鎌倉香房メモリーズ (集英社オレンジ文庫)

著者 :
制作 : げみ 
  • 集英社
3.76
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本棚登録 : 519
レビュー : 66
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800075

作品紹介・あらすじ

人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ香乃は、祖母が営む香り専門店『花月香房』に暮らしている。鎌倉を舞台に、あの日の匂いと、想いも……よみがえる。ほっこりあったか香りミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 「香り」で謎解き、というのが面白い。
    鎌倉を舞台に、香りに鋭敏な少女が身近な謎に関わっていくシリーズ、1作目です。

    高校生の咲楽香乃は、香り専門店『花月香房』の店主の孫で、土日は店にも出ています。
    香乃には、香りで人の感情を感じとる不思議な能力があるのですが、そのためにいろいろあって親元を離れ、祖母と暮らしていました。
    大学生の雪弥は、土日はバイトに来ている大学生。
    二人は子供の頃からの付き合いで、香乃の想いは伝えられないまま、静かに時を育んでいます。

    店に来た人のために尽力していると、特殊な能力を生かすことが出来る場合もあります。
    感情がわかるだけで、すべてが見えるわけではないのですが。
    そんな香乃をいつもサポートしてくれるのが雪弥。
    とても優しく完璧に見える雪弥さんですが、他所ではおそらく違う‥?
    事件に巻き込まれるうちに少しずつ、いろいろな面が明らかに。
    それもこれも、じわじわとこそばゆ~く進む可愛らしい恋のひとつの段階でしょうか(笑)

    内気でおっとりして見える香乃ですが、意外に強い発言をして周りを驚かせることも。
    それは内心、葛藤があって当たり前ですかね。

    鎌倉の風物がしっとりしていて、いい雰囲気です。
    登場する大人たちも個性があって、全体はほんわかしたトーンのこの世界の厚みになっています。
    ちょっとお茶目だったり、口が悪かったり、意地っ張りだったり、人間臭くいきいきと描かれているので、面白く読めました☆

  • 人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ
    高校二年生の咲楽香乃。

    香乃?....香乃ちゃん...? あら...??

    少し前に読み始めた
    「下鴨アンティーク」でも主人公は華乃ちゃんだったのではなかったかしら。
    しかも確か高校三年生だった。そして和の世界(着物)が背景にあって...

    出版社も同じで舞台こそ、京都(下鴨)と鎌倉とで違ってはいるけれど
    あちらは着物、こちらはお香と和の世界観が背景にあることでも類似しています。
    もう一つあげればおばあちゃんが関わっているというところも同じでした。

    これでは混同してしまいそう...
    読む時期を間違えてしまったかな....

    少しばかり戸惑ってしまいましたけれど
    似たり同じだったりする名前の人と知り合うことはよくあること。
    趣味や境遇がよく似た人にも出会うことはある。というなら
    せっかくの出会いですから、こっちのかのちゃん、あっちのかのちゃん
    (どちらがあっちでこっちなのかはわかりませんが...笑)
    どちらも一緒に楽しませて頂きましょう。
    混同しないように精々心がけて。^^

    丁寧な言葉遣いをする香乃ちゃんに好感が持てます。
    4つの短編連作のうち特によかったのは
    ・第一話 あの日からの恋文
    ・第四話 香り高き友情は

  • 両親も妹もいるのに、何故に祖母と暮らしているのか。
    雪弥さんがアルバイトをするようになったきっかけは・・・
    そういう背景を感じながら、香りにまつわる
    優しいミステリーと静かに育まれる恋に
    色んな感情の揺れを感じます。
    静かに時を重ねるように育っていく恋って いいわぁ~

  • 香りの専門店「花月香房」。
    店主の孫娘である香乃とアルバイト・雪弥を中心とした心温まるストーリー。
    人の心の動きを香りで感じ取る特異な力を持つ香乃と雪弥のやり取りとか関係性がすごく好きです。あと雪弥とアサトの会話の応酬。ポンポンとやり取りしてるところが楽しかった。
    話も温かくて、よかったなーと思えるものばかり。続き出て欲しいな

