螺旋時空のラビリンス (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 280
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800099

作品紹介・あらすじ

時間遡行機“アリスの鏡"が実用化された近未来。過去から美術品を盗み出す泥棒のルフは至宝・インペリアルイースターエッグを盗み19世紀パリに逃亡した幼馴染のフォースを連れ戻す任務を負うが…!?

感想・レビュー・書評

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  • 続きがとても気になり、あっという間に読んでしまった!
    時間遡行かつタイムリープもの。19世紀の派遣先から現代に帰ろうとしない逃亡(ロスト)した同僚の理由と、主人公達が所属している会社の裏側の実態が時を繰り返す内に分かってくる。次に主人公はどうするのか、二人はどうなるのか、次の展開が読めず、没頭して読了することができた。
    久々に読んで満足する本に出会えた。

  • 切なくてかなしくて最後にはあたたかな気持ちになれるお話でした。

    二人の人生に幸多からんことを。
    ルフは一途で強くて悲しいまでに愛していて。
    フォースはどこまでも強い人。

  • 超面白かったー!!

    舞台は、時間遡行機「アリスの鏡」が発明された、近未来のフランス。主人公ルフは、インペリアルエッグを盗んでロストした友人、フォースを連れ戻すため、19世紀のフランスへやってくる。彼女はそこで「椿姫」を名乗っていた。

    とにかく設定が緻密で、ループを繰り返す中盤~ぐいぐい読ませられました。こことここが繋がっていたのか!とわかる楽しさよ……。とにかくすげえ、としか言えないのがもどかしい。

    惜しむらくは、少女向けレーベルから出版するには、ちょっと難しいのでは、ってことかなあ。序盤乗り切っちゃえばもんのすごく楽しいんだけど。
    あと、脱字多い。(これは個人的な責任ではないかなー……)

    けど、久々に次の作品も絶対チェックしたい新人さん!
    頑張ってほしいです!

  • ハヤカワと創元、ライトノベルレーベル以外で、タイムリープものが読めるのは嬉しい。世界大戦により荒れ果てた未来において時間遡行会社で泥棒として働く主人公が、盗んだ宝石を持ったまま19世紀フランスで「椿姫」として過ごす同僚から宝石を奪い返すために、同じ時代に時間遡行する話。大戦後である荒れ果てたフランスも物珍しく興味深い。メインの舞台である椿姫の存在する時代も、細かい時代考証はないが、舞台として魅力的。謎が徐々に明かされていくのもいい感じ。作者の次作にも期待。

  • まさに絡み合った螺旋がほどけていくような、複雑に入り組んだ迷路を解いていくような面白さ、ジーザスだわ。一大長編ロマンス映画を見ているような気分。ここまで物語に入り込んでしまった小説は久しぶりです。何度も読み返したくなりますね。この作品に出会えたことを誇りに思うよ。

  • タイムワープもの。
    清原さんが表紙だから買ってみたけど、なかなか面白かった。
    タイムワープものだけど、設定は複雑すぎず、ラブストーリーっぽさも入っていて、読みやすかった。
    主人公のルフが、タイムワープするたびに記憶を取り戻していって、会社の正体、フォースの本当の目的が明らかになって、会社のために働いてたのが、いつからか不治の病にかかったフォースを死なせないために行動するようになっていったところとか。
    たくさんの記憶を失ったけど、体がフォースと過ごした日々を覚えていて、最後の病院で二人がお互いのことを思い出すところは、素敵だなと思った。

  • 歴史物の要素もある時間SFだけれど、それ以前に、核戦争後の荒廃したヨーロッパで、タイムマシンを使って過去から美術品を窃盗してくることを強要される元浮浪児たちという設定がまず魅力的。19世紀のパリへ逃れた元のタイム・スィーフが椿姫になっているというのも面白いし、彼女の行動の理由にも意外感がある。ただ、終盤の展開はかなりグダる。逆襲の手段にもう一ひねりが欲しいところ。それでもラストの甘やかさが、全てを補って余りある。

  • ファンタジーっぽい美しい表紙からはなかなか想像つかないような、タイムループ物のがっつりSFミステリ。
    主人公が泥棒という設定も珍しく面白いです。
    後半にかけて盛り上がっていき、真相まで読むと、ルフとフォースの信頼関係と、ほんのりした恋愛色にきゅんとします。

    それにしても、未来にもブラック企業があるって考えるとそれが一番怖い気も……。

  • 筆者のデビュー作

    ガッツリSF

    タイムトラベラーのぐるぐる回るお話

    どう解決させるんだろーと思ってたら
    納得の結末。

    初々しいしさと、気合いが感じられる一冊でした

  • 繰り返しのタイムリープものでよくありそうではあるが、「泥棒」という設定は新しかった。後半になるにつれて面白くなっていった感じ。最後はいい話だなーという終わり方でスッキリした。

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著者プロフィール

9月24日生まれ。神奈川県出身。『時泥棒と椿姫の夢』で2014年度ロマン賞を受賞。受賞作を改題・加筆改稿した『螺旋時空のラビリンス』で文庫デビュー。

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