループが消滅してからもひとつクライマックスが有った映画版も中々。
    哀しい余韻を残す本作と、トムクルーズの飛び切りの笑顔で終わる映画とどっちがいいかな?
    どちらもお勧め!!のタイムループSFの傑作でした。

  • 疾走感ある作品だと思った。
    死に戻りというダレがちな内容をここまで簡潔に、分かりやすく書いていて凄いと思った。

    合間合間で出てくるスラングがなぜだか気持ちよかった。気づいたら自分まで心の中で(クソッたれ)って口ずさんでいた気がする。

    主人公の幾度にも及ぶ死に戻り、そしてそこにおける努力に賞賛の拍手を送りたい。フェレウ軍曹。好きです。

  • トム・クルーズ主演にてハリウッド映画化!という帯に惹かれて購入。ライトノベルとしての出版であるようだが、SF的にも充分鑑賞に堪え得る内容であった。

    タイムループをテーマとし、同じ時を何度も繰り返す新兵が主人公。異星人との戦闘において彼は何度も戦死する。ある時は爆発で身体が四散し、ある時はどてっ腹に銃弾が貫通し、ある時は首が吹っ飛ばされる。この無限の地獄を脱出しようと彼は何度も繰り返す。30時間前にループする時間を有効活用し己を鍛え、有効な武器を見繕う。

    やがて159回のループを繰り返し、彼は仲間と出会うことになる。

    無限ループをいかにして脱出するのか?という結末への期待は予想外の答えが用意されていて、ほろ苦く切ない。異星人との戦闘において、敵は「ギタイ」と呼ばれていて生物兵器という範疇におそらく入るのだろう、と理解した。こちら側は「ジャケット兵」なる陸戦兵士が主たる戦力であり、いわゆるパワードスーツを装着した歩兵だろう。解説にはイラストが描かれていてパワードスーツのイメージ通りだった。この組み合わせの絵柄がハリウッド的VFXになると迫力あるんだろう、とは容易に想像できた。

    結末のほろ苦感をどう料理してくれるのだろか?映画も見てみようと思う。

  • 映画化されると聞いて電子書籍で購入しました。
    時間がループする、というのはアニメとかで見たことありますが、そのループをどう利用するのか…そこまで考えたことがなかったのでこれは新鮮でした。
    メインとなる登場人物が意外に少なくてこれはあっさり読めます。内容はあっさりしていませんが…。

  • “敵弾が体を貫いた瞬間,出撃前日の戻っていた.…死すら日常の毎日の中,ループが158回目で1人の女性と再会する" というあらすじの通り,ループものSFアクション.ループものによくあるダルさは一切なく,特にループ脱出の糸口を掴んでからの展開が巧み.世界観の説明やメカの解説が,ストーリーを進める上での必要最低限に収まっているというのもあり,比較的重い内容の割にはサクサク読める.マニアックなアーミー系スラングが世界観に不思議とマッチしていた.
    個人的には,ハリウッドからのオファー云々という宣伝は逆にうさんくさく感じてしまうが,そんなの気にせず勧められるがままに読んで正解だった.

  • 謎の敵ギタイとの消耗戦を繰り広げる人類、訓練校を出たばかりの新兵キリヤは初めての戦場に繰り出し戦死したはずだったが、その戦場を何度も繰り返し続けることに、この悪夢を終わらせるためキリヤは色々な手段を模索して闘い続ける、そこに終わりがあることを信じて。
    時間ループモノのSFアクション、闘い続けるしか無いとはいえひたすら解決策を求めて奔走する主人公が印象的、終盤の展開も王道的で非常に盛り上がった。泥臭い戦闘描写もかっこよく、実写映画化されるようだがどのように料理されるのか楽しみ。

  • このプロットで神林長平がトリビュート返しとしてリライトすれば化ける気がする。

  • ハリウッドで映画化されると聞いて、どんなすごい作品かと思ったが、ただのライトノベルじゃないか、それも出来の悪い部類に入るのじゃないかな。SFとしてもそれほど目新しい物でもないし、どうしてハリウッドの目に止まったのだろうか、ただ中身がスカスカのあらすじだけのようなストーリーということで、これなら脚色し放題と言うことだろうか。とりあえず映画の方を期待しよう。

