きょうの日はさようなら (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 401
感想 : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800587

作品紹介・あらすじ

明日子と双子の弟・日々人は、年の近い従姉がいて、彼女と一緒に暮らすことを父から知らされる。夏休みに面倒と思う二人だが、従姉の今日子は、長い眠りから覚めたばかりの、三十年前の女子高生で…?

感想・レビュー・書評

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  • 『スモール・ワールズ』で知った作家一穂ミチさんの長編小説。
    フォロワーさんに教えていただきました。ありがとうございます。

    時は2025年。高校二年生の夏休み。
    明日子と双子の弟の日々人と父親が暮らす家にいとこの今日子が居候としてやってきます。
    実は彼女は冷凍睡眠から目覚めたばかりの三十年前の女子高生でした。
    家族は火事で全員亡くなり、ただ一人生き残ったのだと説明を受けますが…。

    三十年前(二十八年前)の高校生を彷彿とさせるアイテムがたくさん登場します。
    ポケベル、ソックタッチ、ガングロなどの言葉も飛び出してやっぱりあの頃の特徴といえば女子高生だな~と思いました。

    そして今日子は二十八年前ちょっと好きになりかけていた沖津くんという同級生がいました。
    明日子たちは沖津くんが今、何をしているか探し出してあげて、今日子は高校の制服姿で沖津くんの働いている姿を勤務先のデパートに見に行きます。だけどただそれだけです。

    そしてまた、明日子たちは今日子の家族が亡くなった理由が火事ではなく無理心中だったことを知ってしまいます。今日子の家系には無理心中を図るような重大な秘密がありました。

    一方沖津くんの方もセーラー服姿の今日子に気が付いて昔のことを懐かしく思い出します。だけどやっぱりただそれだけです。

    そして日々人は今日子に本気で恋をします。でも今日子はまた、未来へと旅立ってしまいます。
    ひと夏のちょっと不思議なキュンとする物語でしたが、たしかに堂上今日子はそこにいたのだと思いました。

    • おじょーさん
      早速読破されたんですね。長編という程の長さではないのですぐ読めたと思います。

      確かに「ただそれだけ」の話ですがじんわりと染みたんですよ...
      早速読破されたんですね。長編という程の長さではないのですぐ読めたと思います。

      確かに「ただそれだけ」の話ですがじんわりと染みたんですよ。1995年をリアルに感じる年代だからかもしれません。
      2021/07/15
    • まことさん
      おじょーさん。

      こちらにもコメントありがとうございます。
      一穂ミチさんのことが、少しわかった気がしました。
      ありがとうございます!...
      おじょーさん。

      こちらにもコメントありがとうございます。
      一穂ミチさんのことが、少しわかった気がしました。
      ありがとうございます!
      直木賞発表いよいよですね。
      楽しみです。
      2021/07/15
    • まことさん
      おじょーさん。
      勘違いしていました。
      直木賞は、もう発表されていたんですね。
      残念でした。次回に期待です。
      おじょーさん。
      勘違いしていました。
      直木賞は、もう発表されていたんですね。
      残念でした。次回に期待です。
      2021/07/15
  • 薦められたのはBL作品だったけど目に止まったのでこちらを。2025年の夏休み。明日子と日々人の元に突然父が姉の子の今日子を連れて来た。なんと彼女は30年間の冷凍冬眠から目覚めたばかりの同世代の女子高生。現代に戸惑いながらも意外とすんなり馴染む今日子。漫画やゲーム等の世代のギャップの話題がコミカルだがちょっと叙情的。30年前=1995年に高校生前後の今日子と同世代なら色々刺さると思う。彼女が軸になって明日子家族のわだかまりが解かれていく展開はしみじみいい。その分後半冷凍冬眠に纏わるSFな秘密が明かされてからの展開はそれしかないと納得しても胸に来る。最後まで読むとタイトルの前後にある歌詞を思い浮かべて泣けてきたよ…

    • まことさん
      おじょーさん。こんにちは!

      先日はありがとうございました。
      おかげ様で読了しました。
      「きょうの日はさようなら」の歌詞!
      凄いと...
      おじょーさん。こんにちは!

      先日はありがとうございました。
      おかげ様で読了しました。
      「きょうの日はさようなら」の歌詞!
      凄いところに気がつかれましたね!!
      確かに淋しいですね。この物語のテーマとして考えると特に!
      2021/07/13
    • おじょーさん
      まことさん。こんばんは。
      早速読まれたそうで。レビューも拝見しました。
      そう、歌詞の前後を思うとさらに物悲しいんですよ。「また会う日まで...
      まことさん。こんばんは。
      早速読まれたそうで。レビューも拝見しました。
      そう、歌詞の前後を思うとさらに物悲しいんですよ。「また会う日まで」が何時になるのかと思うと。
      2021/07/15
  • 30年間コールドスリープをして2025年に目覚めた少女と、従兄(双子姉弟)との心の交流の物語です。
    なかなかにミステリアスで、かつ昭和生まれの感性を刺激するゲームや音楽や漫画が大盤振る舞いで、想像以上に楽しんで読みました。
    直接的な名称は出ませんが、あれかなこれかなと想像して非常に楽しかったです。コールドスリープした少女は僕の4歳下で、1995年といえばルーズソックスやアムラー全盛の頃で、まだポケベルの頃なのでいきなりスマホやストリーミング全盛の中に頬り込まれたとしたら、彼女以上に馴染めず戸惑うこと間違いなしです。
    そんな不安の描き方と、生まれた年代は違うけれど年齢の近い姉弟との交流の描き方もとても上手いと思いました。
    この間インタビューウィズヴァンパイアを映画で見ましたが、同じ時代を語り合う事が出来ない寂しさというのを同様に感じました。コールドスリープして未来を見てみたいという人沢山いると思いますが、僕はやはり同じ時代を生きて死んでいく方がいいなあ。

