お坊さんとお茶を 2 孤月寺茶寮ふたりの世界 (集英社オレンジ文庫)
- 集英社 (2015年8月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086800327
作品紹介・あらすじ
クールな美形僧侶・空円と水商売系の僧侶・覚悟の営む孤月寺に転がり込んだ三久は、見習いをしつつ「寺カフェ」を流行らせたいと目論む。一方、墓地に挙動不審な男性が現れ……坊主トリオが贈る下町人情譚!
感想・レビュー・書評
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なかなかお坊さんとお茶をにならない(笑)空円さんの過去が気になります。
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だんだん空円さんの話がググッとしみいるようになってきたよう~!!
禅の道になんて入れないけれど、そこに救われる何かはあるのかもしれない…。
三久がわかりやすくバタバタするのは可愛いんだか何なんだか…(笑)、でも、空円と覚悟の関係は
「一歩間違ってたら」
っていう危うさがあるね。
(BL方面ではなく)
もしかして三久が孤月寺に来ないままやったら、空円と覚悟は他人同士のままやったのかもしれへん。
どちらも大人やし、頭がいいので、表立ってぶつかることはないやろうけど、ぶつかるのを避ける利口さが、逆に距離をどんどん広くするのかもしれへん。
そういう関係性って昔はわからへんかったけど、年を取るにつれ、わかってくるよね。
憎いわけでもなく、避けるわけでもないはずやのに、気づけばすごい遠いところにおるねん。
もしかして、「嫌い」な相手のほうが目に付く分距離は近いかもしれへん。
近い距離におったら、解ける誤解もあるのかもしれへんくても、遠く離れたままやと誤解すら生まれないという寒さ。
そこに、三久という存在が、空円と覚悟の距離をグッと縮めたのかもしれへん、と、思うと、なんやろうなあ。
やっぱり、人と人のつながりって、何かがうまくできるとか、何かに秀でているとか、誰かにとって益があるとか支えになるとか、そういう理由なんていらないのかもなあ。
そんなふうに、誰かとのつながりに名前をつけるためにはきっかけが必要やもんね。
ほんで、きっかけを作るのが、そういえば一番難しいかもしれへん。
三久だってべつに何かのきっかけを生もうとして行き倒れたわけではないやろうから、ここに、運命とか、縁を感じるな。
縁か。今、一番好きな言葉かもしれへん。
もっと寺カフェな話なのかと思ってたけど、2冊読んでも寺カフェができあがりそうな気配はない。
(むしろ、寺カフェを作ろうと思う気配すらない)
でも、いい。
この雰囲気が、いい。
ほかに何もないから、隣の人をじっと見るのかもしれへんな。
隣の人をじっと見て、自分の足元をじっと見て。
遠くばかり見るまえに、まずそこに、求めている答えはあるのかもしれない。
私もいい加減、そんな生き方をしなければー。@41才
図書館に購買リクエストをかけたからアレやけど、きれいな新刊の文庫本でした…。
ありがとう…。
続編が出たらもちろん購入してほしいし(次作もすでにリクエスト済みで、手元にあります。ありがとう)、この調子でオレンジ文庫の蔵書も増やしてほしい…。 -
揚げをお供えする話が出面白かった。
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モテている空円に動揺し、提案を叱られ冷たいと言ってしまい悄気返り、覚悟にどうしたと訊かれ、果ては告白。成人男性とは思えない風だけれど慣れれば初期マリみてのような魅力。真っ直ぐな憧れの好意と影響し合う様子。三久の言葉に実は揺さぶられている空円の掌編が特に胸苦しくて然り気無い覚悟と空円の関係も良かった。
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空円さん理想だわ。現実にはいないだろうなあ。
三久との絡みが可笑しくほのぼの。 -
お墓になぜか揚げを備える老人に、郵便局の女性の話。
最後は唯一の金銭を稼ぐ人の視点の連続短編。
いい方向にぼけて良かった、とは思いますが
周囲からみていたからこそ、の話。
いなくなって焦るのも、文句を言いたくなるのも家族です。
たとえそれが、分かってもらえなくても…。
次の話は次の話で…勘違い男、と言えばいいのか
ばれずに済むと思っているのか、と突っ込みたいです。
そもそも、自分がばれそうな状態の相手に手をつけるのも
煽ってしまってる自分に気がつかないのもどうかと。 -
【最終レビュー】
予約著書・図書館貸出―シリーズ・第2弾―
*16.6既読
〈第1弾『お坊さんとお茶を 孤月寺茶寮はじめての客』最終レビューアーカイブ〉
http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/
内容の中に書かれていた
〈孤独=寂しいとは限らない。人に囲まれていれば、寂しくないというものでもない〉
私自身の目線から見れば、これを土台にしながら、日常から見え隠れする
〈どこにでもある『ささやかなゴタゴタなエピソード』〉を通して
一旦、立ち止まった時
〈ふっと、何かを感じ取り、自分の新たな『糧』となる『キッカケ』〉
寺院の人達が何かと手をさしのべつつ、また、一歩を踏み出し、元の日常に戻っていく。
そんな『ヒント』だったり
ちょうど、お盆の時期にあたるタイミングで行われる
『未知だったある行事にまつわる「いわれ」』
『その史実だったり伝説だったり…』
と、やや気難しい部分もありつつ、シンプルに分かりやすく丁寧にまとめてたので、今回のシリーズ、この点でとても身近に感じられました。
+空円和尚からの
〈鞭でバシッと!叩かれる響き〉が込められた
《『喝!』とも言える『締まった禅の日常茶飯事にも通じる「お言葉」』》
『本当ごもっとも!』でした。
常々、私自身も懐に持たないといけない
著書の中での
『メッセージ』しかと、受け取りました。
この続きの最新シリーズは、あいにく図書館にはないので、また後日、書店にてチェックをいれたいと思います。 -
自分の利益(安心や満足感)を得るためであり、人のために動ける三久は自他利行を地で行っているんじゃないかと気がついた。自他利行は白隠禅の言葉。
禅寺が舞台なので作者がこっそり設定に潜ませたのかな? だとしたら面白いですね。
ライトノベルといいうことを理解して読めば、トントンと進んでいくテンポの良さと、シリアスが長続きしない展開は手軽に読める作品としてちょっとした合間に読むのに適していると思う。重い作品を読み慣れている人には物足りないのは確実ですけどね。
今回は典型的な雨降って地固まるな巻でした。 -
サクッと読了。面白かった〜。
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空円の過去が気になる。