  • 東浩紀の「動物化するポストモダン2」で取り上げられていたライトノベル。
    同じ時間をループするお話。
    ループしている人物が2人いたとして、次のループで出会った相手は、前回のループで出会った相手の続きなのだろうか。
    そして一人が脱出してしまえば、残りの一人はどうなるのでしょうか。
    ひぐらしのなく頃に然り、東浩紀の言うように、その辺りのルール設定そのものがこの物語のテーマなのだと思う。

  •  地球は「ギタイ」という知的生物? に侵略されている。
     キリヤ・ケイジはハイスクールを卒業式し、訓練所を出たばかりの兵士。コトイウシ島で初めての戦闘に挑むが仲間はあっという間に戦死し、自分も致命傷をおい死の淵に。
     そこに戦場の牝犬と呼ばれる無類の強者兵リタと出会う。リタは死にかけのキリヤに「ジャパンのレストランでは食後のグリーン・ティーは無料だと本に書いてあったのだが…本当なのか?」と尋ねる………。
     (おそらく)死んで意識の無くなったはずのキリヤ・ケイジは、気付くと読み差しのペーパーバックを手に兵舎の二段ベットにいる。
     最初は夢かと思ったが、またもや最初のはずの戦闘でも同じことが起こり、彼は自分が何度も同じ時間を繰り返していることとに気づく……。

     発売は十年近く前なのですが平積みになっていたので手に取ったら、なんと! ハリウッドで映画化されるそうで。。。主演はトム・クルーズ。それで買ってしまいました(^^;)
     2014年、アメリカ公開らしいです。(Wikipediaより) 

     
     異星人侵略物だけれど、設定が面白いです。
     文章が迫力満点!!
     うーん、でもラストがちょっと物足りないかな。。。
     こういうエンディング自体は嫌いじゃないです。ハッピーエンド好きな訳ではないのですが……。

     どこが、と言われると難しいのだけれど。迫力があるのに淡々とした感じがあるからなのかしら??
     戦闘シーンがとても迫力やリズムのある文体だから、それ以外の部分がちょっと肩透かしに感じるのかな??
     単に好みの問題かもしれません。

     星は3でつけましたが、★3.5 と言う感じでしょうか。

  • 戦闘と反復と学習の話。発売したのは8年も前のことだが星雲賞候補作となったこと、ハリウッドでの実写映画化などで度々話題にあがるため手に取ってみた。買ってから気付いたけどイラストが「lain」「灰羽連盟」の安倍吉俊だ。無限に思えるループのなかで機動ジャケットで身を固めバトルアクスでひたすら敵を討つ状況は嫌いではないのだがループを経て戦闘力を身につけた後のギタイがあまりにもあっけなくやられてしまうので緊張感が稀薄に。文章は読みやすく戦争物と聞いてイメージしがちな硬い表現も少ない。ラストはバッドエンドというわけではないのだがもうちょっとハッピーな方が好ましい

  •  第2刷読了。


     トム・クルーズが主演して公開される予定のハリウッド映画作品の原作…という記事から、この本と出会いました。


     ハリウッド映画? トム・クルーズが主演で? …それだけの内容になってるの? ラノベレーベルで有名なとこから出てる作品で???


     …と、疑問点ばかりが浮かび上がりましたが、実際読んでみると「納得」しました。ハリウッド映画的かもなあ、と☆


     作品全体に感じられるアメリカンな雰囲気、それとSFチックな設定、その上、物語の根幹となる展開。加えて登場キャラクターの安定感。


     どれも良かったです。そう思います☆


     ただ今作の半分を読み終えるぐらいまでは悪い印象的に「どーすんだ、これ?www」と、自分には思えるような展開だったので、なかなか読書ペースが伸びなかったのですが…後半から結末までは夢中になって一気に読み切ってしまいましたっ☆


