All You Need Is Kill (スーパーダッシュ文庫)
- 集英社 (2004年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086302197
作品紹介・あらすじ
「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死-死すら日常になる毎日。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する…。期待の新鋭が放つ、切なく不思議なSFアクション。はたして、絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することはできるのか。
感想・レビュー・書評
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トム・クルーズ主演の映画を見て原作が日本の作家と知り、興味を持ち買ってみた。基本的なループのアイデアは同じだが、映画とは登場人物の描き方が違う。映画では主人公も相手役の女戦士もいかにも大人の戦士という感じだったが、小説はライトノベルのテイストで、いわゆるboy meets girlだといっていいだろう。映画も小説もどちらも文句なしに面白い。表紙の主人公がかっこいいぜ。
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やっと原作読みました。
先に映画を観てしまったので読みたくて仕方がなかったんですが集英社スーパーダッシュ文庫と言うマイナーな書籍である為普通の図書館には置いてないんです。
(大阪市立図書館が普通ではない、と言ってるんじゃないですが)
いや~期待に違わず面白かった!主人公は初年兵だから若い。凄く若い。だからトムクルーズの年齢に併せて随分話を変えたのね。
戦場の牝犬リタはそのまま、だけど外見を随分変えている。ドジッこメガネちゃんのオタク技術者はおっさんに変えられてる。何よりループは終わらないのね、原作では。
出撃前夜と初出撃の2日を繰り返す度に強くなる、というのはRPゲームの要領と書くあとがきは面白い。
小説ではなんと158回目のループでリタに気付き159回目でやっと共同戦線を張り160回目が最終決戦となる。
割とあっさりクライマックスに雪崩れ込む。最後の戦いは凄いけど、ループが消滅してからもひとつクライマックスが有った映画版も中々。
哀しい余韻を残す本作と、トムクルーズの飛び切りの笑顔で終わる映画とどっちがいいかな?
どちらもお勧め!!のタイムループSFの傑作でした。 -
疾走感ある作品だと思った。
死に戻りというダレがちな内容をここまで簡潔に、分かりやすく書いていて凄いと思った。
合間合間で出てくるスラングがなぜだか気持ちよかった。気づいたら自分まで心の中で(クソッたれ)って口ずさんでいた気がする。
主人公の幾度にも及ぶ死に戻り、そしてそこにおける努力に賞賛の拍手を送りたい。フェレウ軍曹。好きです。
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トム・クルーズ主演にてハリウッド映画化!という帯に惹かれて購入。ライトノベルとしての出版であるようだが、SF的にも充分鑑賞に堪え得る内容であった。
タイムループをテーマとし、同じ時を何度も繰り返す新兵が主人公。異星人との戦闘において彼は何度も戦死する。ある時は爆発で身体が四散し、ある時はどてっ腹に銃弾が貫通し、ある時は首が吹っ飛ばされる。この無限の地獄を脱出しようと彼は何度も繰り返す。30時間前にループする時間を有効活用し己を鍛え、有効な武器を見繕う。
やがて159回のループを繰り返し、彼は仲間と出会うことになる。
無限ループをいかにして脱出するのか?という結末への期待は予想外の答えが用意されていて、ほろ苦く切ない。異星人との戦闘において、敵は「ギタイ」と呼ばれていて生物兵器という範疇におそらく入るのだろう、と理解した。こちら側は「ジャケット兵」なる陸戦兵士が主たる戦力であり、いわゆるパワードスーツを装着した歩兵だろう。解説にはイラストが描かれていてパワードスーツのイメージ通りだった。この組み合わせの絵柄がハリウッド的VFXになると迫力あるんだろう、とは容易に想像できた。
結末のほろ苦感をどう料理してくれるのだろか?映画も見てみようと思う。 -
映画化されると聞いて電子書籍で購入しました。
時間がループする、というのはアニメとかで見たことありますが、そのループをどう利用するのか…そこまで考えたことがなかったのでこれは新鮮でした。
メインとなる登場人物が意外に少なくてこれはあっさり読めます。内容はあっさりしていませんが…。 -
“敵弾が体を貫いた瞬間,出撃前日の戻っていた.…死すら日常の毎日の中,ループが158回目で1人の女性と再会する" というあらすじの通り,ループものSFアクション.ループものによくあるダルさは一切なく,特にループ脱出の糸口を掴んでからの展開が巧み.世界観の説明やメカの解説が,ストーリーを進める上での必要最低限に収まっているというのもあり,比較的重い内容の割にはサクサク読める.マニアックなアーミー系スラングが世界観に不思議とマッチしていた.
個人的には,ハリウッドからのオファー云々という宣伝は逆にうさんくさく感じてしまうが,そんなの気にせず勧められるがままに読んで正解だった. -
このプロットで神林長平がトリビュート返しとしてリライトすれば化ける気がする。
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ハリウッドで映画化されると聞いて、どんなすごい作品かと思ったが、ただのライトノベルじゃないか、それも出来の悪い部類に入るのじゃないかな。SFとしてもそれほど目新しい物でもないし、どうしてハリウッドの目に止まったのだろうか、ただ中身がスカスカのあらすじだけのようなストーリーということで、これなら脚色し放題と言うことだろうか。とりあえず映画の方を期待しよう。
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東浩紀の「動物化するポストモダン2」で取り上げられていたライトノベル。
同じ時間をループするお話。
ループしている人物が2人いたとして、次のループで出会った相手は、前回のループで出会った相手の続きなのだろうか。
そして一人が脱出してしまえば、残りの一人はどうなるのでしょうか。
ひぐらしのなく頃に然り、東浩紀の言うように、その辺りのルール設定そのものがこの物語のテーマなのだと思う。