  • 彼と彼女の雰囲気が非常にいいです

    内容は全部で4話の構成になっていますが
    どれもドロドロとした展開はなく、心暖まるお話ばかりでした。

    続編希望です。

  • 鎌倉で香道工房が舞台だったので、興味を惹かれて手に取りました。
    その人が発する香りで、その人の感情をわかってしまう女子高生と、工房を手伝う男子大学生のコンビで、謎や事件を解決していく。読んでいて、面白く、二人の今後もとても気になります。
    二人が抱えるコンプレックスも、今後、上手く解決していくのかな。

  • 集英社オレンジ文庫2冊目読了。

    おそらくはもっと若い世代を対象とした恋愛小説がメインの文庫なのだと思いますが、1冊目に読んだ「下鴨アンティーク」と同じく、私が大好きな、日本の風土と暮らしの中からしか生まれ得ないものの美しさを知る人の知性と、そのかけがえのない美しさへの敬意がふくよかに薫る作品でした。

    私が愛読しているタレーランやビブリアと似てしまうのはある意味当然で、口さがない方に言わせれば、類型的な作品群ということになるのかもしれません。

    でも、そこに描かれているものたちへの作者の愛着も敬意も本物だと思います。自己表現のための手段や設定、モチーフなどにとどまらない、それぞれのこだわりが私を惹きつけます。

    珈琲。古書。和服。お香。それぞれが背負う長い時間の重みや人間の営み、暮らし。その静かな美しさは、私のこれからの人生にも欠かせないことでしょう。

    繊細な者同士の心の触れ合いのかたわらにある、これらのものたちの気配を感じさせてくれることが、これらの類型的手法で描かれたなどと揶揄される小説たちを私が手放さない理由です。私はそれぞれの作品の、それぞれの香りを、私の日々のいろいろな時、場所、状況で楽しんでいます。類型的だなんて微塵も思いません。

    さて。

    この作品では、香乃が生まれながらに背負った異能に苦悩しながらも逃れようとはせず、寄り添い制御しながら成長してゆこうとする姿勢に感銘を受けました。

    いつの日か私も、自分の着衣に香をたきしめてから外出するという高雅な人になりたいですね。

    これもまたシリーズとして続く楽しみを予感しています。もっと香道についても深めてもらえれば、なおうれしいです。

  • 鎌倉の香坊の孫娘、香乃。高2なのに中学生と見られるほど小柄。だが人の心を嗅ぎとる能力があり、そのために悩んでいた。バイトの雪弥と二人で色々な問題に巻き込まれていく。気弱だけど頑固な主人公。少女漫画みたいなお話です。

  • 感情が香りでわかるという能力はそれほど違和感ない。それで人助けができるならいいじゃないか。高校生と大学生の設定が合ってるような合ってないような…。高橋くんのおかげで和む。

  • 花月香房で祖母と暮らす高校生 咲楽香乃は物心ついたころから人の感情を香りとして感じられる特殊な体質を持ち、これが原因で過去に幾度か問題を起こしてしまったことから人に深く関わることを避ける性格となってしまった少女。 その一方で大学生 雪弥はそんな香乃に救われた過去を持ち、それをきっかけに香房でバイトをすることになった。また雪弥に淡い恋心を持つ香乃だが、当の本人にはうまく伝えられず、日々やきもきしながら生活している。
    これはそんな二人と周囲の人々が織り成す香りが鍵となるミステリー。
    香房を訪ねてくるのはちょっとした悩みや問題を抱える人々でそれらに関わる香りが解決の糸口となる。
     この作品は香について詳しく書かれており、香とはどういうものなのか少しは分かった。またそれぞれの登場人物の個性がしっかりしていて感情移入しながら読むことができた。特に三春おばあちゃんは性格が明るくお茶目なところがある一方でしっかりとした考えを持っているところが気に入った。個人的には香乃と雪弥の関係はどのように進展するのか気になるので次も早く読みたいと思う。

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