     (自分としては)読後感的には決して気持ちのいいものではないけれど、一本の作品としてよくできた内容だったと感じました。


     あと読了後に感じた、個人的な要望としては、続編があれば読んでみたいところでしょうか。

     一つのステップを超えたところで今作は終わっていますが…キーパーソンとなるのが主人公を含めて二人だけだった…っていうのはどうにも解せないし、なにより一つの山は超えたけれど、「戦い」の区切りが見えなかった感があったので。


     実際に映像化されて評判が良ければ、きっと続編を望む声が出るんじゃないかなあ…と、思えた一冊でした。

  • エンタメとしては秀逸。ある意味ラノベらしい作品だが、安易なラストに走らなかった点は評価に値する。ループものの基本に忠実で、この種の作品において欲しいところはしっかり押さえた手堅さのようなものを感じられる。設定、世界観の作り込みは中々だが、尺の都合か、吐き出しきれていないように感じられる。
    一つ重要な点、主人公の成長描写が薄く、その部分がこの作品の評価を落とすところだろうか。淡々と成長し、淡々と実力を伸ばすような印象で、掘り下げて欲しいエピソードがいくつもあるのが悔しいところ。
    キャラクターは特に男性陣とメインヒロインが魅力的だが、とってつけたような印象のサブヒロインズは今ひとつ必要だったのかと疑問に思う。
    恋愛要素が主眼におかれる作品ではないが、話の肝要な部分であったからには、淡白な心理描写の中にも情熱的な部分を追加して欲しかったという不満もある。
    中盤から終盤の展開は秀逸で、これぞループものの醍醐味という楽しみが強かった。主人公とヒロインの共感も短い尺の中で強烈にヒロインを掘り下げるエッセンスとして機能していて、だからこそ終盤の駆け足が口惜しい。
    マニア向けな描写、表現が多いため、一部の層はより楽しめるだろう。バトル描写は主観により過ぎている傾向があり、なんとなくで読める分、他作品に比べてクオリティが高いとは言えない。しかしエンディング間近ではきっちり決めてきて、評価が覆された。
    全体的な完成度は高い。軽妙な文章で一気に読める上、読了までの展開的、時間的テンポが合致して、非常に盛り上がれる。頭を使わなくても勢いで読める貴重なライトSFであり、良作。

  • 予想していたよりもはるかに良かった♪  面白く一気読みさせてもらいました♪

    きっと「スターシップ・トゥルーパーズ」とSFループものを組み合わせた感じ、という感想が多いだろうと思われますし、自分もそう感じましたw
    全てではなかったものの所々に散見される “漫画チックな描写・キャラクター・表現” を指摘する声も多々あることと思いますし、自分もそれは感じました。
    しかし、引き込まれるように読んでしまう物語の魅力や、キャラクターの変化(成長といっていいのかどうか?)、戦場の現実を描写するシーンに、それぞれに思い入れが募ってきて、気付いたら読み終わっていた、という感じでした。タイトルからは想像もつかなかった展開に加え、苦くシビアなエンディングも印象深い。

    帯にある「ハリウッドから映画化のオファーが…」というのがどこまで実現性のあるものなのかは分かりませんが、日本向きというか、アニメーション向きな話だと思っていたので、正直ハリウッドでこれを作るとなると、「ドラゴンボール」だののように全くの別物になってしまうような気がしてならないww
    本家「スターシップ~」が日本人監督(「APPLESEED」の人)でフルCGアニメーション映画になったように、この作品もそういった方向での映像化ならば観てみたいという気になるんじゃないか、と♪

    とか書いた後で、ハリウッド映画化は  トム・クルーズ主演、ダグ・リーマン監督(「ボーン・アイデンティティ」「MR.&Mrs.スミス」の人)で撮影完了間近、とか情報がw
    Σ(゚д゚ ;;)   ぅわ~全然別モンになってまっとるがねw

  • ”映画化オファー ハリウッドが認めた本格SF大作!”

