きょうの日はさようなら (集英社オレンジ文庫)

著者 :
制作 : 宮崎 夏次系 
  • 集英社
3.93
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本棚登録 : 250
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800587

作品紹介・あらすじ

明日子と双子の弟・日々人は、年の近い従姉がいて、彼女と一緒に暮らすことを父から知らされる。夏休みに面倒と思う二人だが、従姉の今日子は、長い眠りから覚めたばかりの、三十年前の女子高生で…?

感想・レビュー・書評

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  • 1995年から2023年まで冷凍睡眠していた女子高生・今日子が目覚め、同い年の兄弟である明日子と日々人と夏休みを過ごす。

    今から約10年後が舞台だというのに、2016年現在の流行語や言葉遣いが全面に出ているのが違和感がある。10年前と今でさえ言葉が違うんだから、10年後なんてもっと違っているに決まってるでしょう。「ドヤる」という言葉が生き延びたとしても、一過性の流行り言葉は廃れていると思う。技術が進歩したパラレルワールドな現在が舞台で良かったのに。

    1990年代のアナログ礼賛が鼻についた。主人公の今日子は目覚めたら2023年だったので当時のことを懐かしむのは分かるんだけど、どうにも文章からアナログ礼賛がにおってくる。インターネットで何でも情報を簡単に調べられること、流行りものは自然にできるものでなく誰かが仕掛け人となって作ったお祭りであること、電子書籍による漫画の流し読みなど、明日子があまり深く考えない一方、今日子は色々考察するので、ネットがある時代に学生をしていた者としては気分が悪い。年配の人の「昔は~~だった」という話を聞かされているみたい。

    今日子が巻き込まれた事件の新聞記事の実物を見つけ、真相が解き明かされてからは少し面白くなった。一夏の切なさを孕んでいる物語なのだが、どうにもピンとこなかった。時代の違いというノイズに惑わされて登場人物達の気持ちに寄り添えない。この物語を楽しめるのは1995年に女子高生だった人だと思う。

  • 2018年1月西宮図書館


  • 今日子は次いつ起きるんだろうとか
    何回これを繰り返すんだろうとか
    いつまで高校生をやるんだろうとか、思った

    次起きたらまた夏休み
    また発展した世界たちに驚いたりして、明日子も日々人もいくつかな 何かちょっと切ないよね

  •  今から何年か先の未来の話なのだが、今と世界があまり変わっていなくて、確かにスマホの登場以降それほど劇的な変化はもうないと見込んでのこの設定だったのかもしれない。ネットと携帯が改めて我々の世界を一変させていることを痛感した。30歳年上の同級生みたいな変な感覚で、その時間軸のずれが切なくて感動して涙出た。

     冷凍睡眠の女の子の家が一家心中するのだが、その理由が非常に無難で、どこにも悪意がないのが肩透かしだった。収まりがよすぎて出来すぎだ。

     主人公が双子の兄妹の女の子で、一応三人称で描かれているのだが、半一人称とでも言うほど彼女に寄り添った三人称だった。こんなのありなんだ、と思った。

     女の子がかつて好きだった同級生の男の子が主人公のエピローグ的な章がとても切なかった。過去を過去として心に抱きながらおじさんとして生きている未来みたいな、それに対して女の子は過去からダイレクトに未来にやってきてしまったみたいな、うまく言葉にできないけどそのギャップというか、無常みたいなこと。

     ジャンプの漫画やゲームなどタイトルは明記しないけど、なんとなく想像できるような表現となっていたのだが、それは権利的な配慮なのだろうか。タイトルを書いてもらった方がちゃんと思い描けていいと思うのだが、なじみのない世代はこのようにぼやかした表現の方がいいのだろうか。

     ちょうど夏休みの終わりに読んでよかった。

  • おそらくBL小説での方が著名な方だとは思うのですが、一般向け小説もなかなか読み応えのあるものを書かれるのですね。
    「おお~…」と唸らされました、SFあり青春あり。
    文体としてはあえてかもしれんが、ちょっとドライで突き放す語り口でしたね。

  • 高2の夏、明日子と日々人はそれまで知らなかった従姉・今日子の存在と、彼女を引き取ることを父から告げられ、戸惑う。しかも、今日子は30年前にコールドスリープに入って目覚めてしばらくたったところだと言う。
    ノストラダムスの大予言が騒がれていた時代に生きていた少女が、現代よりもさらに進んだ近未来に目覚めて、自分が生きる意味を必死で考える様が痛々しくなく、描かれている。 
    語り口は軽いのに、テーマは重い。読み進むうち、テーマはさらに深まっていく。

  • コールドスリープされていた、従姉妹を家で引き取ることになったところから始まるお話です。
    いろいろミニつまされるところもあり。

  • 2025年の夏休み。双子の明日子と日々人は
    年の近い従姉がいる事を父から知らされる。
    夏休みに面倒事が増えてうんざりした二人だったが
    従姉の今日子は長い眠りから眼覚めた
    30年前の女子高生だった…

    三浦しをんさんがお勧めしていたので
    読んでみたのですが面白かったです。
    やはりその世界にぽんと放り込まれたら
    割とあっさり順応するものなのかもしれないな、と
    思いました。

    物語は軽く、淡々と進みますが
    想像すると、ものすごく寂しくて悲しくて怖いんです。
    「明日がこなくて目が覚めたら30年後だったら」
    でもすごくサラッとしている。
    今日子がそういう風にしていたのもありますが
    今度こそ本当に誰一人として知っている人も
    いなくなっているかもしれない。
    だからこそ今日子の夢の声を聞いた時に涙が…
    こういう淡々としているけど余韻が残る話、好きです。

    ただ、気になるのは2025年なのに
    今の流行り言葉などが全面に
    出てしまっている事ですかね…

  • ちょっと前の朝日の書評で見て。1995年の女子高生と2025年の女子高生の比較がひとつのテーマになっている。SFで『夏への扉』をちょっと感じさせる一夏の物語。ちょうど、中学のクラス会があったところなので、40年前は中学生だった人たちと会ったところ。昔は携帯もなければネットもない時代の人たちがLINEを使っているところを目の当たりに見て、昔の高校生が急に現代に着たらやっぱりこの小説のようになるのかと。世代論、社会論を問いながら、SFにうまく仕立てていると思う。夏休みの読書用にもいいかな。

  • 先月(2016年7月)の朝日新聞の人生相談欄で三浦しをんがお勧めしていたSFラノベ。1995年の世相や流行の描写がアルアルで面白い。

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