  •  17歳の夏休み、双子の明日子と日々人は、父から唐突にいとこ・今日子の存在を知らされ、居候として明日から一緒に暮らすことを告げられる。おさげ頭にセーラー服姿の今日子、実は彼女は火事で生き残り低温保存の“冬眠”から目覚めたばかりの30年前の女子高生だったーー。スマホ世代とポケベル世代。言葉や文化に戸惑いながらも明るく前向きに生きようとする普通の女子高生・今日子を、二人は少しずつと好きになっていく。しかし今日子の過去には、本人すらも知らないある悲しい秘密があった…。時代を超えた若者たちが心で通じ合う、不思議で切ないひと夏の奇跡の物語。
     
     気がついたら、作中の人物たちと一緒に笑って、心配して、泣いていた。登場人物たち全員が愛おしい。こんな気持ちにさせてくれる作品は久しくなかったなぁ。
     朝起きたら、自分以外は30歳としをとっていて、自分だけ取り残されていたらどう思うだろう。孤独、喪失、絶望…今日子の置かれた状況をリアルに考えてみると、明日子や日々人の存在にどれだけ今日子が救われたかを感じることができる。
     反対に、明日子と日々人の二人が今日子との出会いによって成長し変わっていく様子も鮮やかに描かれている。不仲だった父親と和解していく場面では、スーパーファミコンが憎い役割を果たす。便利になりすぎた現代社会を客観的に見つめる今日子の言葉は、スマホ世代の二人に心に変化をもたらす。
     若者が成長する姿って、どうしてこんなに美しく輝いているのだろう。未熟さを隠すように膨張した自意識の殻が、一枚一枚剥がされ成熟へと向かっていく。一穂ミチさんはその過程を、なんとも鮮やかに切ない色のスポットライトを当てながら描き出す。

  • なるほど。
    そーゆー理由か。で、今日子はどうなるの?と思うけどタイトルもラストも含めて納得かも。

  • 商品説明(オレンジ文庫より)
    2025年7月。高校生の明日子と双子の弟・日々人は、いとこがいること、彼女と一緒に暮らすことを父から唐突に知らされる。ただでさえつまらない夏休み、面倒ごとが増えて二人ともうんざりだ。いとこの存在に、なんの楽しみも期待もない。退屈な日常はひたすら続いていく。けれど、彼女――今日子は、長い眠りから目覚めたばかりの、三十年前の女子高生だった…。

  • きょうの日はさようなら、また逢う日まで。

  • 学生時代の夏休みの無敵感と少しの切なさの予感、そこに30年の時を超えたSF(すこし不思議)が加わって、すごく面白かった。


  • 今日子は次いつ起きるんだろうとか
    何回これを繰り返すんだろうとか
    いつまで高校生をやるんだろうとか、思った

    次起きたらまた夏休み
    また発展した世界たちに驚いたりして、明日子も日々人もいくつかな 何かちょっと切ないよね

  • 1995年から2023年まで冷凍睡眠していた女子高生・今日子が目覚め、同い年の兄弟である明日子と日々人と夏休みを過ごす。

    今から約10年後が舞台だというのに、2016年現在の流行語や言葉遣いが全面に出ているのが違和感がある。10年前と今でさえ言葉が違うんだから、10年後なんてもっと違っているに決まってるでしょう。「ドヤる」という言葉が生き延びたとしても、一過性の流行り言葉は廃れていると思う。技術が進歩したパラレルワールドな現在が舞台で良かったのに。

    1990年代のアナログ礼賛が鼻についた。主人公の今日子は目覚めたら2023年だったので当時のことを懐かしむのは分かるんだけど、どうにも文章からアナログ礼賛がにおってくる。インターネットで何でも情報を簡単に調べられること、流行りものは自然にできるものでなく誰かが仕掛け人となって作ったお祭りであること、電子書籍による漫画の流し読みなど、明日子があまり深く考えない一方、今日子は色々考察するので、ネットがある時代に学生をしていた者としては気分が悪い。年配の人の「昔は~~だった」という話を聞かされているみたい。

    今日子が巻き込まれた事件の新聞記事の実物を見つけ、真相が解き明かされてからは少し面白くなった。一夏の切なさを孕んでいる物語なのだが、どうにもピンとこなかった。時代の違いというノイズに惑わされて登場人物達の気持ちに寄り添えない。この物語を楽しめるのは1995年に女子高生だった人だと思う。

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著者プロフィール

BLを主題とした作品を多数発表。2008年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。劇場版アニメ化もされ話題の『イエスかノーか半分か』。2021年『スモールワールズ』に収録されている「ピクニック」が第74回日本推理作家協会賞短編部門候補作品、『スモールワールズ』で第165回直木賞候補になる。

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