    という煽りに惹かれて購入。
    おもいのかなとも思ったけど、実際は
    ちょっと硬めのラノベって感じでしたね。

    深見真をもうちょっと丸くした感じでしょうか?
    RVSRもラノベレーベルですが、これよりまだ軽いイメージ。

    言ってしまうと、世界観や設定はありがちで解りやすいです。
    ただ、実直に設定の辻褄をあわせて、綺麗に物語を作っているので、
    気持ちよく読めて面白かったです。

    逆に深見真のAGCとかみたいに設定の不整合を無視してでも
    衝撃やインパクトで直接心臓を鷲掴みにするような
    言いようの無い恐怖や憤りは生まれませんが、

    個々に感情移入しやすく、じんわりと喜びや切なさを
    共有できる感じでした。

    これをハリウッドが…って言われても微妙かなぁ…。
    ちょっと違う気がしますが。

    作品は面白かったですw

  •  トーキョーの南方、ボーソー半島沖。人類はギタイと呼ばれる謎の敵と交戦中である。そこで統合防疫軍JPに所属する初年兵、キリヤ・ケイジは激しい戦闘に巻き込まれて命を落としてしまう。20年も戦争が続く中、倦んだ日々の中で名もない若者が死んだ。それだけのはずだった。
     しかし次の瞬間、ケイジは戦闘前日に巻き戻されてしまう。再び展開される一度見た戦闘、そして死。何度死んでも同じ時点に戻されてしまう時のループに巻き込まれたケイジは、戦いの中で運命に抵抗することを決意。だが無情にも時は過酷な死を繰り返すのだった。

     敗北の予感に満ちた戦闘が一人の男の運命を翻弄する。2004年にライトノベルレーベルで刊行されるや大きな話題となり、本格SF小説としてSF界からも高く評価された桜坂洋の代表作。
     ケン・グリムウッドの『リプレイ』や乾くるみの『リピート』、ビル・マーレイ主演の映画『恋はデジャ・ヴ』など、タイムトラベルにより同じ時間を繰り返すという設定はSFでは数多い。それぞれ名作として語られる作品が多いのだけど、本書はそこに未知の敵との戦闘という舞台を設定したのが巧い。時間ループというものはただでさえ絶望的な空気になりがちだが、この終りなき戦いの中で主人公が成長していく様が描かれており、読者はグイグイとストーリーに引き込まれてしまうだろう。

     主人公らは統合防疫軍という軍に所属し、ジャケットと呼ばれるパワードスーツのようなものを装着して戦っている。
     一年半前にオキナワで大敗を喫した統合防疫軍にとって、工学機器の生産工場が集中するトーキョーを死守することはジャケット兵士の組織を維持する上でも絶対条件なのだ。

     謎の敵ギタイの不気味さも素晴らしい。この宇宙から飛来した敵は死んだガエルのような外見を持ち、内部にな伝導流砂と呼ばれる物質が詰まっており人間とは比べ物にならない質量を持っている(つまり、物凄く重い)。圧倒的な攻撃力と強力な防御力を持ち、箒で掃いて捨てるようにジャケット兵士らをなぎ倒す。
     世界各地で人類と衝突したギタイは土壌を人間にとって有害なものに変化させていく。これは地球上で生存する権利を賭けた熾烈なサバイバルなのだ。
     戦いの中に現出する死の女神、時の悪魔。絶望の周回。

     作者があとがきでも触れている通り、この物語は時間ループを描いたSFであると同時に作者が愛するゲームへのオマージュでもある。ゲームはキャラクターが死んでもプレイヤーは何度もやり直す事が出来る。繰り返す中でだんだん「うまくやれる」ようになっていく。だからケイジはプレイヤーであり同時にゲーム・キャラクターでもある。生き残るために、死に物狂いで試行錯誤するしかない。
     この小説では重要な事実が登場人物によってではなく地の文で語られる事が多い。という事はつまり登場人物たちは大事な事を知らないまま戦い続けていくしかない。一瞬理不尽な物語のようにも思えるが、これもケイジ/主人公が同時にプレイヤーである事の象徴なのかも知れない。

     やがて時のループから抜けだそうともがくケイジの前に、伝説的な女兵士“戦場の牝犬(ビッチ)”ことリタ・ヴラタスキが現れ、物語の歯車が大きく動きだす。

     どうしようもない運命に一人の人間が立ち向かうストーリーは『永劫回帰』(B・J・ベイリー)を彷彿とさせるが、本書では時のループの仕組みが巧みで、真相が明かされた時、なるほどこの手があったか!と驚愕させられること必至。単に話を盛り上げるための道具としてではなく、時のループが物語に有機的に絡んでいるのが特徴。
     同じ時間を繰り返し生きながら連環からの脱出をはかるケイジの姿はサスペンスフルだ。

     この物語の一年半前にオキナワで人類側が敗戦を経験しているという経緯が関係しているのか、主人公の同僚にヨナバル・ジンという沖縄っぽい名前の人物がいるのも沖縄の人間としては気になるところ。

     イラストは安倍吉俊が担当しており、このビジュアルも評判を呼んだ。アメリカで英訳版が刊行された際もこの表紙がそのまま流用されたらしい。
     そしてこの小説、ストーリーの完成度の高さがアメリカでも評価され、2010年にワーナー・ブラザーズが映画化権を獲得。現在ハリウッド映画化に向けて作業が進められているという。「面白いストーリーはとりあえず買っとく」のが慣例のハリウッドなので、実際映画が公開されるまでこぎつけるかはよくわからないが、ダンテ・ハーパーによる脚本化やトム・クルーズの出演決定など、具体的な情報も入ってきている(個人的にはトム・クルーズが出るんだったら筋肉バカで人情家な主人公の上官を演じて欲しいな)。日本を舞台としながら無国籍な雰囲気に満ちたこの小説なら、ハリウッド映画化に向いているのかも。どうなるか不安だけど、期待して待ちたい。

  • ワーナーで映画化決定(とか言いつつお蔵入りになることも多いが)
    まずはメデタイ本作。
    なかなか中古本市場に出回らないのだが
    やっと入手して読みました。

    近未来の地球でギタイと呼ばれる謎の宇宙生物からの攻撃、
    またその生物の排泄物の毒性が強く、地球生命体の数が激減、
    主人公の若き青年兵は初陣でギタイに一発喰らわせるも絶命
    →しかし目覚めると前日に戻っていた。

    初陣から逃げたり、戦法を変えても仮に死ななくても
    必ず前日にループすることに気づいた青年は
    体は鍛えられなくても精神及び戦場での知恵は持ち越せることに気づき
    前向きに歴戦の兵士として育っていくことになる。

    一方ループする初回の絶命直前に出会った
    戦いの天才と言われる女性兵士、
    繰り返しの戦場で再会することもあればしないこともあったが
    ある日彼女も同様のループを経験していることが分かる。
    (彼女の場合は、ループで強者になった訳でなく元々天才)

    実はループの原因はギタイの過去に遡り情報を送る能力にあり、
    送られた情報を過去にいる主人公及び女性兵士が受信することで発生していた。
    彼女側(アメリカ側)はほぼそのメカニズムを掴んでいたが
    受信者が複数いることが悲劇的結末に進む。

    という訳でここに書いたあらすじだけだと大変な名作だと思うんだが
    いかんせん初出がラノベということでおそらくラノベ的改変なのか
    セリフがちょっと厨っぽい。惜しい。もっとハードボイルドがいいのに。

    同じ境遇であることに彼女が気づく緑茶のくだりが超泣けるだけに
    その後の展開や戦いのシーンにもっと彼女のやるせない気持ちを
    (いくら戦闘マシーンとはいえ恋愛要素を入れたいのならなおさら)
    描いて欲しかったかしら。

  • ループものの中では面白かったかな?
    終わりに唐突感はあるけど蛇足になるよりはずっと良い。ループを抜け出すことだけを考えて、あらゆる手を使ってループを抜け出しそれに後悔していない主人公に心地よさを感じる。
    ものすごく面白かったと私の中で高評価というわけではないが、主人公の此処が嫌だとかそのシーンは蛇足に過ぎるなどの嫌な点のない綺麗にまとまったストーリーで気持ちよく読み終えられた。

    映画化と言うことで目に留まった。
    映像にしたら面白いんじゃないか。

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